はてなキーワード: 晩春とは
自分の祖父。小学生高学年の真夏。母親に連れられて弟と3人で病院に行ったら祖父がイビキをかいて寝てた。弟と2人で笑ってたら、母親に死前喘鳴の事を教えられた。3〜4時間ぐらい見守って最期は大きくゴロゴロと鳴らして吸った後は力が抜けていった。
同じ大学の学生。大学2回生の晩春。大学近くのT字路で、向かいから自転車で走ってきた女子大生がトラックの左折に巻き込まれて死んだ。正面にいたので詳しくグチャった所は見えなかった。
俺以外に十何人か学生が見てて、悲鳴を上げる者、唖然と見てる者、電話で通報する者と様々でまさに阿鼻叫喚。すぐに冷静にイニシアチブを取れる男子学生に「AED持ってこい」と頼まれた。AEDを渡す時詳しく遺体を見たが、腕とか脚が変な方向に曲がって上半身が右半分くらい潰れてた。もしトリアージする場面なら完璧に黒だった。その後の話は気が向いたら書こうかな。
知らないおじさん。大学2回生の初夏。友達と某駅で電車を待ってたら向かいのホームでおじさんがグモった。事故目撃から1ヶ月も経ってないので、流石にこれには面食らった。呪われたのかとも思った。これは1番よく見える所から見てた。人形みたいに吹っ飛んでった。周りの人間や友達はすぐスマホで撮り始めたので友達には撮影を辞めさせた。駅のアナウンスがなる前にホームから立ち去ってたのでよく見なかったが血はあんまり出てなかったと思う。Twitterには人身事故でトレンド入りして大量に動画や写真がアップされてた。その中のいくつかに俺がスカイフィッシュの様に映ってた。
まだ。長い人生、これから少なくとも何回かは人の死を見るだろうけど、これ以上衝撃的な事故は目撃したくないので老衰とか穏やかなのがいい。
「カットだけでよろしいですか?」
などと聞かれ動揺してしまったのを覚えている。
というか他にどんなコースがあるのか未だに知らない。
続けて
「ご指名はございますか?」
なんて答えてしまったほどだ。嘘だ。
そんなシステムに馴染みの無い俺にはそれほど未知の世界だった。
散髪中の美容師さんとの会話もどうにも好きになれない。
全然知らない人とお喋りをするのは平気だが、床屋での会話はどうもやりづらい。
「そんな事より散髪に集中してくれよ。」
わざわざ視線を合わさないで良い会話もあるのだが、それは気心の知れた仲の良い相手限定であって、
数回しか会ったことの無い君(美容師)との会話はそういうもんじゃないだろう!と思ってしまう。
散髪の間中どこか機械的な冷たさを俺に与え続ける。
親しげに話しかけるフリをしているがお前、別に俺に興味なんて無いだろう^^?
なんて言ってやったらどうなるだろうとか考えてしまう。イヤな性格である。
このように美容院のシステムに拘束感を覚えてしまうのも、俺の美容院嫌いの一因だと思うのだが、
散髪そのものにイヤな思い出が多すぎるのだ。
上記の通り美容院に行き始めたのは高校1年からなのだが、それまではどこで切っていたかというと、
俺はそこで髪を切っていた。
店内は奥に広くイスは15脚ほど並んでいるが、元プラージュ常連の俺のメモリーによれば、
満席どころか5つ埋まっているところも見たことがない。
そんな床屋がなぜ10年以上も営業を続けていられるのかは謎であるが、俺はそこで切っていたのである。
中3まで。
「パパっと切ってもらうか。」
安さも魅力であるがなんといっても15分足らずで終わる手軽さが良い。
店に入るとやはり客は俺一人。
普段無愛想な中年の店員が何故かあの日は元気に「らっしゃい!」と言っていた。
良い事でもあったのだろうか。
俺には関係ない話だ。
やはり元気よく「どうしますか!」と聞いてくる店員。
要望を伝えたところで、今までその通りにしてくれた事など無い事を俺は知っている。
「前髪はギザギザで…」
と伝えても終わってみれば必ず前髪は綺麗に揃っていたし、
「全体を2センチくらいずつ切ってください。」
産毛を剃るために出したのだと思っていたバリカンで急に後頭部を刈りだした時にはさすがに
「ちょっ…!」
とは言いかけたものの時すでに遅し。順調に刈り上げは進んでおり、いよいよ河童っぽくなっている鏡の中のアイツ、もとい俺。俺がアイツで、アイツが俺で。
線の細さも相まってさぞ河童に見えた事であろう。
河童という結果は「全体を2センチくらいずつ切ってください。」という要望によるものだ。
どういうフィルターを経て「全体を2cm」→「河童」になるのか。
そんな店員に要望を伝えたところで何も叶わないのは分かっているので、
「この後用事あるんで、どの場所も3センチ以上は切らないでください。」
と短く伝えた後は、15分間ヤツの手元を見張る作業に費やすことにした。
15分間後には見張りの成果か、まぁ見れない事は無い髪型が鏡の向こうにあった。
じゃあ髪の毛流しますね~って事でやたら熱いシャワーを頭に浴びせられる。
ドライヤーで乾かしている間に、見張りの反動か、少し眠くなり、うつらうつらしてくる。
不安もあったが、既に髪の毛は切り終えたわけだし大丈夫だろうと、眠ってしまった。
目が覚め、正面の鏡を見やると、ポマードでガチガチに固められた七三分けの少年が座っていた。
これは…?誰…?…俺?
動揺している俺に店員は上機嫌に言う。
『このあと用事あるんやろ?男の子やったらオシャレしていかなアカン!』
会計時に不要なビニール袋を貰う。なぜ俺は千円も払って七三分けに…。寝ていた俺には分からない。
店を出た瞬間にビニール袋を頭に被り、半泣きになりながら自転車を立ちこぎで家までかっ飛ばす。
「おちない……おちない……。
この髪についたポマードがいくら洗ってもおちないよ……。」
俺の散髪嫌い。
かような次第である。