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はてなキーワード: 軍事基地とは

2016-06-03

北海道事件、いろいろ変だろ

一斉に、子供が助かって良かった、って結末でマスコミは終わらせようとしてるけど、これって、いろいろと変だろ。

ほんとに5分で放置して戻ってきて、子供行方が解らなくなるものなのか?

放置される直前、他人に石を投げて怒られるような子供が、6日も同じ場所でじっとしていられるのか?

自衛隊演習場て、銃や砲弾の射撃訓練なんかもやる場所じゃないのか?

自衛隊敷地内が、子供でも侵入しやす土地建物になってていいのか?危険場所子供簡単に入り込める事も問題だし、言わば軍事基地がそんなセキュリティでいいのか?

まぁ、子供が無事だったのは良かった。

けれど、

遭難者を捜索する側だって危険な目にあいながらも捜索するんだ。中には怪我する人間も出るし、二次遭難危険だってある。消防団人間が怪我すると、場合によっては本業が出来なくて失業する事もあるんだぞ。

出ている捜索隊の人数も日数も半端ない。どれだけ大勢にどれだけの迷惑をかけたのか、そこんところ、この親も子供も、十二分に理解すべきだ。

単に見つかって良かったね、で済ますきじゃない。

2015-07-31

中国米国軍事衝突は、東京オリンピックの裏で始まると思ったけど、もう少し早まりそうな感じだ。

アメリカは、要人周辺から中国へ強いメッセージを送り始めた。

このパターンは、米国が本気の時だ。

中国南沙諸島軍事基地開発をやめるかどうか。

これから注視する必要がある。

2014-05-15

http://anond.hatelabo.jp/20140515092408

今回の中国というか、いつもの中国にそこまでの思惑はあるだろうか。

基本姿勢として、アジア一帯は本来、華人の物くらいの傲慢さで、目の前の利権に手を伸ばしているだけではないか。

でも、だからこそ元増田が言うとおり全面戦争危険はあると思う。

軌道こそが危険なのだ

あくまで限定戦争しかないエリアの奪い合いが、さて、華人にはどう写るだろうか。

彼らは天誅くらいのつもりで過剰な攻撃をする。

限定的エリア防衛のために敵の軍事基地及びその支持基盤都市部)に攻撃を加えることもあり得る。

やられた方は、紛争に無関係地区を攻撃されたのだから

元増田が、いうとおり、見渡せば中国軍事的牽制できそうなアメリカ不景気から軍縮であえいでいる。

しかしたらまずい状況かもしれない。

2010-12-11

うん、そうだよねぇ…

どうしようか一晩悩んだが、やっぱり質問した以上、レスを返すのが礼儀じゃあないかと。…それが相手をメチャメチャ怒らせるのが判っていても。

ただ、どこまで行っても平行線以外あり得ないと思うので、この件について、当方からはこれきりにさせてもらう。書き逃げ御免、悪しからず。

『そうなんだけどさ…』を書いたのは、第一にまず不思議だったからだ。ゴミ焼却場や火葬場、その類いの施設であれば反対運動をここまでボロンチョ貶したりはしないはずだ。で、出た結論が、たぶん、障害者を潜在的なリスクと見做していない、ということ。あ、念のためあらかじめ書いておくけど、脅威度の評価と差別感情というのは別問題だからね。

id:mats3003 入居するよ。別にね。ちなみにうちには娘がいますが何か?

id:jaikel ううん、だからなに?としか。実例は見ているし、知っているし、実際近所にもいる。それがどうした、以上の感想はない。

こういうレスポンスが帰ってくるのは、自分の娘がいきなり抱きつかれるとか、そば歩いていた人間に突然殴られたりする可能性を考えていないから、何じゃないかと思う。突発事態が起きたとき対応できるように、視界の中に彼らが入ってきても、脳内マークして、視界の外に出るまで警戒レベルを少しだけ上げておく、みたいなこと、してないでしょ?原子力発電所軍事基地が嫌がられるのは、実害に加えて、日常生活におけるリスクを増大させるからでもある。障害者更正施設もそう。実際にその手のものが出来ると、その周辺地価は下落する。やくざさんの事務所が入ったビルと同じで。

