■グーグルの思想的残響室(Google’s Ideological Echo Chamber和訳)　後編

提案

私は多様性が悪いとか、グーグルや社会が100％公正であるとか、既存のバイアスは修正されるべきでないとか、あるいはマイノリティがマジョリティと同じ経験をしているなどと私が言っていないことは明らかであると願う。私が言いたいのは私たちには特定のイデオロギーと一致しない考え方や証拠に対する不寛容があるということだ。私はまた人々を特定のジェンダーロールに縛り付けるべきだとも言っていない。私は全く反対のことを主張している：人々をグループの中の一人（部族主義）としてではなく、個人として扱うことだ。

具体的な提案としては：

• 多様性の脱道徳化
  • 問題を道徳の話にし始めるとすぐ、私たちはそれを費用と利益の面から考えることをやめ、反対する人を皆不道徳であるとして放逐し、”犠牲者”を守るために悪人とみなした人を厳しく罰するようになる。
• 保守派を遠ざけるのは止めよう
  • 視点の多様性は間違いなく最も重要な類の多様性であり、政治的姿勢だ。それは人々が物事を違って見るための最も基本的で重要な方法である。
  • 高度に進歩的な環境においては、保守的な人はマイノリティであり、あらわな敵意を避けるためクローゼットの中にいなければならないように感じる。私たちは異なるイデオロギーを持つ人たちが自分を表現できるよう力づけるべきだ。
  • 保守派の疎外は社会的包摂に反し、一般にビジネスとしてもよろしくない。なぜなら、保守的な人は成熟した会社に特徴的な退屈な仕事と保守作業に必要な高度の誠実さを持つ傾向があるからである。
• グーグルのバイアスに立ち向かう
  • 私は私たちのバイアスが多様性と社会的包摂に関する私たちの考えをどれほど曇らせるかに焦点を当ててきたが、私たちの道徳的バイアスはそれ以上のものだ。
  • バイアスが私たちの文化にどのように影響を与えているか全貌を把握するために政治姿勢と性格によりGooglegeistのスコアを分析することから始めよう。
• 特定のジェンダーと人種限定のプログラムとクラスを止めよう
  • これらの差別的慣行は不公正であり対立を生む。その代わりに私が概説した非差別的慣行に注目しよう。
• 私たちの多様性の費用と利益についての開かれた誠実な議論を行おう
  • 技術職において女性登用を増進するためだけに逆差別を行うことは、ホームレスや職業関連死や暴力的な死や監獄や学校中退における女性比率を増進させることを義務付けるのと同じぐらい誤っておりバイアスがかったことだ。
  • 現在のところ、多様性プログラムの範囲にはほとんど透明性がないので、それらは思想的残響室の外にいる人たちからの批判から免れている。
  • これらのプログラムは高度に政治的であり、進歩的でない人々をさらに遠ざけている。
  • 私たちのプログラムのいくつかは政府の差別告発に対する予防措置なのだろうが、それらは違法な差別を奨励しているので簡単に裏目に出る可能性がある。
• 人種やジェンダーの多様性だけでなく、心理的安全性に目を向けよう。
  • 私たちは心理的安全性に目を向けるべきである。それは積極的な効果を示したし、(うまくいけば)不公正な差別を引き起こさない。
  • 私たちには心理的安全性が必要だし、多様性の利益を得るための共通の価値が必要だ。
  • 代表的な視点を持つことは、製品の設計とテストを行う人にとっては重要だが、それらがUXから除かれるほど利益は少なくなる。
• 共感の強調はやめよう。
  • 私は多様性の問題への共感を高めることを求めるいくつかの呼びかけを聞いた。私は人々がどのように、なぜ彼らがしたように考えることを理解しようとすることを強く支持する。感情的共感-誰かの痛みを感じること-に頼ることは、私たちを逸話に集中させ、私たちに似た人を好きにさせ、そうでない人に対する非合理で危険なバイアスを抱かせる。感情的に繋がれていないということは私たちの事実に対するより良い理解を助ける。
• 意図を優先しよう
  • 自覚なき差別や他の意図しない罪に注目することは私たちの感受性を高める。それは一般には建設的でない：感受性の増進は私たちの憤懣と自己検閲の双方を増加させ、権威主義的ポリシーにつながる。厳しく罰せられるおそれのない発言は心理的安全性の要だが、これらの慣行は意図しない罪を裁くことで心理的安全性を除去しかねない。
  • 自覚なき差別トレーニングは危険かつ誤ったことに言論を暴力と同視しており、証拠にも支持されていない。
• 人間本性の科学にオープンであろう。
  • 一度全ての差異が社会的に構築されたわけでも差別によるものでもないと知れば、実際に問題を解決しようとするのに必要な人間の条件に関するより正確な視点に対して私たちの目が開かれる。
• 促進委員会のための無意識バイアストレーニングの義務付けの再検討
  • 無意識的バイアストレーニングの効果は測定することができず、特に義務化された場合、過補正またはバックラッシュの可能性がある。
  • 現行のトレーニング（v2.3）について提案された方法のいくつかは有用である可能性が高いが、提示された政治的バイアスは、事実の不正確さと示された例から明らかである。
  • ステレオタイプ以外の多くのタイプのバイアスにより多くの時間を使おう。ステレオタイプはトレーニングが示唆するよりもはるかに正確で新しい情報に敏感だ(私はステレオタイプを利用することを主張しているわけではない。トレーニングの中で言われたことの事実の不正確さを指摘している。)。

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次で最後。

グーグルの思想的残響室(Google’s Ideological Echo Chamber和訳)　脚注

Permalink | 記事への反応(1) | 00:27

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