「三段リーグ」を含む日記 RSS

はてなキーワード: 三段リーグとは

2017-06-23

藤井聡太四段で学ぶ「観る将」入門

ついにやってしまいましたね。藤井聡太四段がプロデビューから負けなしの28連勝を飾ったことで将棋界のみならず大きな話題になっています

ここまでくるともう勝つ度にニュースとなり全国を駆け巡るので、嫌でも将棋話題を耳にする人も多いでしょう。

ただ将棋界・将棋プロ制度一般的にはあまり知られていない側面も多い業界です。

そこで将棋プロ制度を全くご存知ない人のためにFAQ形式で学んでいく増田を書きました。藤井四段のみならず将棋界がニュースになった時に一役買えたら何よりです。

Q.藤井くんってデビューしたてなのにもう「四段」なの?早くない?

A.

この疑問についてはプロへの道程から説明しなければなりません。

将棋プロ棋士になるには日本将棋連盟棋士養成機関・新進棋士奨励会通称奨励会」)に入会するのが最も一般的ルートです。

奨励会に入会すると、師匠推薦などで多少の上下はあります基本的には6級が与えられ、他の奨励会員たちと対局して昇級・昇段を目指していきます

ちなみに奨励会の6級はアマチュアの四段に相当すると言われています。これは地方アマ大会であれば上位を狙える棋力です。

そうして6級~1級~初段~二段と昇級昇段を繰り返し、三段に到達した奨励会員は同じく三段の奨励会員たちを集めた「三段リーグ」という地獄、もといリーグ戦に参加します。

半年をかけて行われるこの三段リーグの上位2名が「四段」に昇段し、晴れてプロデビューとなります

藤井聡太くんも上記のルートを辿って最年少で三段に到達し、三段リーグ初参加で1位(13勝5敗)となって四段昇段・プロデビューを果たしました。

まり将棋界では四段からプロ棋士キャリアの始まりなのです。

Q.っていうかそんな強いのにまだ四段なの?昇段の条件ってどうなってんの?

A.

プロ棋士の段位はレーティングのように上下しないので、確かに棋力を示すものではありますが、それと同時に積み重ねたキャリア・実績を示すものでもあるというのが私個人見解です。

したがって、今現在勝ち星を挙げているからといってすぐ段位に反映される類のものではありません。

プロ棋士の昇段規定については連盟サイトに詳しくまとめられています

https://www.shogi.or.jp/match/dan_provisions/

いきなりこんなん見せられてもよーわからんという方のために解説すると、昇段条件には大きく分けて2種類あります

【1】棋戦成績

棋戦(大会)での成績に伴う昇段です。

「〇〇戦×組昇級」「◎◎ランキング戦2回連続昇級または3回連続優勝」「全棋士参加棋戦優勝」「タイトル挑戦」などと書いてあるものです。

デビューしたての四段でも勝ち続けてタイトルマッチに挑戦すれば五段になれますし、

将棋最高峰タイトルの「竜王」に挑戦すれば七段、「竜王」奪取に成功すれば八段へジャンプアップすることも可能です。

これらの条件を達成すれば昇段に値するというのは、詳しくない方でもなんとなくお分かりいただけるかと思いますイメージとしては「J2だけど天皇杯で優勝したのでJ1に昇格!」みたいな感じです。違うか。

【2】勝数規定

段位への評価を難しくしているのがこの勝数規定存在ではないでしょうか。

「●段昇段後公式戦***勝」とあるのがそれです。

タイトルや優勝に縁がなくとも、公式戦で勝ち星を重ねればいずれは昇段が(理論上)可能です。

これはつまり勝率が.333の四段でも200敗して100勝すれば五段になれるということでもあり、純粋な強さを示しているとは言えないでしょう。

ただ、先日の加藤一二三 九段のように成績による強制引退制度がある以上、脚光を浴びることはなくとも安定して勝利を積み上げる棋士への評価軸として、勝数規定一定機能果たしていると私は考えます

ちなみに勝数規定のみで九段に達した棋士ゼロ、八段に達した棋士はこれまでにわずか6名しかいません。彼らは皆スターとなる機会は少なくとも、安定して長く勝ち続けてきた棋士たちです。

棋士の段位と実力は、上記2つの評価軸や勝率、現役生活の長さなどの要素をバランスよく取り入れたうえで語られるべきでしょう。

Q.段位については分かったが、もっと分かりやすい強さランキングとかないのか?

A.