で、反対の起きた場所はこういう施設がこれるくらいだから、もともと地価が低かったんだろうと思う。で、その地価を更に下げるようなことになって喜ぶ地主も住民もいない。

id:Ivan_Ivanobitch 家を貸して、自分たちは引っ越せばいい。これが自由主義。他人の引っ越しは排除してはいけない。これが自由主義

そこら辺を考えてないから出てくるコメントなんだろうと思う。毎日毎日、夜中にドッスンドッスン足音したり、歩いてるといきなり目の前にものが落ちてくるような家に好きこのんで越してくる物好きはいない。雨水なのかオシッコなのか判らない敷石の凹みのたまり水を避けて歩くのが楽しい、なんて人も。

で、これ。

id:washburn1975 差別, これはひどい 出たよ恒例の自称リアリスト。毎度毎度ツッこむのも疲れるんだけど、じゃあ自分子供自閉症だったら座敷牢にでも閉じ込めておくの? 自分自閉症だったら閉じ込めておいてほしいのか?

幸いにして隣のジェントルジャイアン君は外向きの性衝動が(割合)希薄自閉症児でガニメアン君のような知的障害児じゃあないから、直接的な性被害に遭う可能性は低いんだけど、ジェントルジャイアン君の感覚刺激に対する反応なんかによっては今後、彼が自慰行為に熱中する可能性がある。どの程度の可能性か、調べようもないし、俺はとてもじゃないが怖くて自分から聞く気にはなれない。で、先に書いたように我が家はすでにして座敷牢の中に位置しているわけだ。washburn1975さんには例えば、便所と庭の区別もつかないオナニー猿(そんなものには退化しないよな、ジェントルジャイアン君)と一緒の座敷牢の中に娘が閉込められている親の気持ちって判ってもらえるだろうか?

あるいは、自分の息子を座敷牢からでないように神経をすり減らしている親の気持ちを。

…ああ、書いてて自己嫌悪一杯だ。

差別イクナイ。差別者は悪。うん。ドロひっかぶらないとこでそう書くのは心理的なコストゼロしかも正しいこと言ってるという気分高揚というプラス効果もあるんだけど(同性愛者は何かが欠けているとか言い放っているのはアレ、やっぱり心理的コストゼロなんだろうか、信じ難いけど)、ドロと格闘してる側が見ると、なんか「清潔なのはいいよね、みなさん。でもみなさんもわざわざ汚れたくはないんでしょ?」とか言いたいたいな気分になるんだ。だからといって横からちょっとドロひっかけちゃってもいいって訳じゃないのは承知してる。ごめん。

ああ、それから

施設を受入れろっていう側は果してそれに伴う負担増を解消できるだけの体制を整えているんだろうか、本当に。以下、ご参考まで。

大倉山投げ落とし事件

http://anond.hatelabo.jp/20101210233537

http://anond.hatelabo.jp/20101211021647

http://anond.hatelabo.jp/20101210153318

やべえ。hatena記法間違えちゃったよ。返す返すもゴメン。

2010-09-26

中国日本人が拘束された件について

中国国内軍事基地に不法侵入したとされる日本人四人だが、

彼らはただの観光客などではない。

彼らは日本の準大手ゼネコンの「フジタ」の社員である。

フジタ内閣府から中国国内旧日本軍化学兵器関連工事を受注していて、そのビジネス中国入りしていたわけ。

そして工事地の調査をしていたところで拘束された。

俺は尖閣諸島日本船長を手放したことなどどうでもいいし、その件について中国を非難するつもりもない。

南沙の時と同じように漁船を尖兵にして領土をかすめ取っていくのも悪い方法ではないだろう。

外交ゲームだし、日本ダメプレイヤー中国が一歩上手だったと思うだけだ。

だけど、この中国のやり方には反吐がでる。

なぜよりにもよって、フジタ社員を拘束したのか。

内閣府―遺棄化学兵器関連事業

http://wwwa.cao.go.jp/acw/index.html

この事業は基本的に中国への善意から行われている事業なのだ。

日本戦後処理として当然のこと、と考えるむきもあろうが、それを加味したところで好意で行われていることには違いない。

中国としては、日本人を拘束できれば誰でも良かったわけで、一党独裁政権下の中国ではよりどりみどりだったはずだ。

別に観光客でもよかったろうし、トヨタあたりの社員買春容疑かなにかで拘束するのでも良かったのではないか。

しかし中国が選んだのは、中国人民のために遺棄化学兵器理事業を展開しようとしている日本人だった。

俺は中国のこのやり方に反吐がでる。

尖閣諸島でメンツを潰されたから、今度は日本のメンツを潰してやろう」と

別にほかの日本人でもよかったところを、日本政府の好意を土足で踏みにじる付加価値を拘束に求めたのだ。

日本謝罪と賠償をさんざん求めておきながら、日本が示した好意を踏みにじるようなことを平然とする。

そしてまた新たに謝罪と賠償を求める。(中国政府が反論「謝罪と賠償要求は当然」 http://news24.jp/articles/2010/09/26/10167465.html

