2013-04-16

生まれ変われるならば仮面ライダーになりたい

リアルにもネットにも吐き出す場所がなく、いい加減気がおかしくなりそうだったので、チラシの裏代わりにさせてほしい。

自分アスペルガー症候群だ。

たぶんADHDも併発している。

人の顔や名前が覚えられない(すぐ忘れる)ってのは学生の頃から気づいてはいたんだけれど、

この度、4度目の転職先で、そういった能力の欠如っぷりから職を失って、

いよいよもしかしたらと思って精神科で診断を受けた。

ものの見事に高い数値が出たらしい。

診断を受けたいと主治医に頼んだときは、障害と認められたら少しは楽になれるだろうかという気持ちがあった。

でも今は、ただただ不安で、死にたくて仕方ない。

いや、死にたいというのは正確じゃない。

「なんで自分なんか生まれたのか」とこの世の全てを呪っている、と言った方が正しいか

死ぬという行動は、今の自分には要するエネルギーが大きすぎる。

そんな元気は、ない。

主治医から就職もできているのだから障害ではなく"傾向"だろう」と言われたのも精神的に参っている理由のひとつだろう。

コネで入った最初会社からはじまり転職する先々で三ヶ月もすれば必ず抑うつ状態になって、薬飲まないと会社に行けなくなるのを、果たして就職ができた」と言っていいんだろうか。

少し判断に困る。

自分の傾向に合った仕事をすればいい、とアドバイスされた。

でも、これまでの転職先はみんな自分にあっていると思って選んだ仕事だった。

そして結局は(最後職場を除き)仕事関係ない部分でつまづいて退職してる。

たぶんこれからも、状況はそう変わらないだろう。

自分の住んでいるのは田舎だ。

就職活動中に抑うつになって帰ってきてから、ずっとここで生活している。

そして、この県の県民性ルーズで粗野だ。

そういう気質は会社組織内でも当然影響してきて、

中小企業だったら使ってるAdobeソフトが全部違法コピーなんてもザラだ。

そういう会社内の人間関係というのは、推して知るべしというか。

まあ、案の定自分は脱落者となった。

それですっかり一般企業が恐くなってしまって、つい最近までは大学で非常勤の実験助手をしていた。

金を儲けることは悪ではないけれど、やっぱり金に頓着しない組織というのは窮屈でなくて居心地がよかった。

売上成績は上がっているのに、個人的嫌悪感から「おまえの評価を下げて正社員じゃなくしてやる」と三ヶ月ごとに脅される心配もないし。

ただ、そこで判明したのが、自分がどうもアスペルガー症候群ADHDらしいという事だった。

これまではデスクワークばかりで、自分の障害がそこまでダイレクトに不都合を起こしたことがなかった。

から電話言葉が聞き取れない(声でなく言葉が入ってこない)だとか、パソコンに向き合っていると呼び鈴の音に気づけないとか、特に理由がないのに朝礼というだけで気持ちが悪くなるとか…それまでの職場でもあったけれど、そこまで深刻に考えてなかった。

それが、実験助手という仕事についてからは、惨憺たるものだった。

まず、物がしまってある場所が全く覚えられない。

忘れたということ自体を忘れてしまっている。

から入った言葉を短時間でも頭にとどめておくのが難しいから、メモを取りながら説明を受けても、必ずいくつか忘れてしまう。

そして、無事に覚えられたとしても、研究室という場所は物の位置が頻繁に変わる。

試薬を持ってきてと言われる度に、「あの試薬はちゃんと前と同じ位置にあるだろうか」と緊張感で冷や汗が出そうだった。

実験動物ケージなんて、ヘタをすれば日替わりで動くので、もう動物舎に入る事自体が恐くて嫌で仕方なかった。

そして、状況判断ができない。

これは指摘されるまで全く自覚がなかったので、多分いまも意識することさえ出来ていないと思う。

危ない行動を危ない事として意識できないらしい。

実験室にこんな人間がいると思ったらゾッとしない。他人事として考えればすごくわかる。

くわえて優先順位をつけるということが出来ないから、目に付いた作業から片付けようとしてしまう。

これも言われれば分かるのだけど、詳しく説明されないと「優先順位」というのがどの程度優先すべきものなのか具体的に理解できてないからなんだろう。

ここまでを読んで、文字だけでもイライラしてくると思うけれど、極めつけがまだある。

少し気が動転すると、作業に必要なすべての記憶が吹っ飛ぶ。

そして視界に入っているはずのもの、耳に入っているはずの音が全く認識できない。

流しの排水管が水漏れを起こしたことがあったが、自分は流し台の中にしまわれていた実験器具が濡れないように避難させるのに必死で、その間に別の人が洗い物を始めてしまっている事に全然気がつけなかった。

あとで「なんで先に言ってくれないのか」と責められても、何を責められているのか本気でわからなくて(そのあと詳しくどういう状況だったのかを説明してもらうまで)理不尽に叱責されたと苛立つばかりだった。

