2021-04-01

あるソープ嬢の話

風俗業界をみればその社会の状況が分かると言われている。


ある女性、ここでは仮にSとしよう。

彼女について紹介したいと思う。


彼女東京近郊の一戸建て母親と妹の3人で住んでいる。

両親はともに未だ30代で、妹は中学生である


親の年齢から分かる通りいわゆるデキ婚である

想定外妊娠に二人とも悩んだ末、結婚しSを産んで育てようと決心したのである


小中と順調に成長したSだったが、

Sは高校イジメに遭い中退してしまう。

が、教育熱心な祖父の助言で通信制高校に入り、

そこで卒業資格を得てとりあえず大学へ進学したものの、

コロナ禍の下での学業は困難で授業について行けず休学してしまった。


両親はというと父親実家から受け継いだ資産株式トーレドと、

祖父からの援助で生活費を賄っていたのだが、

予想外の変動によりかなりの損失を被ってしまった。

株の損失がうまく挽回できない苛立ちから家庭内暴力をふるうようになり

母親はそれが原因でノイローゼになってしまった。

そのような状況から父親は自宅を離れ現在行方不明である


父親がいなくなったことで、母親ノイローゼ回復に向かっているのだが、

家の収入がぱったり途絶えたことで、経済的に苦境に立たされている状況である

父方、母方双方の祖父母もまだ若く現役なので母親生活支援を求めて何とか生活できていたのだが、

これまでの貯蓄を取り崩しても家のローンや教育費、その他にかかる費用を賄うことができなくなってしまった。

これが昨年12月の状況であった。


Sは通信高校に通っていた2年生の後半から秋葉原メイド喫茶アルバイトをしていたのだが、

コロナ禍での店の営業自粛が大きく影響し、給与が大幅に減ってしまった。

収入が途絶えて母親アルバイトを始めていたのだが、賄いきれず苦境に立っているのを見かねて、

Sは何とかしようと仕事を探すのだが、

体格が小柄であることでコンビニなどの物を動かす仕事は難しく、

また事務作業などは得意でなかったため、

稼げる仕事必要だと考え、高収入をアテにしてソープ嬢募集に応募した。

それまで、恋愛経験ほとんどなく、性交渉経験実質的には未経験だった。

未だ19歳と未成年で、処女なのにである


アルバイト先のメイド喫茶の客や関係者から風俗業のさまざまな話を聞いていたこから

ソープランド面接では未成年では親の承諾書などが求められる場合があるなど、

ハードルが高いことを知っていた彼女は予め集めた情報から

審査基準の甘いお店に当たりをつけて面接を受けたのだが、

彼女の小柄な体格を見た店長ディルドとローションを渡して、

トラブル予防のため」と前置きして、「それが入るなら雇えます」と言った。

実際、その時は入らなかったため、出直してくると言ってその時は帰ったのだった。


帰ってから彼女処女膜切開術を保険適用でしてくれる産婦人科を探して手術を受けた。

問診の際には保険適用を引き出すため「今度結婚するので」と言ったのだった。

診察した医師は「そもそも開口部が未発達に近い」とのことだった。

手術後1ヶ月待って再度ソープランド面接を受け、その時にはディルドを入れる事ができたので採用となった。


この頃には家の経済状態はかなり悪く、母親は親戚などから借金をしている有様だった。


さて、初勤務の前に、サービス内容の説明と講習があった。

講師女性で、ディルドを使ってほぼ実技に近い内容を講義したのだった。

ただ、未経験のSにとっては男性器を勃起させることが想像できず、

講師からは「口に含んで舌で刺激すれば良い」と教えられた。

だが、これは危険方法である

勃起前なので 、コンドーム未着用であり感染症リスクの高いものなのだ

(※ここ10年梅毒が増加傾向にあり感染経路としてインバウンド客が候補に挙げられている)


初日の客は5人だった。お店が正真正銘新人と案内したこともあり想定以上だったみたいである。

最初の1人目でも結構痛かったのだが、5人目では痛みで気を失いそうだった。

3人目の客が帰った後、店長からは「痛そうだし、今日はもう上がりにしませんか」と言われたが

日払いということもあり、その日は予定時間通りこなしたのだった。


帰る前、パンティーに付けたナプキンを見ると生理の時みたいに血が滲んでいた。

体へのダメージは予想以上だった。

鈍い痛みが下腹部で続き、歩く動作で歩幅を大きく取るとそれだけで痛いのだった。

「1日10万以上って難しいよ」ふと呟いたら、

先輩の嬢が「数こなしてたらそのうち稼げる様になるよ」と慰めなのだか励ましなのだかのセリフを言ってくれた。


身体がそんな状態なので連勤はせず、1週間ほど休むことにした。

初日の稼ぎは6万円だった。店長指名料が付く様に案内してくれたからだった。

家に帰って母親に渡すと、母親はハッとした様子で黙って受け取ったのだった。


Sには彼氏とは言えないまでも彼氏っぽい相手は居るのだった。

だが、「あの人が知ったら振られるだろうな」と心の中だけで思った。

から知られたくないし、知られるわけにはいかなかった。

なぜなら、いずれ結婚して子供を抱いている自分を夢見ているのだから


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最後までお読みくださりありがとうございます


これは実在の何人かの女性エピソードを組み合わせたフィクションです。

ですが、同じ様な境遇未成年でありながら、未経験でありながら、

ソープ嬢になってしま女性実在するのです。


ソープランドを利用される男性には、知っておいて欲しいのです。

Sのような女性が嬢であったら、どのように接してあげれば良いのかよく考えて欲しいのです。


全ての皆さんへ

20世紀後半の頃はSが夢見ている事は、普通少女のほんのささやかな夢でした。


前回の東京オリンピックの頃から大阪万博の頃、20世紀のあの頃に想像した

進歩した社会が実現されると多くの人が想っていた21世紀は実際にはどうでしょうか。


所得格差は拡大し、貧困となる人々は増える一方で、

首相が「生活保護がある」と言いながら、

実際の窓口では水際作戦と言われる

若い女性なら風俗で働けますよね」と言われてしまう。


こんな今の社会ブラック企業ならぬブラック社会ではないでしょうか。


なにを間違えてしまったのでしょうか。

なにが間違っているのでしょうか。

われわれはだまされているのではないでしょうか。


じっくり自分の目で見て、自分の頭でかんがえてみませんか。

  • それまで、恋愛経験もほとんどなく、性交渉の経験も実質的には未経験だった。 未だ19歳と未成年で、処女なのにである。

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