はてなキーワード: リッツとは
ええっと、これが正解!というのはブコメにもトラバにも私の見た限りではありませんでした。近いものはありましたが、これ、知ろうとすると先ずアウシュヴィッツ・ビルケナウのマッフル炉がどんなものだったかを知る必要があります。ええっと、簡単にググった範囲では、このページにある上から3つ目の写真ですね。
わかりますかね、一つのマッフルの口の幅は大体60〜70cmだったかと思います。わかりにくかったら類似画像検索か何かでもっと見やすい写真もあったかとは思いますが、この一つのマッフルが三連になっていて実質的には3つで一つの炉を形成しています。これをトリプルマッフル炉と呼びます。
アウシュヴィッツの大量虐殺の現場はアウシュヴィッツⅡとも呼ばれるビルケナウキャンプの方です。アウシュヴィッツメインキャンプから3キロほど離れた場所にあります。上で示したリンクの写真はすべてビルケナウのものです。
このビルケナウにトリプルマッフル炉を5基備えたクレマトリウムⅡとⅢの2つがあり、そこから少し北に行ったところに……えっと、炉の形式をちょっと忘れましたのでとにかく8マッフルの火葬炉をもつクレマトリウムⅣとⅤの2つがありました。故に、計46マッフルあったわけです。
さて、計算上は1日仮に3,000体ならば、一時間あたり約3体/マッフルとしなければダメであり、一体20分なわけですが、実際はどうやったかと申しますと、実は複数遺体を同時に焼却処分していました。これとほぼ同じ答えはありましたが、でも少し考えてもらいたいのです。
一体を一時間で焼却できるというのは、焼却エネルギーをそれだけ与えるからです。1体につきnカロリーならば、3体なら3nカロリーです。つまりカロリー計算ならば、同時に焼いたところで、炉が与えるエネルギーは同じなのだから、3倍の時間がかかるはずです。
あれ? と思いませんか?
そこで、もっとコークスを入れればいいのだ、という話になってきますよね? 一体あたりのコークス料はこれは流石にデータがまったくないのでわかりません。しかし、幅6,70センチしかないマッフルに三体も入れて、更にコークスを三倍にするなんて、非現実的だと思いませんか?
実は当初、親衛隊自身がそう思っていたフシがあるのですが、これにはカラクリがあります。上で述べたように、実はマッフル一つが1炉ではないのです。トリプルマッフル炉なのです。つまり、炉としては1炉1マッフルよりも三倍も大きいので、熱量/高温をそれだけ維持できるのです(要するに外部へ廃棄されたりして無駄になる熱量が少ない)。しかし、まだ問題は解決してはいません。何れにせよ、遺体量分のコークスが必要なのはそれほどは変わらないからです。
で、一体どうやってこの問題を解決したかというと、それは「遺体自身を燃料にする」だったのです。流石にそれは誰も思いつかなかったのではありませんか?
嘘だろ? と思う人がいたら、そう証言した人がいると答えておきましょう。ヘンリク・タウバーというこの遺体処理作業に当たった、ユダヤ人収容者の作業員、いわゆるゾンダーコマンドがいます。タウバーは酷く否定派に嫌われています。当たり前です、このタウバーの証言を認めたら、否定論は一瞬で破綻してしまうからです。戦後裁判などで当然証言台に立ってます。
で、このタウバーは遺体がよく燃えるので、燃料の追加はほとんど必要なかった、と答えているのです。このタウバー、驚くなかれ一度に9体くらいも遺体を入れたことがあるとまで証言しています。そんな馬鹿な?と思うでしょ?
想像ですけど、おそらく、タウバーのこの証言は、遺体をどんどん連続投入していたがために、実際には同時に9体入れたのではなく、次々に入れていった場合の先に入れた遺体は燃焼して体積が減っていき、それで9体などと言ったのだと思います。あるいは普通に、トリプルマッフル一基を1炉と考えて、3つのマッフルに対しての9体なのかもしれません(それなら理解しやすい)。
何れにしても、遺体自体を燃料にするって少々信じ難いと思いませんか? 人間の体って普通は7割は水です。アウシュヴィッツについてすぐ殺された人が大半ですから、痩せてすらいないわけです。しかも、このついたばかりのユダヤ人の方がよく燃えたというのです。流石にそれは嘘だと、言いたくなってきませんか?
でも、遺体を燃料にしたというのは証言しかないのですが、15分程度で焼いたという当時の文書記録はいくらでもあるのです。
えー、それっぽく引用文献が載ってますが、これはあるページからコピペと少し修正しただけですので、ご勘弁。ともかく文書資料はそれなりに残っていて、多分まだまだあると思いますが、実際に算術的火葬率1体あたり15分程度をやってたということに疑いの余地はありません。
というわけで、こういう具合に細かく突っ込んでくるのがホロ否認論です。そんなの出来るわけない! というのを反論するのが結構大変だということがご理解いただけるのではないでしょうか?
で、どうして引用文献を示したかというと、「Mattogno」という人物の名前が出てきます。この人、超有名なホロ否認論者です。ホロ否認論者が普通に、ホロコーストを肯定するような資料を自著に載せるのです。ホロ否認論者に、粗雑なリビジョニストがやるような「やばい資料を隠す」ような人はいないと言っていいでしょう。