2020-11-16

会社員株式投資と向き合っていくために

会社員だ。30代後半。投資歴は約15年ほど。

今回、ふと思うところがあったので、会社員株式投資との向き合い方を3点に絞って説明する。

こういうのには慣れていないので、まとまりがないかもしれない。ご容赦を。

1.会社員が株で勝とうと思ったら長期投資しかない

 あなたは株をやったことがあるだろうか。

 やったことがあるのなら、ほとんどの人が負けているはずだ。特に、数日~数週間以内で完結する短期トレードがそれにあたる。

 実力者以外は負け続ける。株式市場はそういう風にできている。理由は以下のとおりだ。

①値上がり率ランキング

ここの上位に上がっている株を買ってはならない。たいてい落ちていくからだ。「噂で買って事実で売れ」「人の行く裏に道あり花の山」と言われるように、あれは提灯買いを誘うために存在しているようなものだ。買った後は落ちるものの方が多いし、上がったとしても会社員が働いている間に下がることがほとんどだ。値上がり率ランキングというのは、デイトレーダーであるとか、専業であるとか、株式市場に張り付ける人のためにある。

人間の性

損をする人は損切ができない。指を咥えて見ている間に株価さらに下がり、どんどん下がり、どうしようもないほどに下がった後で塩漬けという判断になる。または、株価がガクンと下がった段階で狼狽売りをする。

塩漬けにしている間は、ほかの株に挑戦することはできない。こういう人の場合――塩漬けになった株がストップ高になったとしても、利益が出ていない限り、もっと言うと、損を取り返せない限りは売らない傾向にある。株価というのは1回ポンと上がったらそれで終わりであり、2回目の花火が上がる頻度は少ない。毎日ランキングを見ていればわかる。

仕手株

ランキングで上位になる株のうち、例えば50円とか200円のがあるだろう。それで、いいニュースが出ているわけでもないのに、あるいは大したニュースでもないのに爆上げする。仕手筋は、時価総額の少ない株式であれば、ある程度コントロールできるだけの資金を持っている。日頃はボックス相場を作って株を買い集め、時期が来たら一気にストップ高にしてランキングに載り、一般人が釣られて買い上げ、十分に上がったところで何段階かに分けて売り浴びせて――終わりだ。後は元の株価に戻るだけだ。仕手筋が売りに失敗したと判断した場合、数か月をおいてまたストップ高になることもあるが、最初の上昇よりは小さい。

情報操作

中高年向けの雑誌で、「今買っておくべき株ランキング」みたいなのが載っている。あれは編集者がそれっぽい基準で選んだものの寄せ集めか、過去記事の焼き直しか、はたまた〇〇〇な人達からの依頼であり、一般人に買い上げて欲しい株を掲載しているだけだったりする。インターネット掲示板も信用に値しない。百害あって一利なしだ。「買った方がいい」と言っている人は高値で売りたい人であり、「売った方がいい」と言っている人は安値で買いたい人だ。もちろん〇〇〇な人達情報操作のために利用している。個人的には、インターネット掲示板は逆の視点で利用している。「買うべき」という人が多ければ売り、「売るべき」という人が多ければ買う。本当にいい株は自分で見つけるものだ。他人提示された時点で、いい株ではない。

 要するに、会社員短期投資をやったらダメなのだ日中に売り買いの意思決定ができない時点で論外だ。

 ストレスも多くなる。毎日通勤中や昼休みや、家に帰ってから損益をチェックし、その後の方針を決定するというのは脳の疲労になる。

 会社員にとっての株というのは、副業であり、趣味であり、暇つぶしであり、本業差し支えた時点でNGだ。

 私が長年株をやってきて、一番いいと感じたやり方が長期投資だ。すなわち、社会に新しい価値創造できる会社、なんだかフィーリングの合う会社自分が好きな商品サービスを売っている会社、それでいて、10年単位で見た場合株価が低位を彷徨っている。そういう株を買って放置しておく。

 それで、数か月とか半年とか、1年とかが経った段階で売るのだ。上の条件を本当に満たしている株であれば、たいていは1~2割は利益を得ることができる。

 満たさなければ売る。具体的には、株価が10%下がったら売る。金融機関でも10%を損切ラインにしていると聞くが、これは冗談抜きで有効基準だ。私がこれまで10%ルール損切りした株は30銘柄以上になるが、今のところハズレはひとつもない。みな、10%を超えて株価が落ちた場合さらに下に下へと、けっこうな勢いで落下していった…



2.株で資産を築くための手順

 あなた初心者だと仮定して話を進める。

 20代とか30代で、毎月貯金ができていて、ようやく何百万円かが貯まって、貯まったはいもののどこに投資しようか……みたいな悩みを抱えている。

 株をやってみたいけど、財産を失うのは怖い。でもやりたい。興味がある。

 そんな人に向けて話をする。

手順① 証券口座を作って10万円を入れる

 最初に全財産を突っ込むなど論外だ。「小さく始めよ」はどんな分野でも通用する。

 株というのは、向いてない人がやると一か月で資産の5割以上が吹っ飛ぶようにできている。常に慎重な判断必要になる。株のプロは、自分が勝てる勝負しかやらない。勝ち方にはいろいろあるが、とにかく自分の中で勝率が8割以上みたいなトレードでないと参加しない。

 話は逸れたが、初心者場合は少額から始める。これが一番費用対効果が高い。

 まずは10万円を口座に入れて、適当トレードしてみよう。5万円でも、3万円でもいい。自分にとって惜しいお金ではあるが、別になくなってもいい金額を入れる。初心者SBIにしておけ。

 さて、トレードを続けていったとしよう。最初の1週間くらいの成績はまずまずだが、続ける度に負けが込んでいくはずだ。そして、負けた分を取り返そうとすればするほど、資金を失う速度が上がっていく。

 そういうものだ。反省はしても気に病む必要はない。10万円でこのこと(実力のない者は株式市場お金を吸い取られること)が学べたのなら、その時点でコストパフォーマンスがいい。

 残念ながら、何度やっても資産が増える状態を作れない人もいるだろう。

 悪いことじゃない。別に株式投資で勝てなくても、人生はどうにでもなる。むしろラッキーだ。株式投資で勝てないことがわかったのだから。もしわかっていなければ、遠い将来に退職金の全部または一部を突っ込んでいた可能性がある。あなたはツイている。

 運のない人や愚かな人は、最初に300万円とかを突っ込んで負け続け、さらボーナスで負けを取り返そうとして…みたいな地獄に陥ったりする。

手順② 実力をつける

 これが一番大事。すなわち、時間が経つごとに資産を増やせることだ。

 これができないと、毎年1憶円を稼ごうと意味がない。市場お金を吸い取られるだけだ。

 まずは実力。これさえあれば、最初資金が10万円だろうと数年以内にお金持ちになれる。

 ところで、安定して勝てるという条件を満たしている人は株式市場には2割もいない。では、どうすれば勝てるようになるのか?

