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マルシュロレーヌ号がBCディスタフを制覇し、伝説と歴史を作ったと同時に日本競馬に新しい扉を開けた。
一方マルシュロレーヌ自身の知名度の無さも手伝って、全般としては反応が薄い様に感じる。
マルシュロレーヌはそのレース内容から、現役牝馬ダート路線という狭いカテゴライズの中ではあるが、一部にはその強さはよく知られてた。
が、記録としては中央重賞未勝利であり、主な中央勝ち鞍は桜島S(3勝クラス)である。
どうしてそうなったのかを、ここでは記してみたい。(JRA-VANデータで調べているのでデータは1986年以降)
中央に牝馬限定重賞がないから。混合戦における牝馬の勝利レースは25レース17頭しかなく
距離1700m以上なら8頭。2015年チャンピオンCサンビスタ以来勝ち馬が出ていない。
牝馬全盛と芝とは逆の厳冬期と言える。
(BCディスタフを勝つ位の馬ならばサンビスタに続いてほしいという気持ちは理解できる)
ネット媒体でも一部記事にしていたが、マルシュロレーヌはダート転向初戦の桜島Sから注目を浴びていた
直線一気の豪快な勝ち方もあるが、それだけでなく記録の裏付けもある。
小倉ダート1700mでの施行は2050Rあるが、勝ち馬が上り3F35秒台を出したのはたったの24R
マルシュロレーヌが出した35.0は過去1位である。3勝クラス以上だと11頭が該当し
マルシュロレーヌ以外で該当レース後重賞(交流重賞含む)を制した馬に
ゴルドブリッツ(帝王賞)グループブランデー(フェブラリーS)、テオレーマ(JBCレディースクラシック)
、メイショウカズサ(白山大賞典)がいる。5/11とかなりの高率である。
重賞級のレース内容という当時の評はオーバーではない。まさかBC勝つとはその時誰も思わなかっただろうが。
(私も思わなかった)
関係者も首をかしげていたが、出走資格の関係でレディースプレリュードをきっちり仕上げた可能性は高くその反動か
3月から7走と使い詰めてきた事が影響したかもしれない。レディースプレリュードは雨で田んぼ馬場だったので
能力は信頼していましたが、不安はこういう馬場でした。ちょっと不安を抱えて見ていたのですが、
4コーナーでだいたい大丈夫だな、と思って見ていました。勿論次はJBCレディスクラシックに行きます。強い勝ち方をしてくれました
位置取りはあれでいいと思っていましたが、直線では届かないのかなと思いました。しかし、よく差し切ってくれて嬉しいです。
JBCは最終的に獲りたいですが、今後のプランは、馬の状態に合わせるのでまだ考えていません
距離が延びるのは良いと思いましたが、コーナー6回ですし、どうしても後ろから行くのでそこはちょっと心配でした。
ゲートは周りの馬の影響を受けて後ろからになりましたが、コーナーを非常にスムーズに回ることが出来たのは大きかったですね。
強い競馬をしてくれました。次はまだ考えていませんが、牝馬の中では一番強いと思っていますし、
平安S以後の混合重賞挑戦を匂わせたのはエンプレス杯以後。つまり矢作師をそう思わせる強さがエンプレス杯にあったという事だ。
エンプレス杯を開催する川崎競馬場は小回りで行った行ったが多い競馬場。それを中段からポジションを上げて勝つのは至難の業。
このコース形態とレース運びは奇しくもあのBCディスタフを彷彿とさせる。ここでBC行きを決めたとは思えないが、BC挑戦を考えた時
エンプレス杯のレース内容が矢作師の背中を押した可能性はあるのではないだろうか? <h3>o- ****</h3>
マルシュロレーヌは中央での主な勝ち鞍は桜島Sとなるが、以上の様にそれなりの背景を持った馬であり、少なくてもダート牝馬路線では
BCディスタフ勝利以前から、現役最強格の一頭であることは疑問の余地はない。
歴史的勝利を収めた後も中央重賞未勝利を理由に実績不足(ラッキー馬扱い)と言われるのは寂しく思う
中央に牝馬限定のダート重賞競走がない限り、マルシュロレーヌに続く牝馬海外遠征活躍馬が
でても、中央重賞未勝利の可能性はかなり高くなると思われる。これはJRA番組編成上の瑕疵であると個人的に思う。
近年海外で成績が出始めているダート1200mもカペラS(G3)しか中央重賞がなく、
2歳戦も現在ダート重賞はない。交流重賞の兼ね合いを考慮したとしても
せめて上半期下半期に1Rづつ程度目標となる重賞が中央にもある方が、日本のダート馬の競争力強化に寄与するのではないだろうか
奇跡的な経緯とはいえ、日本馬からダートBC勝利馬が出たのはもはや現実だ。である以上ダートも芝同様、様々な適正の馬に機会を提供する
番組編成を用意するのは主催者としての重要な努力目標となったのではないだろうか?
しないならば、芝優先と言われても仕方がないと個人的にはそう感じる。