2023-03-24

じゃにーずと某と

ジャニーさんの性加害についての番組BBC放送された。

事前の記事を読む限り、今までも何度か記事を読んだことのある内容で決して目新しいものではない。

だけど、その事を受けて、ジャニーさんあなたは素晴らしいエンターテインメント世界を作った人だけど、あなたのやったことは性加害で、あなた加害者で悪い事をしたんだよ。と。

改めてそう思ったので、ジャニーさんお別れ会にも足を運んだ35年近いジャニーズファンとして、つらつらととりとめのない思いを残しておこうと思う。

芸能界成功するためには、枕営業普通の事で、それは本人も望んでやっているから。それが普通で、一般的なんだ。

そんな知識を、どこで私は手に入れたのだろう。

それがさも当然のように、そう思っていたのはどうしてなんだろう。

そんな異常なことを、どうして受け入れていたのだろう。

当事者でもなく、業界知識もなく、それなのに、何故かそれが当たり前だと思っていた。

つの間にか刷り込まれていた『常識』に、私はぞっとした。

誰かが被害者となる事を、どうして常識だと、普通だと、仕方がないんだと、疑いもなく信じていたのか。

私は今40代半ばで、ごくごく平凡な人生を歩んできたと思う。

そのごくごく平凡というのは、通学や通勤の時に痴漢をされ、街を歩いていたら突然知らぬ男に抱き付かれ、卑猥言葉を投げつけられ、会社言葉接触を伴うセクハラをされる、そんな日本普通を含んだ平凡な人生だ。