有志のELOレーティングサイトがあります

http://kishi.a.la9.jp/

レーティング」→「棋士ランキング」と進み、現在トップ10を見てみましょう。(2017/6/22)

順位名前レート増減
1佐藤天彦名人18832
2羽生善治三冠棋聖王位王座186918
3豊島将之八段185513
4稲葉陽八段18412
5菅井竜也七段184137
6久保利明王将1834-4
7渡辺明竜王棋王1832-27
8永瀬拓矢六段1802-7
9斎藤慎太郎七段179930
10糸谷哲郎八段1784-14

このランキングであればおおよそ世間的な評価と近い結果が得られるのではないかと思います。ここ数年で羽生を除く羽生世代棋士たちが一斉に順位を下げ、若手強豪がトップ10に多く名乗りを挙げていますね。

いよいよ本格的な世代交代を感じさせるランキングです。

では藤井聡太四段のレーティング増減も見てみましょう。新人四段のレーティング初期値は1500です。

年月順位レート増減
2017年6月35169262
2017年5月49163035
2017年4月61159534
2017年3月77156125
2017年2月87153627
2017年1月9715096
2016年12月1041503-

わず半年で35位へジャンプアップしています。まあ公式通算28勝0敗なので当然ですが。

ちなみにこのサイト、対局情報のみならずレーティングに基づく期待勝率や両者の対戦成績(2001年度以降に限る)も見られるというデータ厨垂涎のサイトとなっています

盤面データを見ながら観戦するのも面白いのですが、このように棋士たち自身データを見ながら観戦するのも…こう…非常に…楽しい…です…フフ

「でもソフトには勝てないんでしょ?」とすぐ言いだす人にはこういう対人競技としての面白さがあまり理解されないのでちょっと寂しいですね…。

Q.藤井四段、強いのは分かるんだけどデビューから負けなし28連勝はちょっと話ができすぎじゃない?

A.

できすぎです。(断言)

はいえ、はてな推薦図書ヒカルの碁」をお読みになった皆さんならお分かりの通り、碁でも将棋でも各人の棋力がどの段階で成長するかはなかなか推し量りにくいものです。

碁会所巡りや洪秀英との戦いを経て短期間に急成長を遂げた進藤ヒカルのように、三段リーグからプロデビューにかけて藤井四段の棋力が更にワンランクアップしたと考えるのもさほど不自然ではないように思います

何より彼は奨励会時代から注目されていたので、先輩棋士からの教えを得る機会も多くあったのではないかと推測します。才能と環境バランス良く備わった結果が今こうして表れているのではないかなと、いちファンとしては感じています

Q.こんな大ニュースなっちゃった話題作りのために手を抜いてる棋士絶対いるでしょ…

A.

いるともいないとも断言できませんが、棋戦は基本的トーナメント方式であり、勝てば勝つほど収入(対局料)が入ります

また、藤井四段は新人なのでトーナメントの最下層からスタートです。

たとえ頂点まで勝ち進むことは難しくとも、目の前の予選1回戦・2回戦をわざわざ連盟話題作りのためにみすみす逃す棋士いるかというと…正直ちょっと考えにくいです。特に藤井四段と当たる可能性の高い若手棋士たちなら尚更です。

私も一部の棋譜をチェックしていますが、盤石な内容ばかりではないもの藤井四段自身の強さは疑いようがありません。

それに加えて本人の勢い、対局する両者へのプレッシャー、加熱する取材、それらの要素が何かしら組み合わさってこのような記録が生まれたと考える方がより自然です。

Q.羽生善治ってもっとたくさん連勝してるイメージあったわ。100連勝とか。

A.

さて、こちらは歴代連勝数ランキングです。

順位名前年齢肩書(当時)連勝数達成年
1神谷広志26五段281986~87
-藤井聡太14四段28(継続中)2016~17
3丸山忠久24五段241994
4塚田泰明22六段221986
-羽生善治21棋王221992
-山崎隆之22五段222002~03
7有吉道夫49九段201984
8羽生善治17五段181987~88
-中田宏26五段181991
-丸山忠久28八段181999
-羽生善治35四冠(!)182005
-永瀬拓矢18四段182010~11

