2018-10-14

[] 【3】2018秋、ベトナムホーチミン

<< この旅行記の先頭へ


anond:20181013224340





Day 2



2日目 アリゾナ州立大


自律神経をやっていようと、そうでなかろうと、旅行で眠れないのはいもの事だが、処方された睡眠導入剤を飲んでも5時間足らずしか眠れないとなると、この体質は筋金入りだ。

自然に目が覚めたのは6:45。

予定ではあと2時間まり寝る筈だった。

二度寝を決め込もうとしても、ちょっとウトウトするだけで、眠気は「こんにちは」してくれそうもないので、あきらめて起きることにした。

眠気はどうあっても俺に「おはよう」と言いたいらしい。


睡眠不足ホテルパーソンへのコミニュケーションハードルを前に少し逡巡したが、おそらく一番ストレスが少ない形で美味いものが食える可能性が高い、ホテルの朝食をとることにした。

朝食会場に向かう途中、外を見ると、強い日差しの向こうで噴水が上がっていて、これぞ南国の午前という感じだ。

ホテルの朝食はビュッフェスタイル

シャンデリアの下がる大広間コーヒーサーブされて、料理を物色するというのは朝から優雅ものだ。

ホーチミンフランス植民地時代からアメリカ傀儡政権時代まで首都を置かれた地で、パン食の文化がある。

果たしてビュッフェにもバゲットチーズレバーパテがあり、これは行くしかない。

他にも当然アジアスタイル炊き込みご飯カレーライスヌードル、揚げ春巻きもあって、洋越折中といった雰囲気だ。

気になるものを片っ端から盛り付けて、テーブルに運ぶ。

どれも美味いが、カレー(多分)が出色だ。

さっぱりして、辛すぎないマイルドな味わいだが、スパイス香りが口の中に拡がって抜ける。

席の背後をチラッと見ると、「Sweet TOFU」の文字と壺。

TOFU?」とホテルパーソンに声をかけられて、首を横に振ったが、やはり気になる。

結局サーブしてもらうことにした。

甘い豆腐。予想通り豆花だった。

しかし、台湾のそれと違って暖かく、ココナッツフレーバー生姜蜜がかかっている。

美味い。

洋越のオードブル中華式の豆花、コーヒー2杯。

これだけ食って自律神経失調症も無いもんだと言われそう。

大変満足した。

あの日差しを浴びたい。ポーチに気休めの安定剤を詰め込んで、食後の散歩に出ることにした。


ホテルを出ると、ホーチミンの熱気は午前から強烈だ。

行く当てのない散歩だけど、とりあえずベンタイン市場を経由してサイゴン川を目指そう。


相変わらず交通事情は凄まじい。

よく見ると現地の人だけでなく、観光客と思しき欧米人対応力も凄い。

スクーターの波を見切ってスイスイ渡って行く。

バイクを見切って躱す」のはこの街で必須スキルなので、嫌でも身につくらしい。

昨日と違う事と言えば、バイクライダーのオッチャンに頻りに声をかけられる事。

迂闊に乗ったら多分ヤバイやつ。

「Ser , Go work.」笑顔で固辞して先を急ぐ。というフリでプラプラ歩く。


ホテルの目の前の公園で談笑していた少年たちに許可を貰って一枚。

リーダーか、英語ができるかする少年に何か話しかけられたが、意味はわからない。

でも敵意はないのは伝わったようだ。

ひょっとしてベトナム人じゃないのかな。まあいいか

「3、2、1、shoot!」少年少女は笑顔をくれた。


しばらく歩くとベンタイン市場に到着した。

体育館の様な大型のアーケードの下に、色取り取りの生地雑貨飲食店

夕食はここにしようかな?

自律神経が働いた悪さなのか、旅行の緊張なのか、食べ物匂いがまだ辛い。

ここでも頻りに声を掛けられるが「ハハハ」と笑いながら素通り。

少し市場を見物してアーケードを出た。


10:00。

しばらく歩き、気になる建物に近づくと、どうやら学校らしい。

門に近づくと、移動屋台が門から出る学生達を吸い寄せている。

日本以外のアジアは大体が外食文化で、例えば台湾などでは学生は校門前に陣取る屋台で朝食や昼食を買って教室で食うらしい。

多分ベトナムも同じなんだろう。

周りを見れば、学校の向かいに軒を並べる露店で固まって食を取っている学生も多い。

興味深い光景写真に収めようとしていると

○×○×!」

ドン

学生の徐行したスクーターに軽く追突された。

気をつけていたが、思わぬ形でプチ交通事故にあってしまった。

これで俺もベトナム旅行者として一人前だ。


飲料水を買おうとしてファミマに入ると、そこでも学生食事を摂っている。

ファミマにイートインスペースがあるのはアジア共通らしい。

それにしても男子ばっかりだ。

青い揃いの制服のせいか男子学生達は一様に小綺麗で、教育程度も高そうな印象を受ける。

一旦学校前を離れて、日本で言うところの伊勢丹、いやもっと格上の三越のような存在百貨店サイゴンセンターを物色した後、1時間程で戻ると、男子達はまだ周囲の露店で食ってる。

こいつら引っ切り無しに食ってるな、なんだったら今が本番かも知れない。

モリモリ食う姿は、アジアの元気を象徴してるように見えた。

暑さもキツくなってきた、先を急ごう。取り敢えず川が見たい。

学校前を離れる時に、校舎の壁に学校名のエンブレムを見つけた。

ARIZONA STATE UNIVERSITY

直訳すると「アリゾナ州立大学」

なぜアリゾナ州立大学がホーチミンにあるのかは分からなかった。


相変わらずの躱しゲーを繰り返しながら辿り着いたサイゴン川は、隅田川よりもっと広く、澱んでいた。

茹だるような暑さ・湿気と澱んだ川はある意味ベストマッチだ。

薄々勘付いていたのだが、自分はまあまあな晴れ男であり、観光やここぞと言うときに雨に当たられる事は少ない。

10月初頭のホーチミンはまだ雨期のはずだが、それでさえもこの有様だ。

自律神経の不調も憂鬱な気分も、事、天気に関しては影響しないらしい。

願わくばその運をもうちょっと別の事にも回して欲しいくらいだ。

雨のホーチミンで、お茶でも飲みながら茫然とするというビジョンはひとまず実現せず、現実には炎天下の橋の上でこの旅行記を書いている。

何はともあれ、この時間でやりたい事はやった。

ホテルに戻ろう。シャワーが浴びたい。


ホテルに戻ってシャワーを浴びてから、気になって例の学校について調べると、やはりというか、アリゾナ州立大学ではなく、カオタン テクニカルカレッジというらしく、機械電子に関する工業高校しかった。

そりゃ道理で男ばっかりな訳だ。

学校の程度はわからないものの、自作で車を作るイベントがあったり、インテル提携して人材開発を行なっているらしかったり、そこそこ優秀な雰囲気を感じる。

ここは工業化近代化真っ最中ベトナムだ、生徒といえば荒っぽい男の子達ばかりと相場が決まっている日本工業高校と同じ感覚では考えられないのかも知れない。

多分、アリゾナ州立大学ともなんらかの提携を結んでいるのだろう。


【4】2018秋、ベトナム、ホーチミン Day 2|バインミー、タピオカ、シャツ へ >>

記事への反応 -
  • << この旅行記の先頭へ anond:20181013201124 ベトナムの名誉 両替に関しては、市内の両替商の方がレートがいいということで、空港では7000円だけ両替した。 小ぶりの札束を大量に手渡...

    • << この旅行記の先頭へ anond:20181013111225 Day 1 1日目 成田、ベトナムの翼、タンソンニャット 羽田の深夜便だった前2回の旅行と違い、今回は成田発で、昼出発。 しかもややメンタ...

      • Day 0 出発前 「でも旅行、行きたいでしょ?」 心療内科の先生の能天気さに面食らった。 ベトナム旅行を計画したのは夏前。 何となく、この歳で目覚めた海外旅行の感動がまだ冷...

        • << この旅行記の先頭へ anond:20181014104131 Day 3 3日目 4,000年に一度 寝る前に飲んだ睡眠導入剤が効いたのか、夜中に一度目が覚めたものの、計8時間ほど眠る事ができた。 自律神経...

        • << この旅行記の先頭へ anond:20181014130241 センターの神通力 ホテルに戻ってシャワーを浴びた後、程近いホーチミン市立美術館を訪れる事にした。 展示もさることながら、フレンチ...

        • << この旅行記の先頭へ anond:20181014195141 Good night, and good luck. 夕食のアテならある。 ホーチミンでそこかしこに見かける飲食店、Pho 24 だ。 店の多さといい、お一人様歓迎のライトな...

        • << この旅行記の先頭へ anond:20181014230426 Day 4-5 4日目・5日目 Cảm ơn bạn! I had a great days. LOVE, Ho chi ming City. ホテル ニューワールド サイゴンで迎えるこの旅で最後の朝。 明日の早...

        • << この旅行記の先頭へ anond:20181015000834 予言 ホテルの日々が素晴らしいものだったとは言え、そのまま10時間あまりラウンジでぼうっとするのも退屈だ。 昨日訪れたH.I.Sのホーチミ...

        • << この旅行記の先頭へ anond:20181015160115 ありのまま、恋と愛、バインミー 一旦弱くなった雨足はやがて勢いを取り戻し、カウンターの前から身動きが取れなくなった。 このまま夜...

