2021-11-23

東大進振りのしくじり

私が進振りでしくじった時の経緯と反省を残しておく。

いろいろしくじってきたが、その後のことも考えると、人生で一番大きなしくじりだったと思う。

未来東大生進振りで悩んだ時に役に立ってくれると嬉しい。

進振り選択まで

東大では2年前期に、所属学科を決める進振りがある。

当初情報系での進学を考えていた。候補として、

検討していた。

コンピュータ人工知能に関心があったということが候補を選んだ理由だった。

当時、LinuxFirefoxなどのオープンソース活動に興味を持っていた。

また、脳科学認知科学人工知能など人間の知能に関する分野にも興味を持っていた。

進学先検討

理学部情報学科についてガイダンスを受けた際、

研究分野としてはOSコンパイラなどのコンピュータの基礎研究という印象を受け、

工学の方が自分の嗜好に近いと考えて工学部学科検討することにした。

工学部機械情報学科はロボティクスを中心とした情報を扱っていて、

ロボットハードウェアへの興味が低かったこから優先順位を下げた。

そして、

候補として考えた。

この2つの学科ではシステム工学を扱っていた。

当時、システム創成学科現在の精密工学科が合併しており、

機械系のカリキュラム研究も含まれていて、2つの学科が扱っている分野が共通していた。

違いとしては、システム情報工学では応用物理系の内容を中心に扱い、

知能社会システムでは機械から社会工学経済工学まで扱っているという違いがあった。

定理

そして、次の理由から知能社会システムコース候補として考えた。

私は教養学部での講義からゲーム理論シェリングの分居モデルなどの話題に触れ、

また、当時行動経済学経済への物理学の応用などの書籍を読み社会科学系にも興味を持っていた。

人工知能マルチエージェント進化計算などの複雑系にも興味を持っていた。

また、自分の関心がある講義が他学科にも分散していたこから

講義を取りやすいことも良いと考え、自立して科目を選択できると考えた。

また、製造業や電器メーカーの不調から従来の工学学科に進んでよいのかと悩んでいた。

できて数年の学科だということで新しいことができるのではないかと無根拠に考えていた。

そうして工学部システム創成学科知能社会システムコースに進むことにした。

進学先での失敗

そうして、システム創成学科知能社会システムコース(PSI)に進学したが、

思うようにはいかなかった。

講義

幅広い分野を扱いつつ、講義数が少ないということで全体的に内容が薄く、未消化気味だった。

また、講義間の関連性が薄く、体系的に学べることが少なかった。

などの工学の基礎となりうることは扱うのだが、基礎に留まっていた。

また、講義を受けてのレポートが中心で理工学の演習は少なかった。

工学部から機械電気ではなくても理数系を基礎として扱うのだろうと考えていたが、

予想とは違い少なかった。

統計理工系でも社会系でも重要ものからもっと力を入れて欲しいと思う。

実習

いわゆる工学部での実験のようなものではなく、

プロジェクトを進めるという形で行うものであった。

そのため、ディスカッションプレゼンテーションなどの機会があったが、

工学部での実験を求めている人には合わなかったと思う。

上記で述べた工学的な内容を実践する機会は少なかった。

同級生

幅広い分野を扱っているということもあり、学生層が広かった。

その分、興味が合いそうな同級生を見つけにくかった。

カリキュラムが少ない分、就職活動を頑張って学部外資などに就職しようという

学生も多かった。

全員が全員そうだということはなく、修士も進むことを考えている学生もいた。

学科聴講

学科聴講は思ったよりもできなかった。

受けたいと思った講義時間が被っていたり、前提知識が不足していたりして、受講が難しい場合があった。

学科での講義に関心が持てず、モチベーションが下がっていたということもあった。

進振り時点では自分モチベーション過大評価していた。

研究

研究室には学部3年後期に配属される。カリキュラムの少ない分をそこで補う想定らしい。

しかし、私が所属していた研究室では、学部就職する学生が多く、

大学から院生ポスドクが中心であまり教育が受けられなかった。

大学

システム創成は機械情報学科計数工学科と違い、情報理工学研究科ではない。

進振り時点ではそこまで差を考えていなかったが、講義の内容やPCなどの設備が違っていた。

大学院でより専門性を高めたいと考えて情報理工学研究科に進んだが、

実力の不足から、大した実績を上げることができなかった。

学部では幅広い内容を身に着けて、大学院で専門性を高めるということを考えていたが、

学部での専門性を補うことは十分に準備しないと難しかった。

他の研究室に進学するならば、その研究室と密に連絡を取って、院進学前から

必要勉強研究計画作成をしないと、講義就活研究必要時間が取れなくなる。

このようなことから大学院では成果を出せず、就職活動もあまりうまくいかなかった。

反省

初めての意思決定での失敗

振り返ると、それまでの人生で初めて大きな意思決定をする機会だったが、そのことを十分に認識できていなかった。

取捨選択するということができず、幅広いカリキュラムがあるということから選択肢がありそうな道を選んでしまった。

安易に考えず、具体的にメリットデメリットを書き出して、検討すべきだった。

それまでどれかができるということではなく、どれもできるようになろうとしてきたことがあり、

専門性を持つことから逃げてしまっていた。

立花隆さんの影響を受けていて、文理ともに学ぶことに憧れていたが、

その難しさを分かっていなかった。

意思決定をするために必要情報を集めて、裏を取るということができていなかった。

同級生サークルの先輩ともっと相談するべきだった。

まあ、サークル工学部の先輩がほぼいないという事情もあった。(普通工学部は忙しいからな。)

進振り後の2年後期の学生相談するのがよかっただろう。

もう少し聞けていれば、進学先を再検討していたと思う。

進むべきだった学科

自分が目指すような幅広い分野を学ぶということを行うのであれば、基礎を幅広く身に着けることを

念頭において進学先を選ぶべきであった。

そう考えると、情報学科計数工学科に進むことを考えるべきだったと思う。

理学部情報学科については小中高からプログラミングを扱っている人が多いと聞いていて気遅れしていた面もあった。

独学で学ぶようにはしていたが、学科に進学した方が教育同級生など成長できる機会は多かった。

学部情報系の基礎を身に着けて、大学院で応用に広げることも十分考えられたが、当時はその想定ができなかった。

あと、当時情報学科電子情報学科進振りの最低点(底点)が非常に低く、避けた方がよいかなと思っていたところもあった。

進振りで高い点のところを目指していたわけではないが、つい点数に左右されてしまった。

やりたかたこ

今の機械学習やディープラーニング自分が当初やりたかたことに非常に近かった。

大学院でそちらに進もうとしたが、実力不足から挫折してしまった。

情報学科計数工学科に進学していれば、その分野に進むチャンスが大きかったと思う。

教養学部時代自分がやりたいことについて、教授相談したり、一般書籍ではなく学会誌を読むなどしていれば、

進路を明確に決めて、進振りでの失敗も避けられたのではないかと思う。

進振りでは点が足りなくて進学できなくて失敗したという話を良く聞くが、

これは進学先の選択を誤ったという話である。その分、あの時選んでいればという後悔が大きい。

最期

システム創成について

システム創成について、自分の失敗から悪い面ばかり記載してしまった。

この文章システム創成の悪い面を書くことが目的ではなく、

私の進振りのしくじりを具体的に書くことで何か参考になればということで書いたものである

自由度が高い分、自分計画を立てて行動できる人にとっては良い面もあると思う。

私自身は進路・キャリアを良く決めないまま進学してしまったため、うまくいかなかった。

など学科の色がはっきりしてきて、その方面に目指す人にとっては良い学科と思う。

(カリキュラムはあまり変わっていないらしいという話も聞くが。)

進振りに失敗したと思っている学生

若い大学生がこれから失敗しないようにということで書いたが、

進振り失敗しても、人生の失敗だと思わず頑張って欲しい。

転科や降年して他学科に進む手段もある。

失敗したと思っても、将来どうなるかは分からない。

現に情報学科過去は非常に底点が低かったが、今は高騰している。

システム創成ではないが、大学院で他分野に進んで研究者として業績を上げている知り合いもいるので、

まり後悔せず、前を向いて進んで欲しい。

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