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2023-05-25

日本家電メンテナンスできない理由

anond:20230524213039

 

空調機器開発者です。たしかメンテナンス考えてないケースは多い。だがその多くは安全上の理由である

 

私はx年前までメーカー設計や開発をしていた。

私は元増田ほんと日本の男って家電開発のセンスがないわ同意する点は多い。だが白物家電ジャンルによるが、開発チームの3割程度は女性だ。普通に会議でも女性意見は求められるし、お客様要望として上がってくる。メンテナンスフリーじゃないのが男性主体であるという推察は、まったく的外れであるとは指摘したい。

 

だがまぁ、事実としては。マジでメンテナンス関連の開発優先度は低い。

強いて言うなら、修理部門から「分解しにくい」「パーツが壊れる」などの報告が来たときに改良する程度。

お客様掃除をする設計に出来ない理由は大きく2つある。

 

 

1. 安全上の問題

電気というものは危ない。人は簡単死ぬ

さらモーターも危ない。指くらい簡単に飛ぶ。

電子レンジに濡れた猫を入れるなんてジョークのような話があるが、科学教養がなくセンスのない馬鹿は世の中には掃いて捨てるほどいて、開発者はどうすれば馬鹿でも安全に使えるかに心血を注ぐ結果、部品に触らせないようにする。

メンテナンスできない理由の8割はこれだ。

 

もう10年以上昔だが、某エアコンにおいてメンテナンスを重視するべくファンや熱交換器を交換型アタッチメント式にする企画があったが、一瞬で却下された。最大の理由は「電源をオンのまま交換を行うお客様がいた場合、重大事故につながる」というものだった。

それにお客様の住環境によっては、電源コンセントを抜きにくい配置であったり、物理的にスペースがなくてパーツを外しにくい場合があるだろう。

事故クレーム可能性は吐きたくなるレベル無限存在する。いや開発時に考えすぎて吐いた同僚がいた。

安全懸念があるものは開発できない。

 

 

2. 省エネによるパーツの巨大化

エアコンが顕著だが、2007年省エネ法など法的な規制が厳しくなっている。

だがいくら技術や素材が進歩たからといって、そう簡単省エネにできるはずがない。じゃあどうすればいいかデカくするのだ。

エアコン冷蔵庫などは熱を交換するという性質上、巨大パーツを動かす事で省電力化に寄与する。小さいコップに注がれたお茶と、大きな鉢に入ったラーメンが同じ温度だとして、小さいコップの方が早く冷めるのと同じ理屈だ。実際に多くの家庭用エアコン本体・室外機ともに20年前より1.5倍程度デブになっている。

デカくすると重たくなる。結果、メンテナンス性が下がる。

例えば多くの家庭用エアコン解体者の左側にスペースがないとパーツの取り外し自体が難しい。右側に電気制御基板があるため、左側のフィン軸などを浮かせてパーツを分解するためだ。脚立の上で重たいパーツを抱えた結果、バランスを崩して転倒するのは目に見えている。実際、プロエアコン修理業者ですら事故を起こした報告を聞いている。

 

 

 

……とまぁ、メンテナンスできない理由は上述の通りだ。

元増田が上げてるすべての家電ジャンルに私は携わったわけではないが、回転駆動するモーターを内蔵する機器、高温になる機器大電流を必要とする機器は、どうしても安全性を重視せざるをえないのは想像に難くない。回転するモーターがあって高熱で大容量電力が流れる状態で分解・清掃する馬鹿が、マジでこの世には山ほどいるのである。本当に信じがたいが。家電開発をしていると、もしかして人類全員は単細胞じゃないかと思えてしまう。冷や汗がでる危険行動をとる人がいる、いまくる、いすぎるのだ。あまりに多くて本当に気が狂ってしまうよ。

掃除やすくした結果、事故が起きては取り返しがつかない。お客様の命と同時にメーカーの信頼も失う。

 

 

とはいえ私自身も元増田投稿には心情的にかなり同意する点は多い。

ブコメにも指摘はあるが、メンテナンス製を重視して製品ラインナップを展開しているのは三菱電機くらいである。

環境負荷のことを考えても、適切に分解・洗浄ができて、長く使える製品を開発する事はメーカーの責務であると私も思う。だが上述の事由や、歴史的文化的企画判断では、メンテナンスの優先度は極めて低い。

 

全体的に「増田くらい清潔にメンテしておきたいって気持ちを持つ人は極少数」なのは知っといてもらいたいね

修理とかで使われた物見ると分かるけど「一切の掃除をしない」っていう人も相当数います

家電関係の仕事してるので反論・説明してみる

非常にわかりみが深い。だが私はこの認識は少し古い気がしている。

SDGsの広まり一過性ブームなのか、もっと継続的ものになるかは意見が分かれるだろう。しかし私はお客様の声や販売スタッフなどの話からメンテナンスに対する需要2020年頃から高まっているように感じる。若手から企画報告でも、TikTok・Instagramm・YouTubeでのお掃除動画の盛り上がりなど、気になるトピックが増えてきた。

メンテナンスを行いたいという感度の高い客層は、10年前・20年前に比べて増えてると私は考えている。生まれた時から多くの家電に触れ、ご友人の評判やネット商品レビューから使いこなしを意識した、家電教養の高いお客様が増えている事の裏返しだと思う。

大手メーカーで一瞬で却下された企画を形にしたような、バルミューダデザイン家電がヒットしたように。メンテナンス家電メーカーXが今後登場する可能性はある。かもしれない。

 

 

ところで元増田海外製品の良さを記しているが、これは歴史的文化的な側面があるのではないかと思う。

日本は「町の電気屋さん」として、販売メンテナンスを行う中小企業が多い。平成・令和となった今はビックカメラケーズデンキなど大手家電量販店はすべての都道府県存在するが、これは世界でも珍しいどころか、おそらく世界日本だけの唯一無二の状況である

お客様アクセスやす家電サポートが身近にあるため、メンテナンス機能実装優先度が下がると思われる。

一方国土が広いアメリカや、サポートスタッフが少ない途上国なんかだと、そうはいかない。お客様自身メンテナンスできる機構必要だったのではないか

 

それからメンテナンスができるとして、どこまでやれば良いのかという話もある。

洗濯機エアコンが顕著だが、高温多湿な日本環境は、家電にとって大変なハンディキャップである

どんなにメンテナンスしてもカビ・ホコリは発生する。これを書くのは心苦しいが家庭用エアコンのお掃除機能は、ハッキリ言って焼け石に水である

じゃあ完全分解洗浄するのか? そんな事をしても1年後には汚れまみれである。 毎年3万円かけて掃除業者メーカーエアコン完全分解洗浄をするくらいなら、全く掃除せず3年目に9万円の新品を購入した方がマシではないか?

メンテナンスコストを下げるために改良した製品を投入するとは、この部分こそが未知の領域である。いったいどのレベル製品ならば、お客様の満足と、それに見合うコスト釣り合うのか。誰も分からないだろう。

批判承知乱暴な言い方をするなら、

お客様メンテナンスされて汚れを認識するくらいなら、奥にゴキブリが挟まってたとしても見えない方が良いという事だ。

 

 

個人としてはメンテナンスがしやす製品が登場し、長く使って愛せる家電が増えればいいなと思ってるけどね。

しまりがわるいので、最後一言だけアドバイス

家庭用エアコン用お掃除スプレー絶対に使うな。あれは汚れを溜めて故障をさせるゴミ製品だ。絶対に使うな。絶対にだ。

2023-01-19

はてブユーザーレベル低いな

最近寒いいか家の断熱がなっとらん、アルミガラスサッシとか最悪だろ!!

みたいなブクマが時々たつけど、最近建築物省エネ法改正の話とか断熱等級6,7の新設の話とか、

省エネ基準適合義務化の話とか、業界保護・・・とのらりくらりする国土交通省河野大臣一喝したYOUTUBEとか

いろんな断熱改修の補助金の話とか、全然知らない人たちがいい加減なこと書いてるのな。

ブクマ役にたたないなぁ

2020-06-27

anond:20200626220915

建築士です。ブコメにも書きましたが、「再熱除湿」と書かれた機能のあるエアコンを買いましょう。日立三菱コロナ富士通ゼネラルから出ています

その他のドライとか、なんとか除湿ダイキンプレミアム除湿パナソニックの快適除湿など)はただの弱冷房であり、詐欺商品です。

まず、再熱除湿とは?ですが、これは名前の通り一度冷やした空気を再度温める除湿方式です。動作原理としてはコンプレッサー式の除湿機と同じです。除湿機と違うのは、

1.騒音の原因であるコンプレッサーが屋外に設置されていますので、圧倒的に静かにできること。

2.除湿機の場合、機 機械駆動エネルギー分だけ室内温度が上昇してしまますが、エアコン場合は室外機を通して排熱が可能

これにより再熱除湿方式エアコンでは温度湿度を別々に管理することが可能です。

「室温は十分低いのになんかムシムシする」という状態は、一定以下の室温になると、非再熱式のエアコンでは冷房に頼った除湿ができなくなる一方、人間は常に湿気を放出しているために湿度が再び上昇することで起こる現象です。

(余談ですがこのあたりの空気挙動Amazonに2000円程度で売ってるデジタル湿度計で可視化できます。)

欠点は、一度冷やした空気を再度温めますので、電気代が余計にかかってしまうことです。

さて、なぜこんな基本的機序作用が分かっているのに、ダイキンなどエアコンメーカーは再熱除湿エアコンを売らないのでしょうか。これは日本政府政策や、エアコンの売り方が影響しています。これが本ダイアリーのメインです。

パナソニックダイキン2012年ごろまでは再熱除湿方式エアコン販売していたのです。ただ、省エネ法による省エネ性能の統一表示制度が浸透していく過程で、再熱除湿機能エコ基準達成率を引き上げる上で足かせになっていったのです。(先ほど再熱除湿電気代がかかると申し上げましたね?)消費者ヨドバシ店頭POPについた省エネの星の数「★★★☆☆」しか見てませんから、この星を一つ増やすためにダイキンパナソニックは再熱除湿機能を外したわけです。

ここまではまあよいでしょう。しかしその後の売り方について私はダイキンパナソニックに怒っておりまして、彼らは代わりに「プレミアム除湿」とか「快適除湿モード」と銘打って、あたか節電しながら除湿ができる機能発明たかのような文言を並べています

現時点では再熱に代わる除湿方式発明されておらず、実態はただの弱冷房です。このため景表法に引っかからないようカタログの端っこに小さく 「※再熱除湿ではありません」と書かれています

実はダイキン昨シーズンから最上位機種のうるさら7に関しては再熱除湿を再搭載しましたが、カタログ上はかなり微妙言い回しをしています。このあたり「再熱除湿でなければ快適な空気提供できない」とわかっている技術部隊と「造語消費者をずっと騙してきた」営業部隊の駆け引き垣間見ます

最後に、もし増田のお住まい賃貸でしたら必ず大家さんや管理会社の承諾(できれば書面で)を取ってからエアコンを交換しましょう。無断での交換は現状回復義務を怠ったと難癖をつけられて敷金没収賠償金を取られたりします。(このあたりの不動産取引の闇を書くと長くなるのでまた別の機会に)

エアコン交換するほどのコストがかけられないのであれば、コンプレッサー式の除湿機を置き、温度上昇分を冷房で下げましょう。効率は最悪ですが目的は達成できますアイリスオーヤマ除湿機がコンプレッサー式の中では比較的静かです。デシカント式はゴミなので買ってはいけません。1日でタンクが目一杯になるのを見ると、無から水が発生したかのような不思議さが味わえます

増田の夏に幸あれ。

富士通ゼネラル追記しました。富士通すまん。

 
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