2018-01-24

勝手図書室の思い出を綴る。

https://anond.hatelabo.jp/20180124221748 を読んで現場は大変なんだなと同時にそういうものを書き込んでくださった増田さんに感謝している。

大変そうだけれど、無理しすぎず、ほどほどのところで過ごして欲しい。


それだけじゃ何なので、掲題通りである

一時期入り浸っていたことがあるので記憶のある限り書いてみる。

小学校は何回か転校していたため、正直各学校の独特の匂いとやけにじめっとした、あるいはやたら日当たりの良い図書室の壁に添って作られた本棚を思い出す。図書カードの置かれたあのカウンターだとか。おとなしそうな図書委員だとか。似たような雰囲気だなあと思っていた。

低学年の頃は授業時間に行く以外では寄り付かず、気が向けば学級文庫か自宅にある本を読んでいた。

その頃好きだったのは大判で、フルカラー写真が多く載っていたこごましたもの特集されていた本だった。

ただ眺めているのが楽しかった。シリーズで何冊かあったが、色で分類されていたと思う。漢字で書かれていたテキストの部分も気が向けば適当に読んでいた。

不遜な子どもだったので、およそ感想文の類を提出したことがなかった。課題図書もふーんと眺め一度だけ気になったものを借りたか買ったかした程度だった。

自宅では主にオカルトに凝っていた時期だったと思う。魔女とか怪談とかそういうものを読み漁っていた。


中学時代。できて20年未満の学校に進学した。

なんとなく耳をすませばを思って、半年かけて図書室の本を全部読んでみた。伝統ある学校に比べたら冊数はそれほどでもないと思う。普通教室3部屋程度。読んでみたが読んだはずの本でもおぼえていない本が結構ある。

きっとその頃は読み切ることが目標だったのだろう。それでもいまだにその頃出会った作家で読み続けていたり、何冊も装丁違いで購入した本があることはひとつの宝物だと思っている。

あとすべり止めで受けた私立高校入試で読んだことのある作品が題材だったのも愉快だった。

そこから高校までで多いときは一晩に文庫8冊。一番かかったのが篠田節子氏のハルモニアで2日だったと思う。

なんとなーく早く読めるようになったりもした。あの数年間は登下校時にも本を手放さなかった。

勉強あんまりしなかったけれど、勉強せずに中学2年で漢字検定2級が受かる程度には知識も増えた。

当時は図書カードがあったので、誰がどの本を借りたのか分かるのも面白かった。天沢聖司にも月島雫にも出会えなかったけれど。

ここ数年で文庫化された書籍も当時はハードカバーで、月に10前後は購入されていた。それを片っ端から読みつつ、すでにあった蔵書も読んでいた。

多感なお年頃なので、性描写のあるもの出会うと成人指定境界ってどこやねんと思ったりしながら読んだ。(し、本屋に行けば女性向けのBL小説は性描写があっても普通に買えた。謎だ。凝り性なものでそちらもだいぶ読んだがこちらは卒業たかもしれない)(コバルト文庫でも結構あると思う)(基準が謎だ)

野中柊氏のダリアとか、ドキドキしながら読んだ。今思えばかわいいものだ。

後宮小説なども読んで良いのかなと思いながら読んだ。


地元公立高校で初めて、司書さんという存在を校内に認識した。いつも白衣をまとった女性で、図書館以外にもいるんだなと思った。その学校では希望があればCDなども購入していた。

アングラっぽい写真集や当時走りだったライトノベルを一式入れてくれたりもした。(その後、メディアミックスされた各作品初版本が揃っていたため、数年後盗難にあったそうだ。嘆かわしいと同時に初版本に価値を見出す感覚がまだあるのだなと感じた)

同時に、遠野物語をはじめとする民俗学やら薔薇の名前やらを借りまくっていた。

学業に励む生徒にとっては、赤本がずらりと並んだ赤本専門の小部屋があるのも魅力だったかもしれない。

その頃は読んだなあというほどは読んでいないと個人的には思っている。

ただ、気になっていた本たちをするする入れてくださった司書さんには当時も今も感謝している。

森博嗣氏のシリーズもいくついれてもらっただろうか。講談社ノベルスがやたら充実していた。

お小遣いでは追いきれない本たちをあの時期に読めたことには感謝しかない。


うってかわって大学ではまあひどいものだった。

専門課程書籍もあまりない。

ちらほらある小説もだいぶ前で時が止まっている。

大型書籍比較的充実していたが、借りるには重いので閲覧のみとなる。

専門書も同じく時が止まっていた。

半地下で静かで独特の雰囲気が好きだったけれど、およそ学業のための空間ではなかった。

卒業後も利用できるということだったが、生憎地域図書館の方が便利であった。



今につながる本の思い出。

急接近したり、離れたりしつつも、どんな格好であれ図書室・図書館存在してくれればいいなと思う。

読む子は何をしても読むし、読まない子は読まない。

ひどいようだがそんなもんだよなと思う。

あるときブログ家族から勧められた本が という記事を見て、自分の家ではない習慣だなと思った。

家の中にある本は読みたいだけ読んだ。隔離されているような本も気になればこっそり読んだ。

教育機関にあったら驚かれるかもという本もリクエストして入れてもらえれば読んだ。

面白かった本を教えてと訊かれたら100冊くらい列挙できた(今はどうだろう?)

それだってきっかけは耳をすませばだ。(個人的気質はあるにせよ)

こういう本が読んでみたいなと思って書いたこともある。

作文はからきしだけど、幸か不幸かある程度蓄積があるので大学教員には高評価だったりもした。

もうちょっと器用だったら桜庭一樹氏のようにアウトプットにも使えたかもしれないが、そこに愛が足りなかった。

ルールのあるなか、大変苦しんでらっしゃる元増田さん越しに、学生時代、本を介してお世話になった司書さん司書教諭先生方には感謝を伝えたい。

制限あるなか、出会いをくださってありがとう

思えば、落ち込んで図書室にこもっていたような日もあったと思う。

期限通り返せなくてお手間を取らせたこともある。申し訳なかった。

それでも、「これです」とは挙げられないけれど、人生を形作る何かを図書から得たと思っている。

あの少しだけほこりっぽく、冬はむっと暖房が入った空間を懐かしく思う。

記事への反応 -
  • 小学生『10歳までに読みたい名作シリーズの本が読みたくて図書室に行ったら先生に断られた』→その理由『あなたは11歳だからダメ』 https://togetter.com/li/1191269 ざっくりと説明 学校司書...

    • 元増田です 投稿から4日、急にトラバとブコメが付き始めたので驚きました これ以上詳しく書くと本当に特定されそうですが、みなさんからたくさんのご意見ご感想をいただいたので追...

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      • ぼちぼちがんばって~ うちの子はみんな図書館大好きです。

    • 納得できるのは図鑑のやつだけだな。保健体育は賛成はできないがやむをえないか。あとはクソ。

    • 高校の図書室はリクエストが少なかったからか読みたい本リクエストしたら100%入れてもらえた ラノベたくさんあった フルメタを友達に教えてもらってはまったのも高校だった

    • 小中ともに近所のおばさん(大概保護者)が司書をやってたけど,こういう制限は一切なしで貸し出ししてくれるとこで最高だったな 中学の時はよく父親が読み終わったラノベを寄贈して...

    • どんな本にも「この歳になって読むのは恥ずかしい」なんてものはない!と言いたい。 でも教育の場ではそれが当たり前に存在する。 いいじゃないか、大人が漫画じみた物語に夢中に...

    • >「表紙がキラキラしててかっこいい!」「表紙にドラゴンが載っててかっけー!」などの理由で、漢字どころかカタカナもまともに読めないような小さい子が、挿絵もルビもない重厚...

    • 「表紙がカッコいいドラゴンな本を、読めない低学年には貸さない」 上の学年で習う学習内容を先取りした解法で問題を解いたら、答えがあってても0点を付ける並の愚行だな。 大人も...

    • 私の出た田舎の小学校・中学校は、学校の「図書館」ではなく学校の「図書室」だったので、 増田やTogetterで学校「図書館」や、小学校・中学校にも資格持ちの司書・教諭司書を 配置し...

      • 詳しくないので間違っているかもしれませんが 「学校図書館」は制度上の名前なので 専用棟であっても 一教室であっても 多目的スペースや廊下の一角に本がちょっと置いてあるだけ...

        • お返事をいただいた増田です。 分かりやすい説明をくださり、ありがとうございました。 お礼が遅くなりすみません。 制度上は、私の出た小学校・中学校も「学校図書館」で、 12学級...

    • なんかタイトルから感じた印象が「家に帰ると妻が死んだふりをしています」だった

    • おばちゃまの時代は小中学校の図書館があまり充実してなくて、公立図書館も家から遠かったわ。だから読みたい本は親におねだりしたり、お小遣いで買ったものよ。むしろ恵まれてい...

    • 司書がこんなにクソならTSUTAYA図書館は正しかったんだ!(暴論)

    • はてなだと厳しい意見が多いみたいだけど 自分の出身校だとこういうルールが全然なくて発達障害系の秀才みたいな子たち(はてな民はこういう人多そう)が常に上限まで本を借りてて期...

    • 盛夏の候、涼のお供に ランク タイトル ブクマ数 日付 カテゴリ 1 増田文学100選 3437 2018/06/17 02:57 おもしろ 2 アホの子教えるのは楽しかった 2046 2018/03/17...

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      • 毎回毎回ブクマが伸びるまでしつこく再投稿お疲れ様でーす

      • 幾山河越えさり行かば 寂しさのはてなむ国ぞ 今日も増田はゆく  若山牧水 今年まとめた増田ランキングを増田神社に奉納させて頂き、今年の増田納めとさせていただきます。 ...

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      • https://anond.hatelabo.jp/20181209010339 タレコミ系とか長文だらけやぞ。

      • あとで読む。 今年のまとめ、良くぞ作ってくれました。 あざーっす

      • ギリギリ載らなかった なぜかちょっと悔しい たぶん期待してしまったせいだな 期待はほんと毒だ

      • 自分用まとめ。今年は力作が多かったけど、飛び抜けてヘンテコな増田は少なかった印象。 俺的増田大賞2018は、「妹のゴミ部屋を掃除した」に進呈。 01/31 さようなら時天空 anond:2018013...

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