2018-09-08

就職氷河期世代はそろそろ開き直って老人福祉の充実を訴えるべき

自分は、数年前に嫁の年齢と持病から子供を諦めた者で、その時は子供がいない人生となったこ自体にはあまり苦しみは感じなくて、むしろ嫁と二人の生活を楽しめるようになったのだけど、そのうち、子供のいない老後は安楽死を迫られるんじゃないかという不安を抱えるようになってしまった。

今の日本は間違いなく老人優遇政策を取っているけど、おそらく俺たち就職氷河期世代団塊ジュニア世代)が老人になる頃に、いよいよ持たなくなって現役世代重視に反転するんだろうと予想している。

「人数の多い団塊ジュニア世代の老人を国はもう支えきれないので、老人福祉は削減して、老後は自分の子供か資産に面倒を見てもらうように、そして、どちらも持たない者には安楽死というオプションを与える。これで日本は復活する」

そういうことになるんだろう。

日本という共同体の持続可能性を考えるなら、資産形成家族形成に失敗したまま老人となった団塊ジュニア世代を切り捨てるのは正しいと思う。

自分が切り捨てられる側でなければ。

実のところ、生涯子なしが確定する前の俺は、自分自身も含めて次世代負債になるぐらいなら働けなくなったあたりで安楽死していいんじゃないか、と考えていた。

俺たち団塊ジュニア世代は、親世代団塊世代雇用を守るために就職氷河期に落とされ、団塊世代の老後のために今も毎月高い社会保険料を取られている、そういう被害を次の世代に繰り返すべきじゃない、という多くの同世代と同じ覚悟をしていた。

ところが、人間の脳の我が身の現状を肯定しようとする力は凄くて、もはや子供を育てる義務が発生することは無く、週末にちょっと良い外食をして、嫁の体調が良い時に年2回ぐらい休暇を取って海外旅行をして、それでも年に数百万は余裕で残り、それを全て二人だけの資産にできる嫁との生活が楽しくてたまらなくなった。

子供云々よりも、仕事が急に裁量が効いて楽しく働ける状況になったことと、ここ数年順調に昇給が続いていることの方が大きいかもしれない。

小学生の時以来かもというぐらい毎日生活を楽しむことができるようになった。

これから嫁の病状が悪化したり、俺の体にガタが来て多少不自由になったとして、それを負担することになる下の世代には本当に申し訳ないけど、手厚い年金介護を受け続けて、辛いことの多かった俺たち夫婦がやっと報われたこの実りの季節をできるだけ長く味わいたいという執着を二度と捨てられそうに無い。

そして、頭に書いた通り、子供のいない老後への漠然とした不安に取り憑かれてしまった。

どういうわけか楽しいだけの時間は長く続いてくれないようで。

そもそも、老後を待たずとも、嫁が動けないほど悪くなって、俺が介護のために仕事を辞めることになったら、今の生活はあっという間に吹っ飛ぶというどうしようも無さがある。

もちろん個人でできる対策として、子供がいない分資産を貯め込む努力はしているのだが、それだけではどうしても不安を鎮めることができず、統合失調症でも発症したんじゃないか心配になるぐらい、このまま黙っていたら殺される(安楽死に追いやられる)という焦りや怒りの発作に悩まされ続けた。

結局どうしたかというと、老人福祉の維持・充実を訴える政治活動を始めた。

具体的には、地元老健団体の賛助会員(年会費一万円)になって、その政治部門で週末に事務局ボランティアをしている。

その老健団体は、内規で不偏不党を掲げて政治活動には関わらないということになっているので、賛助会員の一部(実際は全員)が勝手にやっている「勉強会」という形の団体

そういう曖昧団体でも、わりと昔から活動しているからか、役所地元議員、たまに上京して中央官庁に行くと役人議員先生が向こうから頭下げて来るので、「いや、ああい人種有権者にはとりあえず頭下げる人たちなんだよ」と理性に囁かれながらも、所属欲求とか承認欲求のような感情簡単に満たされている。

こちらの○○さんが、若いのに手伝ってくれてるんですよ。長くお世話になりますので、どうぞよろしくお願いいたします」

先生最近うちに入ってくれた若い人です」

などと陳情に出向いた先で若手のホープのような紹介をされるとなにやら面映い。

60代後半から70代が主力の団体から、そりゃあ、比較すれば確かに若いんだろうが、組織に歓迎されるというのは良い気分だね。

60代後半から70代というのはつまり俺の親世代団塊世代で、「こいつらの雇用を守るために俺たちは就職氷河期を味わった、こいつらの老後のために給料から毎月高い社会保険料を取られている」とずっと憎んでいたのだけど、

実際に話を聞いてみると、こういう活動に熱心な人々は、当然ながら経済的にかなり期待外れな老後を過ごしている。

大企業で40年勤め上げたなら話は別なんだろうけど、自営業が長くて大した年金などもらっていないような例が多く、総じて俺と同じ不安と怒りを抱えている。

抽象的な理由で一つの世代を憎み続けるのにも疲れていたし、俺は彼らを許すことにした。

他人の子供やその親への感じ方も変わった。

以前は街中や行楽地にいる子連れを鬱陶しい連中としか感じなかったのが、

「ああ、この子が俺と嫁の(文字通り)尻拭いをしてくれるかもしれないんだな、そうでなくとも俺と嫁の尻拭いをする外国人介護士を雇う社会保険料を収めてくれるんだな。親切にしてあげないとな。お母さん、ご苦労様です」

肯定的に見れるようになった。

他人不安を分かち合い赦しと和解を与えて、ともに現状を改善するために微力とわかっていても行動する、

そういう前向きな姿勢でいることは俺の精神に良い影響を与えているように思う。

老後問題自分一人(と嫁)の解決不可能問題しか思えなかった時に比べて脳への負担が減って、頭と肩が軽くなった気がする。

そういうわけで、俺と同世代で老後に不安を抱えているなら、こういう政治活動セラピーとして効くかもしれないので試してみれば、程度の軽さでお勧めする。

こういう活動を、なんだフクシかサヨクオルグか、と毛嫌いする人が同世代には多いというのはわかっている。

だが、実際のところ老人福祉の拡充を訴える団体投票先で一番多いのは自民党なので、サヨク嫌いの人に向いた団体地元簡単に見つかると思う。

俺がいる団体がどの政党支持なのかは伏せるけど、与党系だろうが、野党系だろうが、老人福祉イシュー投票したり陳情しに来たりする有権者の数が増えて、政治家圧力になること自体重要から、みんな仲間だと思っている。

ひとつ人口統計予想として、数十年後俺たちが80歳になる頃には日本人口構造団塊ジュニア世代を唯一の頂点とする完全な逆ピラミッド型になる、という物がある。

この予想が当たれば、俺たち世代有権者の数が最も多く、つまり民主的には最強の世代になる。

さらに下の世代も同じく高齢になるほど人口が多いのだから政治家当選するには今以上に老人優遇にせざるを得なくなる。

俺は自分の現状を実りの季節だと言ったけれど、数十年後には同世代全てが実りを得られることになる。

から別に政治活動を始めなくていいけど、俺は同世代に老人福祉イシューにして投票することを考えて欲しいと思っている。

そして、何をしてでもいいからどうかあと数十年生き延びて欲しい。

  • 結婚もしてないし当然子供もいない氷河期世代の端くれですが 自分は少子化対策にオールインする政党を支持したいですね その結果老人福祉が削られようが構いません そんな政党ない...

  • 前読んだなあって思ったら日付見て納得したわ選挙終わって誰か掘り返してきたのか

    • たまに見る投稿時にブクマ・トラバがほぼ付かなかった記事が何か月も経ってホットエントリに入るのってどういう仕組みなのかな? 注目エントリに表示されたら加速度的に増えるとい...

  • ほんとアラフォー世代がいつまでも若者面して「選挙は老人が支配している~」とか世代間対立をあおってるのを見るとげんなりするね

    • 選挙権も持ってる大学生・20代前半がいつまでも子供面して 「選挙しても変わらない。意味が無い」とか 都合よく立場をころころカメレオンするのを見るとげんなりするね

  • 子供のいない人生に漠然とした不安があるなら 養子または里子とかどう? 自分も氷河期だけど将来安楽死したいから スイス行くために英語を勉強しようかなと思いはじめた

    • 養子を得るには厳しい審査がある 妻が病弱って時点で無理 (下手すりゃ養子を介護要員や妻の代わりの家事要員にしかねないわけだから当たり前)

  • マジでくたばってろとしか言えない。何が「同世代すべてが実りを得られる」なんだ? 俺の娘を、もしかしたら孫を、老人がデカい面で自分たちの都合を主張して踏みつぶそうぜ、と、...

    • 元増田あんまり読んでないけどよその子供見て自分の尻拭いしてくれるとか思ってんでしょ。だったらまずその子どもらに金が落ちるように考えてくれないのかね。

    • これ、老後は娘に介護させるつもりとかなのかな。クソだな

  • 元増田みたいな人が、貧困家庭で実親からDV受けてる不幸な子供を養子にして大事に育ててやれば世の中バランス取れるのに ↑ という発想とまったく同じ話が攻殻機動隊SACであったなあ

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