元増田です。あんど、かなり私見に満ちたレスになるのでそこは最初に申し訳ないと言っておきます。
ところで本題とは離れるが、「興味を持て」というアドバイス。これ、小さい頃から折に触れて言われるけども。
「他人に興味を持て」っていうのと「好きになれ」ってのは別のことだよ。
最終的に結果として好きになるってことはあるし、そうなると情報収集がはかどるってのは事実なんだけど、好きになる必要はない。むしろ、好きになろうとすれば面倒くさい(よって嫌気がさす)ので、好きになろうとしないほうが結果はうまくいく。
「他人に興味を持て」ってのは「好きになれ」という意味であるという前提で増田は悩んでるみたいだけど、「興味を持て」は、文字通り「興味を持て」でそれだけの意味なんだ。好悪とは関係ない。感情というよりも、実は、かなり技術的問題だ。今回はその技術を私見べったりで説明してみたいと思う。
まず、一番最初にチェックすべきなのは、自分の心身の健康だ。興味を持つってのはエネルギーを使うので、新進が健康じゃないと実行できないし、途中で疲れる。健康は大事だ。健康的でそこそこ余裕のある生活を送るべきなんだけど、それはほかにもたくさん記事があると思うので、そっちに譲る。いえるのは、週一くらいで目的もなく散歩だの自転車お出かけだのできる程度は、キープすべきだと思う。
次にマインドセットだ。
相手の人格とか性格とか個人に興味なんて持たなくていい。それは価値が低いし応用範囲も狭い。そもそも、好きな相手だったら、ノウハウも何も必要なく、魂の命じるままに相手に詳しくなっていくでしょう? 「興味を持とう」ってのは相手や物事に関心が無い場合か、どちらかといえば嫌いや苦手なものばかりな時に使う技術だ。にもかかわらず、行為を出発点にするなら、増田のはまっているワナ同様身動きできなくなるだけだ。
重ねて言うけれど、相手の人格や性格は入り口として不適当だ。同様の理由として、相手の趣味や、好きな芸能番組や、そういうのも、全部不適当だ。
じゃあどういう風にすればいいのか? ってことだけど、別の切り口から興味を持つべきだ。「やっている仕事(学問でもいい)」「出身地」「家族構成」だ。この三つは汎用性があって、興味をもてるし、広がりがある。
この切り口の素晴らしいところは、相手の人格と(とりあえずは)切り離されているという点だ。最初のとっかかりとしてはフラットともいえる。
たとえば「Aさんが嫌い。だけど(社会生活や人間関係を考えると)興味を持ってみるべきだとおもう」という状況で、「Aさんは布団の販売員」だったとして「布団の販売員は嫌い!」とは、普通ならない。たとえAさんが嫌いでも、全国の布団の販売員全員が嫌いなんてことは、ふつうないだろう。
布団の販売員という仕事にはそれなりに興味深い部分や面白いところは見つけられるはずだ。自分のやってる仕事と全く重ならない新しい発見かもしれないし、業界や業種を超えて似たような苦労をするという教官かもしれないけれど、ちゃんと話を聞けば布団の販売員は面白い。
どんな仕事でも、この世に存在するってことは、それなりの需要があって、そこに人間を配置する意味がある。ベルトコンベアの上で倒れたドモホルンリンクルを治す工場員だって、意味があるし、聞いてみれば、それなりのエピソードがあるはずだ。自分の知らない仕事の話は、たいてい楽しいし興味深い。もちろん全部が全部楽しいわけじゃないけれど、どこかしら、小さな部分であれ、興味が持てる部分がある(ないとしたら掘り下げが甘いとこの段階では思っておこう)。
似たような発想で「出身地」もある。例えば増田が東京生まれの東京育ちだとして、新潟出身の人の地元話は、知らないことや知ってることがあるだろう。給食や修学旅行の先が全く別かもしれないし、田舎暮らしという面白い経験を持ってるかもしれない。
家族構成もそうだ。兄弟姉妹の有無や、祖父祖母との同居など、誰もが抱えつつもバリエーションがあって、新しい発見があるというポイントが重要だ。
Aさんが嫌いだとしても「行き遅れの妹が家でニートしてる人全員キライ」とは、ふつうならない。その部分に興味を持つことはできるはずだ。
一方で「趣味の話」や「コレクションの話」なんてものは、一般にはお勧めの話題のように思われているが、実は相手に興味を持とうという段階では役に立たない。語ってるほうは気持ちいいかもしれないが、こちらはそもそもAさんに興味がないわけで、そこで趣味の話をされても、よほど話し上手でもなければ楽しめない。自分がその趣味の知識がなくてもつまらないし、たとえ知識があったとしてもわかってるうんちく語りなんて楽しいものじゃない。必要なのは「理解は十分にできるが実地の部分は知らない好奇心を持てる話題」なのだ。なので、お勧めは「やっている仕事」「出身地」「家族構成」だ。誰でもその三つは持ってるし、話を聞いてる最中、自分の似た経験と比較して考えたり質問したりできる。
一般的な仕事の人間関係や、学生のサークル関係、ご近所づきあいなどにおいて「相手に興味をもってよく見てみろよ」なんていうアドバイスの射程距離は、上記のレベルの好奇心や興味で十分だ。個人にたいする好き嫌いなんて関係ない。完全に社交技術とかマインドセットの問題で、やり方わかってれば確実にできる。
でもその先にももちろん道は続いている。
たとえば「いまいちいけ好かないAさん」がいたとしても「新潟出身の話をしてるAさん」や「布団販売員の話をしてるAさん」は、さほど嫌いにならないで済むかもしれない。
興味を持てるとっかかりが入手できれば、新しいAさん像にたどり着けるかもしれないのだ。
これは重要な点だ。そもそも、人間、ない面でも外面でもそんな一枚岩でぶれない存在じゃない。挨拶するたびに中身が入れ替わるけど顔が同じだから同一人物判定してる程度の、もやもやあいまいな存在だ。Aさんは嫌いだとしても、その一部分くらいは好きになれる。嫌いなAさんっていうのは、「まだ接点をうまく探せていない」だけだ。嫌ってるAさんは、Aさんの一部でしかない。
Aさんが自慢たらたらでおっぱいをじろじろ見てくる髪の毛の薄いハゲであるってのも、それはそれで事実であるかもしれないからだ(架空の人物に対してひどいなすみません)。
でも、だからといって、その理由で「Aさんのすべてが完全に興味の持てない最悪の屑である」保証はない、むしろ、どこかしらは面白い何かも含んでるんだろうな――って思ってたほうが、精神衛生上もいいし、話しかけるときのストレスも下がって得だ。「得だからやる」程度でいいんだ。好きにならなきゃいけないとか、いい子でいなきゃいけないとか、誠実でなきゃいけないとか、そんなの後回しでいい。最初は技術オンリーの人間理解でかまわない。
好きになるとか友人になるとか、この段階から見れば、まだまだずーっと先の話でいい。
まとめ
・興味を持つと好きになるは違う
・好きにならないまま損得で興味を持ってよいしそのほうがいい
・仕事、出身地、家族構成、世代あたりを切り口に相手の部分部分に興味を持てばよい
・全体としては嫌いでも一向にかまわない
以上です。
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