ここから連勝記録が出やすい条件を見出していきましょう。

【条件その1】低段

上記ランカーたちの多くが四段ないし五段という低段時代に記録を達成しています

これはどういうことかというと、まあ身も蓋もないですが「強豪との対局が少ない」です。

裏を返せば「勝てば勝つほど強豪と当たる」という当たり前な事象があり、このあたりに羽生善治三冠の連勝記録が意外と伸びていない理由があるものと思われます

はいえそれでも歴代トップ10に3回もランクインしてたり、そのうち2回はタイトル保持者として強豪ばかりをなぎ倒して達成していたりと、十分ヤバい棋士ではあるんですけどね。

また、デビューから間もない低段棋士は対局相手にあまり研究されていないというアドバンテージもあるでしょう。

【条件その2】若い

合計12の連勝記録トップ10のうち、3つは10代、7つは20代で達成されています

将棋思考力を試されるゲームですが、プロとして対局を消化するのは体力勝負でもありますタイトル戦ともなれば「一人あたりの」持ち時間は3時間~6時間にも達します。

対局の度に盤の前で何時間も考え続けて勝利をもぎ取る体力、これを10何局20何局と積み重ねるためにはやはり若さが大切なのかもしれません。

実際、棋士の力のピークは20代から30代半ばであるとしばしば言われます。この数字だけ見るとアスリートに似ていますね。

そしてランキングに戻ると有吉道夫九段の49歳20連勝が光り輝いて見えます羽生四冠35歳18連勝はもはやチート

【条件その3】強い

当たり前のことですが、強くないとそもそも勝てません。以上です。

…というのもアレなので、連勝記録トップ10ランカーたちの通算勝率を並べてみました。(現役棋士のみ)

順位名前対局数勝数負数勝率最多連勝数
1藤井聡太四段282801.00028(継続中)
6羽生善治三冠191613705440.71622
11永瀬拓矢六段3372371000.70318
20山崎隆之八段8555582970.65322
29丸山忠久九段13468564900.63624
54中田宏樹八段12167224940.59418
88塚田泰明九段13207215990.54622
139神谷広志八段11645576070.47928

プロ将棋では通算勝率が6割あれば実力者とみなされることが多いです。この辺は通算対局数や個々人の主観によっても変わってきますが。

ちなみに対局数1000以上の棋士で7割勝ってるのは羽生善治三冠ただ一人です。恐ろしい恐ろしい

こうして見ると連勝記録ランカーたちは通算勝率もおおむね5割後半~7割をキープしており、また神谷八段と藤井四段を除く全員にタイトル挑戦ないしタイトル獲得経験があります

したがって、勝率の高い、強い棋士が連勝記録を出しやすいと言えるでしょう。まあそりゃあそうよね。

連勝記録が出やすい条件

【低段】【若い】【強い】

藤井四段はこの3つを兼ね備えているので、デビューから負けなし28連勝も当然の結果ですね!!(藤井連勝ストップ予想を書いた紙を破り捨てながら)

Q.テレビでやってたけど藤井くんが休憩中どんな飯食ったかとかどうでもよくない?

A.

どうでもよくないです。これはとても大切なことです。もちろん彼が出前を注文した店に殺到するような行為は厳として慎まなければなりません。

しか将棋ファンにとって「棋士食事」は一大コンテンツでもありますメインコンテンツとまで言うとさすがに過言です。

古来から将棋棋士たちは盤面のみならず食事面でもしのぎを削ってきました。その元祖と言えるのはかの加藤一二三 九段でしょう。

対局の度にうな重を平らげ、板チョコをまとめてボリボリ。近年もカキフライ定食チキンカツ定食ダブル注文で中継を沸かせ、故米長邦雄との"みかん対決"は今なお語り継がれています

上の連勝数ランキングに登場した丸山忠久九段も大食漢で知られています。一部のタイトル戦では1局に2日をかけて戦うのですが、緊迫感が最高潮に達する2日目の夕食にステーキを注文した鉄の胃を持つ男。

竜王戦の昼食ではカツカレー味噌ラーメンダブル注文を決めて健啖丸山を高らかに宣言し、三浦弘行九段騒動で揺れる将棋界に一時の安寧をもたらしました。

(一方、その裏では解説加藤一二三 九段麻婆豆腐+かに玉+中華粥を注文していた)

かの羽生善治タイトル戦で「寿司ジンジャーエール」という新手を残しています一見奇抜な組み合わせだが、ガリの生姜成分をジンジャーエールで補強しようという意欲的かつ独創的な指し回しだと話題になりました。

ちなみに、将棋棋士比較的しっかり食べる一方で、碁の棋士は少食派が多いのだとか。そういえば塔矢アキラも対局日は昼食をとらないキャラクターでしたね。

この辺はいずれどなたかにしっかりとしたデータを取っていただきたいものです。データ厨なので。

Q.次勝てば新記録なんでしょ?次の相手ってどんな人?

