2020-03-29

中絶体験

ものすごい長文になってしまったが投下。

日曜の午後だった。整理が2週間近く遅れていた。

3週間ほど,体も熱っぽく胸も貼っていて,いつものPMSとは何か違うなとは思っていた。

でもまあ生理不順だろう,妊娠なんてしてないよねと検査してみたら,

まさか妊娠だった。

思い当たることは何もなかった・・・と胸をはって言えないのが情けないが,

まさかまさかだった。

これまで,避妊に甘かった自分を猛省した。

ゴムつけると痛いし気持ちよくないし,

中に出さなきゃOKでしょ,位に考えていた大アホな自分をぶん殴りたい。

慌ててパートナーに連絡を取る。

空港で登場手続き中だった彼,急遽行き先を変更して,会いに来てくれることになった。

翌朝一緒に病院へ行こうと決め,

互いの職場上司有給を取る旨連絡する。

病院はどこがいいの?

話し合って,中絶することに決めたものの,

信頼できそうな病院を探すのにはかなり時間がかかった。

口コミサイトを読み漁り,移動中の彼にも調べてもらう。

ホームページできちんと手術の情報提供をしているところを3つほど選んで,

電話をかける。

日曜だからか,つながらない。

最後の3つ目でやっとつながり,翌朝の予約を入れることができた。

22時過ぎ,彼が到着。

不安なまま眠りにつく。

●診察,手術日決め

翌朝,予約時間より30分も早く病院へ到着。

受付にはまだ人がいない。

問診表に一通り記入し,診察の順番を待つ。

中絶希望の欄んにチェックを入れる。苦しい。

名前を呼ばれ,彼もいっしょに診察室へ入った。

担当は,ベテラン男性医師だった。

下着をとり,診察台へ座る。

カーテン越しに先生の気配。隣にはパートナーが入ってきてくれている。

「さて,赤ちゃんはいるかな?」と先生エコーを私のおなかにさしこむ。

あ,いるね。「見えますか?心臓がぽこんぽこんってしていますよ」

大きさは3ミリ,6週と3日だと言われる。

心臓が動いているの,見えるね」

赤ちゃん,いるんだ。

私たちは顔を見合わせた。言葉が出なかった。

別室で先生から手術の説明を受ける。

手術は麻酔で眠っている間に終わり,4時間ほどで日帰りでできる。

当日は,二人の署名押印をした同意書と,ショーツナプキンを持ってくるよう言われる。

手術費用は,妊娠週数が増えるごとに5千円ずつ高くなるらしい。

お互いの仕事の都合もあり,

結局,8週目の金曜日に手術を受けることに決めた。

金曜なら,週末,家で安静に過ごせる。

その後,採決と血圧などの検査があって,1時間ほどで終了。

保険がきかないので1万5千円の支払い,高い。

産んであげられる環境だったらよかったのにね。

結婚していたら,おめでとうって心から思えたのにね。

複雑な気持ちで,そんなことを話しながら家に帰った。

●手術まで

手術までの10日間ほど,体はゆるやかに変化していった。

妊娠6~8週目,つわりが出てくる時期だ。

激しい眠気,熱っぽさと体のだるさにはじまり

空腹時の吐き気,船酔いのような気持ち悪さと胸の張り。

初めて経験するつわりだった。

このまま産んであげられたら,と何度も考えた。

計算すると,出産予定日9月24日

それまでに婚姻届けを提出して,7月から産休に入って。。

家はどうしよう。仕事は?親にいつ話す?

