はてなキーワード: 日医とは
二十代後半、いや三十近い頃、明日は目覚めるんだろうかといつも思っていた。
眠っている間に、苦しまずに死ねたならそれはそれでいいかな、なんて思った。
或る日抗生物質を飲んで暫くしたら、胸が苦しくなってきた。
手の指が何故か痛くて、見てみると紫色に鬱血してる。
胸が苦しい、いやよくよく考えると心臓が苦しい。
足の指まで痛くなってきている、見ると紫色に鬱血してる。
苦しい、呼吸するのも苦しい、ほんとに苦しい。
救急車を呼ぶべきなのか、消防署は歩いて3分くらいなんだから歩くべきか?
いや、心臓が苦しいって言いながら歩いて行くのも変だな...
悶え苦しみながら2、3時間経っただろうか、少し楽になって、
死ぬ時ってこんなことになるんだろうか、もっともっと苦しむんだろうか...
そんなことを冷静に考えてた。
手足が鬱血したのはチアノーゼ反応?とかいうらしい。
えっ?それって死にかけてたのか?
安倍政権が進めて、よくわかっていない日経がドンドコ報道する混合診療について、医療系の立場から常識レベルで再考してみた。
結論:金持ってる人は迅速に26%オフになるかわりに、現状で皆が享受している9割オフになるまでの期間が遅くなる。
「患者のため」というありがたい理由で提案されている患者申出療養、
実際の患者負担モデルを、似た制度の「先進医療」の数字で試算してみます。
533施設で14479人が先進医療を受けて、総額は約146億円です。
うち先進医療分が約100億円で保険診療分が約46億円とのことでした。
これを使って患者申出療養の場合の一個人の費用負担を想定してみると、
仮に上の金額からゼロを4つ取って計算すると以下の通りになります。
・現状:保険適用外の治療法が100万円で、プラス全額負担が46万円
46万円が保険適用で13.8万円、更に高額療養費制度を使って8.3万円
・結果:146万円が108.3万円にということで、26%オフになります。
患者申出療養を利用する一部の人は26%オフで多少助かりますが、
日本の薬価は安いので承認申請へのインセンティブが小さくなります。
現在のような、人道的な理由での早期承認を求める声は届きにくくなります。
なお、薬事承認されたら、146万円が9.3万円になり、93%オフです。
一部の患者が26%オフにすべきか、後々93%オフの誰でも受けられる患者か、
どちらを優先させるか、この国の枠組をエイヤッっと決めるのは政治の役割ですが、
この政治判断って変ですよね、普通に考えると、あたまが悪くて政治家として失格としか思えないですよね。
先週、突然にJA全中の解散指示が出ました。この混合診療も突然です。
去年辺り、小泉政権の時に混合診療を言い出したの日医から譲歩を引き出したかったからだと内情を明かした官僚だか政治家がいました。
いずれにせよ明日医者にいったほうがいいと思う。
医療崩壊の基本的な知識と経緯は大体知っている人向けの細かい補足。
墨田江東地区はそもそも総合病院が墨東病院しかない医療過疎地域。今に始まった話では無い。
初期臨床研修制度始まって、都心の医師人口は増えている。それでも、充足するにはほど遠いのはあるけれど。
君らが住んでる東京の真ん中の方は安心です。文京区に至っては大学病院4個あるし。
・墨東の産婦人科って?
壊滅的。でも、これは東京全体の問題じゃなく都立病院の待遇の悪さの問題。
ここは日本医大が派遣に来てたときは確か常勤7人位+後期研修医(3-5年目)2-4人で廻してたはず。あまりの仕事の待遇の悪さで日医が2年前に撤退したのが運の尽き。他の大学にも当たったけど派遣に出してくれそうな所は無くて今は部長クラス2人+後期専修医1人と言う未確認情報。これでも、平日2人当直だと3日にいっぺん家に帰れれば良い方だし、その間全く寝られない恐れもある。産科縮小したはずだから、夜のお産でずっと起きてるって事も無いだろうけど、ここら辺は不明。
・当直してたのは研修医?
