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2022-11-12

anond:20221111214347

自民党の集票組織

自民党は1700万~1800万ぐらいで安定して得票している。

それは数万から数十万規模の業界団体組織をていねいに束ねているからだ。

そしてこの小規模組織、中規模組織しかないところが強みでもある。

特定業界団体が極端な影響力を行使できない。それは自民党議員八方美人的にあらゆる支持団体にいい顔をするということでもある。

統一教会しろ日本会議しろ集票力という点では高い能力は持っていない。

ただし、統一教会は見返りよりも関係性の構築を優先して選挙支援をしていたのだろうと思う。

これは他の業界団体にはできない。一般的業界団体は、あくまでも御恩と奉公関係であり、一方的奉公することはありえない。

将来の領地ではなく現在領地の安堵を前提に奉公している。


公明党との関係

創価学会自民党の集票組織としてみなすなら圧倒的な大規模組織となる。ひとつの塊で自民党のために数百万票を動かせる組織は他にない。

自民党のように創価学会が小規模中規模の信徒団体が組み合わさったような体制であれば、自民党は間違いなく切り崩しをおこなっていただろう。

しかし、創価学会ひとつの塊であり結束力は強い。

公明党を潰して自民党直属の業界組織とするなら、これこそ自民党が乗っ取られるという表現になる。

自民党を牛耳るというのは創価学会ほどの集票力と結束力があって始めて可能性が生まれることであって、統一教会程度の規模ではできるはずもない。

また日本会議一枚岩組織でないことは宗教歴史を少しでも知っていればわかること。自民党議員は上手く付き合っているに過ぎない。

公明党はずっと外様大名でいてくれないと自民党は困るのだ。


旧民主党はどうか

自民党に対抗できる自民党と似たような組織動員ができる唯一の政党だった。

旧民主党がもう少し踏ん張っていれば、財界でも二大政党制を睨んだ恒常的な組織再編があっただろうと思う。

政権についている最中に次々と御恩を蔑ろにしていったのが解体されてしまった原因だろう。

原発の稼働停止、行き当たりばったりの行政改革円高放置などは政権の獲得を支えてきた御家人たちを切り捨てるような行為

消費税増税を決めたかから下野したのではなく、支持団体をことごとく蔑ろにした結果でしかない。

連合創価学会に相当するような集票組織ではあるが、創価学会とは違いひとつの塊ではない。

様々な利害が絡む産業別労組公務員労組が組み合わさっている団体である

旧民主党自民党と同じようにコントロールできると踏んでいたんだろうと思う。

自民党の優れていた点は、郵便局長会や農業団体などの紀伊尾張藩クラスの集票組織ダメージが伴う政策を実現するときに、雄藩たる外様大名公明党との関係を良好に保っていたこである

旧民主党にとっては連合内の各労組は、御三家クラスの支持組織にも関わらず粗末な扱いを続けた。代わりもいないのにだ。

良い政治理念だけでも実利だけでも達成しえないが、理念のために実利を無視すればそれはもう政治ではない。

宗教ですら理念と実利の両輪を信者提供することで成り立つ。統一教会のようなカルトが悪なのは理念だけで洗脳搾取するからである

旧民主党勢力が実利を無視するから自民党公明党に接近する連合組織は、自由意志を持ったまともな状態の人たちの集まりと言えるだろう。

集票組織は悪か

民主主義国で業界団体宗教組織などの集票に頼らない政権政党などない。

何のために結社の自由保障されているのか。

社会観を共有できない人間同士がどうやって同じ政治目標の実現に向かって歩んでいけるというのか。

無党派層のような浪人だけを大量に集めたとしても豊臣のように滅亡するだけである

恩顧の大名とそれにつらなる家臣群や領民たちを敵に回して勝てるとでも思っているのだろうか。


政治は様々な理念と実利を求める集団を調整する機能

自民党政権政党たりえるのは、自らがその機能しかないことを自覚しているからだ。

政権を目指すなら政党は調整スキルを高める必要があるし、支持者は社会観の共有できる最大限の大きい塊を作り支持政党の調整に期待しなければならない。

理念と実利の両方を同時に重んじるということは、他の社会観を持った組織理念と実利も尊重するということ。

尊重できるからこそ政党の調整機能が働く。

SNS浪人を大量に集めても一発逆転の改革志向革命志向に毒されていくだけだ。

自民党は調整機能に特化した政党理念はそれぞれの集票組織が持ち、そのそれぞれが理念に基づく実利を自民党要求すれば、それを勝手に取り込んで調整していく。

自分たち理念と実利は少しも譲らずに他組織に譲歩ばかりを迫るような団体が集票組織の中心となる政党機能停止となる。


日本に足りてない集票組織

これは賃金上昇を目指す組織一択である。実利先行で理念後追いの組織とも言える。

賃金が上昇するとあらゆる属性弱者生活力が上昇する。

ただのお題目でもなく綺麗事でもない、実際的健康文化的生活の実現が可能となる。

特定属性弱者の力が強くなるから賃金が上がるのではなく、賃金が上昇するから弱者の力が増すのだ。

賃金が上がれば物価も上昇するが、それはさら賃金上昇を目指す圧力にもなる。

今の日本には賃金の上昇を目指す組織がないので、たいして上がってもいない物価を下げようとするという相も変わらぬマインドで乗り切ろうとしている。

そんなことはない、私が参加している組織賃金上昇を目指しているぞという人がいるかもしれないが、それはただ単にSNSバズるためであり、浪人を集めるための釣りである

集められた浪人賃金上昇のためではなく、空虚理念のために奴隷のように扱き使われるだけだ。

気づいたときには統一教会信者のように家族財産も失い、人生も失う。

大坂の陣のような時代であれば集められた浪人は華々しく散って歴史に名を残すチャンスもあるが、今の時代は裏切られた失望感を抱えながら生きていくことになる。

賃金上昇はどういう集票組織でも理念バッティングしない。

経団連でさえ中長期的には恩恵を受ける。被害妄想にとらわれるのは老い先短い高齢経営者だけだ。

弱者属性を抱えている組織にとっては参加している人々の生活力を格段に上昇させる。

日本賃金上昇は途上国新興国賃金上昇とは意味が違う。

それは日本からしか買えないものがたくさんあるからだ。日本すごいでもなんでもなく少々高くても日本から買いたいというブランド力はまだまだある。

こういうと日本評価することが微塵も許せない人たちがワラワラと湧き出てくるが、そういうイデオロギー問題ではない。

高くても売れるものを自信を持って売ればいいだけのこと。

そのためには賃金を上げて生活力を向上させて、さら付加価値を高める能力国民が身に着けないといけない。

自民党にたくさんある小規模中規模の集票組織公明党創価学会旧民主党勢力連合組織、どの団体でも賃金上昇を一丁目一番地に掲げるチャンスはある。

どれもがSNSでバズりたい欲求はなく、実利志向の強い組織でもある。一発逆転狙いではなく、要求と譲歩を積み上げることで成果を生み出すことにも長けている。

もっとも票が集まる政策でもある。たいして上がってもいない物価を下げることにお金を使っても、また税金を増やされるだけだ。

 
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