2023-09-15

インボイス反対!」に対して思う違和感

はじめまして

最近取引事業者さんたちからインボイスについてのお問い合わせを受けるようになって、いろいろ違和感を感じているので、メモがてら書き残しておくことにしました。

簡単自己紹介をしておくと、私はしがない一会社員で、いわゆるクリエイターさんたち含め、いろんな事業者さんたちに、発注とか何とか、仕事を依頼している側の人間です。

現時点での感想

ここからは、違和感本体を探るために、いろいろ調べつつ記事執筆していきますが、現時点での感想は、


です。

インボイスってのが「消費税に関する何か」だってのは社内研修受けたので何となく見えてきました。が、それにしてもめんどくせえ。

弊社は、当たり前のように遵法意識があるので、消費税ちゃんと納入している会社です(脱税はしてないはず、、、)。

で、今回のインボイス対応も、遵法意識のもと時間的金銭的なコストをかけて対応しているようです。

とはいえ意識があっても説明があまりないので、現場人間には混乱しかないですが。

しかし、今になって、弊社含む発注側の会社が、そして何より我々窓口に立っている人間が、取引事業者さんたちからやいのやいの言われる機会も増えてきました。

クリエイターもっと大事にしてほしい」「生活破壊される」とかですね。

そんな中で、何だか違和感を持ったので、こうして情報や考えをまとめてみようと思ったわけです。

そもそもインボイスとは何者か、何のための制度

インボイスって何でしょ。私はちゃんと答えられません。当たり前です、よく知らないんですから

じゃあ、目下絶賛仕事中ですけど、国税庁HPでも見てみましょうか。エロサイトじゃないですし、怒られないでしょうきっと。

国税庁による概要

ありますねー。わかりやすいんだかわかりにくいんだかよくわからないサイト

適格請求書インボイス)とは、

売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。

具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類データをいいます

インボイス制度とは、

<売手側>

 売手である登録事業者は、買手である取引相手課税事業者から求められたときは、インボイス交付しなければなりません(また、交付したインボイスの写しを保存しておく必要があります)。

<買手側>

 買手は仕入税額控除適用を受けるために、原則として、取引相手(売手)である登録事業者から交付を受けたインボイス(※)の保存等が必要となります

※買手は、自らが作成した仕入明細書等のうち、一定の事項(インボイス記載必要な事項)が記載され取引相手確認を受けたものを保存することで、仕入税額控除適用を受けることもできます

どうやら、適用税率とかが違う中で正確な税処理をするためには、こういうデータを残す必要が確かにありそうですね。

まぁ、それは納得です。買い物してても、あっちは8%、こっちは10%って、どうやって管理してるのか謎だったので。

インボイスめんどくせえ」問題はまったく解決してませんが、意義としてはわかった気がします。

買い物で支払ってる消費税ってどこに行ってるの?

さて、インボイスがどうやら消費税の正しい納入に必要そうな制度だというのはわかりましたが、

買い物とかで払ってる消費税ってどこに行ってるんでしょう。そういえば。

またまた国税庁です。



どうやら、


みたいな構造になってるらしいですね。一部でもどっかに消えてなくてよかった。せっかく払ったのに、誰かの懐に消えてたら悲しいからね。

インボイスを保存しなくてもいい人がいる?

でも、今回のインボイス騒動で見えてきたんですが、免税事業者という消費税を申告・納入してない事業者もあるらしいですね。

インボイス消費税の申告・納税必要データからそもそも消費税を申告・納税していない人には関係がない、ってことみたいだし。

免税事業者は何のためにあるのか

消費税を納めていない人なんているんですかね。事業者が分担して納入しているはず、じゃないんだろうか。ふしぎふしぎ。

消費税

その答えは、どうやら消費税法にあるらしい。

第九条 事業者のうち、その課税期間に係る基準期間における課税売上高千万円以下である者については、第五条第一項の規定にかかわらず、その課税間中国内において行つた課税資産譲渡等及び特定課税仕入れにつき、消費税を納める義務免除する。ただし、この法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。


なんと。売上高1000万円を超えない事業者納税免除されるのね。

目的 is 何?

そういえば、免除目的は何なんでしょうね。

国税庁法律上は、目的が見つけられなかったけれど(あったらおしえて!)、税理士事務所とかでよくある説明としては

らしい。

勝手中小業者経済的支援とかだと思ってたけど、そうじゃないんだねー。

ここまでの感想

どうやら、売上高が小さい事業者さんは、免税事業者というものになるわけですな。

でも、免税事業者取引を行っている企業的には、先方の年間課税売上高とかは知らんわけです。



単純に考えると、「納税していると思って渡してきたけど、どうやら納めていないらしいから、払いすぎだったのでは?」となるよね。

あと、税金税金であって、あなた収入勘定するのはなんかおかしくない?って思ったり。

インボイス反対!な人の意見

さて、ここで本丸。「インボイス反対!」な人たちの意見も見ておこうか。



課税事業者会社員として思うこと

免税事業者は、「このまま免税事業者でいる」「インボイス行事業者になる」という二択らしい。まぁそりゃそうだ。

まず、「インボイス行事業者になる」という選択肢について。インボイス消費税申告・納入の制度なので、

インボイス行事業者になる」イコール消費税の申告・納入を行わなければならなくなる」というのは当然の帰結

本来納入は義務からね。すでに払っている事業者としては何も違和感がない。


次に「このまま免税事業者でいる」という選択肢について。

正直、取引である我々からすると、どっちかわからいから取りあえず払っていた訳で、

あなた納税すべきだった消費税煩雑だってことでうやむやになってたけど、今後はこっちで納税しとくので、お支払いは税抜額になります、というのはまったく外れてない論理だと思うけれど。


他に、まぁこれはどーでもいいんだけれど、「今言うの?」的な点も引っかかってる。システム改修とかコストかけてやってきたのに今さら、、、、(愚痴

消費者として思うこと

消費者としても、違和感

今日コンビニでの買い物で払った数十円の消費税本来であれば「きちんと納税」しておいてほしいものだけど、

事業規模に応じて「免税」ということになっているだけで、それを「懐にガメる」というのはまたなんか違う話な気がするなぁ。



せっかく払った消費税消費税として使われていないのは違和感

まとめ

さて、いろいろ見てみたけれど、そろそろ打ち合わせだからまとめるか。



個人的には、「『インボイス反対!』には反対!」です。

ちゃんと申告・納税されるのにはあるべきシステムだと思います。めんどくさいけど。


とはいえ消費税制について文句をいうのはわかる。10%って高いよねー。

なくなっちまえばいい、ってよく思うし。どんどん商品も値上がりしてる中でつらいわー。

でも、せっかく払ってるんだから、どっかの誰かの懐に入るんじゃなくて、全部ちゃん納税してほしい。これマジ。



でも、何より。




小規模事業者仕事について、きちんとした対価が払われていない、というのは論外。今回声上げてる人たちは、問題がそっちにあるはず。消費税じゃないはずだよ。

最後に、いろんな事業者さんに発注している一会社員として思うのは、「仕入れ額や経費が上がったりする中で、どんどん価格交渉はしてほしい」ということ。

こちらもそれでお願いしたい事業者さんには上を説得しても払いたいですよ。ただ、消費税ちゃんと国に全額納税されるようにしましょうよ。

コメントへのコメント

みなさんありがとう

このままさっさと給与所得控除減額まで行ってほしい こういう奴らが自分の損の時に泣き叫ぶのを見たい

所得税の控除も、住宅ローン減税の控除も、どんどん変わっていくのは世の常ですわな(税率とか、税そのものへの反対は今回は対象外)。

個人的には、控除が減額されても、それがどっかに消えずに「きちんと納税される」ならまだ納得はできますわ。

  • このままさっさと給与所得控除減額まで行ってほしい こういう奴らが自分の損の時に泣き叫ぶのを見たい

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