これは都立が初期研修を終えた後の研修システムを「後期研修」と言ったり「シニアレジデント」と言ったり「専修医」と言ったり用語が安定しない。
一般的に「研修医」と言ったら最初の二年間の研修をしているヒヨっこの事を指す。
研修医も産婦人科廻るけど、1ヶ月とかだけだし、電話応対なんて出来る訳無いから当直してたのは「後期研修医」。一応、専門を産婦人科にして1-2年研修した後の医者だろうからそれなりの判断力はあると思われる。
ドロッポして開業した「医療系ブロガー(笑)」はここら辺のシステムが良く分かってなくて見当外れな指摘をしている人がいるから注意。
・ERって?
ERと今回の事件は全く別問題。ERは1次-2次救急の診療及び振り分けをするところ。イメージとしては「夜間にお腹が痛くてどうしようもない」「喘息発作でタクシーで来院」「転んで骨折った」「吐血してフラフラして救急車呼んだ」「睡眠薬服薬して救急車で運ばれてきた」辺りが守備範囲。この辺りをERで見てERで返す。吐血とかは入院しなきゃいけないから内科の当直医を呼んでぶっ込む。
ERは各内科外科系の下っぱとか研修医がローテーションしながら当直。内科系2人、外科系2人とか。今回みたいにあらかじめ産婦人科領域って分かっている患者については専門家が見ないとどうしようもないからERは全くタッチしない。
「若い女性で凄くお腹痛がっているけど原因となりうる所見が無い」とかだと一応婦人科疾患を否定しなければいけないから産婦人科の当直が呼ばれて1回専門的診察をお願いすると言う場合がある。
逆に言えば、ERみたいなのがあるからどうでも良い腹痛に産婦人科の専門性がすり減らされているとの見方も出来る。まぁ妊娠反応陽性でも出ないと文化的に産婦人科医呼ばないけどね。
・脳出血妊産婦を救うのは大変?
大変。でも、総合病院なら普通はリソースがちゃんとある(外野としての意見ね、実際診療に携わる先生は大変だろうけど)
麻酔科が脊椎麻酔かけて帝王切開して、その後全身麻酔に移行して頭の手術して、ベイビーはNICUへ(でも、今回の場合は出産間近だったとの事でリスクは少ない)、産婦はICUへ。
それぞれの処置は定型通り。1+1の負担がせいぜい2.5位になってるだけで、決して10とかになる訳じゃない。
都内の総合病院は麻酔科も脳外科も産婦人科も当直してる。あるとすれば偶発的にICU、NICUが埋まってる場合で万床って場合が良くある。
産婦人科の場合はオペ入っちゃうと身動き取れなくて病棟で何かあった時大変だから1人当直の時はオペになると分かっている妊婦を取らないとの選択は正解。
・脳出血について
国内の症例検討を元に考えると搬送がどうあれ救命しえなかった可能性が高い。http://obgy.typepad.jp/blog/2007/09/post_bc04.html
原文は全く読んでないし海外の文献も探してないから信じるかどうかはご勝手に。人に文句言ったりdisったりする人はちゃんと原典を当たりましょう。
一般的に後遺症残さずに助かる脳出血は硬膜外、硬膜下、くも膜下とかで脳内出血の場合は場所によっては出血した時点でアウト。ましてや妊婦は凝固線溶系が崩れてるのでハイリスク。
・今回の事件について?
中の人はみんな上の事分かってどうしよっかって考えてる。
実際の権限を持ってる東京都の上の事務がどれくらいまで分かってるかは不明。
石原は全く理解してない。
マスコミは論外。
医者とか墨東叩いている人達は相手にしても時間の無駄なので無視。
はてな村の人達は比較的同情的だけど、上に書いてある細かなニュアンスとか分からずに定型的な医療崩壊ネタに結びつけてるからどうぞ勝手に騒いでくださいって所。
・最後に
亡くなった方の御冥福をお祈りします。