いやー、やっと録り貯めてたアニメ『すべてがFになる』を視聴した。
元々、原作の小説を数年前に読んでいたので、気になって居たんだけれども、キャラデザを見て絶望してたが、やっぱり気になるので見たわけ。
これは、コーヒーとタバコが格好良く表現された稀有なアニメだと言っていいと思う。最近は、タバコ描写は自粛があるのかアニメではあまり見ない。絶対に海外じゃ放送できない、そもそも海外にこのアニメを有り難がって見るファンは少なそうだけれど。タバコがこれでもかというほどに全面に出ているのに、コーヒーは原作よりプッシュ控えめという印象も受けた。
そもそも原作からしてアニメ向きの、画が動くタイプの物語ではなく、ひたすらある種の衒学的な、ある種哲学的な、冗長で、だが分かる人には堪らない会話がひたすら続くわけだから、画が止まっている時間が多い。紙芝居じゃないんだが、画面にダイナミックさが無い。初めからそんな物語だと知っているし、原作を読んだ時点で大分バイアスが掛かっているから最後まで視聴できたが、初見だったら見れなかったと思う。
総評として、「これは見る人を選ぶアニメだ」と言うのが第一印象。物語全体を通してアカデミックな雰囲気がプンプン漂ってくるところが、この作品の最大の魅力であり、見る人を選ぶ理由なのかと思う。全体的な雰囲気としては、どこか陰鬱で、大学の教官室なんかも良い雰囲気出してると思う。犀川センセの部屋は比較的荒れていて、研究所の所員の部屋はキッチリ整理されているというのは、研究者の2タイプを知っていて表現したのか、とても好感が持てた。アニメスタッフがロケハン(?)というか、モデルとなる研究室や研究所を取材したんだろうか。
最初、キャラデザが発表されたときに「これは終わった」と思ったんだが、動いている画を見ると以外に平気という印象。特に、助教は「こういう研究者居るよなあ~」っていうハマったキャラだと思う。出番が少ないけど。西の園君は、やっぱダメでしょ、ハデっていうか奇怪すぎ。主人公がカワイくないと、物語を見る楽しみは3割減だと教えてくれた稀有な存在になった。もうさ、こんなんだったら全編紫色のワンピースでいいよ。
対照的に真賀田博士は想像していたよりずっと良かったじゃん。cv木戸もハマっていたと感じた。でも、時々、毛量多いなあと思ったよ。
研究所の研究員とか、その他もろもろ、ちょっとキャラデザ的にブスすぎだろ。アニメ見ていて、「コノ世界は、真賀田博士以外、学位を取るとブスになるシステムが実装されている」と思ったよ。うーん、もしかして、製作者は「すべてがブスになる」と言いたかったんじゃないだろうか。
これは、原作を読んだ時点で思っていたことだけど、事件のネタばらし(0xFFFFになる)をしてさらに、解説(16進数で15はF)なんてやっても興ざめじゃないかと。そもそもOSというもの、UNIXの位置づけ、トロイ木馬プログラムやファイルのタイムスタンプ上書きだって、ピンとこない人は置いてきぼりだろうな。でも初めからそんな人は相手をしていないのか。まあ、逆にこんなマニアックなネタを使うなんて、なかなかヤルなあとニヤニヤしたいんだけど、真面目に解説されるとちょっとしらけるよね。
それにしても、犀川先生の思考が発火する瞬間の演出はナゾすぎ、なぜダチョウなのか良く分からん。
好きだったシーン:
そのシーンだけ異質なギャグっぽい感じが良かった
廊下を駆け抜けた先は教授会をやっている部屋じゃないのかと...