2017-12-29

おそ松さんオワコンなのか

昨今、インターネットの片隅で話題になっている「『おそ松さん』が2期に入ってつまらなくなった/人気が壊滅的に落ちた」問題を考える。以下の内容は、1期の途中で松にハマり、今現在2期を楽しく観ている人間個人的見解である事に留意されたし。

※長いよ!



■議題その1「つまらなくなったのか」

さて、1期と2期の違いを考えてみる。1期は実験ギャグアニメとして、様々なパターンの話が作られた。その中でも、派生松の元になりやすい、パロディ系(例:F6、女子松、デリバリーコント、なごみ)は、腐女子の燃料として発火性が高い。また、感動モノ系(例:エスニャン回、十カノ回)も、男性的というより女性的な感性に訴えかけるものに思える。

しかし、2017年現在、2期に入ってからの、パロディ系『げんし松さん』『三国志さん』は、腐女子人気が出やすテイストではない。また、感動モノ系は『松造と松代』の1本のみ。内容も「松造が松代とご無沙汰」という下ネタベースになっているので、シリアス度は低め。また、女性共感が得やすい内容でも無い。

(勿論ギャグも求めているだろうが)1期の様な、女性向け萌えも求めている人にとって、2期は今一つ物足りなさがあるのではないか

放送がない間、アプリゲーム雑誌等で、派生松の元ネタが量産された。けれど、2期発信の派生松はほぼ盛り上がっていない。そして、2期に入り、女性が抱く萌えには繋がらない要素(例:照英さん、1話でのファン描写)も多くなった。これらの要因が「つまらなくなった」「2期に入って変わった」という感想を抱かせる理由だと思われる。

2期1話で分かる通り、『おそ松さん』というアニメ作品(各種コラボは除く)は、女性向けを意識して製作されていない。2期に入り、下ネタ不条理ギャグについてこられる人だけをターゲットにした「自己責任アニメ」へと完全に舵を切った。故に、ついてこられない人は置いて行かれてしまったのだ。

面白い面白くないは、あくま個人感性に基づくものなので、算数の解答のように、明確な答えを出す事は出来ない。とはいえ、上記のような要因は、批判理由の一端として挙げられるだろう。

ただ、個人的にはF6が女性向けに作られたものというより、女性向けコンテンツデフォルメ化した笑い(いわばコロッケモノマネのようなもの)だと思っている。それは2期1話ファン描写視点と、何ら違いは無い。そういう意味で、1期と2期で変わったとは、私は感じないし、1期も2期も変わらず面白い。なんなら2期の方が好き。『超洗剤』『返すだス』辺りが好き。



■議題その2「人気が壊滅的に落ちたのか」

答えはいいえ、だ。正確に言えば「1期のような乱痴気騒ぎは収まったが、いまだに根強い人気がある」だ。そもそも1期がおかしかったのだ。円盤が8万枚売れて、オタク以外にも認知され、流行語にもなった。そんなアニメ作品は、稀である

それが2期に入って、むしろ正常な状態になったように感じる。そもそも、2期の円盤は1万枚売り上げている。普通にアニメ作品としてはヒットの部類なのに、何故「2期大爆死乙wwww」などというまとめサイトが作られなければならないのか。

とにかく、「2期までの長い2年間、何も動きが無かったから、ファンが冷めた」という意見には、真っ向から反論したい。

何故なら、1期と2期の間にも、様々な供給があったからだ。

ますゲームアプリゲームコンシューマーゲームブラウザゲームと乱立した。そのクオリティはまちまちで、ゲームイベント時期が被ったり、ゲームシステムが完全にあん●タだったりと問題は多かったが、それでも「派生松の最大手サークル」としての役割無視出来ないものがある。

次に、リアル公式イベント2.5次元舞台着ぐるみ松による6つ子バースデーイベント、おそ松EXPOサンリオピューロランドでのコラボ記念イベントセンバツ上映会。私が足を運んだイベントだけでもこれだけある。他にも、(私が当選しなかった)『松野家のなんでもない感じ』リリースイベントなど、多くのイベントがあった。アニメ放送されていない間に、1つでも公式イベントがあればお祭り騒ぎになるジャンルが多い中、これだけイベントがあるのは、凄い事だ。また、「コラボビッチ」「多すぎてついていけない」と批判の声も多い、各種コラボリアルイベントの中に含んで良いだろう。

そして何よりドラマCDや『おうまでこばなし』といった、公式監修の作品が世に出ていた事は大きい。アニメの本放送が無いだけで、公式から供給も、断続的とはいえあったのだ。

2期記念イベントで、6つ子の中の人が、ゲームや『おうまでこばなし』などの収録で頻繁に『おそ松さん』の仕事をしていたので「久しぶりな感じがしない」と仰っていた。私もこの発言を聞いて、その通りだと感じていた。アニメが放映していなくとも、ずっと『おそ松さん』を追いかけていたからだ。だから、2期が始まるまで供給が全く無かったが故にファンが離れた、という指摘はいささか見当違いだろう。

ここまで「2期までの間に動きが無かったから人気が無くなった」という指摘には反論させて頂いた。ただ、2期までに人気が無くなった理由として、もう1点指摘されており、そちらに対しては一切の反論を持ち合わせない。

それは「『おそ松さんファンマナーがなって無さ過ぎてファン人口が減った」という理由である。もうこれについては全面敗訴です。SNS上でもリアルでも、他の『おそ松さんファン殆ど交流していない私ですら、自分の身に降りかかった「本当にあったおそ松さんファン怖い話」の3つや4つはすぐに出てくる。『おそ松さんファンが何かちょっとアレな件に関しては、見て見ぬふりは出来ない。皆様にご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした。いや本当に。自分はちゃんとしてるって思ってるかもしれないけど、外野から見たら充分ヤバい奴だからな。言動には気をつけような。私も気をつけます。

では、そもそもおそ松さんファンは、著しく減ったのだろうか。確かに円盤の売り上げは減った。だがしかしネットで言われてるように、『おそ松さん』はオワコンファン全然いないアニメではない、と私は感じる。これは決して、私がファンから擁護しているのでは無い。実体験としてそう感じるのだ。

前述したように、私は『松野家のなんでもない感じ』のリリイベに当たらなかった。松ステ第2弾の先行は全公演全落ちが当たり前だった(ただし、舞台に関してはキャストさんの人気も加味されるので、『おそ松さん』人気の有無だけでは語れないのも事実である)。センバツ上映会には複数回、色々な松の部屋に足を運んだが、どの回も席は殆ど埋まっていた。平日の昼間でも、ナンジャタウン来園者の多くは『おそ松さんファンだった。『おそ松さんコラボ中のアニメイトカフェ開店直後に赴いた時も、すぐに客席の8割が埋まった。ラストオーダー直前のタワレコカフェへ飛び込んだ時も、客席の大半が埋まっていた。直前に告知された上、平日だったにも関わらず、着ぐるみ松の撮影会には少なくとも80人は集まっていただろう。

本当にオワコンなら、チケットは百発百中で当たらないとおかしいし、各種コラボ閑古鳥が鳴いていないとおかしい。けれど実態としてはそうではないのだ。そう、『おそ松さん』はまだまだ人気のあるアニメなのだ



長々と書いたが、『おそ松さん』2期はつまんなくないし、人気が無い訳ではないという事が言いたかった。今から3期が楽しみ。

  • でも3期も9割減だったら1000枚しか売れないことになるし採算取れないよね いや現実的にそこまでは落ちないだろうけど、関係者が3期に二の足を踏む理由にはなるんじゃないの そも...

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