 その前に、私の資産の推移(株取引に限る)を教える。社会人3年目の時から8年分だ。毎年、50万円を追加で入金して、それ以外は奨学金の繰り上げ返済をしていた。

当 初 150万

1年目  90万

2年目  40万

3年目  30万

4年目  30万

5年目 140万

6年目 220万

7年目 650万

8年目 900万

 残念ながらアホの子だったので、最初に全財産を賭けてしまった。数年間は胃が痛くなる思いをした。

 5年目のところで資産が伸びているのは当たりの株を引いたからだ。5日くらい連続ストップ高になった。そのうえで、大きな負けがなかった。

 自分なりの簡単ルール確立して、愚直に守り続けた。特に損切10%ルール。これを無条件に守れるようになったのが6年目のあたりだ。

 そう、ルールだ。自分ルールを作って、ひたすらに守り続ける。

 取引の結果が出たら、どうやってトレードたか、どんなことを考えていたかを振り返って、場合によってはルールを変更する。それを繰り返す。

 社会人は短期投資をすべきではないという原則を導いたのも、投資の失敗によるメンタルダメージが仕事に響く経験を何度もしたからだ。

 今だと、1回買った株を売るタイミングはだいたい半年だ。早くても三か月。1年以上持つこともある。

 ひとつの例として、一番最初に完成したルールを以下に公開する。最初はこんなものでいいし、正直、今でもこれに毛が生えた程度のものだ。

株式運用方針

(1)銘柄観測

  ・勝てる銘柄しか勝負しない

  ・日を空けてもう1回見てから売買を決める。

  ・出来高上昇は買いの効果的なサイン

(2)買うとき

  ・有利な価格以外では買わない。暴騰時は1.3倍まで。

  ・短期売買の場合、買いと同時に下限10%程度で逆指値を注文する。

  ・機会損失(※買わないと決めた株、売った後の株が値上がりした)は気にしない。結果論に過ぎないため。

  ・株は上がる時はジワリと、下がる時は滝が落ちるようになる。ジワリと上がっているか横ばいの株を買う。

  ・落ちるナイフは拾わない。上昇のサインが出てから拾う。

(3)売る時

  ・損切10%ルールを徹底する。

  ・利益≧0ならば合格とする。

  ・今が買いか?を基準に売買を判断する。過去に買った時の価格関係ない。

  ・機会利得(※買うと決めた株、売った後の株が値下がりした)は気にしない。結果論に過ぎないため。

  ・頭と尻尾はくれてやる。  

(4)今後について

  ・噂で買って事実で売る

  ・自分多数派にいる時は注意。常に少数派であれ。

  ・相場暴落時は様子見。落ちるナイフでなくなったら暴落した株を買う。たいていは日銀の買いが入る。

 自らのトレード研究するのに併せて、投資に関するベストセラーも読んでみよう。

 アマゾンでたくさん星がついていて、ロングセラーのやつを買うといい。

 以下に、私が読んだ中で勉強になった物を4点挙げる。初心者だったら2冊も読めば十分だ。

 カスタマーレビューゆっくり読んでから購入を決めよう。

 マンガでわかる バフェット投資

 https://www.amazon.co.jp/dp/1646746828

 株式トレード 基本と原則

 https://www.amazon.co.jp/dp/4775972340

 リバモアの株式投資

 https://www.amazon.co.jp/dp/1646747216

 仕手株でしっかり儲ける投資

 https://www.amazon.co.jp/dp/4534039611

手順③ ポートフォリオを決める

 株で勝てるだけの実力が身に付いたとしよう。

 だったら、あとはもう勝手お金が増えていくだけだ。追加資金を投入する必要はない。損をして資金が減ることもあるだろうが、長期的には増えていくだろう。愚かなことを繰り返さなければ。

 この段階では、自分にとってベストであると思われるポートフォリオ資産配分)を決めよう。

 私の場合は、奨学金の返済が終わったタイミングで決めた。自分が持っている資産の種類ごとに、以下のような方針を決めた。

 この時点での私の年収が380万円で、固定費と小遣いを除いた可処分所得は月平均で3~4万円だった。

 国内株式・・・この時点で資産の8割。これ以上の資金投入はしない

 インデックス・・・毎月3万円とボーナスの半分を積み立てる。もし結婚したら見直す

 現金・・・毎月の小遣いが残った分を封筒に入れて貯金する。月に5千円~1万円

 ネットなんかでポートフォリオの作り方を説明しているページの意見をそのまま採用すると、もっと複雑な組み合わせになる。不動産とか、海外債券とか、金とか、ETFとか、とにかくいろんなものを組み合わせてリスクヘッジを狙うべきだと主張している。

 そこまで複雑なのもどうかと思う。大まかにリスクヘッジができていればいいんじゃないか?私の場合は、全世界株式インデックスファンドを買っている。これが暴落して落ち切った時には世界が終わっているので、何を買おうと人生終了! そういう考え方を採用している。

 というか、ポートフォリオをうまく組んで資産形成を~といった案内をしているページのアフィリエイト広告を見ていると、「あ…察し」みたいになるはずだ。あからさま過ぎる。もっとうまく隠してほしい。