A.

やべーやつです。

増田康宏四段(19歳)。26歳以下・六段以下のプロ棋士三段リーグ上位者などが参加する「新人王戦」を昨年10代で優勝している期待の若手です。

プロデビューは16歳。彼も三段リーグ在籍時に藤井四段と同じ「現役中学生棋士」となるチャンスがありましたが、上位直接対決での黒星が響いて失敗。中学生棋士中学生棋士になりかけた男の対決です。

増田四段のELOレーティングは1712。藤井四段の期待勝率は47%ですがこの数字は現状あまり当てにはなりませんね。

先月単独インタビューが公開され、「矢倉(戦法)は終わりました」「("興味のある戦法は?")ないです」「("好きな将棋格言は?")特にないです」「(研究会は)行くのが面倒」「詰将棋意味ないです」

などの強烈なパンク発言話題を呼んでいます

https://book.mynavi.jp/shogi/detail/id=73003

彼はAbemaTV企画非公式戦ながら藤井四段に敗れ、「初めて年下に平手で負けた」と悔しさを露にしているため、次戦を増田四段のリベンジマッチとして観戦するのも面白いでしょう。

Q.藤井四段は次勝つとどうなるの?

A.

藤井vs増田の戦いが行われるのは将棋界で「名人」と並ぶ最高峰タイトル竜王」への挑戦権を争う竜王戦決勝トーナメントです。

https://www.shogi.or.jp/match/ryuuou/30/hon.html

から1組~6組のクラス別予選を勝ち抜いた棋士たちによる変則トーナメントで、藤井四段は一番下の6組予選で優勝、増田四段は5組予選で優勝しての参加です。

ちなみに竜王戦決勝Tは対局料が公開されていますトーナメント表に書いてある数字がそれです。

藤井四段は6組予選優勝で既に93万円を獲得しており、

決勝T初戦で増田四段に勝てば52万円を獲得します。

勝ち進んで挑戦者決定戦に進めば450万円。

挑戦者になればたとえ敗れても1,620万円、

竜王」のタイトルを奪取すれば4,320万円です。(将棋界最高額)

もう一つ言うと、竜王戦6組予選はアマチュアにも門戸が開かれています。夢がありますね。(なお、プロ並みに強いアマチュアに限る)

金曜日ですね

さて、天才たちのことばかり書き連ねていたら疲れました。

平日も残すところあと一日。われわれ凡人は今日も地に足をつけて、やっていきましょう。

2017-06-15

藤井聡太四段がデビュー以来何連勝みたいな話で将棋界が盛り上がってるけど

藤井四段ってプロ入り前の三段リーグではけっこうポロポロ負けてるよね。

まり三段リーグってプロの中堅くらいの連中がゴロゴロしてるの?

