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JR東海が4月8日に改めて進捗を発表したので追記しておこう。
東京・北品川工区:2024年4月 調査掘進再開(予定300m)進捗124mのまま
いずれの工区も「4月から開始・再開します」という報告だけなので距離的には進捗はない。
坂下西工区は40cmで停止していた立坑コンクリ壁の掘削が2024年2月完了なので進捗1m?と言ってもいいかもしれない。地盤的には0mだが。
名城工区も進捗0m。3か月?ぶりにプレスリリースページに工区の項目記載が復活した。
~追記ここまで~
JR東海が3月28日にリニア工事の品川部分の進捗をプレスリリース発表した。静岡での工事許可が出ないことをネックに開業が遅れているとされるリニア中央新幹線。
さぞ他の箇所の工事は順調に進んでいることだろう。起点となる東京・品川駅のトンネル掘削工事の経過を簡単に紹介する。
以上だ。
ん?124m?124kmの見間違いだろうか?リニア車両5両分よりも短い距離だが…
東京-名古屋のリニア全長は286kmありそのうち地下トンネルは246km、86%を占める。山梨実験線は42.8km。
東京-神奈川は地下トンネル(第一首都圏トンネル37km)で結ばれ地上には現れない。この工事は4分割した各拠点からシールドマシンを発進させ合流する。
工事区域は東京側から順に北品川工区9.2km、梶ヶ谷工区11.8km、東百合丘工区4.2km、小野路工区12.0kmと言う。
本格的な掘削を始める前に掘削しながらその影響の調査や各種確認を行い、これを「調査掘進」と言う。
上に挙げた進捗は北品川工区の調査掘進がまったく進んでおらず2024年3月時点で工事拠点の敷地から出てもいないことを示す。
一点、JR東海を擁護するならこの北品川工区はリニア工事全体で最もカーブがキツくシールドマシン掘削の難所だということだ。難所なら仕方ないなあ。
では同じく3月28日に発表された神奈川側・小野路工区12.0kmの進捗を見てみよう。
以上だ。
梶ヶ谷工区は工区内の拠点から名古屋方面(1号機)と東京方面(2号機)に別れて掘削する。2機あるから進捗が期待できそうだ。
1号機
2号機
以上だ。
次に2023年12月25日発表(以降の発表はない)の東百合丘工区 4.2kmの進捗。
以上だ。
これら4工区で計540m、第一首都圏トンネル37kmの進捗1.46%である。
では岐阜-愛知を結ぶ第一中京圏トンネル34kmを見てみよう。
こちらも工区が4分割され岐阜側から順に西尾工区4.7km、坂下東工区2.2km、坂下西工区10.1km、名城工区7.6kmと言う。
このうち西尾工区は重機で掘る山岳トンネルで、他3工区はシールドマシンによる大深度地下トンネルだ。
このトンネルの進捗だが現時点でプレスリリースのページに記載があるのは坂下西工区のみである。
以上だ。
2022年8月9日発表で調査掘進をする前の準備段階で停止して以降、続報はない。
西尾工区、坂下東工区、名城工区はページにその項目名自体がないのだが、名城工区については削除された経緯がある。
2024年1月18日版のインターネットアーカイブには名城工区の項目があり、2023年12月8日付発表で住民説明会を2024年1月に開催する案内があったが、2月15日版以降では項目ごと削除された。
(工事写真を見ると西尾工区のトンネル工事はある程度掘り進められていそうだ。環境保全資料を読み解くと名城工区は2023年9月にシールドマシン組立が終了したことがわかる。坂下東工区は不明)
プレスリリースでの公式発表された進捗は上記だけである。シールドマシンを使用しないトンネルでは発表もなく、各県ページの工事写真が更新されるくらいだ。
が控えている。難所だらけだな。加えて駅舎や車両基地の工事もある。車両基地の用地買収は未だ終わっていないという報道もある。
そもそもJR東海の発表では2023年9月時点で用地取得率は未だ進捗70%だ。名城工区のように工事が始まる以前の住民説明会をやってる工区もある。
静岡云々以前に2027年開業など明らかに不可能なことがわかるだろうか。静岡を除いて品川-山梨で部分開業というのも笑い話だ。
工事状況の散々な遅れに対してJR東海はこれまで「開業時期に影響なし」のコメントを繰り返してきた。
なぜ静岡県知事が強気に出られるか、なぜJR東海が開業遅れの原因を静岡になすりつけるか、合点がいく。
JR東海の虚言を信じ2027年に合わせて税金を投じ駅周辺を開発してきた沿線自治体も愚かなものだ。
https://company.jr-central.co.jp/chuoshinkansen/urban_shield-tunnel/progress/
2024年1月18日版 工事に関するお知らせ|JR東海(名城工区の記載あり)
東京首都圏や近畿地方の大都市に住んでいる人間にとって、長野県という地域は大変人気である。
山や川の大自然に囲まれた観光資源の宝庫として、また軽井沢や原村の別荘地のある場所として注目されやすい場所だ。
また近年は、大都市に住んでいる人達の移住希望地の上位が長野県になっているらしい。
この20年ほど、長野県は県を上げて「信州ブランド」の発信を行っていて、県外の人間の長野県への好感度は非常に高い。
それ自体は良いのかもしれないが、実際に長野県に住んでみるというのは、結構過酷な場所だと思う。
本屋で売っている長野県の観光ガイドや、ターミナル駅に置いてある長野県の案内本を読んでみると、大自然に囲まれた長野県と言うPRがなされていて、それ自体は間違ってはいない。
実際の長野県は、山岳や丘陵地帯ばかりで、人間の住めるような平野や盆地は限りなく少ない。長野盆地や松本盆地、飯田盆地の3か所を除けば、ほとんどが山ばかりである。
おまけに、あまり知られていないが、長野県は慢性的に水不足がひどい地域である。長野県の西側には北アルプス、中央アルプス、南アルプスの3000メートル級の稜線が覆っているので、長野県内陸部に流れてくる雨雲はみんなこの山岳地帯に遮られて、雨がほとんど降らない。
逆に、長野県の周辺県は全て一年を通して大量の雨が降り、水に恵まれた場所だ。アルプス山脈の西側の岐阜県の高山地方や富山県の立山地方は、雨が降り過ぎて逆に洪水対策ばかりやっていることで有名だし、静岡県全域も非常に雨が降る場所。長野県内が痩せ川ばかりなのに対し、大井川や安倍川は暴れ川として有名だよね。
中信や南信はまだマシかもしれないが、上田市や坂城町のある東信地方は、日本一雨の降らないエリアとなっていることはあまり知られていないのではないか。
平野が少ないうえに、残った土地も痩せているので、作物は育たない。
長野県は「そば」の名産地として有名になっているらしいけど、なぜそばを作らざるを得ない環境なのかを考えてみるのも面白いだろう。
別荘地やリゾート地として有名な白樺湖は、元々は雨が少ない諏訪地方の農業用溜池として造られたのだ。
軽井沢も雨が降らず、浅間山から吹き下ろしてくる強い風で全く農業が出来ない痩せた土地であり、リゾート地として開発するしか使い道が無かった場所である。
大量の雨が降ってコシヒカリなどの米を作ることが出来る新潟や、雨が多く御母衣ダムなどの電源開発地帯として有名な岐阜、滝のような流れの成願寺川や黒部川を有する富山県などの周辺県と比べると、ムリゲーみたいな場所が長野県である。
旅行から帰ってきて、山で遭難が相次いでいるニュースを見てびっくりしている。
そういえば、2008年は自分が名前を知っている山ヤが相次いで山で亡くなった年だった。
これまで何度も修羅場をくぐり抜けてきたのを見ていただけに「まさか」という感じだった。
晩年はますます過激な嗜好に走っていたから
「いつかあいつは死ぬ」と、白馬に通うスキーヤーの間ではささやかれていたみたいだけど。
二人とも、スキーを使って長い間山に入る、ってことをされていて
「あそこまではいけなくても、いつかは」とひそかに意識していた人たちだ。
記録を読んで(こちらが一方的にではあるけれど)憧れている人が
山に呑まれてしまうのをニュース越しに見ていると
続きはどうなっているんだ、と気になって浮き足立つ気持ちを抑えられず
自分ってやつはどうしようもない野次馬なのだ、と卑下したくなってくる。
そして山に入ってアクシデントに見舞われ身体の一部を動かせなくなったけど
自力で病院にたどり着いて
運がよかったのかもしれないな、と思う。
少なくとも、山に行けずに静養している間
知り合いのブログで山の記録がアップされるのを読んで
自分を「不運」だと嘆くのは、そろそろやめにしたい。