今日は雨か。
ほのか「せんぱーい!」
僕とは直接部署が違うけど、社員食堂とかで同席することがしばしばあった。
僕「あぁ。おはよう。」
雨のせいなのか、会社に嫌気がさしてるからなのか、どことなく冷たい感じで返事をしてしまった。
ほのか「どうしたんですかぁ?元気ないですよぉ?」
こいつは嫌なことがないのか?と思うくらい天真爛漫。
まぁ、この子がいるから営業成績が毎回ワースト3位内でも会社に行くのだが。
ほのか「成績悪いからですかぁ?」
僕「ソレもあるけどね。まぁ事情があってね。。。」
ほのか「あたしには教えてくれないんですかぁ?」
僕「そのうちね。。。」
会社まで徒歩5分。
ろくに会話するネタもないし、気分的に憂鬱なのだが、ほのかはそんなことはお構いなく話し続けてくる。
本当に話題の尽きない人だ。
こんな僕に比べたら。。。
ほのか「今日もがんばろうねっ!」
僕「あぁ。。」
会社に着く。
PCを立ち上げ、メールチェックと同時に、僕宛のFAX、郵便物の確認。
まぁ、成績も良くないし、当然それに比例して仕事の依頼とか、そんなモノは他の同僚に比べたら少ない。
仕方がないか。。。
缶コーヒーを飲みながら、一通り目を通していると、課長から呼ばれる。
うわぁ。。やな予感。
岸田課長「これはなんだね。」
件名:打ち合わせの件について
前略
昨日のお約束の件、時間までお待ちしていたのにもかかわらず、一向にお見えにならないので、今回の契約の件は破棄とさせていただきます。
何卒、ご了承の程よろしくお願いいたします。
岸田課長「君、昨日そういえば15:00に先方と打ち合わせだったね。」
僕「はい。。。」
岸田課長「君は何をしていた?その時。」
岸田課長「君はコレで何度目だね。だからいつも成績が悪いんだよ。どうお詫びするんだね。。。」
僕「・・・・・」
岸田課長「今後の取引も無くなってしまったではないか!!!!!大きい損害だよこれは!!!」
岸田課長「もういい。上の方に報告させてもらう。これだけ大きくなると私では対処ができない。お詫びに行くときは同行することだ!」
僕「はい。。。」
すっかり忘れてた。
いや、忘れてたのだろうか。そんなことはもはやどうでも良くなってきた。
机に戻る。
ほのか「どうしたんですかぁ?」
僕「大きな失敗をしちゃってね。。。」
ほのか「そうですかぁ。。。元気出してって言ってもだめかなぁ。。」
僕「うん。。。かなり凹んだなぁ。。」
ほのか「あ。いってらっしゃぁ~い。」
当然外回りする気力なんかない。
この先を考えるには絶好の日だった。
考えるも何も、もう僕の中では答えは出てる。
僕「実家に、帰ろう。もう無理だろう。。ここでは。。」
気がかりなことはある。それは、ほのか。。。
正直うざい時もあったけど、彼女がいるから今まで叩かれてもがんばってこれた。
でも、もうソレも終わりだな。。。と空を見ながら考えていた。
親父に電話する。
僕「あの、、俺だけど、、、」
親父「おー僕くんか。どうした?」
僕「俺、、会社辞めるよ。」
親父「何だ何かあったのか。」
僕「でかい取引パーにしちゃってさ、、、もう精神的にも無理だから、帰ろうかと思ってる。」
親父「そうか。。。まぁ決めるのはお前だが、帰ってきて欲しいと思ってる。」
親父は体が半分麻痺していて、生活するのにはちょっと一人では難しくなってきていた。
それを母親が何とか支えてる感じだ。
僕「また帰る日が決まったら連絡するよ。」
そういって電話を切った。
タイムカードを押して帰る。
時刻は18時。長い1日の終わり。
翌日、退職届を持って出社。
駅の階段で、やっぱりほのかが声をかける。
ほのか「おはよぉございま~す。せんぱいっ」
僕「あぁ・・・」
僕「あーもううるさいなぁ!ほっといてくれよ!」
珍しくほのかが悲しい顔をした。
そしてそのまま立ちすくんだまま、動かなかった。
そりゃそうだ。ここまで怒鳴った事はもちろんない。
何てことをしてしまったんだ。。。
最悪な最後だけどね。。。
出社。
メールのチェックとかもうする気も起きない。
どうでもいいことなんだ。もはや僕には。
課長が来た。あとはコレを渡して終わりだ。すべて。。。。
岸田課長「なんだ?昨日の件はもう上に報告したぞ。」
僕「いや、、、コレを。。」
僕「はい。」
岸田課長「わかった。。。じゃあ君の担当の案件の引き継ぎは、、、そうだな。石井君にしてもらおう。」
僕「申し訳ございません。」
引き継ぎと言っても、担当案件なんて一番少ないし、今日だけでクライアントには回れるさ。
そして、一日石井君と同行。。。。ほとんど会話することはなかった。
すべてが終わった。
帰り道、普段は飲まない酒を飲んでいた。
周りは新年会?なのか?
にぎやかな店の片隅で、携帯をいじっていた。
言わなくていいのか?辞めること。帰省すること。
今朝、あんなこと言っちゃったしな。。。
いやもういいんだ。東京のことはもう終わりにしよう。
電車もなくなりそうなので、帰ることにした。
肩の荷が下りたはずなのに、何か切ない。
『仕事できる男それが彼女の好み 気合い入れて勤めたのだが 忙しいわ つまんないわ』
そんなことを思いながら、自宅に着く。
玄関の前に何かあるな?
と、、、、
そこにいたのはほのかだった。
僕「ほ・・・ほのかちゃん?」
ほのか「せんぱい・・・・」
ほのか「今朝のこと謝ろうと思って、、、、」
僕「そんなのメールでも電話でもいいじゃんか!何時間待ってたのさ・・・」
ほのか「4時間ぐらい。。だって、メールとか電話で謝るなんて卑怯者のすることだもん!」
いつもの天真爛漫なほのかじゃない。珍しく感情を顕わにしてる。
僕「っていうか、もう電車もないし、どうするのさ。。。」
ほのかは黙ってる。。。
この寒空の中に放り出すわけにも行かないし、駅まで距離あるし、駅前にビジネスホテルがあるわけでもないし。。。
ほのか「帰ります。。。ごめんなさいね。。。突然来てしまって。。」
そういって、ほのかは歩き出した。
僕はどうすることもできず、階段を下りていくほのかを見ていた。
どこまで僕は情けない男なんだ。。
頭の中にはさっきのほのかの顔が浮かんでは消え、浮かんでは消え。
僕「ああああああああああもう!」
玄関を飛び出し、ほのかの後を追いかける。
どこだ?そう遠くにはいってないはずだ。
10分ぐらい走っただろうか。
駅までの道のりにはいない。
タクシーでも捕まえて帰ったのかな。。それが一番なんだが。。。
とぼとぼと引き返す僕。
星がきれいだ。いつもよりもきれいだ。
と、その時、突然視界が閉じられた、と同時に、冷たい感触が目のあたりを覆った。
ほのか「せーんぱいっ!」
ほのかだった。
この公園にいたのだ。
僕「お前ってやつは。。。」
怒りたい気持ちよりも、無事だったということ、そして会えた喜びの方が大きかった。
ほのか「せんぱいなら来てくれると思いましたぁ。でもここにいるとは思わないだろうなーっておもってましたぁ。」
僕「心配させやがって。。。とりあえず、、、その。。。帰れないんだったら、、、、家に来ない??」
僕「できるはずがないよ。。。」
ほのか「ごめんなさい。。めいわくかけちゃって。。。」
家までの道、お互い無口。
何を考えてるんだこの人は。
4時間も待ってたり、突然目隠ししたり、よくわかんない人だ。
でもそんなほのかが好きなんだろうな。。。僕は。。
僕「ただいまっと。。」
ほのか「お帰りなさい^^」
びっくりした。そういえばおかえりなさいとかずいぶんと言われてなかった。
とりあえず、寝間着の代わりになるモノを貸してあげる。と言っても、ジャージだが。。。
ほのか「いいんですか?」
僕「外で4時間も待ってたうえに、風邪なんか引かれたらたまらない。。」
ほのか「せんぱいだって風邪引いたら仕事できないじゃないですかぁ。」
伝えてないんだっけ。。。
今言うべきか。どうするか。
今しかないよな。。。
ほのか「え・・・本当ですか?」
僕「本当だ。」
ほのかの顔がだんだん泣き顔になってくる。
ほのか「どうして!どうして私に相談してくれなかったんですかっ!どうして突然辞めちゃうんですかっ!うわあああああん!」
大声を出して泣き出すほのか。
化粧なんか落とさなくていいんじゃないかって位に涙がこぼれ落ちる。
僕「ごめんな。。。黙って去りたかったんだ。。それと、僕今週いっぱいで東京出るから。。実家に帰るんだ。。」
ほのか「うわああああん!せんぱいがいなくなっちゃうよぉぉおおお!」
火に油とはこの事だ。
泣き止む様子もない。
僕はただ、ごめんとしか言えなかった。。
ほのかは泣きながら布団のある部屋に入っていった。
壁越しにでも聞こえる嗚咽。
僕はその嗚咽が聞こえなくなるまで、黙って起きていた。。
翌朝、起きるともう10時過ぎだ。
ほのかが朝ご飯を作ってくれたみたいだ。
と、その横に手紙があった。
せんぱいへ
夕べはありがとうございました。
では行ってきます!
P.S
まぁそう思いながら食べた。
あぁ。。。。。うまいわこれ。。。
食べ終わった後、引っ越しの準備に取りかかる。
まぁ、幸いにして荷物があまりないからすぐに終わりそうだ。が。。。。
こういうときに限って、懐かしいモノが出てきて、それに浸っているうちに夕方になってしまうとか、よくある話だ。
そのよくある話に陥ってしまった僕。
あぁ、ほのかと初めて話したのはこの旅行か。。。
ほのか「もしもーし。せんぱいですかぁ?今夜もおじゃましていいですかぁ?」
僕「は?どしてさ。」
ほのか「いいですよぉ~」
せめて昨日よりはきれいにしておかないと。
ぴんぽーん
ほのかが来た。
ほのか「ただいまぁ~」
僕「おかえりなさい。」
何か僕がお帰りなさいって言うのもヘンな話だ。ちょっと照れくさい。
僕「何???」
ほのか「あたし、会社辞めてきましたー!」
僕「は?」
ほのか「辞めてきたんですよぉ。会社。」
ほのか「せんぱいがいない会社なんてつまらないんだもん。だからやめてきたの。だめ?」
僕「だめって・・・・で、どうするのさ、僕は実家に帰るんだよ?」
ほのか「あたしも一緒に帰っちゃだめ????」
僕「あのねぇ。。。旅行じゃないんだよ?わかる?向こうに住むんだよ?」
ほのか「うん。せんぱいと一緒に住むの!」
ちょっと押され気味だ。
僕「どういうつもりで言ってるんだ?君は。。」
ほのか「あたしね。せんぱいが好きなの!すごく好きなの!」
ほのか「だからね、せんぱいが会社辞めるって聞いて、居ても立ってもいられなくなって、辞めてきたの。賭けだよね。。。コレで振られたらあたし最悪だよね。。。せんぱいはあたしが嫌い?」
僕「嫌いとかそういうんじゃなくて、その、、、あー、、、んーと、、、」
ほのか「はっきりしてください!」
僕「好きだよ!くっそーもう!好きだよ好きだよ!」
ほのか「だと思った^^」
ほのか「せんぱいはあたしのことが好きになる!ってずっと考えてたの。信じてたの。願いが叶っちゃった^^」
開いた口がふさがらないとはこの事だ。
何か振り回された気分。
でも、何かうれしい。
すごくヘンな感情が心を巡る。
僕「で、どうするの?」
ほのか「何回も聞かないでください。あたしも一緒に行くの!」
僕「それでいいのね?」
ほのか「後悔してませんよ^^」
晩ご飯はほのかが作ってくれた。
今度はできたてだ。
ほのか「おいしいですかぁ?」
ほのか「2日ぐらいでおわるかなぁ。。。」
僕「ん?何が?」
ほのか「引っ越しの準備。」
僕「ほのかの引っ越し準備もしないとだめなのか、、そういえば。。」
ほのか「あたしは明日明後日で片付けちゃうから、せんぱいもそれまでに終わらしてね!」
僕「あぁそうだな。。でもその前に。。。。電話しないと。」
ほのか「誰に?」
僕「親父にさ。。。。もう一人、連れて帰るわ、ってね。。。」
ほのか「。。。。うん。そうだね。。。」
テーブルの上には、社員旅行で撮った2ショットの写真があった。
ぷるるるるるるるるるるるる ぷるるるるるるるるるるるる
がちゃ・・・
親父「もしもし僕ですが?」
僕「あー俺だよ。来週には帰れそうだ。」
親父「そうか。。。急がんでもいいぞ。」
僕「いや、ちょっと急ぎたくなったんでね。。。」
親父「なんでだ?」
「もう一人、彼女を連れて帰るよ。。。」
そう親父に言ったとき、ほのかが後ろから抱きしめてきて、こういった。
「ありがとう。大好き。」
おっさん長げえよ
ほのか()
スマホ壁に投げつけてディスプレイごとお前の文章割っちまったわ http://anond.hatelabo.jp/20140416172715
なげーーーーーーーーーーんだよカス スクロールすんのがめんどくせーだろうが てめえのブログでやれ
つまんね ほんとつまんね 賠償請求したいくらい
おれは割りと評価するぞ クソなげーこと以外
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リンク飛んで長文多いのが確認できれば充分だろ
https://anond.hatelabo.jp/20181209012641 お疲れ様。今お前に絡んでる増田は絶対に謝れないから難癖付けるだけのクズだから放っておいてあげろ。
頭悪そう
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ギリギリ載らなかった なぜかちょっと悔しい たぶん期待してしまったせいだな 期待はほんと毒だ
自分用まとめ。今年は力作が多かったけど、飛び抜けてヘンテコな増田は少なかった印象。 俺的増田大賞2018は、「妹のゴミ部屋を掃除した」に進呈。 01/31 さようなら時天空 anond:2018013...
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