誰かが被害者となる事が、普通であってはならない。

それが常識になっているのであれば、その常識おかしいし、改めるべきだ。

その事を強く考えたのは、TOKIO山口達也氏による性加害事件だった。

私は長い間、TOKIOの、そして彼のファンだった。

TOKIOが好きだと言う人は多くいる。だが、CDを買う人間はすくない。さらに、ファンクラブに入っている人間は、かなり少ない。かなりレアな部類に入る。

会員番号を見れば明らかだ。

私はかなり若い番号の会員証を持ち、ライブにも足繁く通い、CD円盤複数枚買った。

メンバーが出るテレビ番組を見てラジオを聞き、ドラマを見てその円盤も買い、出演映画はせっせと映画館に通い、雑誌の連載を読む、そんなファンだった。

すべて過去形で話している事でお察しの通り、今はファンではない。

TOKIOファンクラブを退会し、あれほど毎日聞いていたTOKIO音楽は一切聞かず、テレビも何も見ていない。

ファンをやめたら死ぬ、そんな風に思っていたのに、私は死んでいないし、普通毎日楽しく生きている。

あの頃、山口氏の様子が良くないことは、みんな薄々感づいていたと思う。

何となく違和感を感じていた。当時やっていたTwitterや当時の友人の間でも、そういう話が度々出て、忙しくて心配だよね、そんなことを話題にしていた。

遠方ロケが多く、子供の顔をろくに見る時間すらない。そんな事をエッセイで書いていた。

テレビの収録を見ているだけでも、日本全国を飛び回りながら、朝早い情報番組を持っていることが不思議で仕方がなかった。

ライブツアーがあることは嬉しかったけれど、その合間にどうやって翌朝の東京テレビ番組に出ているのか、体が心配で仕方がなかった。

他のメンバーも同じ状態で、不安心配が喜びと常に戦っていた。

そんなある日、仕事中に、山口氏の事件を知った。

ただただショックだった。泣いた。事件概要を知り怒り、その後の記者会見にも怒りで身が震えた。

まさか加害者になるなんて。

私が好きな彼が、加害者になるなんて。

同時に、被害者には何の落ち度もない事は分かっていた。だって自分自身がそうだから

何もしていないのに、ただ生きているだけで、何度も被害者になっていた。

被害者がどれだけ不安だったかしかたか想像に容易くない。

そして、同時に過去に何度か目にした、ジャニーさんの性加害の記事を思い出した。立場を利用した性加害。グルーミングという言葉を知ったのもその時だった。

その後、山口氏はTOKIOを脱退し、表舞台から去った。ジャニーズからは表面的なアナウンスが出された。

私があれほど好きだった彼のベースがなくなり、TOKIO音楽もなくなってしまった。

最初は4人で活動していたTOKIOメンバーは、そのうちに五人である事を何かと再アピールするようになった。

バンドとして五人が奏でる音楽が大好きだった私は、いつかその日が来ることを、心底それを期待した、願った。

20年後か30年後か、そのくらいはかかるだろうとも。彼がしでかした事には、時効はない。だが、それくらいの時間は最低限でも必要だと思った。

ただ、どういった形にせよ、五人で活動を続けるためには、山口氏が起こした事件に向き合わなければならない。

どういう覚悟で五人でやっていくつもりなのかを、ちゃんと表明して欲しかった。

性加害について、そして、アルコール依存症について、どう対処していくのかと。

だが、彼らの口からは、その事はただ良くない事以上のコメントが語られることはなく、ただただ日々が過ぎていった。

そして、TOKIOは三人になってしまった。

同時期、TOKIO会社設立した時、今までできなかったことをすると宣言した時、私はまた微かに期待してしまった。

性加害について、アルコール依存症について、現在日本社会において大っぴらに議論されることがない、だけど大きな社会問題について、TOKIOの大きな発信力で、何かしてくれるんじゃないのかと。

どうしてTOKIOは壊れてしまったのか、何が壊したのかを踏まえて、向き合って欲しかった。

TOKIO全員に、メンバーの一人がしたことを背負わせるなんておかしいだろうとも思う。だけど、あの時、五人は五人でTOKIOだったから。

でも、そうではなかった。

福島問題は、勿論大きなことで、そこに向き合い骨を埋める覚悟で一緒に歩んでいこうとする彼らの姿勢は、当然評価されるべきことだ。

そこには何の不満も反対意見もない。

ただ、ただ。

TOKIOが向き合うべき、内なる問題スルーされたままだ。

その事が辛かった。向き合わないTOKIOを見るのも、諦めきれず期待することを止められない自分にも辛かった。

そして、私はファンを辞めた。

今もジャニーズは好きだ。

何も気持ちも考えも整理できていないままだけど、山口君がしたこと事を思い出すと苦しい。過去に何度も報道されたジャニーさんの性加害の事を思い出しては、応援していいのかと悩む。

から積極的に見ることはない。

だけど、音楽番組で姿をみると、ワクワクするし楽しい

昔のよしみで、友人に誘われたらライブ舞台も見に行く。

特定グループファンではないが、ジャニーズファンだ。人に聞かれたら、そう答える。

ジャニーズは間違いなく、人の心を楽しませ弾ませ笑顔を作ってくれる。その事は疑ったことはないし、これからもそうであって欲しいと思っている。

だけど、そこに被害者がいてはいけない。

それが普通世界を作ってはいけない。

ファンジャニーズタレント純粋にただ応援しているだけで、その足が間接的に知らないうちに誰かの心を踏んでいるような世界を作ってはいけない。

ジャニーさんが亡くなったから終わり、もう終わった過去の話、で終わらせないで欲しい。

ジャニーズ事務所として、未成年を預かり、未成年を含むファン顧客としている一企業として、定型文の回答ではなく、きちんと反省と再発防止を検討して回答をして欲しい。

そして、タレント被害者にしない、当然、加害者にもしない。

それが当たり前で、当然。それが普通。そういう事務所を作って欲しい。

せめて同じことが二度と起きないように。

もう見て見ぬふりは止めてくれ。

私はそう願いながらも、今日も苦しみながらジャニーズを好きでいる。でも、同時に、もう限界だな、と思っている。

追記

この文章を書いて、アップを悩んでいるうちに、山口くんが会社を立ち上げた。

アルコール依存症に向き合う姿勢を示してくれて、泣いてしまった。

彼の元ファンとして、2018年からの苦しみに、少し光がさしたような気がする。

どうかこのまま進んでいってほしい。ネームバリューがあるからこそ、できることがあると思う。

でも、性加害の方はどうですか?

被害者がいることだから難しいのかもしれないけれど

そちらも加害者としての反省を、言葉以外でも見せて欲しい。

あなた名前を経ることで、初めて言葉が耳に入る相手がいると思う。

https://yamaguchi-tatsuya.co.jp/#company

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