2020-06-20

黒人差別デモが盛んだけどあれは本当は人種差別じゃないか

現在ジョージ・フロイド氏の死をきっかけにアメリカだけではなく、世界レベル人種差別撤廃運動が盛んだ。

ただ、この活動は結局何も意味を成さないように思う。正確には何かしらの影響は出る。コロナによる閉塞感や不況に苦しむアメリカ国民ガス抜きになったり、マスター/スレーブや白黒という既に定着した用語コンテキスト無視して言葉狩りされたり、あるいはトランプが失脚して後のアメリカの動きが大きく変わるかもしれない。

それだけだ。アメリカでの人種差別本質は何も解決しない。あれはアメリカ社会構造/経済構造に深く根ざしている。100年かけて作られた社会構造を変えるには100年かかるのかもしれない。少なくとも表面的な言葉狩り悦に入ってるだけでは何も変わらないだろう。

まず、アメリカにおいて「黒人あるいはヒスパニッシュを恐れ疑うのは正しい」というどうしようもない事実がある。

言うまでもないが個人を取り出したときに善良な人は山ほどいる。私の知人にも黒人は居るが彼らをことさら警戒することは当然無い。

ならばなぜ警戒することが正しいのか? それは彼らが貧困層としてスラムに多く居るからだ。スラムには黒人ヒスパニッシュが多く居るの方が正確かもしれない。性善説しろ性悪説しろ衣食足りて礼節を知るので、貧民街治安一般的に悪い。それは教育不足によるモラル崩壊や全うな職にありつけないため犯罪に手を出さないと生きていけないという事に起因する。かつての日本の同和差別なんかもそうなのだが「ガラの悪い地域人間と付き合うな」というのは小市民的な処世術としては致し方ないと言わざる得ない。お金があれば犯罪をしないかと言われれば当然そんなことはないが「今日ご飯のために」盗みはリスクが高すぎるのでしないという話だ。

適切な教育を受けねば経済的に自立できず、経済的な自立ができなければ犯罪に走らざる得ず、その状態では適切な教育を与えられない。そして「中には善良な人もたくさん居る」というのは事実と知りながらも貧困層と向き合うときには警戒せざる得ない。10人に1人の犯罪に走ろうとする人間が目の前の知らない誰かとは分からいからだ。

日本から見るとアメリカ教育先進国として紹介されることもある。それは一面で事実だ。多様性を重視しリーシップ型の人間を育てるのに適した学校も多い。

義務教育期間の授業料無料という話を聞いたこともあるだろう。そんなアメリカ経済的な理由教育が受けれないというのは何故だろうか。なんのことはない、アメリカ教育費はメチャクチャ高額なのだ

アメリカに住めばわかるがアメリカ教育費は基本的に高い。何故なら学区という考え方があるからだ。

日本では文部省主導による教育指導要領によってどの小中学校基本的には同じことを教える。同じことを教えるから原則的には設備も似たようなものだ。教室があり体育館がありプールがある。調理実習のための家庭科室や実験のための理科室、音楽室なんかもふつうはあるだろう。最近ならコンピューター室とかもあるかもしれない。そんなのは当たり前で多少の地域性や教員スキルの優劣はあっても、日本ではどの学校に行っても誰に教わってもだいたい同じことが学べる。だが、アメリカではそんなことはない。

アメリカ学校は学区ごとに完全に独立している。これは設備の有無はもちろん、教える内容も全然違う。進化論の代わりに創造論教える学校普通にある。何故このような独立性があるかといえば、学校費用は学区の税金から賄われている。つまり学校の周りの地価/家賃によって学校予算が変わる。そして、予算のある学校は良い施設教員を揃え先程あげたような先進的な教育をしてくれる。では、そうでない学校は? 不足した設備とやる気のない教員により十分な教育を受けることができない。

しかアメリカ日本なんて比べ物にならないほどの学歴社会だ。なので、親は子供に良い教育を受けさせようと良い学区、すなわち家賃の高いところに住む。子供のために良い学区に住むなどもザラだ。そうして比較的裕福な層が住むことで治安も安定する。市の予算があるので街も綺麗で便利になる。すると子供を持ってない層でも住みたがる。アメリカ治安マジで大事だ。そうすると家賃はどんどん上がり、貧困層は住めなくなり下手をすると元々居た土地から追い出される。

この学区というやつは相当細かくて、道路挟んで一つで世界レベル金持ちが住む超優良学区と経済的に弱く残念な学区が同じ地域にあったりする。パロアルトとか。

サンフランシスコ等のシリコンバレー界隈で時々問題になる不動産の高騰問題がこれだ。ただ、これはアメリカ全土で程度はさておき起こっている事だ。家賃教育治安といった部分が強く結びついているため、経済弱者が這い上がる事が難しく裕福層との差分は時と共に拡大していく。

無論、アメリカ自由の国だ。アメリカンドリームの国でもある。当然、貧困層への教育も考えており特に成績上位者特別上級学校に通えるようにする仕組み等も整っている。「機会の平等を!」これに関してアメリカは取り組んでいる。

しかしながらそれは上澄みを救う対応だ。伸ばすべき人をもっと伸ばす。これはとても理にかなったことだが、固定化された格差解決にはならない。必要なのは底上げだ。

これには奇しくも日本型の「結果平等」の考え方の方が向いている。日本教育は決して万能では無いが、格差を固定させない----すなわち富の再分配としては良く機能している。

さて、話を戻そう。

先程から経済格差の固定の問題について話してきた。では何故それがアメリカでの人種差別問題に繋がるのか?

このような社会構造が出来たとき、100年200年前の経済弱者は誰だっただろうか? そう、奴隷解放されたばかりの黒人たちや中南米からやってきたヒスパニック達だだ。

ここから経済格差が固定され拡大された。今以上に白人至上主義な世相も大きく影響しただろう。

ヨーロッパ時代ユダヤ人差別を筆頭とした差別はあるし、それはどの地域、どの時代でも残念ながら変わらない。日本だって同和問題とか在日問題とか色々ある。

ただ、今のアメリカでそれはより深刻だ。単なる風説とか好悪だけではなく、必要悪として「貧困地域人間を恐れる」という事と一体化してしまっている。元々差別にあっていた人種のもの地域で固定されかつ教育/経済の両方に負のスパイラルが入り用意に抜け出せないという最悪の状態だ。この状態では単に黒人を恐れるなと言っても仕方がない。なぜなら犯罪を犯すもの事実として多いのだ。もっと良い職をというのも難しい。それは適切な教育を受けてないからだ。そして、それは偏見をどんどん加速させていく。事実と虚実がおり混ざって差別の根はどんどん深くなる。誤解と偏見を無くせば良い生易しい話ではない。

これは政治が全うに富の再分配をして、地域経済によらない教育/地域経済によらない治安というものを打ち立てるしかない。もちろん、偏見をなくすための活動はとても大事だが同時に事実としての固定化された経済教育格差解決しないと根本治療とならない。

ただ、今までのアメリカはそういう国ではないし、これからなるにはかなり長い道のりの気がする。事実、このデモさなかでそういったことはさほど話題にはなっていない。もっと初等教育平等にすることに力を入れる方が大事なのに。誰だって今持ってる利権を手放したくないのだが、そこから目を逸しては今回の人種差別問題もさしたる成果は得られないのだろうな。。。。

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