2024-11-22

高学歴高知能の発達障害者に該当しない人でも、普通に働けている例はいくらでもある

そもそも発達障害の診断自体を受けずに無自覚に定年まで働いている人もめちゃくちゃいる

でも、そういう人たちの話をしても、きっと無限に働けない理由をあげてくるだけだよね?

(絵が上手くなりたい~https://anond.hatelabo.jp/20241121004956#話題の時とは真逆だよな?)

 

なので、発達障害があり、さらに広範囲知的な困難もある(通常学級への進学が難しいレベル)けれど、

一般企業正社員として働き、自立した生活ができる収入を得ている人や、パラアーティストとして生計を立てている人の話に話題を絞る

 

まず、支援アプローチには雑に大きく分けて二つの考え方がある

 

Aパターン

『この子は生涯誰かの支援必要からこそ、常に礼儀正しく、正直で、ルールを守れる人になってもらおう。

たとえ泣き叫んでも、決して譲らず、叱らず、生きていく上で必要なことは、たとえ嫌いなことでも、できないことでも、できるようになるまで訓練を続けよう。

将来、少しでも自由に外の世界で過ごせるように、人としての尊厳を持って生きられるように、必要な力を育てていこう』

 

Bパターン

『型にはめることよりも、子どもの楽しむ心、ゆっくりでも自ら成長する力を信じて、やりたいことを徹底的にサポートし、興味や才能を伸ばしていこう』

 

 

Aの有名な例は『トモニ療育センター』だよね

国立特別支援教育総合研究学校教育に期待すること

第一節 自閉症の人の早期養育-幼児期から学校教育への意見

https://www.nise.go.jp/josa/kankobutsu/pub_d/d-210/d-210_03_01.pdf

 

実際にAのアプローチ成功している例を紹介する

ある方は、発達障害特有の極端な手先の不器用さ(微細運動が困難)があり、中度の知的障害もあるにもかかわらず、現在16年間も正社員として働いている。時には朝9時から深夜0時近くまで働くこともある

 

通常の認知能力があれば、PCを使う仕事を選ぶことで手先の極端な不器用さの問題回避できるが、この方の場合知的障害もあるため、生活できる収入を得るにはどうしてもフィジカルワークをする必要があった。フィジカルワークでは常識的な手先の器用さは必須

 

そこで小さい頃から毎日欠かさず手先を使う訓練を続けたそう。運筆練習折り紙ビーズ編み、絵を描く、日記を書く、ピアノ(これは20年も続けたそうです)などなど

この気の遠くなる積み重ねによって、仕事必要な手先の器用さを獲得したわけだね

 

あと、発達障害によくある極端なこだわりやパターンを変えることへの強い抵抗感も、幼少期からの訓練で克服に取り組んだ

からこそ、突然の残業にも柔軟に対応でき、作業所ではなく一般企業正社員として働けているわけ

 

正社員として働いているおかげで、単なるお小遣いではなく、自分給料で電動自転車を買ったり、ゲーム機ソフトを購入したり、両親にプレゼントを贈ったり、好きなアニメ映画を観に行ったりと、自由尊厳ある生活を送れている

 

結局のところ、特別な困難があっても、極端に才能がなくても、時間コスト度外視で、真摯に積み重ねていけば、ある程度の水準には到達できる

これは絵の上達と同じで、要はやるかやらないか問題*1

 

から、通常学級に進学できる程度の能力がありながら、単にやりたくないことを "できない" と言い換えるのは、率直に言って誠実ではないし、単純に嘘つきだよね

正直に『やりたくないからやらない』『タイパ/コスパが合わないからやらない』と言うべきだ

 

範囲知的な困難がなく、一定以上の応用力がある人なら、自分が出来ること/出来ないことを見極め、自分に合う仕事試行錯誤で見つけるべき。それが社会人になるってこと

それがどうしても難しいなら最初から障害者向けの求人を探すのも一つの選択肢

これもやるかやらないかだけの問題*2

 

 

まぁ、何がなんでも『嘘なんかついてない!!通常学級に進学できるけど、知的特別問題はないけど、発達障害から働けないんだ!!』という主張でも別にいいよ?

それは一概に否定はできない

だって自分の本当のことは自分しかからないし、人それぞれに個性があるし、そういうケースもあるのだろう

 

なので、Bタイプ支援方法で素晴らしい成長を遂げたケースで特に印象的なケースを2つ紹介する

(具体的な団体名の記載はやめておく。パラアーティストについては検索すれば多くの事例が見つかるし、不得意なことへの向き合い方は団体やご両親の考え方それぞれなので)

 

1つ目は、発達障害と重度の知的障害があり、文字の読み書きが出来ない方のケース

この方は自分の興味に従って試行錯誤を重ね、驚くべき適応能力を身につけた

 

特筆すべきは、これらのスキルを誰かに強制された・教えられたわけではなく、自分で楽しみながら習得したこと

例えば、

 

まさに、人間の『ワクワクする力』が生み出した創意工夫だよね

 

 

2つ目は、発達障害と重度の知的障害があり、幼い頃からスピーチセラピーを受けている方のケース(この方の詳しい話は、はてなブログで見ることができる)

たくさんのことをして日々楽しんでいらっしゃる

 

こういった例を見ると、本当に人間可能性は無限大だなと感じるよね

 

 

結論として、もし『通常学級に進学できるけど、知的特別問題はないけど、発達障害から働けないんだ!!』という主張に嘘偽りがないのなら、

出来もしないこと(働く)を無理にしようとはせず(無理なものは無理)、自分がワクワクすることを見つけて、それを楽しみながらのんびり続けていくのがいいんじゃないの?

それが、どこかで仕事にいつか繋がるかもしれないし、べつに経済的自立を焦る必要性はない

 

 

 

*1もっとも、頑張れば絵が上手くなれる、気合いで絵が上手くなれるとか言ってる人たちに、才能がない場合にかけなければいけない膨大なコスト認識、やり抜く覚悟、どちらもあるとは思っていないけどね

 

*2 既に二次障害があってSADだったり鬱状態なら、気合いでどうにもならないので、専門家相談しよう

 

 

anond:20241122115642 anond:20241122123006

記事への反応 -
  • 発達障害で働いてるやつ高学歴高IQ多くない?低IQで働いてるの聞かないんだけど

    • そもそも発達障害の診断自体を受けずに無自覚に定年まで働いている人もめちゃくちゃいる でも、そういう人たちの話をしても、きっと無限に働けない理由をあげてくるだけだよね? (...

    • 周囲に高学歴も発達障害をカミングアウトしてる人もいないから、よくわからない。

    • 高学歴高IQは、発達障害の障害部分を知力でカバーできるから、どうにかなる。

    • 発達障害で働いてるやつ高学歴高IQ多くない?低IQで働いてるの聞かないんだけど 典型的なサンプリングバイアスだろうな。 発達障害かどうかに関わらず、そもそも低IQの人間が多く...

      • その事例しか知らないから他サンプルあるなら教えて欲しいだけなんですけど…………

        • 他のサンプルを教えて欲しいだけなのに 発達障害で働いてるやつ高学歴高IQ多くない? と訊くのは日本語としておかしいな。 もちろん低学歴発達障害で働いている人間は腐るほどいる...

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