        • << この旅行記の先頭へ anond:20181015181508 導け愛の星よ 21:25 予定より30分程早いが、空港に向かうことにして、エレベーターを降りる。 タクシーに乗る前にトイレに行こうとして、...

        • << この旅行記の先頭へ anond:20181015193728 話したい事が、たくさんある 自分という人間は雑な割には心配性で、空港に到着したはいいものの、本当に出発の日取りや場所を間違えて...

        • 0日目 出発前 「じゃあ11月末ごろにもう一度診断して、それで12頭に復帰めどのシナリオにしましょう。」 心療内科ってもっと厳粛な雰囲気なのかと思ったが、この先生は徹頭徹尾...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181119182306 1日目 1日目 新宿:コンパクトな異世界の扉 初日の旅程、東京から広島までは長距離バスを利用する事にした。 金銭的な面も多分にある...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181119183958 2日目 2日目 広島:裏面電車とお好み焼き、BTS 心療内科で処方された(があまり使っていなかった)睡眠導入剤を飲んだおかげか、バスの...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181119190934 コンパクトな予行演習 安さ優先の一人旅といえ、ユースホステルで眠れる自信がなかったので、予約サイトで一番安いビジネスホテルを取っ...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181119215752 3日目 3日目 ゴジラと朱の大鳥居 移動疲れで早めにベッドに入ったものの、宿の狭さか旅行の緊張か暫く寝付けず、結局睡眠導入剤の手助...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181119222040 海の生き物と山の仏 本殿を参拝した後、茶室のテラス席で甘味を頂いたり、宮島を散策したりしていたのだが、少し寒くなって来た。 少し...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181119230657 4日目 慣れてしまえばどうって事ない 目を覚ましてカーテンを開けると、結露のモヤの向こうに広島の晴天が広がっていた。 窓の外には気...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181119231905 グローカル 広島駅発の新幹線は12:27。 あまりのんびり歩いていると食事を取る時間を失いそうなので、路面電車に乗る事にした。 一昨日も...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181119232603 博多:うまかもんと民泊の宿 新幹線の中でこの旅行記を書いて、ふと現在位置をチェックすると、もう九州に入っていた。 乗車時間につい...

            • カテゴリ機能を使えばいいのに。

              • 元増田です。 カテゴリー機能、いまいち理解してないんですよね。 結構かいてるんだけど、基本的な機能でもあんま完全に理解してない。 機能理解したらまとめなおそうかと思います...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181120113627 5日目 ほんとにひと玉でよかと? 「リラックスできる」と「グッスリ眠れる」の間にはまだ少し超えなければいけない壁がある様で、4泊目...

            • 大宰府に行くのには、天神から西鉄電車がよいのでは。車なら良いけど

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181120141939 太宰府天満宮とアジアの玄関 春月庵を出てしばらく歩き、大橋駅から大牟田線線に揺られて暫くすると太宰府に到着した。 太宰府では参道...

            • ウンチ💩韓国に行ったらトンスルを飲もうね!

              • 元増田です。 へー、飲んだ事ある? 飲んだ事あったら味や香りについて教えて。 でも自分が飲むのは勇気いるなー、ちょっと無理かも。

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181120233347 6日目 また来んしゃい、博多 ゴミの分別とルームフォンがわり兼wifiルーターとして貸与されたスマホの充電プラグへの接続をすませれば、...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181120233347 大分:ローカルな静寂 九州北部の雄大な自然を見ながら揺られる事2時間半、バスは大分に到着した。 地理に明るくないので、駅前からやや...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181121125645 湯気と入れ墨と楕円球 日豊本線を引き返し、別府に向かう。 目指すは鉄輪温泉。別府駅からさらにバスで30分程だ。 著名な温泉町なので、...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181121133253 7日目 地獄の老婆と台湾ギャル アトピー持ちなので、朝方や夜に症状が出た箇所の痒みに悩まされることが多いのだが、温泉の効き目かど...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181121211208 別府ん湯って最高やろ? カウンターで入湯料600円を払い、露天風呂へ。 青い空に広がる紅葉の山々を一望しながら浸かる岩風呂。 酸性硫化...

          • << この旅行記の先頭へ anond:20181121222621 この目とこの耳と、口と肌で 17:17 別府駅からバスには乗り込み大分空港へ向かう。 途中、何気なくスマホでチェックした若林正恭の最新刊...

        • 旅行をするときは、事前にこなすべきリストを作って、旅行記を書きながらそれをこなしていくのがスタイルになっている。 そうすると、旅行であった事を覚えておけて、初日の事件が3...

  • 日記はチラシの裏に書いて

  • << この旅行記の先頭へ anond:20181014005756 バインミー、タピオカ、シャツ そろそろ不安になって手元のキャッシュを数えると、879,000ドン。 相変わらずどれだけの価値があるのかさっ...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん