2019-09-07

婚約破棄された話

10年付き合った彼がいた。
高校生から付き合って、大学卒業したら結婚しようと言っていた。
彼は地方大学、私は一足先に社会人。
お互い忙しくて、最後の2・3年は会うのは半年に一回とか、そのくらいだった。
私は本当に好きなのかわからなくなっていたけど、特に別れる理由もなくて、結婚するんだろうなー、20代のうちに子ども2人はいけるかなーとかのんきにぼやーっと考えていた。

結婚するにあたって彼の職場付近に引っ越す事に。
それに伴い、私は仕事を辞めて、アパートも解約した。

これから2人で住む新居。
まだアパートの片付けも済んでないけど、とりあえず私の実家挨拶に行く予定だったので、前日から新居に一泊することに。

その夜喧嘩をした。
理由は彼が他の女の子と仲良くしていた為。
その子研修間中に仲良くなったようで、よく2人で飲みに行っていた。私もそれは知っていて、了承していた。
今まで他の女の子と仲良くしていることは良くあった。
それまでは全く気にしていなかったのだけど、その子はなんだかすごく癇に障った。これが女の勘かもしれない。
相手女の子女の子で、自分にも彼氏がいる癖に思わせぶりな言葉を彼にかけていたらしい。本当かどうかは知らない。
私は気分が悪くなってふて寝をした。
彼は謝ることもせずに寝た。


翌朝、私の実家挨拶に行く日である。
話しかけてきても無視する私に、彼はごめんの一言もなかった。それがますます不機嫌にさせた。
実家に行く前に家具を買いに行く予定だったので家具屋に向かう。
道中会話はゼロ。
というかあっちが世間話一方的にしてくるかんじだった。
頭にきた私は「何か他に言うことはないのか」と言った。
ここでの相手の返事は覚えていない。
たぶん満足のいくものではなかったと思う。
だから私は「結婚、一度考え直そうか?」と提案した。
そこから結婚する、しないの攻防。
たぶん3時間くらいは話し合っていた。
最終的に私が折れて結婚するという方向に。

気を取り直して家具屋へ。
彼がスマホを見ていた。
覗くと彼とその女の子が仲よさそうに写っている写真。
お店のトイレで吐いた。
人間って過度なストレスがかかると本当に吐くんだ。

こんな状態実家へ。
家族の前ではにこやかに過ごした。
ずっと吐きそうだった。


次の日、私はまだ荷造りと、お世話になった人たちとの食事の予定があったので、新居を後にした。1週間後にまた戻って今度は両家挨拶をする予定だった。
引越しの時、彼にも手伝いをしてもらう手はずでいた。
しかし彼に連絡しても既読スルー電話も出ない。
そして彼のお義母さんからまで息子と連絡が取れないんだけど、、、と心配の連絡。
携帯でも壊れちゃってるんですかねーははーと適当に受け流す。
この時私はご飯ほとんど食べられなくなっていて、ヨーグルト半分食べるのが精一杯。
嫌なことがあると暴食するタイプ人間だったので驚いた。
ダイエット捗るわ〜とポジティブに考える事にした。そうじゃなきゃやってられなかったので。

そして前日になって電話がきた。
泣いているようで何を話しているかからない。
ゆっくり話を聞くと、
「本当に君とやっていけるのか、自信がなくなってきた」
何を言っているのかよくわからなかった。
あれだけ結婚しようと言ってきたのに、今度は自信がなくなった?成人した男がぐずぐず泣きながら?
このままではいられない、もう夜も遅かったが、調べたらまだ間に合う。
私は人生初の新幹線に乗った。
普通電車では3時間かかる道のり、新幹線は半分の時間で着いた。
まだ空気が凍るように寒い冬の深夜。
肺が痛くなるのも気づかずに必死に走った。

新居に着くと真っ暗な部屋で彼は泣いていた。
ずっと「もうどうしたらいいかからない」とつぶやいていた。
その姿を見て「もういいや」と思った。
とりあえず親同士の挨拶はして、少し一緒に住んでやっぱり合わなかった、それでいいじゃん。
彼はその提案を了承した。


そんな状態引越しをして、親同士の挨拶をした。
ほとんど食べられなかったし、義母の嫌味にも笑顔で耐えた。色々押し殺して。

挨拶が終わって、彼に2人でカラオケに行こうと誘われた。
「結婚しよ」
彼の言葉。
私は思考回路精神も体もめちゃくちゃだった。
「わかった」とだけ返事をした。
彼は一人スッキリした様子で俺の今の気持ちを歌うわーとか言って失恋ソングを歌い出した。
私はなんとも思わなかった。
女の子との関係明日話して終わりにしてくると告げてきた。私はそれを信じた。

この事を進行形相談していた友人がいた。
その子が私を心配して駆けつけてくれた。
片道3時間距離を。
やっぱり持つべもの友達最後手続きで再び一旦アパートに帰り、掃除して、解約した。あとは籍を入れるだけだ。
その日は友達の家に泊まらせてもらった。

次の日新居に戻った。
彼が仕事から帰ってきた。
おかえりの言葉に「うん」だけ。
いつもおしゃべりな彼が無言で座っている。
「こっちきて」
台所で片付けをしていた私を呼んだ。
向かい側に腰を下ろす。

「別れよう」


いやいや、もうこの段階でそれはおかしい、できない。
と言っても彼は別れるの一点張り。
これは現実なのか受け止めるのに時間がかかった。
俺は違う女と付き合いたい、やりたい、その女と子どもを作りたい。
よく覚えてないけど、そんなようなことを言われた。
寝耳に水っていうかもはや溶岩。
というか家も仕事お金もないんですけど。

その後のことはもうよく覚えてないんだけど、元のアパートに戻って、運良く住んでいた部屋はそのまま空いていたので再び契約した。
親にも報告して、また引越し手続きをして。
仕事も辞めてる上に貯金ゼロになったので、適当に時給のいい深夜のバイトを探して働いた。
たぶん1ヶ月くらいは死んだ魚みたいな目をしてたと思う。
でも友達たちが色々遊びに連れ出してくれて徐々に元気を取り戻していった。
友人みんなには感謝してもしきれない。


この出来事は2年ほど前のことです。
これを書こうと思ったのは今年違う男性結婚することになったので、これを機に過去ネットの海に流してしまおうと思い立ちました。
復讐などは何もしていない、慰謝料請求していない。
前はよくそれを悔やんだけど、今はそれで良かったと思っています。
人を呪わば穴二つは本当にあると思っているので。
ネットで色々調べましたが、婚約破棄はそんなに珍しい話ではないみたいですね。

色々突っ込みどころはあると思います。書いてる途中自分自身も何度も突っ込みました。
多少フェイクはありますがほぼ事実であり、当時の私は正常な思考回路を無くしていました。

辛いことがあっても、前向きに生きていればそれなりにいい事もあるよ、糞人間には気をつけてっていうお話でした。
こんな長い文章最後まで読んでくださった方がいるかはわかりませんが、ありがとうございました。





ここから後日談や今の話。
興味がない方は読まなくても大丈夫です。

今の相手はこの出来事半年後に出会い、まだ1年くらいしか付き合ってないけどすごく大切にしてくれる。
10年付き合った人は一度もプレゼントをくれなかった。
ずっと学生アルバイトもしていなかったのでお金がないからと言っていた。
しか自分の欲しいもの10万だろうが20万だろうが買っていた。ママお金で。
私は誕生日クリスマスなどイベントの時は必ずプレゼントしていた。
彼の最後誕生日の時は何もくれないことに嫌気がさして何も用意していなかった。
そうすると「あれ?プレゼントは??」とせがんできた。
じゃあ私にもプレゼントをくれるんだね?と聞くと「わかった」と言うのでプレゼントをあげた。
しかし結局私はプレゼントをもらうことはなかった。
何度もプレゼントは?と聞いても「あ、忘れてた」で終了。
何でこの時別れなかったのか自分でも謎。


今の彼はイベントごとにプレゼントをくれる。
誕生日にはバッグ、ホワイトデーには指輪クリスマスには時計。
物をくれたからというよりは、気持ちが嬉しくて泣いた。

後日親同士を交えてで婚約破棄について話し合いをした。
私は元彼浮気が原因だと主張したが、彼は違う理由を挙げてきた。
挙句の果てに元彼は「こいつは嘘をついている」と言ってきた。クズここに極まれり。
嘘を付いているのはもちろん元彼のほうなので、話をしていくうちに辻褄が合わなくてなり、結果的自分浮気を認めた。
こんな気持ちが悪い人間と私は付き合って10年も無駄にしていたのかと思うと絶望しかなかった。
結局それきり、今は何をしてるのか知らない。知る必要もない。知りたくもない

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