世界で最も痴漢問題が激しく、陰湿化する国は日本なのである。おなじ満員電車の国のアメリカや韓国や中国には痴漢はない。なぜ先進国で唯一日本だけこの問題があるかと言うと、それはおそらく「責任の主体を明確化することを渋る」からではないか。痴漢の戦犯は第一に加害者だが、加害男は、ただ好き勝手やってれば自分が処分されることをわかっているため、他人に責任を負わせるのである。鉄道趣味などを煽り、傍観者や共犯者をじわじわと作る。そうすることで、自分ひとりが糾弾されたりすることから逃れられるのだ。もし仮に利用者のうち80%くらいが加害者(傍観者含む)となれば、その常態を企業は「問題がある」と認めることはできない。なぜなら利用者(加害者の家族含む)から「うちの人生がどうなってもいいのか!」と糾弾にさらされることになるからで、行政からも圧がかかる。
もし仮に、その鉄道が都市のすべての鉄道路線のうちにたった1路線がそういった常態だったとしても、それでも1路線が危険地帯一色に染まるともなれば由々しき事態なので、当然新聞沙汰になるし、運営も、場合によっては行政の面々なども処分をされかねなくなる。かくして隠ぺいや黙殺が起きるのだ。隠ぺいや黙殺すればするほど痴漢はじわじわと鉄道路線全体に広まる。そしてそれがどの鉄道でも当たり前になり、どの交通機関でも当たり前に、どの都市も平均的な風景になったのが今の日本だ。東ドイツと同じなのである。宗主国の顔色を窺った東ドイツ政府が、無責任に国民をハラスメントするような構造と一緒だ。
痴漢問題は、加害者が少人数(できれば一人)の時点で発見し、その利用者に定期券の没収などの制裁を科すことができればいい。もしそれが食い止められずに全体に広まれば、運営の首を飛ばす仕組みを作れば、運営会社はもっと積極的にマトモにこの手の問題と向き合うようになる。なぜこれができないのか。本当に日本の公共交通はダメだ。
韓国や中国に過激派左翼や暴力団がない理由を考えたのだが、おそらく「公的勢力の権限」が徹底されているからだと思う。2000年代以降の韓国や中国の風景は、さまざまな公共団体への相談窓口が用意されており、裏社会につながる利権のパイプが発生しないようになっている。これは最近の欧米でも普通のものだ。ようするに公共サービスが徹底していて、社会の裏側に必然的に手出ししないように済むわけで、住民も安心して問題点を解決できる。サービスの効率や質もよい。日本の場合、公的機関の権限がいい加減だから地下の人間(昔は裏社会で今は過激派左翼)が利権を作る原因になるんじゃないか。
これは社会のイメージアップにもつながり、問題などを一番小さな次元で食い止めることができる。日本のような公的機関が蔑視される環境だと、公共責任があいまいになり、過激派利権問題やJKビジネスのようにとりかえしのつかない規模になってしまう。いま、世界に名だたるオタクの街が潰れかかっているのはまさにそれが原因ではないか。よくいえば都市や国家のイメージアップになり、人民の利益やモチベーションのアップにつながる。これは本当に良いと思うので、日本は採用してほしい。欧米だけではなくアジアでこういうシステムをやらないのは日本だけだよ。
日本の民度がいまダメになっている理由もこれで説明がつく。なぜ1940年代の日本や今で言えば韓国の過ちと同じことを繰り返そうとしているのかというと「忖度」してしまうから。これはネトウヨや高齢者も考えるべきことだ。君たちの大嫌いな「だらしない日本人の態度」の原因は、特定の人間の責任にできないことにある。
アメリカ人であれ中国人であれ、世界のどの超人や職人も個人単位での評価が当たり前である。
韓国の超人紹介を見ると、必ず名前の紹介がある。日本みたいに民族そのものの評価になることはない。これは米国でも欧州でも当たり前だ。
日本でこのような考え方が徹底されるようになったのは2010年代以降である。それまで、あたかも日本社会自体がすごいという拡張表現することしかないし、インタビューさえ氏名不在の場合が多い。誰が取材したのか、誰が伝えているのかがさっぱりわからない報道が目立つ。
結果的に、無関係のない人達が矢面に立たされてしまい、特定の世代がひっくるめて糾弾されることになるのではないか。あれだって、世代における共通点があったとしても、悪いのは顔の見えない、名前も出て来ない者である。