女。40代前半。夫と子ども2人あり。4年前にハローワークに出ていた市役所の臨時職員の求人に応募して採用された。
今年からは会計年度任用職員(以下会任)というものになって色々と変わった。ちょっと前に待遇がニュースになっていたので、実際に働いている私の感想を述べてみたいと思う。主に臨職から会任になった前後の働き方や福利厚生について書く。
その前に、市役所の臨時職員になった動機と勤務内容を書いた方がいいと思う。
子どもが塾に通う年齢になって、夫の収入だけでは厳しくなったのが働こうと思ったきっかけだ。前職が営業事務だったので、そんな感じのパートの求人に申し込んで働き始めたけど、身の危険を感じるほどのセクハラに遭って逃げるように辞めた。
子どもの塾代は稼がないといけないので、ハローワークの人にありのままの状況を話したら、人口10万人ほどの市役所(私が住むのはその隣にある市)の臨時職員の求人を紹介された。
面接では、とにかく正直に話してください。とハロワの人にアドバイスを受けていたので、面接でもそういう風に話した。志望動機は?って面接官に聞かれた時、「子どもの教育費が足りません。賄うために応募しました」って言ったら「そうですよねー!ウチも家計が苦しくて」みたいに盛り上がったのを覚えている。
仕事内容は一般的な事務だった。職員さんの作った支払一覧表のミスを見つけたり、運動施設の受付とか、コピー取り。受付窓口で少額のお金を扱うこともある。後はお茶くみとか、電話取りとか。
長くなってごめんなさい。本題に移ります。
・年収
(前)日給月給制。日額7千円。通勤手当込みで月給15万円。時間外勤務禁止。
(後)月給制。通勤手当込みで16万円。ボーナスが2ヵ月分。年1回3千円ちょっと昇給する。時間外勤務可。
・休暇
(前)有給休暇年10日のみ。使い切ったら欠勤届を出して休む。もちろん給料は減る。インフルの疑いがあっても休まない人がいた。特に最初の1年目は有給が5日しかないのできつい。
(後)特別休暇が増えた。病気になっても有給を使わなくていい。生理休暇もある。使わないけど。
・働き方
(前)同じ職場には1年しか居られない。1年ごとに必ず異動。異動したくなければ嘱託職員になるしかない。でも、そうなったら所定の労働時間が2時間近く減るので、連動して給料も減る。そのうえ、嘱託職員になるには管理職から推薦を受ける必要がある。
(後)毎年度末に、同じ職場に残るか離れるか選べるようになった。ただし、離れる場合にどの課に行くかは運しだい。あまりわがままを言っていると、契約自体を切られるんだと思う。
・その他生活など
労働組合に入った。年収の2%取られるけど、でも私たちのために正規職員が頑張って待遇をよくしてくれたので、次は後輩に恩を送ってあげようと思った。今は組合活動はできないけどね。
あと、これまでフルタイムだったんだけど、子どもの送り迎えに支障が出ていたので労働時間を1時間減らしてもらった。給料月額もそれに比例して下がる。こんなことできるの!?って最初思ったけど、意外と柔軟なんだなって思った。私以外の子どもがいる臨時職員もこの制度(?)をよく使っている。評判はかなりいい。
最後に、非正規雇用の公務員として、今の市役所のいいところと悪いところを挙げて終わりにする。
いいところ
・有給が好きな時に取れる。朝起きて、子どもの具合が悪い時に「午前休みます」って言ったら、「はいどうぞ」みたいな感じ。午後3時に「4時に帰らせてください」って言ってもあっさり通る。臨時職員の離職率が低い理由のひとつだと思う。
・一緒に働く仲間。今まで4つの職場で働いたけど、土木建設フロアが一番よかった。技師の人たちはみんな優しい。それにイケメン。重い物を黙って運んでくれたり、パソコンの操作が分からない時に丁寧に教えてくれたり、接客で困ってたら声をかけてくれる。ほんとにイケメン。このフロアは臨時職員の一番人気で、毎年3月になると、何人もの臨時職員が土木課長や建築課長や農林課長のところに挨拶に行っている…
・ゆっくりできる部署に行けると本当に安心する。暇な時間にいろんな課の人と雑談したり、資料を読んで勉強できる。一番大きいのは、一人ひとりのお客さんに十分な接客ができること。
よくないところ
・上から二番目に書いたことの裏返しだけど、よくない職員は本当によくない。勤務中にラインしたり株取引したりはまだいい方で、本当に悪い人だと唐突にキレたり怒鳴ったり、庁舎内を不倫の現場にしたり、嫌いな人から内線電話がかかってきたら黙って受話器を置いたり、市民に嘘をついて仕事から逃れたり…とにかくやりたい放題。40代後半から50代に多い。若い職員にも自信過剰だったり自己中心的だったり向こう見ずな人がいるけど、市民の方を見ているだけまだましだと思う。
・同じく上から三番目に書いたことの裏返しだけど、忙しい課は本当に忙しい。税務課にいた時は課税台帳の整理や納税書類の封筒詰めをひたすらにしてた。指がボロボロになって、そのうえ職員数ギリギリで回しているので、期限までに間に合わないプレッシャーが重い。正規職員の人が定期的に作業部屋に入って来てペースチェックをするんだけど視線が痛かった。一番ハードな臨時職員はイベントの運営とか、市長が決裁する事務文書を作ってたりするので、それに比べれば私はまだ幸せな方だったんだと思う。
・今後に不安がある。労働組合の人が説明会で言ってたことがあって、要約すると、「人事当局が過度な人員削減を行った結果、新人職員の大量離職、ベテラン職員の精神疾患が増えている」ということ。私の感覚でもそう思う。今いる部署の職員さんを見ていると、みんな辛そうに働いている。うつ病で誰かが倒れたり、若い人が転職する度に人事異動が発表されて、人員を減らされた課の声にならない悲鳴が聞こえてくる。でも、他人事じゃない。会任になって年収は2割上がった。ということは、正規職員の仕事が私達に振られるようになるのかな、という不安が近ごろ込み上げている。
以上で終わりです。
夫や子どもがいる人にとっては、会任としての働き方はひとつの正解かもしれない。市役所で働くことを選んでよかったなって感じる。
今回の情報提供が皆さんの助けになったならうれしいです。
うんち
ほんとだよな 結局メインの収入は旦那任せだからこその柔軟性というわけだ
統計をみればわかることだが製造など民間に比べて精神疾患は大幅に少ないのでその人のいうてるのはポジショントークだよね