2022-10-07

不妊を認めるまで4年かかった

不妊と向き合うまで4年間もかかってしまった。

やっと認められた気がするので、4年前の話をまとめたいと思う。

入籍から半年

30歳までに子どもは2人欲しい!という人生設計プラン自分の首を絞めていた私は、焦っていた。

当時27歳、今思えばハード人生設計だ。

調べもせずに、誰かが言っていた「30過ぎたら高齢出産」という言葉を信じていたからかもしれない。

一般的に、1年試みて妊娠しなかったら不妊だと言われている。

とにかく生き急いでいた私は、まだ早いんじゃ…と難色を示す主人を説得し、

半年夫婦そろって不妊治療クリニックを受診した。

早めの受診だったと思う。

市内では比較的有名なクリニックだった。

驚いたのは人の多さと待ち時間

待合いのイスは8割ほど埋まっているし、受診時間は2時間くらいかかった。

不妊治療クリニックはおそらくどこも待ち時間が長い。

(今では待ち時間に買い物など、出歩けるように工夫してるクリニックもあるみたい)

ホルモン値の測定と精液検査をして、後日結果を聞きに行くことになった。

その後検査結果が出たので再度受診

結果、私はホルモン値が基準値よりも高く、排卵障害

主人は精子運動率・総数が少なく、乏精子症

見事不妊夫婦誕生した。

検査結果から自然妊娠はまず無理。人工授精でも厳しいかも、との所見をいただいた。

無謀な人生設計プランは音を立てて崩れ落ちた。

落石を喰らったようなショックだった。

子どもと遊ぶ機会が多い環境で育ち、昔から子どもが好きだった。

(話が合うので、精神年齢が同じくらいなのだと思う。)

数年前に姪っ子が生まれ、お世話を手伝わせてもらい、私ももうすぐ…という希望に溢れていた。

今時は珍しいかもしれないが、良い母になるのが夢だったのだ。

子ども普通に授かれるものだと勘違いしていた。

コウノトリが運んでくるように、夫婦が臨めば赤ちゃんがやってきてくれるのだろうと思っていた。

努力せずに授っている人も沢山いるんじゃないの?

なぜ私達はそれができないの?

結果が出るかどうか保証のない治療に、どれだけの時間お金をかけないといけないの?

今まで婦人科にかかったこともなく健康体で過ごしてきた私は、

自分たち夫婦に突然起きた事態を受け止めきれず、不公平だ…と泣いた。

とにかく、ショックで毎日泣いていた。

さながら悲劇のヒロイン。幼稚である

ストレスは体にも現れ、ちょうどその頃食べ物を飲み込むと食道が痛くなる症状に悩まされた。

豆腐メンタルは百も承知だが、当時はそれくらい辛かった。

同時期に妊活していた友人はとっくにご懐妊してるし

長い間営みがなかったという友人も1回で双子をご懐妊したし

婦人科妊娠しにくいと言われたことのある友人も2児ご懐妊した。

今まで健康体で過ごしてきたのに、なぜこんなに違うんだ?と自分自分を追い詰めていった。


その後、クリニックが開催する不妊治療説明会に参加した。

大きな会場で、200人くらいはいたと思う。

こんなにも不妊で悩んでる人がいるの?と衝撃だった。

願わくば、当時の皆さんが納得のいく道を進めていますように。

説明会で印象に残った言葉はこれ。

不妊治療希望のある治療です。人生優先順位をよく考えて。

 時間を大切に、前向きに。ゴールではなくスタートです。

 子どもが欲しいと思っている時に頑張りましょう!」

当時は理解していても心が追い付かなかったけど、今はその通りだなと思えます


そのクリニックでは、人工授精までチャレンジして通院をやめた。

不妊治療は体の周期に合わせるので予定が立てにくく、卵子状態を見るためこまめに通院が必要

そして1回の通院時間は1~2時間。尻に打つ筋肉注射がすんごく痛い!

大変だけど未来の子どもと会うために治療がんばらねば。

(まだ保険適用でなかったため)治療のためには何百万と費用がかかるので、お金必要

人間関係など悩むことが多かったけど、正社員だし仕事がんばらねば。

治療のためには栄養バランス重要家事がんばらねば。

全部頑張ろうとした結果、パンクした。

朝ごはんを食べながら、何故かわからないけど涙が溢れてきて、えんえんと声を上げて子供みたいに泣き、仕事を休んだ。

この時期は泣きすぎて過呼吸になることも多かった。

今思い出しても、精神的に不安定すぎて大変だった。

当時は、友人の妊娠報告に素直に喜べなかったし

友人の子もの世話を見ることもしんどかったし

励ましの言葉にすら傷ついていたし

本当に心がひねくれてしまっていた。

私には、通院と仕事家事の両立ができなかった。

当時の職場にはうまく両立しながら明るく頑張れている人もいて、すごく尊敬した。

不妊治療している人は皆偉いと思う。

もちろん、子育て奮闘中のご両親も偉いし生まれてきたお子さんも偉い。

皆、人には見せないだけで色々悩み、葛藤し、乗り越えている。いや、人間って偉くない?


不妊治療は何より、人工授精ダメだった時のショックが大きかった。

期待しちゃうんです、やっぱり。

今回こそは大丈夫な気がする!って期待して、生理がきて、沈んで…というのを繰り返すとやさぐれてくる。

体外受精に進むほど気持ちを強く持てなくて、一旦治療はお休みすることにした。

体外受精という最後の望みを潰してしまうのが怖かったのもある。

まだ奥の手があるぞ!っていう状態にしておきたかった。

不妊治療はよく先の見えない長いトンネルに例えられるけど、まさにそれだった。

真っ暗で不安で、手探りで、ゴールが見えなくて、でもその先に光が見えると信じて進むしかない。

諦めたと思ったとき、偶然子どもを授かれた!

みたいな話をよく聞いたので、その後はワンチャンそれに掛けてみることにした。

しかし諦めるとは難しいものである

諦めたふりはできても、毎月期待している自分が確かにいて、

どうやったら諦められるんだろう?というのが正直な感想だった。

何もしないのは不安なので、半年くらい不妊整体にも通ってた。

でもそんな奇跡は、私達には起きなかった。


治療をお休みしてから約1年後。

諦めきれなかった私たちは、また不妊治療に挑む決意をしていた。

そんなところにコロナ騒動

始めようと思っていたタイミングで出鼻を挫かれた。

なんかもう、天からのお告げなのかもしれない。

私達夫婦には、子どもを授かれないなりの幸せがあって、

神様はその道を選ばせようとしているのかもしれない。

不妊治療から離れる時間が長くなると、本当に色々なことを考える。

悩みすぎて、本当に子どもが欲しかったのかどうかさえ分からなくなってくる。

夫婦ふたりだけで、犬を飼って暮らすほうが自然で、私達には合っているのかもしれない。

しかしたら、里親という選択肢神様提示しているのかもしれない。

またあの辛い治療の日々に戻るくらいなら、そのほうが幸せなんじゃないか

そんな気持ちばかり膨らんでいき、不妊治療に踏み出せないまま 気付けば4年が経っていた。

自然妊娠でできないのなら、それが天命だろう。受け止めよう。

この長い月日の中で、やっと子どもを授かることへの諦めがついていた。

もう生理が始まっても悲しくならないし、

街中で見かける子どもかわいいなと思えるし、

やっと妊娠した友達に心からおめでとうを言えるようになった。

歪んでしまった自分浄化されていくような、この変化が嬉しかった。

長い間、不妊を受け入れて消化できず、ここまでくるのに4年もかかってしまった。



4年後の今日、今までの醜い葛藤を書き記そうと思った理由は、

また不妊治療を始めたからだ。


引っ越しをした際、散歩中に不妊治療クリニックを見つけた。

自宅から徒歩数分、開院してまだ間もないクリニックだった。

おや?これはもしかして運命なのか?

今度は神様がもう一度勇気出せと喝を入れてくれてるのか?

なんて幻想が一瞬よぎったが、4年かけてやっと諦めの境地に至れたのだ。

また期待しては結果が出ず…という努力を続けるにはかなりの精神力を要する。

再び長く暗いトンネルの中に突っ込む勇気はまだ出なかった。


が、主人は違った。

主人はこの4年、親戚の子どもたちと接するなかで、子どもが欲しいという気持ちが強くなっていた。

逆に私はどうしても子供が欲しいという気持ちが落ち着いていて、

ふたりの子どもに対する熱量が程よく釣り合ってきたように感じた。

引っ越しを機に、不妊治療を再開しないかと持ち掛けられた。

話し合った結果、回数制限を設けたうえで再開することにした。

長く暗いトンネルを、最初からゴールの見えるトンネルに決めた。

不安は多々あったが、保険適用になった後だったため、金銭面の負担が軽減されていたのも心強かった。

保険適用治療再開の大きな決め手になったかもしれない。本当に感謝しかない。

また、10年後に治療をしなかったことを後悔するかもしれない、という不安があったため

子どもを授かることをゴールにするのではなく、後悔しない決断をすることをゴールに設定した。

以上の変化によって、比較的安定したメンタル治療に臨めている。


こうして、31歳にして再び不妊治療クリニックの扉を叩く決意を固めた。

葛藤した4年間。

無駄なことも多かった気はするが、昔の私にはきっと時間必要だった。

おかげで今は不妊を受け入れ、気楽に治療を進められている。

  • 増田に直接は言ってないかもしれないけど、俺はここで何度も言ってんだよね 子供が出来てから結婚しろ できない相手と結婚しちゃったせいで時間と金とその他たくさんのものを失うの...

  • 31はまだまだ若い、焦らずに頑張ってほしい

  • 子供欲しいなら離婚してそれぞれ生殖能力が高いオスメスを探すのが合理的なんだがな

  • 特別養子縁組はどう? 血のつながりはなくても子どもはかわいいよ。

    • 事前の審査で収入健康夫婦仲いろいろ量られるし、 たびたびの勉強会みたいのクリアせなあかんらしいね。

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