2019-06-14

犬を安楽死させてやればよかった。

犬を安楽死させて後悔しているブログはよく見かけるけど、犬を安楽死させなかったことで後悔してる人っている?


今日、飼い犬の老犬が死んだ。

もう18才で、半年以上介護の末の死だった。

ただ、家族に看取られながら安らかに逝ったわけではない。

炎天下の中で水を求めて、苦しみながら死んだ。

安楽死させてやればよかったのだ。

しかし、いくら考えても、死に正しい答えなどない。

外飼いの犬の介護地獄

犬は三半規管を悪くして自力で起き上がれず、半年くらい寝たきりのオムツ生活だった。

水、エサも自力で口にできない。

水を注射器で吸い上げ、口元にもっていく。それを1日に数回しなければならなかった。

オムツ気持ち悪いのか、つけようとすると手足をバタバタさせて嫌がった。

でも、オムツをしないとコンクリートの上に糞尿がぶちまけられて掃除に1時間以上かかる。

そして糞尿にハエや虫がたかり、衛生状態が悪くなる。

嫌がる犬をなだめてオムツをつける。

オムツをしていても、大便はいつのまにかオムツの外にもれている。

そこにハエたかる。

暖かくなると犬にもハエが飛び回った。

世話をしに行くと、ハエ数匹がいっせいに飛び立っていった。

自分は虫が苦手なのでこれはこたえた。

さらに夏が近づくと、皮膚に卵を産み付けたハエの卵が孵化してウジになるだろう。

それをピンセットでひとつひとつ除去していくのだ、とどこかのブログに書いてあった。

介護をすると起こりうること

老化による吠え声も、家族を苦しめた。

中型犬なので、吠え声も大きく、苦しいのか甲高い声で吠えまくる。

夜鳴きもひどかった。

水をやっても、オムツをかえても、目が回って苦しいのだろう。

苦しいし、寂しいのだ、と犬好きの友達が言っていた。

そばにいて頭でもなでてやればいいのだろうが、1日中つきっきりで介護できる者はいなかった。

物理的にも、精神的にも、体力的にも、不可能だった。

聴覚過敏の私は、犬の鳴き声で頭がおかしくなりかけていた。

犬が鳴いていなくても犬の鳴き声がする。幻聴だった。

耳栓の上からヘッドホンをした。

目が覚めると犬が吠えている。

仕事を中断して、料理を中断して、食事を中断して、犬の世話をしなければならなかった。

寝不足不眠症になり、心身共に限界であった。

寝不足状態だと、攻撃的になるし、頭は働かないし、食欲もなくなり、IQが2くらいになるので本当によくない。

介護殺人乳児殺しが起こるメカニズムが手に取るようにわかってしまう。

他者ケアする能力がない者は、はやく介護現場育児現場から逃げ出してほしい。

同じく聴覚過敏の母も限界だった。

母は昔に病気をして痩せているので、中型犬でそこそこ大きい犬の世話をするのも一苦労のようだった。

夜中に吠えまくるので、寝不足仕事に行かなければならなかった。

自分の力で、水を飲めなくなった時は死ぬ時だ」と母は言う。

もう世話をするのが限界だった。母も私も。

自分時間を切り売りしてまで介護する余力がないのだ。

自分生活に疲れ切っている。





安楽死VS自然死

母や私の介護限界で、犬も生きているのが苦しそうで見ていてつらかった。

しかし、安楽死反対派の父親安楽死を何度も打診したが、すべて無視をされた。

父は、自分死ぬことや、自分の知っている命が死ぬのが怖いのである

家を出る覚悟もした。

犬を楽にさせ、父親と絶縁する覚悟もした。

最後に打診したのは、犬が死ぬ2日前くらいだった。



しかし、ツイッターでデスハラスメントがバズっていて、自分は死の押し付けをしているのかもしれない、と思い直した。

勝手に犬を安楽死させたら、自分お気持ちゴリ押し主張マン父親と同じ土俵に立つことになる」

「どれだけ劣悪な環境でも犬に生きる権利はあるかもしれないし、獣医に殺生の罪をかぶせるかもしれないし、死の押し付けでデスハラスメントになるかもしれない」

「けど、父親介護はお粗末だし、劣悪な環境で苦しんで死んでいくことが予想されるぞ」

そんなことをツイッターに書いた。

この2日後に、劣悪な環境の中で本当に死んでしまった。

脱水状態は、死ぬ時は頭の中がボーっとして気持ちよく死ねるというデータもあるけど、自分には楽に死んだようには見えなかった。

お別れを言ってから、安らかに眠るように死んでほしい。

これは、看取る側の意見だ。

看取られる側も、同じ意見だろう。

しかし、犬は苦しんで死んだように見えた。

吠えないように口輪の上からヒモグルグルヒモがこすれて赤い肉が見えて、ハエの卵をビッシリ生みつけられハエ数十匹ブンブンの中で、苦しんで泡を吐き、脱水で死んだ。

いや、死ぬから苦しんでいた。

ずっと苦しんでいた。

水をやっても、エサをやっても、動かない不自由な体に苦しんでいた。

苦しみを除去するために、安楽死があるのに。

適切にそれを使えなかったのだ。

父親気持ち忖度してしまったおかげで。

死についてめっちゃ考えてしま

死っていうのは綺麗なもんじゃない。

綺麗にパッケージされた死ばかり見せられてるけど、死んだらみんなハエブンブンなんだよな。

死ぬっていうのは本来、こういう残酷で惨めで惨たらしいものなんだろう。

そして、死には必ず苦しみが伴う。

でも、もっと苦痛を取り除いてやれる方法があったのではないか

父のやり方は、苦痛に目を向けず、息さえしていればいいという感じだった。

後悔している。安楽死で楽にさせてやれなかったことを、後悔している。

命日の2日前でも安楽死させてやればよかった。

でも、父も母も積極的安楽死反対派であり、父に関してはどんな惨めたらしい姿でも生かしておきたいようだった。

家族意見を押し切り、自分勝手安楽死させる罪までかぶれなかった。

犬は話せるわけではないので、犬の意見も聞けない。

でも、人間だってこんな状態になったら生きていたくないはずだ。

安楽死を行っている獣医に、相談すればよかった。

第三者意見客観的にあおぐべきだった。

正解がわからないし、苦しんで死んだ犬の死を背負って生きていく

今日は例によって睡眠リズムが狂っていて、目覚めたら15時だった。

暑い。喉がかわいている。ペットボトルの水を乱暴に口に流し込む。

犬に注射器で水をやらなければいけない。

母親はいるが、犬の世話はしていないだろう。

ベッドから起き上がれなかった。

犬に水をやりにいかなきゃいけないし、オムツも替えなきゃいけない。

でもハエブンブンの中で介護することで、その日の1日が最悪な感じで終了するのだった。

眠れなくなる、病む、自傷行為に走る、安楽死安楽死安楽死。昨日は安楽死について6時間くらいネットで調べていた。

自分お気持ち防衛しなきゃ、体が動かないな。動きたくない。

日記にそう書いてあった。

水をあげたらよかった、という気持ちと、水をやらずに死ねてよかったのだ、という気持ちが交互に襲ってくる。



犬が死んでしまった虚無感と、

7月に入る前に、卵が孵化しウジに変わる前に死ねてよかったのだ、という安心感と、

やっぱり安楽死させてやればよかったな、という後悔と、

もう世話をしなくていいのだ、という解放感と、

安楽死適用される犬にも安楽死を施しにくい遅れた文化への絶望感と、

安楽死最後まで反対し続けた父親への怒りと、

犬が死んでもなお、自分の死や家族の死について向き合わなければいけないしんどさと、

色んな負の感情がないまぜになっている。

何が正解だったのか、わからない。

これは、答えを出す作業ではない。

語ることで、傷を癒す作業である

犬、苦しかっただろうな。

ごめんな。

自分はこれから先、ペット子どもも持たないからな。

おまえのような被害者をこれ以上生産しないから。

問題点

文章にしてみてハッキリわかったのだが、これは、犬の介護問題だけではない。

自分ひとりで犬を飼っていたら、お別れを言って楽に旅立たせてあげられていたのだ。

自分が無力で、決定権が父親にあり、逆らえないがゆえに犬は苦しんで死んだ。

家族問題でもあったのだ。

母は「どうしたらよかったのか、家族で話し合いたい」と言っていたが、父は貝になったままだんまりを決め込んでいる。



犬の死に顔が頭に浮かんできてキツい。

当分、寝れずに悪夢をみるんだろうな。

ヒモグルグル、歯を食いしばって、目は濁っていて空洞の穴ぼこみたいだった。

体はまだ暖かかったが、蝋人形のように手足が硬直していた。

