2020-01-13

実在人物やその周辺を取り扱う二次創作について

はじめに

かれこれ15年以上、実在人物に関わるBL創作をしており、今はよく荒れる界隈の、わりと近くの界隈で過ごしている。

「荒れる」とはどういうことか。

記事では、「SNS閲覧制限を掛けずにカップリング名やキャラ俳優名を出して萌え語りや創作をするアカウント(以下、鍵パカ)が出現すること」とする。

鍵パカが現れると、閲覧制限を掛けているアカウント(以下、鍵垢)が回覧板のように注意喚起を回し、

各自スパム報告・ブロックをすることで、当該アカウントを凍結させようとする、という流れが確認されることがある。

この流れが、某ジャンルではここ数ヶ月頻繁に起こっている。

わたし自分が関わるところの事例しか知らないが、活発なジャンルであればよく起きていることだと思う)


鍵パカはなぜ鍵パカでいるのか。

彼らが注意に対して反論するとき、以下のような言葉を使うことがある。

BLから隠れろというのは性的少数者に対する差別だ。

当事者が傷付くというが、傷付いたという事例がない。

二次元にいたときは隠れろと言われなかった。

1では、これらの反論についてわたし個人的な考えを記す。

2では、そもそもなぜ鍵パカをやめてほしいのか、注意する側の視点から記す。

なお、本記事実在人物やその隣接区域を取り扱うジャンルについて主として述べるものであり、

述べていないことについては触れていないか問題ない、思うことがないというわけではない。

同じようなジャンルで過ごす方々にとって、本記事が何かの思考一助となれば幸いである。


1.鍵パカによる反論について

本項では「はじめに」で述べた鍵パカによる反論について、ひとつずつ私見を述べる。

(1)「BLから隠れろというのは性的少数者に対する差別だ」

そもそも注意する側は「『BLから』隠れろ」とは言っていない。

「『他人意志勝手妄想し、時には性的な部分まで考えているから』隠れろ」である

誰かを想うこと、特に性に関わる部分は、人の思考の中でも極めて繊細だ。

それを勝手他人に決めつけられたり、自分のいないところで話されていたりしたと知ったとき、ショックを受けるひともいる。

我が身に置き換えて考えてほしい。

ただの友人であるAとの仲について、別の友人Xが「Aのことが好きなんでしょ?」と言ってきた。

あなたには全然その気がないので否定する。

けれど、Xは「またまたそんなこと言って」、「否定すればするほど怪しい」と言って、あなたの言うことを一切信じない。

そのようなことがあったときあなたは一切不快に思わないだろうか。

また、Xは共通の友人であるYやZにも「Aが好きらしいよ」と話す。

次第にその話はあなたの手の届く範疇を超えて広がっていく。

別の友人から「Aのこと好きなんだって?」と聞かれる。ついにはAからわたしが好きなのか」と問われる。

友人としては好きだが、恋愛対象ではない。

周りにそう噂されても、あなたもAもお互いに今まで通り振る舞えるだろうか。

わたしは今までどおり振る舞える」というひともいるだろう。しかし、相手がそうだとは限らない。

そうでなくとも、他人から勝手恋愛対象定義付けられることで不快になることも十分考えられる。

性的指向が異性であるひとが同性との恋愛妄想されたら。

性的指向が同性であるひとが異性との恋愛妄想されたら。

恋愛感情を持たないひとが他者との恋愛妄想されたら。

こういうことを伝えると「不快にならないかもしれないではないか」と返すひとがいる。

間違いではない。不快にならない確率は確かにある。

しかし、それは「不快になること」の可能性を否定するものではない。

二次創作をする場合妄想する対象はえてして(広義で)自分の好きなひとであるはずだ。

その対象不快にさせる確率が決して低いとは言えないとき、それでもそのような行動を取るのだろうか。

不快にならない」と自信を持って言えるひとは、ただのファンにすぎないのに対象の何を知っているというのだろうか。

おそらく「自分はただのファンにすぎない」という自覚も無いのだろうが。

(2)「当事者が傷付くというが、傷付いたという事例がない」

適切な事例を知らないので自分語りをする。

高校生のころ、ジャンルは違うが腐女子仲間がいた。彼女創作をする腐女子だった。

当時、わたしには片思い相手(以下、Pとする)がいて、彼女にも相談に乗ってもらっていた。

ある日彼女が「あなたとPの恋愛小説を書いたから読んでみる?」と言ってきた。

当時のわたしは深く考えず「読む」と答えた。

その日、メールで送られてきた文章を読んだが、あまりにも気持ち悪く、落ち込み、彼女とは数日後に絶交した。

内容の詳細は省くが、性的描写が伴っていた。オプション特殊性癖が付いてきた。

共通の友人である子(仲直りをさせようとしてきた)には、ざっくりと話したが、ほかの友人には話せなかった。

内容について、想像させたくなかったかである。これ以上、Pを誰かの勝手妄想で穢したくなかった。

今ここに書けているのは匿名からだ。

この件につき、わたし当事者である

当事者として言う。他人勝手妄想されるのは、性的に消費されるのは不快である気持ちが悪い。吐き気がする。

Pがわたしの想い人だったかわたしの受けたダメージも書ける程度のものなのだろうが、

これが全くどうでもいいひとだったら、あるいは友人だったらと思うとぞっとする。

これは、明らかなセクハラである

わたしが「BLに限らず隠れろ」と思うのは、この実体験に基づくところも大きい。

(3)「二次元にいたときは隠れろと言われなかった」

わたしアニメマンガゲーム等の二次創作を通ってきていないので、界隈のことは知らない。

そのため、一般論を語ることは避ける。

個人的な思いで言えば、アニメ等を扱う二次創作についても原作者一般ファン二次創作をしないファンというべきか)のことを考えれば

公式で触れていないレベルのものについては隠れた方が良いのではと思う。

ただし、アニメ等の創作をする鍵パカにいちいち注意したりスパブロを行う義理は別界隈の人間にはない。


2.なぜ鍵パカをやめてほしいのか

萌え語りや創作の公開に関して閲覧制限を掛けるというのは、何もSNSになってからのことではない。

わたしの知る限り(00年ごろ~)でも、個人サイトパス制、クイズ制、URL請求制はよく見られた。

htmlタグロボット検索避けを埋めているサイトも数多くあった。

すべては「本人や関係者二次創作を好まないファンに見せないため」である

これは「ルール」とまでは言えない。

しかし、そもそも二次創作には著作権肖像権を犯す恐れが充分にある。

鍵パカを注意する側は「外部から権利侵害を訴えられることや、それを理由二次創作禁止されること」を危惧している。

鍵パカはこれらふたつの可能性を高める。だからやめてほしい(「隠れろ」と言う)のである

なお、言うまでもないことであるが、これらの可能性の「有無」について適切に回答できるのは公式(本人、関係者)だけである


おわりに

以上、わたしの考えを綴ってきたが、決して他者押し付けものではない。

納得できないひともいるだろうし、ジャンル内の自浄作用には限度があるだろう。

わたしだって上記経験をしながら、当時から変わらずずっと実在する人物を餌に創作を続けている。

(だからせめて、本人の目に触れるようなことは絶対避けたいと思っている)

個人的には、どこの界隈も荒れることな創作節度を守って、公式から目溢ししてもらえればと思う。

初めに述べたように、創作公式距離を考えるひとにとって、何かの思考のヒントになれば幸いである。

(非常に感情的で読みづらい文章最後までお読みくださったあなたには感謝しかない。ありがとうございました。)

  • うんち

  • 「我が身に置き換えて」で説得できると思ってるのが頭悪い 感情なんて人それぞれだから感情に訴えかけるのは無駄 単に二次創作は著作権に引っかかるというだけでいいんじゃねーの BL...

  • いやいやいやいや そこまで相手が不快になるって分かってるならそういう創作自体やめろよ 何で鍵かければ許されると思ってんの? 俺がその人だったら見えないところだろうとそんな...

    • ママンに「お前なんか産まなきゃ良かった」って言われたら即座に首を吊れと申すか

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