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2018-08-05

祖父から聞いた戦時中の話

 ドラマこの世界の片隅に」を見ていて、横柄で大袈裟に騒ぎ立てる憲兵さんが登場したところでふと祖父から聞いた話を思い出した。

 威張りくさって周りから怖がられていた憲兵さんは、終戦と同時に夜逃げ同然に姿を消していた、相当恨まれていたらしい、と。祖父自身特に憲兵さんと関わり合いになることはなかったのでその話はそれでおしまいだが、祖父から聞いた戦時中の話を忘れないように記しておこうと思う。

軍需工場

 終戦の年から二、三年前、東北地方出身の当時十代の若者だった祖父は、軍需工場で働いていた。工場の持ち主は、今でも名を変えて現存する大企業だった。

 私の父は戦時下の話をあまりいたことがなかったそうだが、祖父は孫達にはよく話して聞かせてくれた。もちろん辛いこともあったろうが、祖父から話を聞くと「結構楽しそうだな?」と子供心に思ったものだ。

 何故なら、ある時祖父パソコンインターネットの使い方を教えていた時、GoogleMapを開き見たいところがないか聞いたら、祖父は「昔働いていた東京を見てみたい」と言ったのだ。

 そこで当時の蒲田区があったところを見せると、祖父は懐かしそうにここに工場があって、ここの川で昼休みに水浴びして、休みの日に遠足でここまで行って…といろいろ説明してくれた。

 聞けば祖父が働いていた工場の寮はとても待遇が良く、特に食事が良かったと。

 祖父はそこで生まれて初めてライスカレーカレーうどんを食べたそうだ。とても美味しかったらしい。今でも祖父の好物はライスカレーだ。

 近くに他の工場もたくさんあったが、そんなに待遇がいいのは珍しかったそうだ。休み時間に別の工場の人と話をすると、そんなにいいものを食べられるなんて、と羨ましがられた。

 そんなに食事がいいのにはもちろん会社側の「健康若者をこの工場から徴兵して貰って、国から褒めて貰おう」的な思惑があったそうだが、祖父徴兵される前に終戦を迎えることになる。

 祖父に話を断片的に聞く限り、戦時中で大変なこともあったろうが、田舎から出て来た若者らしく都会で楽しく過ごしていたようだった。

 ちなみに東京空襲の時はどうしていたの? と聞いたら、祖父がいた寮から遠くの夜空が明るく光って見えた、とだけ教えてくれた。防空壕に逃げたという話は聞いていない。とにかく直接被害は受けなかったらしい。おかげで私の父も私もここにいる。

(後で調べたら東京空襲蒲田区はあまり被害がなく、その後の別の空襲で爆撃を受けたと知ってぞっとした。よく生きていたな…?)

終戦

 終戦の直前、国の広報日本は勝ってると言い続けていたが、みんな負けていることはわかっていたらしい(それこそ憲兵さんに聞きつけられると面倒なことになるので、誰も口にはしなかった)。米軍が撒いた「日本は負けるよ」と書かれたビラもよく落ちていた。

 案の定昭和二十年八月十五日に日本降伏した。

 それと同時に祖父が働いていた工場は操業を停止した。軍需工場から戦争に負けた今、工場で作るモノなんて無いから。そこで祖父は同じ地方出身の者達と相談して、故郷に帰る電車切符を手に入れるのに奔走した。

 交代で列に並び、四、五日かかってようやく切符を手に入れられた。その時に町を出て、祖父は荒廃した東京風景を見て愕然としたという。今現在、よくテレビで目にする終戦直後の驚くほど何もない東京映像写真のものだった。

 その後祖父は一旦故郷に帰ったが、働く場所を求めて親戚の伝手ですぐに遠く離れた地へ渡り現在に至る。

 祖父現在91歳。もう少しいろいろ話を聞きたいと思っている。私が作ったカレーライスも食べて欲しい。

おまけ

 祖父から聞いた戦争の話はここまでだが、ちょっとしたおまけがある。

 ある時、祖父不思議な顔をして郵便で届いた書類を見せにきた。「これはどういう意味だ?」と。

 それは『ねんきん特別便』だった。よく見てみると、祖父戦時中に軍需工場で働いていた頃に納めていた年金がいわゆる「宙に浮いた年金記録」となっていたことが発覚し、年金受給者の祖父支給されていなかったのだ。祖父自身、その頃に自分年金を納めていたことなど全く知らなかった。

 インターネット検索したら「全国消えた年金相談センター」のウェブサイトによると戦時中宙に浮いた年金記録はたくさんあるらしい。知らなかった。

 とにかく書類に書いてある通り、記入して返送すればお金が貰えるよ、と説明した。書類には覚えてる限りの勤めていた会社名前、住所を書いてくださいとあった。祖父はきちんと記入出来た。きっともう覚えてなくて書けない人もいたんだろうな。

 後日、祖父お金が振り込まれた。祖父曰く「案外少ない」でした。

おわり

2011-08-28

日本オワッタナ 年金ニュース (抜粋)

2008/01/09 厚生年金の記録改竄社保庁不正に関与

2008/01/23 社会保険料国民負担率が4割超、過去最高

2008/02/19 年金記録統合5千万件のうち特定25%のみ

2008/03/10 社保庁不祥事多忙になり自主退職が急増

2008/03/16 社保庁労組ヤミ専従不正給与5億円

2008/03/16 年金記録のうち3千万件が特定困難

2008/05/31 国民年金の納付率低下し64%に

2008/07/17 愛知社保庁職員が年金情報ヤミ金提供

2008/08/24 国民年金積立金、2047年度にゼロ

2008/10/03 厚生年金改竄、大幅引き下げ事案だけでも75万件

2008/10/29 年金42万件の訂正処理が追いつかず

2008/11/11 厚生年金、偽装脱退で298社を調査

2008/11/15 国民年金基金幹部ら逮捕、冊子製作費水増し

2008/11/17 国民年金加入者8割が減免対象だが殆ど不申請

2008/12/06 長野新潟で元公務員への年金過払い発覚

2008/12/26 舛添厚労相社保庁ヤミ専従問題で40人刑事告発

2009/04/08 「宙に浮いた記録」で無年金の恐れ、51万人

2009/04/10 社保庁ねんきん定期便ミスで3万2000人に再送

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2010/10/15 年金記録照合業務で、年金機構職員がNTT側に入札情報不正漏洩

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2011/06/29 公的年金の収支、2009年度は1兆5187億円の赤字

2011/07/14 国民年金保険料の納付率が59.3%、過去最悪更新

2008-11-22

http://anond.hatelabo.jp/20081122114128

問題点といってもいろいろある。

制度の運用の問題と制度自体の問題。

最近話題の宙に浮いた年金消えた年金というのは前者

年金を払った額・期間に応じてもらう額が決まるはずなのに、年金記録がずさんで払った額や期間が間違って記録されたり、記録すらされてなかったりするので、問題になってる。

ただ記録ミスがおきやすいことは制度と無関係なわけでもない。多くの先進国でやってる納税者番号みたいなのがないから、結婚転職のときに記録ミスがおきやすくなってるし、所得が正確に把握しにくいので所得比例年金とかもやりにくい。

現行制度自体の問題点は第3号で正社員公務員専業主婦主夫だけ払わなくても年金がもらえるという不公平。片方が自営業夫婦や片親家庭や無職は払わないとだめ。

あとは払った額に応じてもらう額が決まるから現役時代高収入ほど多くもらって、貧乏だと少ない年金になるので、貯蓄が少なくなりやすい人ほど年金も救うなくなりやすく福祉として役に立たない。だから年金は民間にやらせて国は生活保護増やせという考え方もある。

2007-08-03

社保庁職員:年金着服1億3千万円 24人が12年間で

これ解説

公表や刑事告発をしなかったケースも多く、表面化しなかった事案もあるとみられる。

年金問題には、5000万件に上る「宙に浮いた年金」に加えて「消えた年金」がある。前者は記録はあるが被保険者が特定できないものだが、後者は、年金保険料の納付データがオンライン上も台帳にも残っていないという、最も深刻な記録漏れだ。今回明らかになった社会保険庁職員による着服・不正受給は「消えた年金」の一因とみられ、実態解明は急務だ。

 
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