これは、あとから説明されたから「自分が見えていなかったのだ」と理解できた希少な例で、たぶん、本当はもっといっぱいこういう事があったんだろう。

アスペルガーお約束として、雑談が苦手なのも人間関係を冷え込ませるのに実に効果的だ。

他人と共感が本当にできない。

びっくりするくらい出来ない。

から言わないでいい事を言う。

…と、ここまでは何となく自覚があるので、社会人二年目あたりからは極力しゃべらない事で他人から不快がられないようにしようと出来る限りの努力はしていた。

大して面識のないの相手には天気の話でもしておけば、それなりに定型発達っぽく会話が成り立つし。

子供のころに「人の鼻の頭を見て喋ればいいんだ」と教えられたおかげで、目線が合わせられなくてキョドるなんていう典型的アスペみたいな動きもしない。

おかげで初対面の人間相手だと、実にまともな人間らしく振る舞える。

でも、これが逆によくない。

同類がいたらアドバイスするが、付き合いが長くなるであろう相手に対して、マニュアル通りのまともっぽい振りをするのは絶対にやめた方がいい。

三ヶ月もすると、逆に不自然さが際立って薄気味悪がられ、自然と会話が無くなっていく。

実例が言うんだから間違いない。

何より苦痛なのは、直接話をされていない職場内の人間冠婚葬祭の話題を、周りの空気から読み取らないとならない場面に数回でくわしたことだ。

健常な人は周りが話してる雑談からそんな情報まで正確に聞き取れるものなのか?ほんとうか?だましてないか

…まあ、そんなこんなで、好意というか敬意さえ抱いてるような相手にまで嫌われる。

仲良くしたいからと何かするたび、嫌な顔をされた。

けれど、いまだに何故いやがられたのかが理解できてないので、多分これからも好きな相手には嫌われ続けるんだろう。

アスペルガー症候群は鈍感で空気が読めないから、お気楽だろうと思ってる人もいるかもしれない。

でも実際のところ、物凄く気を遣う。

前の晩から「どうやったら喜んでもらえるのか、どうやったら役に立てるのか」を考えて、朝おきてはそれを復唱して、それで現場では何一つうまくいかない。出来の悪いコントみたいだ。

気を使っても使っても、全然気が利かない。

気を遣うのと気が利くのは別の意味なんだって、大人になって身をもって理解した。

気が利かない人間なんて、そりゃ嫌われるよな。書き出して振り返ってみれば、すごく当たり前のことだった。

から入った情報が覚えられなくて、状況判断が下手で、危険察知もできない人間が、まともに実験なんてできるわけもなく。

精度はボロボロ

それでまあ、今回は人間関係とはかかわりない理由で退職することになった。

仕事が今期までだと母親に告げたら、案の定ののしられた。

から「おまえは規格外だ」「なんで普通にできないのか」と何度も何度も怒られてきた事の延長線みたいな感じ。

実験助手仕事をしていて、自分アスペルガー症候群ADHDだろうというのは確信に近かったから、障害の話も説明したかったけど

全く聞いてもらえなかった。

すぐにでも仕事を見つけてこいと突っぱねられて、

でも自分がもうどうしようもなく仕事ができない事は理解してるから途方に暮れて、

それで逃げ込むように掛かり付けの精神科に行った。

それと並行して、母親以外の家族には障害の話をした。

母親は結局だれから間接的に私のことを説明されたのだろう。わからない。

ただ「障害年金がもらえるんなら良いじゃない」とだけ言われた。

診断結果がでるまでは、とても再就職する気になれなかったが、

自分の持ってる技能を活かせそうな会社中途採用にも申し込んでみた。

そんな矢先に些細な事で母親といさかいになった。

たぶん、また「自分が見えてなかった」んだと思う。

急に殴られた。

殴りながら「おまえなんか、そのうち誰かに殺される」と言われた。

そんなの知ってる。わかってる。

好きな人ほど自分を嫌うんだから

きっとそのうち、一番好きだった人に殺されるんだろう。

「だったら、生まれたその日に殺せば良かったのに」

と、殴り返した。

本当に、なんで、自分なんかを生まれさせたのか。

目がついていても見えない、耳があっても聞こえない、口があっても喋れない。

こんな使えないものなら、はじめから持たずに生まれてきた方がどれだけ幸せだったか

きっと自分は上から生皮をかぶってはいても、本当の姿は大昔の特撮ヒーローに出てきた、いびつで醜悪な機械人間みたいなものなんだろう。

片目だけギョロギョロとでかいレンズがついて、開閉することのないジャバラの口、耳の代わりに電線の出来損ないみたいなモンがくっついてる。

それに人間のどろどろとした黒い髪が生えてるんだ。

可愛げなんてない。ただただ気味が悪いだけの化物。

そんな化けもんでも、人の役に立てるもんなら立って見たいと、思ったのがそもそも間違いだったんだろう。

今日中途採用に応募した会社からお祈りが届いた。

やっぱり、まともな会社は化物になんて興味を持たない。

違法コピー密輸パワハラで溢れかえったような会社しか、気味の悪いおばけを拾っちゃくれない。

化物にされたのに、人間のために闘うヒーローが好きだった。

人間に石を投げられても、人間の役にたつヒーロー

きっと死んだら化物として墓も用意してはもらえないんだろうけど、それでも生きてるかぎりは人間たちのヒーローでいられる。

いい歳をしてみっともないんだけれど、今でも仮面ライダーになりたいと思っている。

化物側の存在のくせに人間の街を守るライダーになりたい。

人間の輪の中に入れないのに、その輪を守るイナゴの怪人。

虫なんて大嫌いなのにな。

きっと本当に変身できたら、自分の顔の気持ち悪さで死にたくなるだろう。

それでも、きっと、今の自分の顔を見るよりはずっとずっといい。

仮面ライダーのことを思いながら死んだら、生まれかわれないもんだろうか。

生まれ変われるならば仮面ライダーになりたい。

  • お見事。同類の1人として、こうも正確にうちらの現状を表してくれている人がいることに尊敬の念を覚えるよ。 何か本当に、毎日自分のしでかした失敗と、そこから学んでも定型発達...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん