2023-04-06

しがないゲームクリエイターブロッコリー炎上に思うこと

今回の炎上は、オタクへの理解のなさから発生したのではないか?と思っている。ゆえに、割とどの会社でも再現しうる炎上だと思う。

何年とゲーム業界にいるが、いつもこの業界オタクへの理解がないなと思うのだ。

具体的に説明すると、以下の三点がポイントになる。

①開発期間の認識相違

オタクへの不理解

コンテンツへの『愛』の認識相違


①開発期間の認識相違

そもそもゲームの開発は意外と時間がかかるものだ。

規模や斬新さ、クオリティにもよるが、最近だと四〜六年はザラだ。十年なんてものもある。

しかもこれが『本格的な開発開始から時間』であったり『制作発表してからの開発時間』であったりするものからさらヤバい。開発が始まる前に、企画立ち上げがあり、企画検証があり、αテストがあったりして、ものによってはこの段階で一年以上かかっている。

しかし、ユーザーはそんなことお構いなしだ。発売から一ヶ月でクリア。そして正直なところ、もうその翌日には新作が出ていてほしい。待てない。毎月新作をくれ。

というのはもちろん無理なので、何かしらの『時間稼ぎ』が必要になる。

昨今流行っている王道の『時間稼ぎ』は以下だ。

DLCダウンロードコンテンツ

イベントを定期開催する(いわゆる運営

アニメ漫画小説などゲーム以外のコンテンツを出す

・グッズを出す

リアルイベント実施コラボカフェなど)

SNS運営

・別のゲームを同時進行でつくる など

このどれか、あるいはいくつかを順に、計画的に出していくことで、次回作までの場を繋ぐわけだ。

まり、今回の件で指摘されている『ゲームの新作が出ない』という問題は、正直そんなに有り得ない開発期間ではない。

そして、『別のゲームが作られていた』ことに関しても、別段珍しいことではない。会社が(もっと言えば社員が)毎月収入を得られるよう、開発が同時進行することはよくある。

じゃあ、何が問題だったのか?

何で炎上してしまったのか?

それは、タイトルの扱い方と情報の出し方に問題があったのではないかと思う。もっといえば、ファンのことを理解していなかったからだ。ターゲット層の調査不足と言い換えてもいい。


オタクへの不理解

ゲームクリエイターには、意外とオタクが少ない印象がある。特に、偉い経営陣たち、決定権を握る偉いクリエイターたちは、割とオタクではない。

ここでいう『オタク』とは、ゲームアニメ映画などのコンテンツに熟知していると言う意味ではない。

コンテンツに『萌えて』、コンテンツに『沼り』、コンテンツを通して他人と『交流し』、コンテンツから二次創作』などの活動したことがあるか、という意味だ。

この差はでかい

ワンピ全巻持ってる〜とカフェで話している人と、ワンピ二次を書いて冬コミへ熱を入れている人が、まったくの別人種であるのと同じだ。

基本的に、クリエイター勉強のために色んなコンテンツを触るが、『オタク的な』熱狂を伴ったハマり方をできる人は稀だ。もちろん、クリエイターオタクもいることはいるが、全員がそうではない。

エンタメ会社は、クリエイターが集まった会社とはいえ普通会社学校と同じと思ってもらっていい。一般人オタクもいる。

意外と普通なのだ

だが、エンタメ会社お客様オタクである

オタクは、オタク向けコンテンツを作っている(運営している)公式が、当然オタクだと思っている。あるいは、オタク理解がある人たちだと期待している。

しかし、悲しいかな、実際のところ公式は割と理解がない。

こうして、「オタクのこと何もわかってない!」現象が起きるわけだ。

正直、これに関してはお客様は何も悪くなくて、お客様のことを勉強しようとしない公式が悪いと思っている。

かつてーーオタクが隠れ潜んでいた時代ならまだしも、今やオープンオタク時代SNSを少し検索すればお客様思考や嗜好が分かる時代なのだから、そのサーチを怠っているのは、単純に企業努力が足りない。

例えば、ユーザーが、どのタイプオタクなのかを調べるだけでも、お客様に寄り添った運営広報ができるだろう。

オタクタイプ簡単にいうと以下に分かれる。

わかりやすいと思うのでFF14の例で書く。

タイトルオタクFF14オタク

会社オタクスクエニオタク

クリエイターオタク吉田直樹オタク

キャラクターオタクエメセルクのオタク

今回の件でいえば、おそらく大多数が『キャラクターオタク』だろう。アイドル物、育成物は、そうなる傾向があるように思う。

であれば、タイトル会社クリエイターから目線での話はあまり効果的ではない。

キャラクターいか大事にするか。

それが、一番ユーザーに刺さるポイントであり、逆にいえばキャラクター蔑ろにすることは最大の炎上ポイントとなる。

コンテンツへの『愛』の認識相違

人間というのは、自分が愛してやまないもの他人蔑ろにした時、怒りを覚えるようにできている。

今回の炎上でも、その現象は見てとれた。

しかし、公式側とファン側で、この『愛』に相違があるようにも見えた。

オタクーー特にキャラクターオタクたちは、自分たちの愛を、キャラクターを大切にすることによって表現する。

例えば、キャラクター誕生日記念日を一緒に祝い、グッズを持って一緒に旅行に行き、グッズにお金を落とし、バッグを装飾して推し宣伝して歩き、ライブに行き、考察を広げて二次創作し、課金をし、推し仲間と解釈を語り合って愛を確認する。

そうしてオタクたちは「こんなにも愛してきた」と主張し、公式には愛が足りないと憤慨する。

一方で、クリエイターたちは「俺たちの方が愛してきた」と主張する。彼らは、キャラクター理解し、キャラクターに上質な人生ストーリー)を提供し、綺麗な衣装イラストを用意し、金と時間を費やして育ててきた。

かに、そこに愛がないわけではないのだろう。

しかし、確実にオタクの愛とはすれ違っているのである

オタク顧客)の愛は、『キャラクターを喜ばせること』『キャラクター幸せにすること』に重点が置かれ、副産物として『キャラクターを愛してやまない自分幸せ』がついてくる。

公式は、残念ながらキャラクターを喜ばせないし、幸せにすることを第一目標とはしない。あくまで、彼らはキャラクターを通して、上質なコンテンツ提供し、オタク顧客)を喜ばせようとしている。

作る側なのだから仕方ないといえばそれまでなのだが、個人的には、公式は、そのあり方だけでは不十分だと思う。

別にオタクたちと同じ愛を持つべきとは言わない。クリエイターとしてのコンテンツへの愛を持ち続けることは重要だ。製作者側がオタクの心に寄りすぎてしまうとコンテンツが迷走する可能性があるから

けれど、公式自分たちの顧客であるオタクの愛をもっと理解し、把握した上で、コンテンツ提供したり広報に努めるべきではないかと思う。

そうすれば、「あ、こっちを先に進めるべきだな」とか「これは炎上しそうだから避けよう」とか「こうした方が喜んでもらえそうだ」とか、そういうアンテナが立てやすいと思う。

以上。

  • 単語入れ替えただけで「オタクはクリエイターに理解がない」という文章になるな

  • ちゃうちゃう。この件はブロッコリーがゴミみてぇな運営してたのが諸悪の根源 ↓これは男女関係なくオタクなら怒るわ https://anond.hatelabo.jp/20230403043851

    • 違わないわ。リンク先みたいなことになる原因を書いてあるだけ リンク先とこの増田の文章読んでる?ただの知ったかのいっちょ噛み?

    • うたプリファンじゃないとわからんやつだなこれ

  • 内容は同意できる部分は多いし実際そうだと思う。 しがないなりにこう変わるとファンと一緒にいけるんじゃないか?って意見も欲しかった ただ理想的な姿になると儲けは二の次になり...

  • で、どれだけお金を落としてくれてるの? オタクって「ろばを売りに行く親子」とか「エスパー魔美」とか称賛するくせに、いざ自分たちのことになると怒り出す。 そうなると信用でき...

  • そもそもうたプリってそこまでコミットするほどの魂のこもった作品じゃないだろ

  • ワンピース全巻持ってるのはワンピースオタクでいいんじゃねえかな…

  • でもオタク愛ってあまり公式に入る金に直接反映されないんだよなぁ、まあおっしゃるとおり🥦公式が下手なんだろうけど。 たとえばイベントスチルを全身発注にしてイベント終了後に...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん