http://ipfbiz.com/archives/magicalstone.html
「ぷよぷよ通」を完コピしたオンライン対戦ゲーム「Magical Stone」がリリースされたけど、RMTやツール販売で得た金銭を著作権スレスレのラインに突っ込んでるゲームだという話で話題ですね。
怪文書的な話や著作権の問題はほかに任せるとして、私はぷよぷよ通のオンライン対戦の歴史をみなさんにわかりやすく教えたいと思います。
「2ちゃんねるのみんなでぷよぷよするぞ!」というスレッドが立ち、そこから開発がスタートしたフラッシュ版オンライン対戦ぷよぷよ通ゲーム、それがぷよぷよ2ちゃんねる。2002年開発。現在は閉鎖。
http://www26.atwiki.jp/puyowords/pages/161.html
フラッシュなので簡素な画面だが、ぷよぷよ通のルールの細かい再現度が高く、ユーザーも多かった。2ちゃんねる発祥なのでお察しだが、簡素な画面をぷよぷよ通の画像に差し替えるスキンも配布されており、黒に限りなく近いグレーのゲーム。
現在のぷよぷよプロゲーマーチーム「Samurai Frontier Gaming」に参加している「くまちょむ(kumachom)」「ALF」「kamestry」「Tom」は、ぷよぷよ2ちゃんねるユーザーでしたね。みなさん当時から同じハンドルネームでやってます。
「ぷよふら」のように、ぷよぷよ通再現Flashゲームはほかにも存在するが、ぷよぷよ2ちゃんねるが最も有名かつプレイヤー多数。
パソコンで対戦できるぷよぷよ。この作品からぷよぷよ通に足を踏みれた人も多い。セガから発売されたゲームで著作権的には真っ白。現在はオンライン対戦のサービス終了。
著作権的には真っ白だが、ぷよぷよフィーバーというゲームはぷよぷよ通とは細かいルールがゲーマーには重大なレベルで異なっている(例:ぷよぷよの配色の出方が~)。この作品によりぷよぷよ公式のオンライン対戦が整ったとも言えるため、ある程度の有名プレイヤーはこちらに居場所を変えたが、ぷよぷよ通の公式の対戦環境は依然として存在しないのもあり、ぷよぷよ2ちゃんねるは併存していた。
Wiiのバーチャルコンソールで、アーケード版のぷよぷよ通がオンライン対戦に対応して発売されました。現在はWiiのオンライン対戦機能は終了。
アーケード版のぷよぷよ通の公式エミュレーターなので、細かいルールの違いにうるさいゲーマーもこれにはにっこり。多くの人が楽しんだっぽいです、たぶん。なぜ曖昧かというと、オンライン機能が非常に貧弱で、ランダム対戦以外のロビー機能などをまったく備えておらず、同時接続数なども全然わからない代物だったからです。
対戦はできるけれどもシステムが貧弱なこのソフトは、Windows版ぷよぷよフィーバーと併存していました。ぷよぷよ2ちゃんねるはこの頃に消えました。
外国の人が開発したパソコン用オンライン対戦ぷよぷよ通ソフト。
(http://archive.is/giYZ2)の記事に「チームの運営者は株式会社FanGamesで代表取締役は上西恒輔である。株式会社FanGamesは esports-runner.com というe-sports関連の情報を扱っているサイトを2015年8月頃から運営していて、賞金付きゲーム大会などを開催している。」とあるけど、esports-runnerが開発者インタビュー記事を載せたりしている(http://esports-runner.com/puyopuyo/interview_france/)。
ぷよぷよ通でもっとも有名なプレイヤーmomokenもプレイを配信しており、ユーザー数は多い。
セガから発売されているため、これを使えば公式にぷよぷよ通のオンライン対戦ができる。
しかしロビー機能がやや貧弱、ランダム対戦機能は遅い、PS4とWiiUなどで相互にサーバーが分かれていて対戦できない、パソコン版がない……といった理由で、ユーザー数はそこまで多くない。
ぷよぷよ2ちゃんねるは数年前に閉鎖、Windows版ぷよぷよフィーバーはサービス終了、Wiiバーチャルコンソールアーケードぷよぷよ通も終了。ぷよぷよ通のオンライン対戦環境は、ぷよぷよVS2かぷよぷよテトリスに2分されているものの、どちらも盛り上がっているとまでは言い難かった。
そんな中でリリースされたMagical Stoneですが、ロビー機能の充実、マッチング早い、パソコンでプレイできて無料などの理由で、ぷよぷよ通プレイヤー(廃人層)は確実に移行します。
あとMagical Stoneは、ぷよぷよ通の完コピの精度が高いというのもあります、ぷよぷよ2ちゃんねるも高かったけれど、それ以上。
ぷよぷよ通ふつうにプレイされてる方にとっての完コピというと、連鎖できる、色が同じ……といった辺りを想像されるかもしれませんが、そうじゃなくて、ぷよを下に落とすまでの時間、接地時や連鎖時に次のぷよを動かせるようになるまでの硬直、得点計算の細かい方式や単位といった辺りの完コピです。
この記事は大したオチがないのでこんなところです。現在ぷよぷよプロゲーマーとなった人たちは、基本的にぷよぷよ2ちゃんねるかぷよぷよVS2のプレイヤーです。コピーゲームは悪だからプレイしないっ!なんてスタイルの人はゲーム廃人には居ないということです。
結局ぷよぷよ2ちゃんねるもぷよぷよVS2もセガに怒られたという話は聞かないので、セガが何もしないでなんとなくこのままという可能性がけっこうありそうに見えるんですけど、どうなんでしょうね。
※2016/0331/22:09追記
ぷよぷよシリーズはぷよぷよ通でルール的に完成していて、しかも一番おもしろいからです。もちろん他のぷよぷよを否定しませんが、廃人プレイヤーが一番多いのはぷよぷよ通(アーケード版)です。
システム的に一番大きな違いは、ゲームスピードだと思います。Windows版ぷよぷよフィーバーなどと比べると分かりやすいのですが、ぷよぷよ通はとにかく速いです。ゲームスピードが速い中で、的確に判断して連鎖して勝負するからシビれる内容になるわけです。
一番おもしろいのはぷよぷよ通(アーケード版)なので、オフライン対戦だといまでもアーケード版が使われています。そこが基準に「アーケード版ぷよぷよ通のようにおもしろいゲームをオンラインで対戦したい」と考える人がいた結果が上述の歴史ですね。
余談ですが、Magical Stone本家が「すばやく的確な状況判断が求められるeSportsモードと囲碁や将棋のようにじっくりと連鎖戦略を考えるターン制モードの2つからなる頭脳型対戦ゲーム。※ターン制モードは現在開発中。」(http://esports-runner.com/esrnews/magical-stone-release/)と言っているのは、ぷよぷよ通のゲームスピードが速いことの重要性をぷよぷよ廃人層が認識していることのあらわれでしょうね。廃人層はプレイ速度(盤面見て判断するスピード)がめっちゃ速いため、ぷよぷよ通そのものもターン制ゲームのようなものと捉えています。ぷよぷよ通を将棋に例えるのもよくある話です。
できるけど、ぷよぷよテトリス以上にプレイヤー数が少なくて、細かいルールも微妙です。セガ公式のソフトでオンライン対戦したいなら、現在はPS4版ぷよぷよテトリスが一番マシな状況です。
それだよ!問題とまで言わないけど、ぷよぷよ廃人プレイヤーが求めてるのはそこだよ。Magical Stoneは道義的問題や著作権はともかく、その問題(需要)に対応したソフトなんですよ。そしてその問題を解決するために、プロを含むほとんどのぷよぷよ廃人プレイヤーたちは何かしら真っ黒なソフトをプレイしていた経験があるということです。
ぷよ廃人達の間で細々とやってるだけならともかく、今回のはe-Sportsとして盛り上げちゃうゾとか言ってる辺りがさすがに怒りそうにも思える
そもそもなんでぷよぷよ通なんだ