2024-02-03

脚本家の密談:文字起こし改定版 3

 

黒沢

  いや、私が対峙するのは原作であって、原作者の方はあまり関係いかなっていう感じですね。

  はい、人それぞれやり方は違うので。

  ちょっとコメントを読みますね。

  ねねこさん。原作者さん気の毒です。脚本家さんも気の毒です。 脚本原作を変えるように言われることも多いですよね。ね、伴さん多いですよね 恋愛要請入れてくれとか。

  結構注文がつくことは多いですし、役者さんが決まってから変えてくれみたいなこともあったりしますよね。

  意外と多いのが役者さんから要望っていうのもあったりするのかな。

  ロックさん。素人からするとアニメ比較原作に忠実で、実写は原作から離れるイメージがありますね。

  これはやっぱり2次元から3次元にするって結構大きなことで、

  やっぱり肉体を持った役者さんが演じるってなった時に、変えざるを得ないことが多いんですよね。

 

  昨日もちょっとしましたけど、アニメって原作シナリオを作らないでまんま原作映像化するみたいなケースもよくあると聞いたんですが、どうなんですか?

 

黒沢

  鬼滅の刃脚本化って未表示ですよね。

  そういうケース。

  原作が一番大変なのってことですね。

  ですよね。だからもう映像化も想定したところで全部作られてる、作られるケースってのはこれから多分アニメーションが増えてくるのかもしれないですね。

 

 佐野

  宮崎駿脚本も描かないといきなり絵コンテから入っちゃうみたいですからね。

 

黒沢

  この問題、いろいろ脚本化、オリジナル描きたいですっていうことは強く言いつつ、やっぱり。

 

  じゃあ、もう配信会社はですね、オリジナル企画はやらない。

  原作、売れてるもの、売れてる原作しかやらないっていうふうに決まってるらしいんですよ。

  だからそうなると、こっちはオリジナルで描きたい、それこそ人のふんどし相撲をとりたくない方じゃないですか、どちらかというと。

  でも、その道も閉ざされてるんですよ、一方で。

 

黒沢

  はい。本当その通りです。

  うーん。ね、せめて配信だったらオリジナルやれるだろうって脚本家たちも思っていたんですけどね。

  その道もちょっと閉ざされつつあって。

 

  でも、あるテレビ枠は、ある曲の、あるテレビ枠は、もう、なんで原作モノやんなきゃいけないの?みたいな。

  まあ、予算が少ないこともあって、オリジナルで作っていきましょうみたいなところもあることはあるんですけどね。

 

 木崎

  予算が少ないとオリジナルになるんですね。

 

  まあ、自由にできるじゃないですか。

 

黒沢

  原作料を払わなくても、それができる。

  いや、だから、やっぱりこう、テレビもだいぶ予算がね、減っているみたいな話も聞きますし、予算が減ると、かける時間も減ってしまう。

  だからやっぱりこう、丁寧な対応ができなくなったりっていう。

 

 木崎

  いや、悪循環ですね。

 

  そうそうそ

 

黒沢

  ちょっとまとめに入りたいと思うんですけれど、原作者さんが攻撃たかったわけじゃなくてごめんなさいってコメント残されてるのが本当に私切なくて

 謝る必要なんか全然なくて、なぜかというと最初から条件として出していたその約束

 どういう経緯かわからないけど破られてしまったっていう、その経緯を説明しただけなんですよ

 どうしてこういうことになったのか、それはやっぱり人として説明したいじゃないですか

 ファンの方もいらっしゃるし、なんかいろんなところで誤解をするよりはってなって、それをしただけで全然

 謝る必要なんかないし、誰が 責めるべきことでもないし

 でも誰かを責めたい人は脚本家さんに向かってしまって、でも脚本家さんもやっぱり自分の言われた仕事をしただけなんですよ

 だからそのあたりはやっぱり脚本家さんも責めてほしくないし、ただ状況が生んだなんかボタンの掛け違いで

 こんなになんか世間対立構造を作って攻撃するような状況を起こしてしまたことが私はとても悲しくて仕方がありません

 はいすいませんこれが私の今回の皆さんにお願いしたいことです

 本当にあの今回の件に限らず皆さん好き勝手言ってくださってもいいんですけれど でも 読んだ人は匿名のただの思いつきの発言でもやっぱり

 脚本家として自分作品が何か叩かれたりとかするのは皆さんが思っている1020倍実は傷ついているってことはわかっていただきたいなと

 そう思っております

 皆さんのほうから何か、伴さん特に何か最後にありましたら

 

 いやもう今ね、黒沢さんのおっしゃったことは全てだと思います

黒沢

 じゃあちょっと最後にもう質問が来てるので コセキさんから、今回の問題は今後の脚本家先生仕事に影響を与えると思いますか?

 という質問がきているんですけど

 

 どうなんですかね、脚本勝手に変えたんだっていう風潮が広まるのは、よろしくないし、それで影響されることは出てくるかもしれないですよね

 

黒沢

 本当に原作通りやらないと、脚色は認められないようなことになってしまますかね

 

 佐野

 でも原作通りにやるとなると、それこそ事務所側の要望も聞かない、TV局側の都合も言えないってなってほんとに純度高いものがつくれることってあるんですかね?

 そういうふうにするしかないんでしょうけど

 

黒沢

 それが求められてる、世間の人が求めてることだよっていうふうに制作サイドが判断してしまうと そうなってしまうかも知れないですよね

 ちょっとじゃあ私が本当に今回 もう胸が痛んだツイートを 最後に読んでご意見いただいてもいいでしょうか とある方が

 このようにツイートされていました今回話題原作をないがしろにしている脚本家って ミステリーというなかれですね

 の脚本もなの?大人になってからドラマ映画って初期設定が多少違うだけで話の展開も 恋愛人間関係もほぼ同じに見えてあまり見なくなった

 もしかして全部原作の魅力をダメダメにしている脚本家のせい? 同じようなつまらない展開は10代のうちならまだ見飽きてないけど20代になったら

 またこの展開か と ごめんなさいねたこの展開かよって飽きてくるよね 水戸黄門とかのお決まりの展開を求めている人はそれ見てるだろうし原作の設定

 だけコピペして人気フリーライドするのが脚本家仕事なの? っていうツイートがあるんですけど

 世間はこういうふうに見ている方がいるのかな

 

 佐野

 まあ結構多いでしょうねそういうふうに見てる方

 

黒沢

 ということです

 ちょっとどうぞ皆さんとお二人ともなんか黙り込まれ

 

 木崎

 文章が長くてあんまり ちょっと入っていませんで

 ようは全部同じような設定に見えてきちゃうとこですか?

 

黒沢

 そうそうそれって結局原作の魅力を全部消している 脚本家のせいなんだね

 そんな原作フリーライドするのが脚本家仕事なんだね だったらもう見ないよ

 そういう意見がね 届いたり

 

 木崎

 脚本家のせいって言うよりもプロデューサー意見が入らない脚本ってないじゃないですか

 本来 制作体制とかその脚本を生み出す構造側にもっと大きな問題があるんじゃないのかなと思いますけどね

 

 ただ数日前にちょっと

 CAさんとかそのお友達とかと会ったんですけど脚本家って言ってもどこまでやってる人かまだ知らないんですよ

 そういう人たちってプロデューサーが何をやるかもわからない さらにわからない

 わかりにくい仕事じゃないですか皆さん決めたりとかキャスティングとか全部やってるんだって言ってもなかなかヒントもないみたいなね

 

黒沢

 そうなんですよ だからね 結局でもそういう人たちの意見を取り入れすぎなのかもしれないんですよね

 分からないんだからからない人のに 分かってもらおうとかっていうんじゃなく

 分からない人たちの意見みたいなものも今やっぱりね sns どれぐらいフォロワーいるかとか

 世間認知度ってやっぱり sns 上で測ってしまう以上そこで声が上がったもの神様のように扱われてしまって

 そこにこうみんながそっちめがけて動いていってしまっているから 状況変わらないかなぁ

 

 僕もこの件に関してポストしたのは 両方に同情しますって書いてあるのにそうやって擁護するんだってリアクションがあったりとかね

 全く文章ちゃんと読んでよ みたいなね

 僕はそういうことをいろいろ説明するべきだと思うんですよ 脚本家仕事はどういうことでプロデューサーはどういうことでみたいなことはね

 でも最低限の知識を持ってほしいなと思うのと

 そうですね

 

黒沢

 うん、そうですね。だから、やっぱり脚本家としてね、やっぱりこういう形できちんと脚本家ってどういうことをするのかっていうのは、

 やっぱり少しでもね、わかっていただけるように、やっぱり脚本家努力していかないといけないのかもしれないですよね。

 

