現状を整理する。
院進学時に大きく分野を変えて今の研究室に進学し、3年目の終わり。
博士課程後期にも差し掛かると、研究計画から論文化まで全て自分でできるものとして放任の指導がなされる。
自分の勉強不足および実力不足で修士から今に至るまで殆ど業績はない。
半ば信じられないだろうが、D1の現在で業績は国内の学会での発表1件のみ。
それも、去年学会が中止になったので要旨を出しただけの幻の発表だ。
学会発表の要旨に研究が間に合ったためしがなく、期限を過ぎてから指導教員に発表しないとだめだよと指導される。
そんなことわかっているが、正しい研究の進め方が会得できていないので、結局翌年も同じことの繰り返しになってしまう。
修士の頃から院生なのだから自分で研究できるよねと言われ続け、研究の正しい進め方などがよく理解できていないまま現在に至る。
院生なのだから当然放任指導で、研究の進め方を乞うても一からできるようになることが醍醐味だと諭されて結局何も得られていない。
指導教員に手取り足取り指導されても学位取得後どうするのだという話になるので、厳しいがこれは合理的だ。
発達障害で時間の管理が苦手で、絶望的にスケジュール調整ができない。
準備に2週間かかる実験で、結果が出るまでに少なくとも1か月はかかるので、1回の失敗が重くもう6回失敗した。
半年もデータが出ない時点で危惧して指導教員に相談したが、実りのある議論はできなかった。
何か足がかりになるデータがあるわけでもなく、このままだと3年で出られるどころか、5年かかっても出られるとは思い難い。
片親で経済状況が悪く、3年で出られないと博士後期課程を継続することは困難。
親は大丈夫というが、利子すら返せない借金がもう400万円にも膨れ上がっているのに全くもって大丈夫ではない。
最近、学振に出すためだけに業績を積もうとして指導教員と揉めた。
20万円もらえる治験に参加し、文字通り売血してまで治験協力費からゲノム解読の費用を捻出し、研究発表しようとしたからだ。
指導教員の意見としては、業績が少なすぎて通るわけないし、君は学振に出すために研究をしているわけではないということだ。
それはわかるが、昨年同じような状況でDC2の申請を蹴ったら蹴ったで指導教員に遠回しに嫌味を言われた。
飛び級して同期になった元後輩がDC2に受かったこともあり、事あるごとに嫌味を言われる現状出さないという選択肢はないのだ。
話し合いの末、指導教員の方針にそぐわない形で研究がしたいなら指導教員を変えろと言われてしまった。
同時に、学振に通らなかったら大学院を辞めるつもりでいるんだろうなとも脅された。
結局、指導教員の考えているストーリーや指導方針に忖度して研究を進める宣言をするに至った。
事実上の隷属だが、指導教員が忖度を強要したしたわけではないことは留意。
指導教員には入学時から現在に至るまでかなりお世話になっている。
研究の話をしているときは殺したいが、人柄は好きなので不思議だ。
子供の頃から昆虫博士になりたいと夢見て、アカデミアの研究者になることを志して現在に至るのだが、どうにも夢は叶いそうにない。
学部生時代から日本学生支援機構の奨学金を借り続け、博士後期課程の修了時点で1000万を超える借金の返済義務が発生する。
2年後に学位が取れなくて単位取得退学すると、29歳修士卒職歴なし借金1000万円おじさんになって人生が詰む。
学位がとれていても29歳Ph.D職歴なし借金1000万円おじさんになってしまうが、結婚しなければ細々と生きていけるだろう。
現状、どう考えても詰んでおり別の道を志して生きるべきだが、どうしても夢が捨てきれない。
アカデミアの研究者になるか自殺するか、極端な二択に追い詰められている。
アカデミアの研究者にはもうなれそうにもないので、自殺一択なのだ。
中退してから自殺すると無職の自殺になってしまうので、学籍があるうちに自殺したい。
親にはもう学位がとれなかったら学生のうちに自殺するとは通告済みで、許さないとの回答を得ている。
しかし、私が死んだ方が親の負担は確実に減るし、私が自殺すれば日本学生支援機構の奨学金も死亡時の返済免除を受けられるのでいいことづくめだ。
私には二人の兄弟がおり、残機は2つ残っているのだから、私が死んだところで2人が子孫を残せば家計も絶えない。
長男の私が死ねば弟が全ての財産を引き継げるようになるのだから、私が死んだ方が世界がよく回るのではないかとすら思えてくる。
出来損ないが一人消えた方が家計も家督も、そして研究室も最適化されるのでないだろうか。
科学を志した以上、科学に貢献できないのなら自害すべきだと思う。
幸いにして、うちは自殺者が多い大学とのイメージ通り、広大なキャンパスと大自然を持ちどこでも首が吊れる。
図書館1階のX-1書庫は地上3メートルあたりに剝き出しの梁があり、ロープをかけやすい。
しかし、問題の本質は如何に片付けが不要な死に方で死に、蘇生が不可能になった時点で速やかに発見されるかだ。
現在ではエレベーターの中で液体窒素の運搬容器をひっくり返し、酸欠空気を吸引することで自殺しようと考えている。
当研究棟のエレベーター内部には液体窒素の運搬容器と同乗する危険性を示す張り紙がある。
酸欠空気を吸えば一息で即死だと示してあり、エレベーターは昼夜を問わず利用者が多いので自殺後すぐに発見されるだろう。
死体を除去後十分に換気すればエレベーターの利用にも問題がない。
液体窒素の入手は大変容易だ。
当大学では責任者の捺印がされた専用の用紙が必要だが、研究室に捺印された用紙が大量にストックしてあって、いつでも汲みに行ける。
少しでも楽しいことがあると自殺への意思が揺らいでしまうのでできるだけ早く、また指導教員に嫌味を言われるとかで致命的な出来事が起きて欲しい。
嫌味を言われただけで死ぬなんて馬鹿げているが、あまりにも突発的に死ぬと他殺を疑われてしまう。
指導教員と揉めて、将来への不安感からかねてより病んでいた精神が崩壊し自殺に至ったというわかりやすいストーリーが重要だ。
直近ならばDC2の最後のチャンスでまた揉めて、結局申請できなくされるか、申請して落ちた後に嫌味を言われた時点で突発的に自殺できるといいな。
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