カテゴリー 「啓蒙思想2.0」 RSS

2021-07-21

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P51~ (進化について 特に進化保守性について)

事例が面白い

タマジャクシのしゃっくり等

古いもの機能)を除去するのではなく(not断捨離)上に重ねて追加していく

直感ヒューリスティック時間節約 

 生存のための時間節約 ← トレード → 厳密な正答の放棄(近似解)

[] 2014

P47

映画2001年宇宙の旅()それから20年以上たったいまでも、私たちはまだコンピュータへの意思伝達にキーボード傍点)を使っている。コンピュータは音声言語を厳密にデータ化することはおろか、理解することなどできないからだ。(略)脳が暗黙的にしていることを明示的に再現しようとしてはじめて、人間認知システムについての理解いかに乏しいかにようやく気づくのだ。

 コンピュータチェス指しプログラム歴史は、この件についてすばらしい例を示している。しばしば()たか人間名誉危機に瀕し、「機械の台頭」は近いかのように評されるのが常だ。しかし、(略)

したがって人間の指すチェスは、直感思考合理的思考のどちらも伴うハイブリッド作業である。(略)

ディープブルー(略)ほどのコンピュータ処理能力配備しても「誰もが認める人間に対する最終的勝利」に達しないという事実こそ、人間の脳の非合理的思考プロセスもつ底力と洗練のしるしである

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p35

直感的な判断は、なぜあなたがそれをしたかという理由説明できないものだ。これに対して、合理的判断はつねに説明ができる。だからと言って直感判断が誤りだとか欠陥があるというのではない。

p36

合理的判断は理性に基づいている。()ハロルド・ガーフィンケルが「探知でき、勘定でき、報告でき、物語ることができ、分析できるもの――手短にいうと、説明できるもの」と表現した思考である

p37

最初問題を見た時には、たいてい(略)手早く直感的なパターンマッチングアプローチを用いて解決しようとするのだ。答えが間違っていると気づいてはじめて、解決をおしつけるために、追加の認知資源を引っぱり出してくる(<窓口のスタッフが手に負えなくなってから上司を呼ぶ行為脳内である。)

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P33

結婚問題

 ビルナンシーを見ていてる、ナンシーはグレッグを見ている。

 ビル結婚している。グレッグは結婚していない。

 結婚している人は結婚していない人を見ているでしょうか?

 答えーー(A)はい。(B)いいえ。(C)どちらとも決められない

もしあなたが大多数の人と同じなら、最初にこの問題にこたえようとしたときは間違えることになる。

いかにも正解に見えるのは(C)の「どちらとも決められない」である

(約18行略)

正解は(A)「はい」となる。これは実際、合理的視点からはきわめて明白であるしかし同時に、直感的ではないため、初回は間違えやすいのだ。

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前提知識

https://davitrice.hatenadiary.jp/entry/2014/01/02/232257 

ハイトは、人間欲求感情の強さと、それをコントロールするはずの意志や理性の弱さを、「象(欲求感情)の背中に乗った象使い(意志・理性)」と表現する。自分自身の行動について、理性にもある程度はコントロールする力があるが、主導権は感情に握られている。「私は手綱を握り、あっちへ引っ張ったり、こっちへ引っ張ったりして、象に回れ、止まれ、進めなどと命令することが出来る。象に指令することはできるが、それは象が自分自身欲望を持たない時だけだ。象が本当に何かしたいと思ったら、私はもはや彼にかなわない。」

p29

”いま一度、ハイトの理性=象使いという比喩について検討したい。ハイトの味方では、象使いは実際のところ象をあまりコントロールできないから、もしも象が一方向に進みだすのを感じたら、しっかりつかまって、その方向へ進むのが身のためだ。この重要な喩えについては(略)理性は、いざ直感とまともに太刀打ちしようと表も、そこまで強力ではない。とはいえハイトが描いた構図には重要ピースが欠けている。象使いには象から飛び降りて、象が進んでいく環境を改めて整えるために、地面の状態を直す能力もある、と考えてみてほしい。そうすると、左に行ってほしければ、象にそっちへ行けと蹴りつけたり怒鳴ったりするよりも、象から飛び降りて象が怖がるもの()右側に置けばいい。ふたたびその背に乗ったときには、あなたは象をコントロールしている。ただし、もはや直接しているのではない。あなたの象の操縦は環境によるものかもしれないが、コントロールであることに変わりはなく、結局のところ大切なのはそれなのだ。”

2021-07-20

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合理的思考 P38

問題解決に向き合う合理的思考直感思考比較

1.解決策を考えつくには明示的な言語表現が求められる

2.文脈/抽象化必要 (直感思考では、関連のある追加情報を補ってしまっている)

3.ワーキングメモリを利用する  パターンマッチングにヒットするか否かという思考ではなく、段階がある

4.仮説に基づいた推論が可能になる

   不測の事態対応する、戦略的思考義務に関する道徳的判断(〇〇すべきか、すべきとは言えないか

5.合理的思考難しく、時間を要する

   注意資源バックグラウンドタスクとの関係


前者

線形

意識的

・明示的

・注意を必要とする

ワーキングメモリを利用する

後者

自動的

・(モジュール的)

スピードがあり

無意識

・暗黙的

バックグラウンドタスク/マルチタスク

モジュール性の典型

・顔認識

相貌失認という症状

直列処理システム

・遅い

・首尾一貫性

並列処理システム

・速い

・中心と統一性を欠く

多くの手順はハイブリッド

[] ジョセフ・ヒース NTT出版 2014 第一部 古い心、新しい心

私たちの脳の不合理な部分の採点表”

P179 

得意なこと

パターン認識

運動追跡

思考察知(読心術)

記憶

連想構築

・全体的展望

できないこと

・三つより大きな数の数え上げ

・三つ以上の段階のある論法の展開についていくこと

・家庭の状況を考えること

戦略的思考

・不確実性の管理

・長期計画の実行

・大規模な集合行為問題解決

 
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