2015-08-06

お礼と機会均等と公平性の話

お礼と機会均等と公平性の話

管理の難しさとコツをかいものです。

反響ありがとうございました。

正直、業種に対して好まれない方も多いかと思っていたので、ここまで肯定的に捉えて頂けて違う意味勇気を頂きました。

その辺を多くは語りたくないのですが、業界自体は厳しい淘汰が進んでまして、一企業として健全努力をしないと生き残れない時代突入していたりして昔とはだいぶ変わってきているというのも事実です。

それでもイメージを大きく変えられないのは他でもない業界責任なんですけどね。

それとここまで反響を頂けるとは本当に思っていなかったので、他所様の畑に口を出したのは行き過ぎだったと反省しています

なんというか、惜しいなぁ。そこでこらえて欲しかったなぁ。と思った次第でして、現場の大変さは痛いほど共感いたします。

イベントとかお祭りごとって、やっぱり楽しく終わりたくて、みんなそう思っているのだけどそれに任せていてもうまくいかないのが現実です。

「抜け駆けダメよ。みんなで一緒に楽しみましょう。」っていう思いが運営側にあれば、ルールにもそうした気持ちが表れて参加者にも自ずと伝わっていくんじゃないかなぁと思います

逆にそういう気持ちがないと、参加者管理されている感じが強くなって、反抗心や抜け駆けしたい気持ちを刺激してしまうのだと思うんです。

ここに来てメンタルな話をすると拍子抜けかもしれませんが、囚人と看守のような関係性ではなく、おなじお祭りを盛り上げたい仲間という気持ちをもって臨まないと、必ずどこかでほころびが生じてしまうということも経験が教えてくれたことでした。

口を滑らしたついでにコミケの入場にまで言及をしてしまいましたが、これもまた規模の大きさが全くもって想定できていませんでした。

はじめてyoutube待機列が移動する様子を見たのですがどうすればあんなことができるのか見当もつきません。まさに驚異的なノウハウの賜物なのだと思います

少し調べてみた限りではコミケの3日間ののべ参加人数は50万人程度とされていました。

1日で言えば17万人程度となるわけですが、その内のどれくらいが入場待ちを行うのかも見当がつきません。

ただ単に徹夜をなくすという目的であれば、ある程度の時点までに集まっている参加者抽選を行い、それ以降を先着にするという手段有効と言えます

しかしながら、抽選に参加さえすれば早い順番を得ることができる可能性があることで参加者は先着順の場合よりも増えてしまうかもしれません。

ざっと調べてみたところ、始発から朝8時までにゆかもめりんかい線輸送できる最大人数は2万5千人程度でした。(乗車率100%x本数)

そこにさらに車やバイクなどの交通手段を加えた規模となれば、それこそ抽選のものにかかるコストが膨大なものになってしまうため、とても現実的はいえそうにありません。

これほどの参加者数ともなると全くもって次元の違う対応必要になることがよく理解できました。

ということで、せっかく反響もありましたのでイベントにおける機会均等と公平性の話も書き起こしてみたいと思います

どうしても独学と経験則から成り立っているものなので用語の使い方が間違ってたりしたら指摘していただけると嬉しいです。

はじめに断っておきますが、パチンコ業界イベントを行なっているなんてけしからんお店は存在しません。そんな話はまったくもってけしからん話です。

機会均等という話を少し掘り下げてみると、つまるところ「期待値と参加コストと参加率」が互いに相関関係にあるという話になります

この辺の情報が明確にされていることによって参加者公平性を感じることができ、逆に一部情報が隠されている・後から明るみに出る・人によって優位性があると、参加者不公平さを感じてしまうようになります

たまに見られるゲスイベントなんかでは、期待値を高く参加コストを低く見せることによって参加率をあげようとするのが常套化しています

いざ参加してみると期待値全然低い、もしくは参加コストが高いなんてことはよくあることです。

そういうイベントに限って誤解するような表現をしておいて、ウソはついていませんみたいな顔をしている場合ほとんどです。

まりにミエミエだとせっかくのファンを心底ガッカリさせるであんまり褒められた方法とは思いません。

期待値とは、イベントに参加することによって価値を得られる可能性です。

コミケでいうところの希少本を得られる可能性といったところでしょうか。

参加コストは、イベントに参加するためのコストです。

時間、移動距離、金額、その他手間、リスクなどです。

参加者は、この2つを計算しながらイベントにどのように関わるかを考えます

限定希少本を得るためなら徹夜も辞さない。」「徹夜する時間覚悟もないので希少本は諦める」

この2つに不公平さをそれほど感じないのは、期待値が参加コストに比例することが理解できているからと言えます

まり、人によって得られる期待値が異なるにもかかわらず、そのために高いコスト必要であることを参加者理解できていることによって、機会均等である=公平であると感じられるようになるわけです。

例えばここで、入場を抽選(可否は問わず)にした場合は当然期待値が下がります

そうすると徹夜するという参加コストが見合わなくなるため、当然支払う必要性がなくなるわけです。

ただし、参加コストが下がるために単純に参加者が増える可能性があります。「当たればラッキー」ととりあえず参加してみるといった参加者も増えることから徹夜をなくすことはできても参加者が増えてしまう可能性は十分に考えられます

こうした参加率をコントロールするための基本的な考え方は、10人でも1000人でも10万人でも同じだと考えています

変わってくるのは管理コスト管理方法というわけです。

この辺を明確にしておくことで得られるメリットは、支払うべき参加コスト判断参加者側に委ねられるという点にもあります

期待していたものが得られなかった時、自分がそう判断したのだからと思えることが主催者側にとって大きなリスク回避につながりますす。

ここで大切な要素とは、抽選イベントに対する参加率はある程度コントロールできるという事実にあります

「集まってしまうから対処する」ではなくて、「この時間に集まるようにコントロールしよう」「期待値に合わせて参加コストコントロールすることで分散させよう」ということができるわけです。

つまるところ、失敗してしまったイベントというのは、この期待値と参加コストを見誤ってしまうことで十分な準備ができていない場合ほとんどいうことになります

某駅100周年でいえば記念カード価値を低く見積もってしまったことと現地でしか販売しないという参加コストを高く見積もってしまったということであるし、某ソーシャルゲームイベントでいえばイベントのものに対するユーザーから期待値幕張メッセという立地に対する参加コストをそれぞれ見誤ったことが原因と言えます

いずれにしても参加率を小さく見積もってしまった(もしくははじめから管理コストが決められていた)がために、管理のもの崩壊してしまったと言えるわけです。

この辺を加味して考えて見ても、コミケ場合は多くの指摘の通り参加者数が問題になってきます

例えばオンライン抽選にしてみたとしても、その参加コストの低さから参加率が跳ね上がってしまい、管理することは不可能だといえるでしょう。

そう考えると、恐らくはシビアに順番を気にするであろう1000~5000人程度だけをいかにしてコントロールするかが課題になってくるのかもしれません。

(例)

・整列開始位置を抽選にする

例えば8つ程度整列開始位置を用意しておいて、始発組が到着したのちに正解を発表する。先頭に並んでも全体の先頭になる可能性は1/8となるため、少なくとも徹夜する理由はなくなる。

・始発到着組のみ抽選に参加できるようにする

参加コストが高い分ある程度まで参加者を絞り込めるが、始発電車争奪戦が始発駅で勃発して、徹夜する場所が変るだけの恐れあり。

1000人までの整理券を有料抽選する

参加者と同じだけのくじを用意して、そのうち1000番までのアタリと番号なしのハズレをいれて抽選する。

有料に参加したくない人間1000番以降の入場順に甘んじることになるが、徹夜するメリットは奪うことができる。

1000番というのは暫定だが、この数字価格設定さえ間違えなければ抽選参加者数と先着組とをうまくわけることができるかもしれない。

ちなみに、抽選から入場までの時間つぶしにおいて近隣店舗への影響などを気にされているコメントもありましたが、数万人が流動的になるということはある意味ビジネスチャンスといえるのでむしろ経済効果のほうが高いのではないかと思います

と、いずれにしても現状を知らなさ過ぎるせいで素人臭さの抜けない恥ずかしい提案になってしまいました。

書くのをためらったのも事実ですが、この辺をもとに造詣の深い人の間で議論が進んでくれたならいいなぁと思いあえて書いてみることにしました。

どちらかというと蛇足エントリーなので元記事へのトラバ日和りました。

また何かの機会に!

  • http://anond.hatelabo.jp/20150806162154 正直、徹夜する労力考えたら有料でも抽選にしてくれたほうが助かるんだけど。

  • 列管理の難しさとコツ http://anond.hatelabo.jp/20150805120855 これ書いた人の続きっぽい。 こっちの内容もなかなか面白いので支援トラバ お礼と機会均等と公平性の話 http://anond.hatelabo.jp/20150806...

  • 2015年増田記事トップ10のブコメに hungchang ブクマ数によるランキングよりも、主観的に好きなエントリーが欲しい。 てなのがあったので、やってみる。 何故、余っていたはずの会計士...

    • 増田文学や個人的な体験談を中心に。 順番は特に付けないが、俺的増田大賞は「ホモがFableIIIというゲームをプレイした話」にあげたい。 02/11 仕事終わって近所のスーパー行ったら 67 ...

      • 自分用まとめ。増田文学と個人的な体験談を中心に。 俺的増田大賞2016は、「議事録を作る仕事をしていました」と「母親が入院したんで父親とふたりきり!」シリーズに進呈。 01/19 ...

      • 自分用まとめ。今年は医療増田が充実していたので、別立てとした。 俺的増田大賞2017は、「骨髄提供をしてみた」「骨髄移植させて頂いた」の組み合わせに進呈。 02/14 1人で初ラブホ...

      • 自分用まとめ。今年は力作が多かったけど、飛び抜けてヘンテコな増田は少なかった印象。 俺的増田大賞2018は、「妹のゴミ部屋を掃除した」に進呈。 01/31 さようなら時天空 anond:2018013...

      • 自分用まとめ。今年は力作が多かったけど、飛び抜けてヘンテコな増田は少なかった印象。 俺的増田大賞2018は、「妹のゴミ部屋を掃除した」に進呈。 01/31 さようなら時天空 anond:2018013...

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん