グラビティデイズ2、今度発売されるけど誰かwiki更新する人いるの?
ステマが当たり前の日本ではネットのレビューは全く信用できない。俺もAmazonに建設的なレビューを書くバイトしてたことあるしな。
今の時代、そのゲームが人気かどうかはwikiの更新頻度のみが判断材料である。
クソゲーであれ良ゲーであれ、つまらなければ誰もAmazonに辛辣なレビューを書かないしwikiを更新しようともしない。つまらないことで腹を立てるぐらいなら、さっさと離脱する。
VRは小金持ちの物好きだけしか買わないから最初から市場規模が小さい。ドラえもんでいうスネ夫君ぐらいしか買わない。
ソーシャルゲームに完全に喰われてしまった。正確にはFateと艦これとモンストか。ソーシャルゲームはやがてサービス終了の時が来れば一生遊ぶことの出来ないコンテンツとなる。
後世に伝えられることのない亡霊にゲームの未来を託せと言うのか。
俺はWebサイトを開発するプログラマーだが、Webは更に生命が短く、もって3年だ。サイトのドメイン自体は長く生きるかもしれないが、自分が苦労して開発したコンテンツや、機能は、リニューアルによって何度も白紙に戻る。
脱線したが、何年後になっても、何十年後になっても、エミュなり何なり、時代に合わせて何らかの形でリリース時の状態を再現できる環境がないプラットフォームで出来た作品に価値はない。
前回までのあらすじ
俺、マスダ!
いま、この世界では『ヴァリアブルオリジナル』がすっげえ流行っているんだ。
かくいう俺も、その流行の住人なんだけどね。
今日も家で何気なくアニメを観ていたら、CMでなんてこったい!
大変だ! 今すぐ買いに行かなきゃ!
俺一人だと年齢制限に引っかかって購入できないから、兄貴を連れてレッツゴーだ。
こうして、俺たちは町に繰り出したんだけど……おっと、ここからは兄貴に語ってもらうよ。
「くそお、どこもかしこも売り切れだ! ネットにも出回っていない情報だから、スタートダッシュは同じはずなのに」
数件ほど回っているが、店主から帰ってくる答えは「売り切れ」だった。
一応、いくつか在庫のある店はあったものの、新パック目的の人たちは多くいるようで混沌としており、泥沼の紛争地帯と化していた。
あの中を掻き分けるのは子供の力では難しく、もちろん俺はハナから興味がないので拒否する。
弟は指を咥えて見ているしかなかった。
「一部のコアなファンの仕業です。これまでの発売時期や期間、アニメから読み取れる僅かな情報からヤマをはって、開店前から並んでいたのでしょう」
いきなり俺たちに近づいて話を展開させてきたのは、俺の通っている学校のOBであるジョウ先輩だった。
大人の中にも熱中している人間がいるとはメディアでも報道されていたが、まさか身近な知り合いにいたとは。
「小癪なのは、意図的に流通を少なくしている上、予約を受け付けていないことです。そうすることで店になだれ込ませて話題性を作り、購買層を煽っているのでしょう」
弟がジョウ先輩に突っかかる。
口調が無意義で鼻についたらしい。
「小童、覚えておきなさい。平日の昼間以外に働く人間だって多くいるのです」
「え、ジョウ先輩って夜間とかの勤務でしたっけ」
「ほほほ、兄弟そろってお子様ね。今日のワタクシは、有給ですのよ!」
つまりジョウ先輩は新カードパックのために、発売時期にヤマを張って有給をとっていたことになる。
何日分使ったかは怖くて聞けなかった。
「既に5箱確保しました」
「5箱も!?」
「同じカードでもデッキに複数入れることが可能ですから、多すぎて困るということはありません。それに運悪く目的のレアカードを引き当てられないこともありますから、出来る限り確保しておきませんと」
「ちくしょう! あんたらみたいな大人がいるから、俺たちに1パックもこないんだ!」
「ほほほ、覚えておきなさい小童。これが“大人買い”というものです!」
「負け惜しみにしか聞こえません。ほらほら、こんなところで油を売っていてよろしいのかしら?」
そもそも先に話しかけてきたのはジョウ先輩からのほうなのだが。
どうやら弟みたいな買い損ねた人間をおちょくって優越感に浸りたかったようだ。
ジョウ先輩は笑いながらその場を悠々と去っていく。
「くっ、まだだ。まだどこかに残っているはずだ!」
弟は踵を返し、走り出していた。