2017-04-15

男女平等必要なのは女性の体力

まず、いつまで「女はバカ」とか言い続けるのか、こっちはいい加減呆れてるんです。

単純な頭の良し悪しで言えば個人差の方が大きくて、実際そんな変わらないだろうと。

まあ、今時「女性頭が悪い」とか言ったら大炎上だし、仮に事実でも言えやしませんけど。

で、現状の日本男女平等を妨げてるものが何かというと、一番大きいのは体力だし、

もはやそう言うしかないと思うんですね。

フェミの皆さんは二言目には男社会や家父長制のせいにして、ルールおかしいとか言います

クォータ制とか持ち出して、キラキラしたものにばかり割り込ませようと必死です。

でも、そういう人気の高い役割こそ、得てして体力的にきつい。

美しい水鳥が水面下で必死バタバタしているみたいなアレですよ。

なんでルール上完全に男女平等なはずの将棋で、三段リーグ突破する女性が現れないのか。

もちろん、大きな要因として、そもそもの男女比がアンバランスというのはありますし、

そこそこの実力で女流プロとして食っていけるからそれ以上上を目指す必要がない、

という事情もあるでしょうけど、最後最後は体力だと思うんです。

男に比べるとどうしても無理が利かない。

もちろん、生物学的なアレもありますし、さらに言うとそこに出産やら何やらでハンデがある。

から修正措置として女性を多少優遇せざるを得ないというのはつまりそういうことです。

ただ、だからといって、女性に体力が不要ということにはなりません。

そこを無視して「女性共感性が高い」とかいうのを売りにするのはちょっとまずい。

まり共感一辺倒だと、自分共感しないものはどうでもいいってことになりますから

あと、周り全員敵になった時に、唯一味方してくれる人がいるとひたすらそいつに傾倒して、

結果パククネみたいなことになりがちなわけです。

まあ、この辺は例の過労死とかをきっかけに、いろいろ議論のあるところですけど、

当面個人的にどうすべきかというと、やっぱり男女関係なく体力つけるのが一番だと思います

男に家庭科勉強させるより、女に体育を徹底させる方が早くて確実です。

そして強い女性バカにしたりとか、ああいうのははしたないみたいな旧弊をぶっ壊すこと。

これが必要なのではないでしょうか。

都合のいいことに、知力が足りないのをバカにすると角が立つのに比べると、

体力が足りないのは割と堂々とバカにしていい、という規範もありますからね。皮肉ですけど。

2015-09-30

http://anond.hatelabo.jp/20150930110541

実際、今までに奨励会三段リーグ突破して、正規棋士になった女性はいない。

これについては、現時点での実力差はもちろん、女流棋士存在がむしろ障害になっているのではないかという説がある。

まり奨励会トップレベルに劣る実力でも女流棋士になれ、そこで活躍すればそれなりに稼げるのに、

なにも地獄三段リーグを抜ける必要などないということだ。

昨今は将棋に限らず、女性が輝くだの女性活躍だのとやたらうるさいが、女性中途半端優遇すると、

しろトップレベルで戦う意欲を奪ってしまうのではないかという仮説。いかがでしょう。

2015-06-10

http://anond.hatelabo.jp/20150610152512

1/100が100/10000に一人でも入ってたら妥当だよな。

現状詳しい段位ごとの人数や男女比などがわからないんだけども。

統計でどのくらい差があるんだ?

30人しか入れない三段リーグ女性いたこともあったよな。

女性そんなに弱いかな。

2013-03-29

電王戦第2局 佐藤慎一四段とPonanzaの対局によせて

基本情報

将棋棋士過去の対局によったイロレーティングによるランキングが有志の手で公開されている。

2012年度 棋士ランキング(http://homepage3.nifty.com/kishi/ranking2.html)。

大雑把に抜粋して以下のような感じ(2013/03/29時点、太字が第2回電王戦出場棋士)。現役プロ棋士はこの時点で総数163名。

順位名前レート今年度増減
1渡辺明竜王棋王王将197573
2羽生善治棋聖王位王座196529
12三浦弘行八段175110
32船江恒平五段16599
43阿部光瑠四段162315
79遠山雄亮五段*11543-84
95佐藤慎一四段*21511-10
100塚田泰明九段14961
105.5奨励会員*31478-41
125.5アマチュア*4142635

私の事前の予想では三浦八段、船江五段、阿部光瑠四段はおそらく安牌、佐藤慎一四段が勝てるか怪しい、塚田泰明九段は負ける、といったところだった。GPSの賞金イベントからコンピュータ将棋プロ上位クラスに及ぶとは到底思えず、しかし(短い持ち時間ではあるが)清水アマ*5には完勝している、というところからプロ中位以下にはソフトも善戦すると見積もったのだ。

そんなわけで明日佐藤慎一四段対Ponanza戦は、現役プロソフトに負ける可能性が高い重要な対局になるわけである、と思われた、のだが。

第1局(阿部光瑠四段 対 習甦)のおさら

事前にソフト提供を受けた阿部光瑠四段は習甦を見事丸裸にして*6、本番でも研究手順に誘導し研究通りに圧勝した。

くわしくは日刊SPAレポートとかを見てくださいと。

プロ棋士が解説「第2回将棋電王戦」初戦で人間が勝てた理由(http://nikkan-spa.jp/409911)

第2局(佐藤慎一四段 対 Ponanza)の展望

研究されればプロ圧勝というのはほぼ確定の模様。現状のソフトは様々な戦形において地雷のように弱点となる筋が埋まっているようだが、しか機械学習による評価関数パラメータ構築では個別局面における弱点を潰すことは難しい。古くなった定跡をそうと知らずに学習してしまうという問題もあるらしい。

Ponanzaはプロ側へのソフト提供を断っている。研究されることの圧倒的な不利を回避したわけだ。

しかソフト側の別の不安要素も明らかになった。

第1局のニコ生では参考用として、局面毎のボンクラーズ*7による評価値が表示されたのである

このボンクラーズの形勢判断、習甦の(プロが一目で無謀と判断した)仕掛け以降、ニコ生解説者阿久津主税七段のそれとことごとく食い違った。一時は習甦大優勢とも言える+400点をつけながら、習甦の攻めが切れるに至って頭を垂れ手のひらを返したのだ。

