2022-03-31

ワンストップでのサポート力が強み

 まずは、日立サーバーでのWindows Server 2022への対応からお聞きした。

木村サーバーにはHA8000VとRV3000の2ラインアップがあります。HA8000VがPCサーバーで、汎用的なサーバーとして、エントリー向けや、HCI、VDIのソリューションなど、いろいろな用途で使われています。RV3000はミッションクリティカル向けです。Windows Server 2022のプレインストール対応は、HA8000Vの全機種で2022年5月を予定しています

日立サーバー製品ラインアップ

Windowsサーバー市場における日立の強みとして、木村氏は、サポート力を挙げる。

木村日立は長年に渡ってプラットフォーム製品の開発を行ってきました。作ってきたからこそ、中身がわかっている技術力があります。できることとできないことを技術者がわかっているので、障害が起きたときや問い合わせのときに、お客様事実真摯に伝え、重大な不具合があっても技術力で解決に向けていきます。何かあったとき問題たらい回しにせず、技術力をコアにしてしっかり対応するサポート力が強みです。

 こうした日立DNAを結実させたサポート商品が「日立サポート360」だ。通常はサーバーハードウェアからOSソフトウェアなどは、それぞれと契約し、サポートを受けることになる。日立サポート360ではこれらをワンストップで受け付け、支援することができる。

広瀬: 窓口が1つになるというのは他社でもありますが、そういう表面的な話だけではなく、複合的な力で問題解決支援にあたれるのが真の価値です。内部で、サーバーからOS日立ミドルウェア、導入ミドルウェアなど、いろいろな製品部門連携がすごく濃密にされているからこそ、複合的な力で問題解決にあたれます。これが本当のワンストップ意味です。

ワンストップサポート体制

 この日立サポート360Windows Server 2022のサポートにも対応する。日立では、長年のサポート実績により蓄積された技術力により高い自社解決率を誇るという。自社解決率が高ければ、それだけパートナーへのエスカレーションが減るわけで、短期間でのトラブル解決が期待できることになる。

日立ハイブリッドクラウドソリューション「EverFlex from Hitachi

 木村氏は、日立ハイブリッドクラウド戦略としてEverFlex from Hitachi (以下、EverFlex)ソリューション説明した。EverFlexは2021年10月クラウドとのデータ連携ソリューションとして始まり2022年2月ハイブリッドクラウドソリューションとして強化された。

木村お客様オンプレミスパブリッククラウドを使うときに、最適なシステム設計にして、コスト最適化していきますハイブリッドクラウドの導入には事前にアセスメントコンサルティングを行うことが大切です。なぜなら、パブリッククラウドを導入することで負担が減るかと思われがちなのですが、ハイブリッド化されることで負担が増えることがあるからです。

 EverFlexの特徴の中でも特にクラウドライクなサービス提供」について木村氏は紹介した。

木村ハイブリッドクラウドになると保守運用煩雑になりますパブリッククラウドオンプレミスの両方を管理しなくてはならないため、システム管理において両方のノウハウ必要になります。このため保守運用フェーズにおいて簡単化されずコスト最適化課題となってきます。それを避けるために、共通化するニーズに応えるようにいろいろと工夫しています

ハイブリッドクラウドソリューションEverFlex from Hitachi

 まず、問い合わせをワンストップ化したり、運用管理を1つのツールで一元化したりすることで、顧客負担を軽減する。

 プラットフォームにおいては、オンプレミスからクラウド接続可能にしてシームレスにお互いやりとりできるOSが各社ある。Windows Server 2022はまさにそれを特徴としており、同じくAzure Stack HCIも選択肢に入る。

 さらに、支払い/利用形態についても、オンプレミスでも売り切りだけでなくフィー型も採用する。こうしたEverFlexの中でWindows Server 2022のユースケース木村氏は2つ挙げた。

 1つめは、運用管理簡単化の部分で、Azure Portalからオンプレミス管理できる機能の強化だ。

木村オンプレミスエージェントを入れておけば、管理者がAzure Portalだけをさわって、オンプレミスリソースイベント管理も全て一元化できます。これに期待しています

 もう1つはセキュリティの強化だ。

木村ハイブリッド化が進むと、両方の基盤をネットワーク接続することになります。従来には存在していなかった接続となるため、その部分でセキュリティの強化も進めなければなりません。そこでWindows Server 2022では、Secured-core ServerによってOSのものセキュリティレベルが上がっていますTPMと連動する機能によってハードからOSレイヤーを守り、マルチレイヤーセキュリティを強化しています

Windows Server 2022のユースケース

 そのほかにクラウドライクの取り組みとして2つを木村氏は紹介した。

 1つめは「サーバ予備リソース提供サービス」。サーバーを余分に設置し、支払いは電源を入れて使った月だけ発生するというサービスだ。

木村: 迅速でタイムリーリソースを増強したいときに、クラウドなら自由構成を変えられます。それをオンプレミスでもできるようにします。クラウドではインスタンス単位となり、ハードウェア構成メニューの中から選択することになりますが、オンプレミスでは構成自由に組む事ができます。まずHCIソリューションから開始しましたが、2022年4月からはそれ以外にも拡大する予定です。

サーバ予備リソース提供サービス

 もう1つが「ハードウェア安定稼働支援サービス」。オンプレミス環境サーバー運用管理を省力化するものだ。

木村: 旧来の保守では、ファームウェアバージョンアップがあると、技術的にどういう影響があるかを確認して、その都度適用するかどうかを判断する必要がありました。それを提供元が判断するのがこのサービスです。お客様機器を弊社で管理して、ファームウェアの推奨バージョンの選定や、更新作業などを一括でやります

ハードウェア安定稼働支援サービス

サブスクリプションに力を入れる

 日立のこれからの注力分野について木村氏は、サブスクリプションに力を入れていくと語った。

木村: 全社的な方針で、サブスクリプションに力を入れていきますクラウド化で初期投資をおさえるニーズと同時に、オンプレミスも求められています。そうしたお客様ニーズにアラインしていきます

 サブスクリプションクラウドライクなサービス管理簡単にして顧客企業コストを抑えることで、究極的な目的はその先のDXだと木村氏は語る。

木村既存プラットフォームコスト最適化させ、浮かせた費用を新たな投資先として、AIEdge活用する新たなデジタルソリューション領域に向けていくことを支援していきたいと考えています

 そのために木村氏は、よりハイブリッドで使いやすいようなライセンス体系をマイクロソフトに期待している。

木村: 今後ハイブリッド化が進むと、繁忙期にリソース拡張するといったこともあります。そのときライセンスが、オンプレミスオンプレミスで買って、AzureAzure課金してと、ハイブリッドで使いづらい体系になっています。将来的にライセンス体系を統一するなど、両方の基盤で使えるような体系になることを期待しています

 また、Azure Portalからオンプレミス管理できる機能についても、さらなる強化を木村氏は期待する。

木村Azure Portalから管理できる範囲に限りがありますOSから上のリソースイベント監視できるのですが、ハードウェアの死活監視や電源管理などは対応していないため、JP1やその他のツールなど、複数ツールを使いこなす必要があります。それらの管理ツールが乱立してしまうと、また管理の手間が増えてしまう。こういったことをオンプレツールか、Portal側で統一することも期待したいところです。

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