「裕福な世界とその指導者たちが、グローバル・サウスのフラストレーションや怒りの程度を真に理解しているとは思えない」とグテーレス事務総長はスピーチで述べた。
植民地支配の歴史だけじゃなくて、その時代から現代まで続く固定された格差のせいだ。
インターネットで誰でもそれを見られるようになって、よけいにヘイトは高まってる。
先進国に住む自分たちより圧倒的に裕福な人たちがジェンダーだの労働者の権利だのを世界の終わりのように叫んでいるのを、先進国に住むわれわれがこの国に生まれてよかったと声高に言うのを彼らはどういう気持ちで見ているんだろう。
人種による格差、性別、職業、IQ、学歴、ルックス、世界にはいろんな格差があるけど、どこの国で生まれたか、国籍による格差はいちばん大きく、そしてほとんど踏み込まれていないゾーンだ。
近年、権威主義体制になる国も増え民主主義の敗北などいわれて久しいが、先進国に押し付けられた価値観を受け入れても何十年もメリットがなく後進国は永遠に後進国だったんだから、彼らが世界を変えたくなるのは当然だ。
こんなこというと、先進国は後進国に多額の援助を行ったとか、いくら支援しても無駄だったとか、彼ら自身のせいという人もいる。
でも後進国がずっとこの序列を変えられなかったのは彼らのせいではない。
民族内、あるいは民族間で対立を煽って支配しやすくするというやり方を過去に先進国が世界中にばら撒いたし、現在もまだやっているせいだ。
強い政治家が現れれば先進国諸国は最初は利用するが、力をつけて邪魔になれば、それに対立する少数勢力を正義として扱い、軍事的経済的に支援をして、邪魔者の力を削ぐ。
どれだけ残虐非道なならず者集団でもテロリストでも敵の敵は味方。
今のウクライナも大国の狭間で双方の干渉を受けて分断された結果だ。
EUは“グリーン”という大義名分を掲げ独自の規制を作ろうとし、アメリカもまた同盟国以外をEV市場から締め出すなど、経済をどんどん閉鎖的で排他的にしようとしている。
ブロック経済は世界をさらに分断し、それはいずれ戦争につながると、二度の大戦を経てもなぜかまだ分からない。
アメリカが正義面して中国を目の敵にしてるのも、この序列を変えられるゲームチェンジャーの出現に恐れ苛立っているだけだ。
急速な経済成長を遂げる中国に環境汚染がひどいと批判するアメリカの人々は、一人当たりの温室効果ガス排出量がアメリカは中国の倍以上だとは知らない。
過去100年、地球を人間が住めない星に変えてきた先進国が、なぜそう偉そうなこと言えるのか、不思議でならない。
アメリカの言うことを真に受けて、日本も台湾も韓国も、中国の力を削ぐための少数勢力として自分から利用されようとしてる。
第二次世界大戦以降、資源のために(次はおそらく半導体のために)世界でいちばん戦争を仕掛けて人を殺してきた国がウクライナという白人国家が困ってるときだけ正義のヒーロー面してるバカバカしさに、多くの国は白けている。
イスラエルがパレスチナに、今のウクライナへ侵攻したロシアのように(あるいはもっと不条理に)侵攻を始めて50年以上、パレスチナを虐げ続けているのは私たち先進国だ。
パレスチナを国家として承認している国は138か国、人口でいえば世界の8割以上を占め、対して承認していないのは日本やアメリカ、韓国、カナダ、EU諸国、オーストラリアやニュージーランドといった先進国がほとんど。
ダボス会議でのグテーレス事務局長のスピーチを先進国はかみしめなければいけない。
中国とアメリカの対立も、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻も、もちろん大きな問題だ。
でもそれだけじゃない。
あれがなければ世界は幸せだったなんて、絶対に思っちゃいけない。
世界にはずっと虐げられ飢え殺し合い嘆き憤っている人たちがいた。
この国に生まれてよかった。
このことばの後ろにある部分に目を向けなければならない。
なぜよかったと思うのか、よかったと思えない人たちの存在を想像できているからだ。
この国に生まれてよかったということばの向こうから、無数の目がこっちを見ている。
私も日本人だし、日本がこちら側にいることを批判するつもりはない。
実際しがみついていたほうがメリットが大きいうちは、しがみついているべきだ。
ただ誰かにとって自分たちが悪かもしれないという事実は認識していようよ。
覇権を狙うことすらできないほとんどすべての国がそうであるように、日本は一国で独立を保つことは難しい。
大国の狭間で、右を見て左を見て、どちらに対しても駆け引きをしながら、どちらに対して多少の妥協が求められる立場だ。
でも、一方の正義を盲信し、尖兵として利用されるだけの存在で終わってはいけない。
アメリカか中国かインドかEUか今後どの大国が覇権を得るかは分からない。
うむ
あのお、グローバルサウスってなんすか
民主主義対専制主義なんて対立構造はこちら側が正義だと思い込んでいる民主主義側の視点。 逆の視点で見れば、過去100年富を独占し自らの利益にならない世界中の人々を虐げ殺してき...