動いていた犬が、動かない時のあの心臓が冷えたような感じを、忘れられないだろう。

コンクリートの糞尿の掃除をしていると、父が会社から帰ってきた。

「お父さんが世話するから

いや、もう生きてないんだよ。



安らかな顔で逝かせられなかったことが心残りでしょうがない。

犬が死んで悲しい気持ち100点、父への憎しみ1万点、安楽死後進国文化の日本への怒り10億点、無力な自分への虚無感100億点ってかんじだ。



  • こっちが見えているものしかわからないし見えていてもわからない 何が正しいかわからない 別れはつらい 生きていてもつらい

  • まあ寿命の時期ではあるから自然死とも言えるんだろうが虐待されつつの死でもあるよなあ 両親そこそこ高齢だと思うけどその年齢になっても命に対しての責任感のなさと目をそらす姿...

    • 植松聖って、殺しちゃったしバカな主張だから 彼の主張を受け入れてはいけないって皆必死になるけど 一般人は見ることのない「無理やり生かされる残酷さ」を実際に見てるんだよなあ...

  • 安楽死を選択する必要があったというよりは、 自分で餌も食べらず水も飲めないのに、無理矢理に栄養と水分を与えていたことが、 苦しみを長引かせ自然で安らかな死を迎えられなかっ...

    • (人間の場合) 自分で食べらず水も飲めない者に対して、手出しせずに、死んでいくまでの期間をただ見守る。 という実践をしている人はいるのだろうか?簡単なことではない。 どの...

  • オランダではうつ病患者もカウンセリングの上で安楽死の同意が得られる。 日本人みたいに、「俺のそばに来たら迷惑だからこっちに来るな!でも死んだら不快だから安楽死はだめだ!...

  • うちの実家は、残酷なまでに自然死主義だったなぁ。。 貧しかったから、動物病院に行かせられる金が無かった。 だから、どんなにひどい状態になっても、自然に死ぬまでエサだけは...

  • 特に主張じゃないんだけど、思い出したこと書いていい? 「ハウス・オブ・カード」ってドラマで、第一話の冒頭、誰かの飼い犬が交通事故に遭うのね。 そこに政治家の主人公が通り掛...

  • あああああ〜〜…。あ〜〜…

  • 近所の外犬も死ぬ前毎日夜に哀れな鳴き方をしていてそれはもう可哀想だったな。 赤の他人には寂しい、悲しい、こんな所に一人締め出されて辛いって聞こえた。 猫じゃあるまいし、犬...

  • これを読んで辛くなったやつは 谷口ジローの「犬を飼う」を読んじゃ駄目だぞ、絶対だ!

  • 長々と書いたけれど、これが全てだろ。 >自分が無力で、決定権が父親にあり、逆らえないがゆえに犬は苦しんで死んだ。 自立することだ。 覚悟だよ。

  • 親の介護と比べてるけど、親は存在を選べないのに対して犬は飼う/飼わない選べるだろ。大前提として全く違う。なんで飼ったんだよ。 例え小型犬でも老犬の介護は大変なんだよ。それ...

  • ただの動物虐待。悲劇のヒロインぶってんじゃねーぞ。気持ち悪い。

  • 不快 匿名で長々と書いて不特定多数に発信して、少しは気持ちが晴れたか?でもお前がやったのは許されないことなんだよ 記事を消して一人でずっと悶々と悩み後悔し続けてろ

  • 獣医なり第三者に相談すべきだったと思う 父親へ1万点つけてるけどそれでも父親なんで結局介護になったりするんだよね 犬も老いるし人も老いる 老いるってのはどうしようもないこ...

  • 犬だけでなく、人間も酷い交通事故やくも膜下出血などの重病で倒れて辛くも一命を取り留めたその直後から見るのも恐ろしい苦しみの状態を見る事になる。 そういう状態の時、運よく...

  • 誰の決定で飼ったのだ? 父親ではないですか?父は逃げなかった。 介護とは死に向かい行く者の面倒を見る事。無力感は誰にでもつきものだ。 人の所有物となった時点で、犬にはもう...

  • どっちを選んでも後悔はあるんじゃないの

  • どちらを選んでも辛いよな。

  • 順位 全体順位 ブクマ数 タイトル 日付 備考 1 8 1597 「皆がこれ読んでたら読んでたら世の中もっと良くなるのに」本 07/16 2 14 ...

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