阿部光瑠四段は習甦の研究を重ねることで、実質的ボンクラーズ改めPuella αにも勝利した、といえる。

そしてPonanzaと(PonanzaはもはやBonanzaチルドレンではなかったです。追記有り)Puella αはともに先駆的将棋ソフトBonanzaの発展形(Bonanzaチルドレン)、、、

ソフト思ったより強くない。てか佐藤慎一四段圧勝じゃね?

おわりに

阿部光瑠四段が習甦に圧勝し、同時にPuella αが株を下げまくったおかげで、第2回電王戦趨勢が見えてしまった感がある。明日の第2局で佐藤慎一四段がPonanzaに勝利すれば、おそらく第4局で塚田泰明九段もPuella αに勝つだろう。第3局の船江五段は勝つんじゃないかな多分。三浦八段はさすがに格が違う。

はいえ。

最強棋士羽生三冠の通算勝率は0.7236、これから最強棋士渡辺明三冠は0.6877(いずれも2013/03/28時点)。

プロプロレベルの相手に5局指せば、一発二発くらいは食らうものではある*8。


追記

Ponanzaは2012年からBonanzaライブラリは使っていないようです。

第21回世界コンピュータ将棋選手権 参加チーム

http://www.computer-shogi.org/wcsc21/team.html

第22回世界コンピュータ将棋選手権 参加チーム

http://www.computer-shogi.org/wcsc22/team.html

これは熱戦が期待できる、かもしれない。

追記おわり


*1 将棋倶楽部24レーティング3000になかなか届かないらしい、最近2800台に落ちたともfrom将棋連盟ライブコラム

*2 著名なカツラ棋士佐藤紳哉六段、どちらもサトシン。

*3 ここでの奨励会員は三段リーグ参加者プロとの公式戦対局数が少ないため一緒くたに扱っている、順位が小数なのは引用元では順位が空欄のため。

*4 アマチュア奨励会員と同様、一緒くたに扱っている、順位が小数なのは引用元では順位が空欄のため。

*5 断トツに最強のアマチュア棋士、実力はプロレベルって渡辺明三冠ブログに書いてた。

*6 阿部光瑠四段が事前に習甦とみっちり練習対局してきた(できた)ことは、個人的にはどうかなと思う。言ってみればタイトル戦の相手とスパーリングしておいて、相手側の記憶だけ消去するような行為で、圧勝もさもありなんとなる。ソフトプロ棋譜食べて強くなってるわけだから問題ないって意見もあるが、棋譜と実戦は違うでしょ。今後のプロソフト戦ではソフト本体の提供は無し、代わりに本番に近いバージョンでの棋譜を戦形ごとに何枚か公開、とかがいいと思う。

*7 このボンクラーズは先の日刊SPAレポート(http://nikkan-spa.jp/409912)によると第4局のソフト側「Puella α」の最新版とほぼ同じバージョンであるらしい(Puella αはボンクラーズの改称名)。

*8 羽生渡辺は相手もほとんどトッププロでこの勝率云々

2007-03-13

後手という生き方――「先手」にはない夢を実現する力

後手という生き方って本があるらしいので、紹介。ちなみに読んではいない。

35歳でようやく将棋のプロ棋士になれた瀬川晶司四段と、15歳の時に中学生でプロ棋士になった渡辺明竜王が、人生における「先手」と「後手」がどのような経験をし、どのような生き方をしてきたのかを紹介しあっている対談本らしい。

補足すると、中学生でプロになった将棋棋士っていうのは、その後頂点に上り詰める事がほぼ約束された存在と言っていい。過去中学生プロは例外無くトップレベルの実力者になっている。

かたや瀬川晶司四段は、一度プロテスト(奨励会三段リーグ)から追い出されてしまった身。要するに落第生。一度は完全に将棋を捨てた彼も、30歳を越えてもう一度やり直す道を見つけた。

中卒で10年以上経ったところで、まだ30歳に手が届くか否かという所じゃない?ならば、anond:20070313094822もまだ色々とやってみると面白いと思うんだけど。それに世の30歳なんて、まだ自分が体験したことの無い事に色々とチャレンジできる年代だし。やってみないのはもったいない

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん