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2024-10-22

anond:20241022205339

(追記あり) 日本TRPG界にリプレイ文化を定着させた初期三大リプレイ


1.トラベラーアドベンチャーする(TACTICS 1984年11月号 No.18創刊3周年記念特大号掲載

当時、S誌(シミュレイター)と共に日本ボードSLG界を牽引していたT誌に掲載されたリプレイトラベラー特集の目玉企画。著者はGURPSなど多数の作品を翻訳することになる佐脇洋平リプレイと聞いて連想する今の型式が普及する契機となった。このとき安田均が「違う型式でいこう」と考えてたら、多分リプレイ文化は成立してないか大分変わってた。

2.七つの祭壇(シミュレイター(新)第1号(1985年6月20日発行)掲載

そのS誌に掲載されたローズ・トゥ・ロードリプレイWikipedia曰く『ゲームの解説記事である以上に「読み物」として書かれた初めてのリプレイである。著者はわきあかつぐみ(藤浪智之)。実際の誌面を見ると一目瞭然だが、かなり独特な型式で、これに創刊号(再創刊号)でいきなり15ページも与えた鈴木銀一郎恐るべしである記事自体の人気は爆発的に高く、反響も大きかったが、先述の通り、型式が独特だったので直接の模倣作はそんなに多くなかったはず(プレイ雰囲気というかノリは割と真似というか汚染されてたので、影響力が小さかったわけではない)。

3.ロードス島戦記コンプティーク1986年9月号~1987年4月号

既述の通り、日本ゲーム界では「このとき安田均が違う決断をしていたら歴史が変わっていた」タイミングがいくつかあるがその中でもかなり上位に入る。翻訳TRPG本命というべきD&Dを紹介するにあたり、安田均パートナーとして選んだのが、(専門性の高いボードゲーム誌でなく)大抵の本屋普通に買えるコンピューターゲーム雑誌角川書店だったこと、マスターに選んだのが水野良だったこと、結局そのままの単行本化ができなくてD&Dから離脱したこと、それまでの「エルフ耳」とは単に先が尖っているだけだったのに出渕裕の勘違いで笹の葉の如く細長くなったことなど、その影響は極めて大きい。

(以下追記

次点候補D&Dがよくわかる本: ダンジョンズ&ドラゴンズ入門の書 (富士見ドラゴンブック 7-2 1987年7月発行)

元増田ブコメb:id:f_d_trashboxさんの指摘により思い出した。名前の通りD&D入門書だが、リプレイパート存在しており読み物としても楽しめた。著者は鈴銀とともに初期から日本ボードSLG界を牽引していた黒田大佐こと黒田幸弘。それまではリプレイ雑誌掲載記事だったが((厳密に言えばリプレイ載った同人誌も登場しつつあったが雑誌より入手難易度は上))、これは誰でも買える一般書籍として登場したという点で画期と言える((ただし、TRPGとは複数人数で遊ぶものであり、会場を借りる文化が発達してない時代だと個人宅で遊ぶ物で、必然的自分で持ってない雑誌でもそこで読んだ、という人間は多く(筆者含む)、「雑誌掲載記事」という単語ハードル現代人が想像するほどには高くなかった))。


趣味で紹介.モンスターたちの交響曲(シンフォニー) (月刊ドラゴンマガジン1989年12月号~1990年2月号)

リプレイ文化と言うよりも日本TRPGシーンに与えた影響の大きさで選出。著者は山本弘元増田は『TRPGリプレイが多数書籍刊行されることにはならなかった可能性があるくらい、歴史上はとても重要作品』と言っているが、これは過大評価であり、当時すでに「雑誌リプレイを連載し、そのシステム販売し、さらリプレイ本や小説((ロードス島戦記1巻は1988年4月発行))や解説本も売る」が安田均戦略なのは少目端の利く人間なら理解していた((どんなに遅くとも、独自システムになったロードス島リプレイ第3部(コンプティーク1988年9月号~)を見てそう思わない奴はいねーよ、ぐらいの相場観))。

いわゆる「スチャラカ冒険隊」のリプレイ月刊ドラゴンマガジン1988年11月から連載が始まるが、このパートではそれまではただ退治するものだったはずのモンスターを違う視点で描き、当時の日本中の若者(筆者含む)に多大な影響を与えた。


黒歴史編.ランドオブニンジャ 飛鳥風雲録(月刊RPGマガジン1990年8月号(創刊4号)~ )

「初期」とタイトルに入れたので80年代の話だけにしようかと思ったが、影響の大きさ的に触れた方がいいかと思って言及。不幸な出来事警察庁広域重要事件117号(1988年1989年)と同様に「オタク迫害されている」との自己認識を強める契機となった。


余談編.暗黒太陽浮気娘(ハヤカワミステリアスプレス文庫10 1989年7月発行)

アメリカ探偵作家クラブ賞受賞の推理小説。著者はシャーリンマクラム。訳者浅羽莢子D&Dがよく分かる本を探しに行ったら本棚から出てきたので紹介。SF大会で起きた殺人事件を題材とするミステリSF大会オタク様相が描かれる。クライマックスではTRPGを使って犯人を追い詰めるので、小説形式リプレイしか見えない謎仕様。今気づいたけど、152ページに出ている架空書籍タイトルが「美女と野獣――マンチキンの国がとりもった結婚」とかで訳注は原義の「オズの魔法使いの国に登場する小人の国」としか書いてないけど、年代的にはジェフ・オカモトの方にひっかけた可能性が高いと思われる(余談が過ぎる)。

2007-05-06

コミュニケーションを積み重ねて動的に物語を生成する

手元にある「幻夢年代記」(著:安田均 '89.8ビジネスアスキー刊)によれば、仰るとおりクリスクロフォードデザインしたゲームで、タイトルは『Trust & Betrayal :The Legacy of Siboot』(MINDSCAPE)。同書で'88年の4月に紹介されてます。

anond:20070506173616

わー、ありがとうございます!

どうも昔から私は、複数の人とコミュニケーションをとることで物語が動的に生成されるゲームが好きで(そういえばTRPGなんかもそうだわ)、そういうものの根幹としてすごく印象に残ってたんですよね。このゲーム

ノエルとかガンパレとか、コンピュータゲームでもこういったゲームがときどき出てくるので、未来ゲームはそういうのがもう少しあればいいなあとか思う。

http://anond.hatelabo.jp/20070506171612

カキコの者ですが。

手元にある「幻夢年代記」(著:安田均 '89.8ビジネスアスキー刊)によれば、仰るとおりクリスクロフォードデザインしたゲームで、タイトルは『Trust & Betrayal :The Legacy of Siboot』(MINDSCAPE)。同書で'88年の4月に紹介されてます。

しかし、こんなマイナーゲームの話がいきなり通じるとは思わなかったので、ちょっと驚いている俺ガイル

感情を伝えてコミュニケーションするゲーム

そういえばPCゲーム黎明期の海外ゲーに、「異星人同士が植民惑星で会話したり交渉したりする」という設定のゲームがあったという安田均コラムを思い出した。

anond:20070506163133

このゲーム覚えてるよ。プレイしたことはないんだけど、すごくやりたいと思ったのを覚えてる。なんていうゲームだったかなあ。たしかMacプレイできてクリスクロフォードが開発してたような気がするんだけど、調べてみてもそれらしいものは見つけられず。誰か知らないかな?

http://anond.hatelabo.jp/20070506153522

そういえばPCゲーム黎明期の海外ゲーに、「異星人同士が植民惑星で会話したり交渉したりする」という設定のゲームがあったという安田均コラムを思い出した。

なんでそんなの思い出したかというと、そのゲームではキャラクターたちが全員(主人公プレイヤー担当。残りのプレイヤーは全てコンピューター担当)異星人同士だから言葉は通じない。で、「感情を伝える」テレパシーで会話するんだけど、確かいくつかのアイコン選択肢から選んで『会話』っぽいことをするさまを彼が妙にリアルに再現していて面白かったから。といっても単純なアドベンチャー想像して貰っては困るので、なぜならそのアイコンは70以上あるから。これを駆使して相手や周囲との人間関係を変化させていくというシュールな交渉ゲーム。たとえて言えば、「複数同時・関連調教」する調教育シュミレーションみたいな……あ、余計分かりませんか。ごめん。

 
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