 あと、昔の映画とかの広告を見ると、必ず脚本家監督が同じポイント数で、表示されてるじゃないですか。

 これもさきほどずっとやってることだけだと、もう、氏名表示っていうのはまあ作品についてくるんだけれども、

 あの、ポスターとかでも脚本家名前がなかったりとか、あるいはさっきおっしゃった鬼滅の刃みたいに、脚本家名前が出なくて会社名になってるとか、

 そういう、そこら辺の業界内でのその脚本家に対する扱いみたいな、あの、すごく軽くなってる感じはするんですね。

 ここから、発信する側から変えていかないと、 なかなか伝わってこないところもあると思うんですよね。

 

黒沢

 そうですね。

 もちろん、あのね、皆さんに見てもらって、初めて作品って、なんだろう、成立するってところがあるわけですから

 そういう方々の意見も大切なんですけれど、

 あと、10ならえではなく、やっぱりこちらの方が一歩先に立ってリードするぐらいの作品をこれから作り出していけたらいいですよね。

 

 じゃあ、人のふんどしっていう意識ちょっとあるんじゃないですか。

 オリジナルでやりたいっていうね。

 

黒沢

 はい。それはもう本当に、脚本家オリジナルでやりたいと思ってますっていうことは、

 そのためには本当にみんな勉強してる方もたくさんいますので、それだけは本当にわかっていただきたいのと。

 

 佐野

 みんな勉強そこから入りますからね、オリジナルでどう書くかっていうところから

 

黒沢

 本当にそうです。

 

 あとほら、脚本家自身がこの小説映画化したいとか、ドラマ化したいと思うこともあるじゃないですか。

 そういう時は、直接本人に言います?

 

黒沢

 言います。言います

 

 それともプロデューサー

 

黒沢

 ああ。

 

 それは幸せ出会いになるんじゃないかなって。

 

黒沢

 なると思いますね。

 

 木崎

 だから、これをきっかけにして、原作物はやめようみたいな意識が、業界に働いて素晴らしい原作が見過ごされるのも悲しいじゃないですか。 

 

黒沢

 うん。もちろんです。そこら辺ね、もう本当に極端に走るのはやめましょうよっていうのもありますよね。

 

 佐野

 まあね、決してその、脚本家だって頑張ってるんだから、そんな原作改編とかそんなこと言わないでよっていう気持ちも分かりつつ、

 その、ね、その実際に、その、僕が、じゃあ逆の立場になった時に、

 好きな原作ドラマを見てみて、うわ、なんでこんな風にしてんだってことだって、往々にしてあるし。

 だから、その、なんですか、別にすごい脚本家の方持ってとは言わないですけど。

 ね、でも、ね、なんかちょっと、どういう、その、色々書いちゃってるのは脚本家だけじゃないよっていうのはちょっと、知っといていただければっていう気がします。

 

黒沢

 ということで、今回は急遽本当に、伴さん、ありがとうございました。

 

 えー、すいません。何か、まともな話が出来たことが。

 

黒沢

 あ、いえいえ、いえいえ、やっぱり、はい

 じゃあ、脚本家も頑張りますということですし、本当にね、もう今回のことを教訓に、私たちも丁寧な仕事をしていくことを求めたいなと思いました。

 

 


 

 出典:

 

 芦原妃名子さん自◯事件について日本シナリオ作家協会の削除された密談動画の全文文字起こし公開

 https://note.com/shingulari/n/n4bdf78b60278

  •  佐野   だから   芦原さんのブログを読んだ時も   何度もねその   プロデューサーの方に違うっていうふうにお願いしたのに やっぱりその原作通りにやってもらっている脚本が戻...

    • 黒沢  こんばんは  脚本家たちの深夜密談です  今週はちょっと先週からの予告を変更しまして  急遽セクシー田中さんの話をしたいと思っております  と言いますのもですね  ...

      • すげー!!これって貴重じゃないか。 できればAIに朗読させた動画つくって、グーグル系の動画サイトにアップしてほしい https://anond.hatelabo.jp/20240203204101

      • 黒沢さん、例の発言はアレだけど、まともな発言もあったね。 今回の件は、日テレの担当者が(もしかすると小学館の担当者も)クソだったのは間違いなく、脚本家も犠牲者ではあるん...

      • 筒井康隆ぐらいの大御所なら挨拶に行くけどそうでなければ行かないと言っている。やっぱり原作者を舐めてんだよこいつら

    • オリジナルでやりたいなら。 オリジナルの原作書いて本出して売れよ。 売れる自信あるんだろ。

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