色んな妄想をしてしまって,仕事も手につかなかった。

彼も相当に悩んだらしかった。

でも結局,飛行機2時間遠距離恋愛で,お互いキャリアも別々で,

すぐに結婚→同居→育児なんて,非現実的すぎる話だった。

看護師さんは「考えが変わったら,いつでも連絡してね」

と言ってくれた。

でも私たちは結局,中絶を選んだ。

●手術当日

同意書とお金必要ものを準備して,

彼に付き添ってもらい,病院へ。

順番が来て,診察室へ入る。

エコーでおなかを見ると,赤ちゃんは少し大きくなっていて,心臓は元気に拍動していた。

心臓,元気に動いているね」

もう決めたことなのに,心がとても痛んだ。ごめんね。

私がとても悲しそうな顔をしたからだろう,先生

「あまり言うとつらくなるからね。これくらいで」と言って手を止めた。

子宮はおなかの方に傾いているね」と言われる。

子宮位置に後屈とか個人差あるなんて初めて知った。

再度手術の説明を受け,支払いを済ませる。

手術費+診察費+赤ちゃんの埋葬費で合計12万円ほど。

手術は眠っている間に終わり,出血と軽い腹痛はあるかもしれないが,翌日から不通に生活できるとのこと。

性交渉は2週間ほど禁止らしい。入浴もNGシャワーは翌日から大丈夫とのこと。

看護師さんは,ビビりな私の質問にも丁寧に回答してくれて,

やっと安心できた。

9時半過ぎ,個室に荷物を置き,彼に見送られて手術室へ向かう。

手術は10時過ぎからだった。

15分くらいで終わる,難しい手術ではないという。

手術室で看護師さんが一人,淡々と準備を進めていく。

手術台に寝かされ,足を固定される。

筋肉注射のあと,点滴で麻酔がはじまる。

私は一瞬で意識を失った。

遠くから名前を呼ぶ声が聞こえる,終わったらしい。

下腹部の鈍い痛みを感じつつもうろうとするなか,担架にのせられ個室のベッドへ運ばれる。

手術は無事に終わっていた。

ずっと悪夢を見ていたが,

目が覚めて気が付いたら彼が来ていて,昼過ぎになっていた。

最初に思ったのは,とにかくおしっこがしたい。

立ち上がろうとするもふらついてまともに立てない。

ほんの数メートル先のトイレに行くのも危ないというので,

おまるを持ってきてもらう。

ぐったりしている。体が鉛のように思い。

そのまま1時間ほどまた眠った。

二度目に目覚めたとき,気分はそれほど悪くなかった。

14時過ぎに病院を出た。

無事に終わってほっとした,それが一番だった。

遅めのランチに何を食べようか,彼と話しながらバス停までのゆるい坂道ゆっくり歩いた。

バスはすぐ北。

あたたか日差しのなか,バスに揺られてぼーっとしていたが,

突然,めまい吐き気に襲われた。

麻酔が抜けきっていなかったのだろうと思う。

何とも言えない気持ち悪さで,すぐバスから降りて横になりたかったが,そうもいかない。

何とかターミナル駅バスを降りてタクシーに乗り換え,家に着くとベッドに倒れこんだ。

述語は安静にね,としつこく言われたのに,私が甘かった。

おとなしく病院からタクシーで直帰すべきだった。

アルコールに弱い,もしくは全く飲めない体質の人は麻酔がききやすいらしい。

私がまさにそうで,しかも体力もないのだから,用心すべきだったのだ。

●術後の経過

翌朝,退庁はかなり良い。

が,昨日のこともあるので家でおとなしく過ごす。

術後の腹痛や出欠具合は個人差が大きいそうだが,私の場合はどちらもほとんどなかった。

体の熱っぽさが嘘のように消えていて,船酔いのようなつわりもさっぱり消失していた。

久しぶりに「体が自分だけのものになった感じがした。

術後は3日間ほど薬を飲み続ける。

支給収縮剤,痛み止め,抗生物質の3種類を一日4回。

薬を飲み切った翌日の夜,急に生理痛のような下腹部痛があった。

耐えられないほどではないが,生理痛が普段ほとんどない私にとっては,かなりしんどい痛みだったため,痛み止めを飲んだ。

調べてみたら,妊娠で大きくなった支給が元の大きさに戻ろうとするときにおこる,正常な痛みらしい,ほっとした。

市販の痛み止めは買っておいてよかった。

●1週間後

術後の回復状態を見るため,最後の診察へ。

診察台へ上がり,エコーの機会を挿入されるのも慣れたもんだ。

「うん,完璧ですね」

先生いわく,きれいに手術できていて回復も順調とのこと。

よかった。

最後の診察費を払い,病院を出た。

次,もしここに来ることがあれば,幸せ妊婦として期待。

●まとめ

膣外射精でも妊娠する(当たり前)

病院選びは慎重に,料金よりも安心感で選ぶ

・術後すぐはあまり動かないこと

・痛み止めは買っておいたほうがいい

・料金は8週目で総額14万ほど(診察費,薬代等含む)

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