3.最後

 これまで投資をしてきた株で、思い出に残っている奴を3つほど挙げて終わりにする。

 ここ数年は買っていないし、今後も買うことはないだろう。

キヤノン(7751)

 今は息も絶え絶えの株価だが、以前は強かった。

 安定企業かつ、大企業かつ、配当金が高い株の代表格だった。元々お金をたくさん持っている投資家が買っていたのだろう。

 コロナのせいで経営の先行きが不透明になり、配当金が下がり、そのせいで株価もガクンと下がり、落ち目の印象がある。

 日本代表する企業ひとつであるため、今後復活する可能性は大いにある。あなたが10年単位投資をするタイプの人であれば、暇なとき株価をチェックしてもいいかもしれない。

ブロッコリー(2706)

 10年ほど前はボロ株だった。10円とか20円だった気がする。株式併合をしているので、今のチャートでは昔の株価を知ることはできない。

 若い頃はアニメをたくさん見る人だったので、応援のつもりで買った。もしあの時、もっとたくさん買っていれば…と後悔したこともあるが、今は気にしていない。

 お金を儲けるために株をやるというのは間違った考えだと思う。株というのは資産運用だ。急激にではなく、じわりじわりと増やしていくものだ。その対象として、自分応援したい事業をやっている会社投資する。専業トレーダー以外にとっての株式投資とはそういうものだ。

テラ(2191)

 廃人向けの株だ。

 もしこの株を1年間運用して利益を出せたのであれば、あなた会社をやめて専業トレーダーになるべきだ。というか、この株で勝てる人間はむしろ社会人に向いていない。

 どうヤバいのかは、風説の流布にあたるのでここでは述べないが、最高難度の仕手株であるということは述べておく。

 ちなみに、がん治療研究や、免疫細胞製造・加工をしている会社だ。四季報には東大ベンチャーとあるが、厳密には違う。創業者東大での研究きっかけに会社を立ち上げたというのが正しい。

 会社のもの技術力のあるところだが、経営ピンチになってからは、ヤバい連中に囲まれている印象がある。いいニュースを知らせるIRが出た翌日に株価が思いきり下がるのは、おそらくここぐらいのものだろう笑

  • 勉強になる。

  • 会社員だが普通に短期スイングしてるが? ちゃんと分析して注文いれるだけだぞ? 15年やってその認識?

  • お前日経の天井は23000とか言ってたセンス皆無の増田か?

    • 実体経済がーとか言っとるアホは信じないだろうが普通にドルベースでの平成バブル高値の270ドル(28300円)辺り超えたらしばらく右肩上がりで上がると思うわ。 そもそも外国人投資家と日...

  • この増田の惜しいところはこういうのは今後15年間に実行すべき戦略であって、これまでの15年はアホになってグロース株買い漁ってれば資産が急速に増えていく時代だったってことだな...

  • 結局「儲けるコツは実力をつけること」としか言ってない内容なので インデックス積み立てとけってアドバイスの方がなんぼかマシ

  • 我々は貯金がなければ生涯死ぬまで働かないといけない暗黒時代に突入するから投資は超大事。 ありがとう、増田

  • 理論を並べておいて自分の成績では偶然の大当たりを自慢する。それでおいて理論はデタラメ。ホントに株やってるか不思議だし害にしかならない長文だ

  • 続き~ 3. 仮想通貨と仕手筋  一番大事なポイントだ。仮想通貨(特にビットコイン)投資は、そう長い間できるものではない。今のビットコイン価格は、仕手筋が長年に渡って吊り上...

    • 会社員だ。40代になったばかり。株式投資メインで、仮想通貨は5年前に始めた。 今回、ふと思うところがあったので、会社員(又は若い人)の仮想通貨との付き合い方を説明する。こ...

      • 社会人になってはや数年。はてな匿名ダイアリーを読む頻度も減った。大学生の頃はけっこう読んでたんだけどな。今だと、はてなブログランキングの下にある増田部門をたまに見るく...

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