厚顔無恥とはこのことではないか。

こちらから差し出した握手の手を、平気なツラでひっぱたき、家族人質にとり土下座を迫る。

外交はおままごとではないのだから、それが汚いとは言わない。

だがやり方があまりにも卑しい。

2009-10-03

イエーメンは、いまや第二のアル・カィーダ基地

南北イエーメンの統一から十九年、この国は無法地帯となった

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イエーメンというのは日本人にはなじみが薄い。

紀元前伝説の「シバの女王」が治めて栄えた。イエーメン航空の機内誌は「観光の魅力いっぱい」と特集記事。古き良きアラビアの港や村々や。。。。。。典型のアラブ文化遺産が残る(筆者も行ったことがありませんが)。

しかし南北統一後もイエーメンは国土の三分の二を政府がおさめることが出来ない。

そればかりか、外国人が立ち寄れるのは首都サヌア周辺のホンの一部地域だけ。六月に外国人観光客九名が拉致され(ドイツ人女性ふたり、韓国人女性ひとりを含む)、全員がバラバラ死体発見された。

自爆テロ外国人外交施設を狙ったテロが頻発、アデン港に寄港中の米駆逐艦も襲撃を受け(2000年)、米大使館正門爆破事件(2007年)もおきた。

2004年からスンニ派政府武器を補充しつつゲリラ(「ハウシス」と呼ばれる)と闘っているが、反政府武装勢力戦車を装備しており、シーア派の過激セクトスンニ派の過激セクトが混在、しかも内戦の間隙を悠然とぬって山岳、高原地帯ではアル・カィーダの秘密軍事基地が国内のあちこちにできた。軍事訓練を重ね、テロリストの出撃拠点化している。

イエーメン南部には石油精製基地があり、対岸のソマリア近海海賊行為。国土の水涸れが凄まじく、戦争をさけ、水を求める難民が数百万。UNICEFの活動もしばしば妨害される。

イエーメン政府の正面の敵は首都サヌアを荒らすゲリラ部隊で、辺境山岳にいるアルカィーダの討伐にまで手を出す余力がない状態。

しかしあと十年でサヌアさえも水涸れ、砂漠になると予測されており、男子海外へ出稼ぎにでるか、ゲリラになるしかなく、そういえばオサマ・ビン・ラディン母親はイエーメンの女性と言われる。

米軍情報筋によればアル・カィーダはイエーメン支部とサウジアラビア支部が合併し、世界からジハードの戦士を募っているという。米軍イラクアフガニスタンにかまけている間に過激武装勢力はさっさと拠点を引っ越していたわけだ。

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  「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

     平成21年(2009年)10月2日(金曜日

        通巻第2728号 

2009-09-19

西側からの援助はアフガニスタンの部族社会の闇に消えた

タリバンは一日8ドルで即席の兵隊を調達しているに過ぎない

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アフガニスタン大統領選挙投票率38%(前回は70%)、開票がおくれ、投票から一ヶ月以上が経過したのに、まだ当選が決まらない。

おそらくカルザイ大統領の再任となるだろうが、評判が凄まじいほどに悪いのは何故か。言うまでもなく汚職、諸外国からの援助の私物化。一族だけを要職に就け、利権を独占していることへの国民多数派からの怨嗟である。そのうえ部族対立というアフガニスタン社会構造の揺るがぬ基層がある。

▲「北部同盟」もマスード暗殺後、腐敗は酷くなっていた

英米は反ソ戦争で80年代に「北部同盟」を支援した。この縁が重なって北部同盟本質であるタジク人優先構造が尾を引く結果となった。タジク優先に反対するタリバンの多くはパシュトンと見られるからだ。アフガニスタンはパシュトンが半数近く、タジクは二割いるか、いないか。残りはウズベク、ハザラ人ほか多数の少数民族からなる。

たとえばアフガニスタン軍の構成である。副大統領候補のファヒム将軍はもっとも評判が悪いが、マスード司令官の後継と目されたこともあるタジク人だ。彼が退いてもタジク人の部下らが国防省を牛耳ることにかわりがない。軍幹部の殆どはタジク人(北部同盟)が掌握し、軍人の70%がタジク人で成立している。

「もしカルザイが再選されたら、躊躇なくタリバンに走る」と選挙中、南部を取材した欧米ジャーナリストNGO関係者が証言している。カルザイはパシュトンだが、タジクの軍事力を計測し、かれらと妥協して政権の綱渡りをしているに過ぎない、と。

そればかりではない。『アフガニスタンの闇』を書いたセリグ・ハリソンに依れば、「軍のみならす警察検察司法もタジクが牛耳る。だからタリバンというのは反米神学生定義するのは危険である。そうではない。パシュトンで反カルザイ、基本に流れるのは“反「北部同盟」感情”だ」。

現場から帰ったアメリカ人の証言も出そろった。「失業が最大のポイントタリバンやアルカィーダは失業若者に一日八ドルで即席兵士を雇用している。つまり”フリータータリバン!”(ラルフ・フォペズNGOアフガンに職を!」の創設者)。目前の小銭で俄兵士が調達できる。そんなのを相手に米国は年間500億ドルを費消している。

行政が機能していないのに「機能している振り」を演じているカルザイ大統領

アフガニスタン大統領選挙はむろん不正が横行し、十八歳以下でも年齢をいつわって投票した。南部ではタリバン投票ボイコットしたが、「カルザイ一族が任命した教師は、生徒全員にカルザイと書かせ、十八歳以下を大量に動員した。もっとも戸籍がない国だから投票なんてどうにでも操作できる。五年前にはイランパキスタンに逃れた難民にも投票権があった。今度は投票できなかった」(ハジナ・シージャン、NGOアフガン学校を」の代表、在米)

ましてカブールインテリは殆どが棄権した。インテリ層と学校卒の若者パキスタンイランへ就労の機会をもとめ、アフガニスタンを去った。

選挙舞台裏で『ボス交』があり、はじめからカルザイにきまってら。選挙茶番さ」(ミルワザ・アーマドザイ、「人権監視団体」幹事)。

アフガニスタン政府というが「政府」は名前ばかり、やっていることは汚職利権あさりと権力の乱用。西側の援助はどぶに捨てるのと同じであると現場をみてきたアメリカ人は言う。「カルザイ政権と連立する政党、団体をのぞけば、残りはタリバンだ」(ジョセフ・キーンズ・グッドウィン前NATO特別補佐官、ヘラルドトリビューン、9月17日)。

政府なるものは行政的にまったく機能しておらず、「学校道路病院も、そのための援助が来ているのに巨額は闇に消えていつまで待っても学校道路も出来ないのさ」と農民も失業者も口を揃えてアフガニスタン政府を批判している。それを支えてきた英米を暗に非難している。

▲泥沼から米国は這い上がれるのか?

アフガニスタン人口3300万人、このうち300万前後イランパキスタンに難民として住み着いている。アフガニスタンは34県、398郡、34000の村々から成立する部族国家。それこそ村が違えば、おなじ言語体系でも方言が違い、行政単位の郡が違えば民族が混在し、県が違えば民族が違うから言語根本的に違うモザイク状態。識字率世界最低レベル

それでも大部隊増派を謳うオバマ米国大統領日本鳩山某と同じで国際情勢に殆ど無知のようである。なぜか。戦略的にみれば、米国は01年911テロ事件いらい、イラクを含めての『反テロ戦争に年間7000億ドル国防費に回してきた。従来の平均が年間4000億ドルだから、過去八年で余計な金を年平均3000億ドルとおおざっぱに捉えても、合計2兆4000億ドル使った計算になる。

つまりそれだけ赤字国債が増え、それを中国日本サウジが購入してきた。そして米国経済のみかわ軍事力を弱体化させ、精神を萎縮させた。

これで米軍世界の警察官として、アジアに自由に展開する軍事的余裕がなくなれば、アジアで確実にヘゲモニーを掌握するであろう中国は、タリバン様々というパラドックスになる。

中国タリバンミサイルを売り、98年と01年の米艦からアルカィーダ軍事基地へのトマホーク攻撃の時は不発弾トマホークタリバンから買い、タリバン統治下では軍の光ファイバー通信網の工事を請け負い、そして現在戦争事態もなんのその、アフガニスタン最大の銅鉱山開発に乗り出した。

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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

     平成21年(2009年)9月17日(木曜日)参

        通巻第2717号 

2009-09-14

オバマ政権は「アフガン戦争は良い戦争」などと言って増派の最中だが

保守の代表的論客ジョージ・ウィルらがアフガン撤退を提唱

オバマ政権は「アフガン戦争は良い戦争」などと言って増派の最中だが。。。

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パキスタンの北東スワット渓谷はタリバン地盤だった。七月からパキスタン軍が猛攻を始め、二百万人の避難民がでた。作戦により1800名のタリバンが殺害されたという(アルジャジーラ、9月11日) 

パキスタン治安部隊とタリバン幹部との「和平会議」が九月初旬から開催されてきたが、会議八日目にタリバン上級幹部のムハムードカーンを拘束した。カーンには12万ドルの「懸賞金」がかかっていた。ギラニ・パキスタン首相は「これでスワット渓谷からタリバンは一掃された」と語った。

米国保守派の代表的論客として知られるジョージ・ウィルらはアフガニスタンからの撤退を主張しはじめた(ワシントンポスト、9月1日)。

たぶんに共和党民主党の党派論争が背景にあるが、徹底論の言い分は次の通り。

第一に八年前にアフガン空爆から開始されて地上戦のおり、お尋ね者のオサマ・ビン・ラディンは明確にアフガニスタンにいた。

しかしアルカィーダはその後、スーダン、イエーメンに拠点を移し替え、パキスタンアフガニスタンに残留するタリバン欧米諸国へテロ戦争を本格的に仕掛け直すとは考えにくい。タリバンはアルカィーダを見放した。

タリバンはもし欧米が撤退すればパシュトンの支配地域を奪回するだろうが、タジク、ウズベクの各部族は「それで元通りになるだけ」という醒めた認識であり、タリバンがたとえ勢力を挽回しても国内政治内ゲバが優先し、アル・カィーダに再び秘密軍事基地を提供することはないだろう。撤退に反対する人たちがいう「テロリストの陣地が再活性化する恐れ」は、すくなくともアフガニスタンではなくなる。

第二にオバマブッシュ政権との違いを浮き出すために「アフガニスタン戦争は良い戦争」であり、「イラクは悪い戦争」だと党派宣伝に使っている。この政治要素を割り引くと欧米がこれ以上彼の地に駐留しつづける理由は希薄である。アル・カィーダそのものが他の地域へ軍事拠点を移行してアフガニスタンの使い道を捨てた。

第三にアフガニスタンにおける戦闘は戦闘行為ではあっても戦争ではない。アフガニスタンインフラ建設が進み、民主化も徐々に達成されつつあり、これから西側社会軍事的脅威になるとも考えにくい。最後の最後まで米国精鋭部隊を注ぎ込んで闘う価値を見いだせない。

撤退は欧米の敗北と錯覚されがちだが、欧米軍の撤退は、むしろイランインドなど周辺諸国への緊張をもたらすだろうから世界展望から言えば米国の負担は劇的に軽減される。

▲罌粟栽培も劇的な現象を示している

タリバンの資金源と見られた麻薬ビジネスだが、取り締まりの強化、密輸グループの大量摘発、教育の成果などにより、栽培面積が2007年をピークに減少(国連麻薬犯罪局、9月2日発表)しており、193000ヘクタール(07年)が123000ヘクタール(09年)へ。推定生産量も8200トン(同)から09年推定は6900トン

全体の60%近くがもっとも危険ヘルマンド地区、16%がカンダハル地方生産されている。

アフガン政府は罌粟畑の減反奨励金をだすなどし、また英米精鋭部隊ヘルマンド、カンダハル地方で罌粟畑を破壊するばかりか倉庫を焼却し、夏からの作戦ではすでに50トンの罌粟、7トンのモルヒネ、15トンのヘロインを押収、27の製造施設を破壊した。

世界的な罌粟の値下がりを受け、仲買人は取り締まりが厳しくなったアフガニスタンを避けるようになった。もうひとつの理由はアフガニスタンが罌粟栽培を「やりすぎ」たことである。世界需要は1900トン、それなのにアフガニスタンは他に産業もなく手っ取り早く現金になるとばかりに6900トンを生産し、値崩れを自ら誘発した。

このため麻薬グループ価格カルテルを形成し、備蓄が一万トンあると見積もられており「生産量が激減しているのは市場原理から当然、生産はいずれ持ち直す」とする分析もある。

アフガン情勢、まだまだ険呑。

宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 

     平成21年(2009年)9月14日(月曜日

        通巻第2711号

2009-07-10

「7・5新彊事件」が暴いた権力闘争の醜態

新彊利権構造にメスを入れようとした団派を江沢民派が強く妨害

9・11テロ事件」に由来するかのように新彊ウィグル自治区騒擾を「7・5新彊事件」と多くの華字紙が命名し始めた。

民族対立の根深さが露呈したが、一方において中央の権力闘争がある。

その醜悪な側面はこうである。

すでに小誌が分析したように「新彊覇王」こと、王楽泉・党書記は腐敗の象徴、新彊のプロジェクト利権を総覧し、政敵をばったばったと倒し、山東省閥で周囲を固めた。北京五輪前後から、そのあまりの腐敗ぶりを「団派」(胡錦涛主席の出身母体)が攻撃目標としてきた。

胡の右腕・李克強(政治局員)は手勢の秘書軍団のなかで、ふたりの副官のスキャンダルを賀国強に握られ、胡錦涛が不在中に賀ら上海派は習近平ら太子党と組んで、李を追い詰める手はずが組まれていた(博訊新聞網、7月9日)。

このスキャンダル情報温家宝首相側近からもたらされ、内蒙古赤嶺山西省臨分、遼寧省本渓、黒竜江省鶏西などの銀行口座に李克強の手勢らの不正蓄財の口座の証拠が挙がっているという。

表面的には広東省書記の王洋と新彊ウィグル自治区の王楽泉との対立があり、このバランスを崩すためにも、不正蓄財の材料は、それがでっち上げであれ何であれ、重要ファクター、一気に政局を変えることが出来る。

かつて1979年、トウ小平四人組追い落としのために葉剣英、華国鋒の力を梃子とした。89年天安門事件は李鵬ら守旧派にとって、目の上のたんこぶ=趙紫陽追い落としの絶好の機会を与えてくれた。

上海江沢民残党」「広東の反王洋(アンチ団派)」が、この場合、呉越同舟した。

江沢民に近い王楽泉のポストを守り、むしろ厄介者の王洋を失脚させる。そのためにはスキャンダルでっち上げてでも、李克強の政治力を弱める。そして胡錦涛イタリアのG8サミットに出かけた隙を突いて、留守番チームが団派の政治力をそぎ落とすという筋書きだった。

公安筋を牛耳る周永庚も、どちらかと言えば上海派である。

上海派が張り巡らした利権構造上海メガロポリスから北京中南海をも猖獗し、正義より腐敗を、公正より不正を愛する権力亡者らが党の権威を嵩に、やりたい放題の金儲けに没頭してきた。

上海派のモットーは「何事も政治的事件がおこらず平穏にカネを稼ぐ」。

正義感の残る団派の若手にとっては許し難い奴らである。

王楽泉が蓄財した金額は天文学的であり、新彊ウィグル自治区の武警、軍はもとより党組織の末端細胞にまで腐敗のお裾分けが配られ、あたかも王楽泉の私党、私軍とまで言われるほどだった。

9日、胡錦涛北京に帰国し、九人の政治常務委員全員が出席するという異例の会議が開催された。

東トルキスタン独立は夢か

新彊ウイグル自治区歴史的にも文化的にも文明的にも、もともとウィグル人の土地であり、1944年から1949年まで「東トルキスタン」という独立国だった。

中国植民地獲得を目的東トルキスタンに侵略し、ウィグル指導者宗教指導者多数を殺戮し、新たに漢族の入植を政策的に進めた。

東トルキスタン独立死滅せられ、「新彊」という土地名がつけられた。新しい辺境、という意味である。

侵略軍は1949年から53年にかけて新彊に進駐し、農地を開墾してそこにどっかと居座る。この駐屯部隊は北京天津江蘇省湖南省そして山東省の兵隊から成り立っており、合計33万人の軍隊が駐屯を開始した。

以後、1962年から66年にかけては上海若者およそ十五万人が送られた。

他方、1949年から1984年にかけて、300万の漢族ほかの異民族が移住し、ウィグル自治区の北部一帯をしめる。シルクロードの北側、天山山脈の雪解け水に恵まれ、古くからオアシスが多い。当時、新彊ウィグル自治区人口は約1000万人。三分の一が漢族となった。

ただし新彊ウィグル自治区の南方は土着の民が多く、漢族の入植はきわめて少ない。理由は核実験場と、工業化に向かない土地だから。

98年からの西部開発政府プロジェクトは、この北部の漢族居住区が対象とされ、ガス、石油開発、高速道、橋梁鉄道、官舎、駅舎などのプロジェクト漢族企業が独占し、ウィグルの民は農業に従事しているだけだった。新田開発も、移住してきた漢族にのみ供与された。

ウィグル農民と漢族の都会生活者との所得格差はますます開いた。

警察、軍、金融銀行石油化学、ガス、行政組織教職等々、近代化に必要な職種はほぼ漢族が手中とした。

ウィグルの民には現場労働やリキシャ、個人商店、羊肉レストランいがい、進出できる職場もなく、まして教育現場北京語強要され、ウィグル語しか喋れないウィグル人は教師の職も追われた。

「とくに原油、ガス、石油化学従業員にはひとりのウィグル族もいない」(BOXUNNEWS、7月7日付け)。

アルカィーダやアラブイスラム原理主義過激派は、貧困が原因である。

ウィグルから多くの若者国境を越えてアフガニスタン入りし、アルカィーダの秘密軍事基地で訓練をうけていた。

新彊ウィグル自治区のウルムチ市内は戒厳令下、街は静寂を取り戻した。街のいたるところに軍隊が駐屯して目を光らせている。力による平定。これが平静である。

それが如何に表面的なことかは共産党自身が知っている。

2009-06-04

グレートゲームの大激変、米国オバマ政権、闘う前に敗れたり。

イランのガスはパキスタンから中国ルートが確定、米国勢は敗退

▲第一幕 イラン悪魔、でもタリバン交渉相手だった

 

そもそもの新グレートゲームの始まりはクリントン政権のときである。

中東から南アジアにかけての資源争奪戦争冷戦後新しい局面を迎えていた。

ユノカル」は米国石油メジャーの後発企業で、カリフォルニアが地盤、ただし海外に鉱区の開発権を多く抱える。米国内での政治コネクションが薄く、主流のメジャー共和党系が多いため、ユノカル民主党を頼った。

出発からボタンの掛け違いだったかも知れない。

クリントン大統領ホワイトハウスに実習生モニカ・ルインスキーを招き入れ、情事にふけっていた。

後日、大統領弾劾裁判において、「あれは挿入していないからセックスではない」ととてつもない言い逃れの詭弁クリントンは危機を切り抜けた。

そんなおりに遠路はるばるとアフガニスタンから珍客があった。タリバン幹部である。

要件はなにか。

トルクメニスタンのガスを、アフガニスタン経由でパキスタンの港へ運ぶ。総延長1560キロのパイプラインを敷設する。これをユノカルが主導する。

米国を引きつけた魅力の第一は、このルートは「悪魔」のイランを通過しないこと。

第二にロシアを通過しないこと。クリントンは乗った。

ソ連崩壊後、世界帝国の輝きを取り戻したかの錯覚のなかに米国は酔った。

クリントン政権はこのプロジェクトに前向きで、カリフォルニアメジャーユノカル」はトルクメニスタンアフガニスタンを根回しし、それからパキスタンから分岐してインドへも輸出ルートを追加でつなげようとインドを訪問した。

インド工業化を急ぎ、ガスは必需品、プロジェクトに乗ってきた。

これをトルクメニスタンアフガニスタンパキスタンインドの頭文字をとって「TAPI」という。

直後、タリバン系アルカィーダがタンザニアなどの米国大使館を襲撃し数百の犠牲がでた。

クリントンは激怒し、ただちに報復としてインド洋上の米艦からトマホークミサイルを五十発、アフガニスタンのアルカィーダ軍事基地にお見舞いした。

当時、カブールタリバン政権に協力して電話工事をしていたのは、中国企業だった。不発弾トマホーク中国タリバン政府から買った。

もちろん1560キロのパイプラインプロジェクト[TAPI]はご破算になった。

▲第二幕 NATOの勝利が上海シックスを刺激した

01年9月11日、NY貿易センタービルワシントンDCのペンタゴンが、テロリストの奇襲を受けた。ブッシュ大統領はただちにアフガニスタンへの空爆準備に入り、まずはロシアを口説いた。

旧ソ連衛星圏のカザフ、ウズベク、キルギス、タジク上空を通過して爆撃機は飛んだ。

米本土からは長距離爆撃機ウクライナ上空をかすめ、NATOトルコ基地から旧ソ連イスラム国家の上空を飛んだ。

そればかりか世俗イスラム国家となったウズベキスタンキルギスンは空軍基地米軍に貸与し、タジキスタンには訓練基地パキスタンも四つの空軍基地を貸した。

この時点での図式は米軍NATOの大勝利だった。

グレートゲームの変質を知覚していなかった。表面的に米軍の装備が優れていたため、地上戦ゲリラ戦抵抗をかるく想定してしまった。

仇敵ロシアとその配下だった国々がテロ撲滅戦争に協力するという目的米軍NATOの活動を支援したことも見通しを曇らせた。

そしてアフガニスタンに米傀儡のカルザイ政権が発足し、カブールにしか統治が及ばない新生アフガニスタン誕生した。

一応は合法政権ゆえに外交権をもつ。

ユノカルは、「あの話」(TAPI)を復活した。カルザイ政権発足直後にトルクメニスタンアフガニスタンパキスタンの三カ国は、例のパイプライン敷設プロジェクトで正式に合意した。

これを不快に見ていたのは第一にイラン、第二にロシア、そして第三が中国である。

密かな反撃が準備された。

イラン中国と密かに武器輸入などを交換条件として、ガス鉱区を与え、さらには25年の長期契約でガス輸出を許可していた。イラン中国からえるものは武器と核技術である。

中国上海シックスの主導権をもつが加盟六ケ国(中ロ、カザフ、キルギス、ウズベク、タジク)にオブザーバーとして、イランインドパキスタンモンゴルを加え、あたかもNATOに対抗するかのような、東側の軍事盟主の立場を確保し始めた。

解体されたワルシャワ機構に変わるものとしてロシアは「全欧安保」を言いつのり、CIS間では個別あるいは集団的安全保障条約を結んだが、バルト三国グルジアと、そしてトルクメニスタンが加わらなかった。

プーチンはがむしゃらにロシア帝国の栄光の復活を夢見て、バルト三国ウクライナへのガス供給をとめ、グルジアには戦争を仕掛けた。

同時に欧州ロシアルート一本のガス供給ルートを多角化するためにナブッコ、ジェイハン・ルート建設を始めるや、同時に対抗して北方ルート黒海ルートを提示して欧州を揺さぶっていた。

とくにオーストラリアブルガリアドイツにはそれぞれが薔薇色のシナリオを提示し、欧州の団結をそぎ、利益誘導型で西側の分断パイプライン建設を妨害する。

 

▲第三幕 「中東金正日」=ニヤゾフ大統領の怪死

トルクメニスタン独裁者が「突如」死んだ。

トルクメニスタン砂漠の国だがイランやクエートの匹敵するほどの天然ガス埋蔵があり、いまのところ地政学的にロシア流通依存せざるを得ない。

だからこそニヤゾフ大統領はガス輸出の多角化に乗り気でアフガニスタンルートの開発が急がれた。これを“脱ロシア”化と捉えるモスクワ不愉快である。

 

ニヤゾフが突如急逝、主治医ドイツ人は前日に逃亡していた。

直後、トルクメニスタンの中立路線は変更となり、新政権はややロシア寄りに外交姿勢を修復した。

そして延々と中国へ輸出される総延長7000キロものガス・パイプライン敷設工事が始まり、TAPI・ルートへの比重は軽くなった。

いや、というよりも投げやりになった。

(所詮、アフガニスタン戦争は片付かない。パキスタンは所詮、米国にはつかない)。

つまり米国事実上の敗北が見えた。

トルクメニスタンは変心した。

イランはこの機会を待ち望んでいた。

もともと内陸部のトルクメニスタンアフガニスタンを経由して、パキスタンの港を目指すというユノカル案は、「イラン回避」ルートである。

米国イラン悪魔と呼びつつけた。

だとすればイランはガス油田から運搬ルートを南下させ、南の港へパイプラインを敷設していた。全長900キロのうち、残すところはあと250キロ。

地図凝視していただきたい。この地点からパキスタンのグァイダール港は「となり」なのである。

中国は古くから、この地政学的利点に目をつけた。

すでにパキスタンムシャラフ政権のときから、治安の悪いバルチスタン地域に中郷は労働者を運び込んで道路建設し、資材を運び、グァイダール港を近代的港湾設備を持ったものに改築してきた。

つまりイランからパキスタンの隣町へ運ばれるガスを、この地で精製し、パイプラインパキスタン西安から北東へ貫き、しかもインドへは分岐せず、この点でイラン中国パキスタンの利害は完全に一致した。

これが「IPCルートと呼ばれる。

▲第四幕 パキスタンイラン反米

パキスタンは白昼堂々の裏切りを演じた(ここで「裏切り」と穏当でない語彙を用いるのは米国契約概念からみれば、そういうニュアンスだから)。

五月下旬にパキスタンイラン契約したのだ。

中国が最終ユーザーとなり、中国パキスタンがともに天敵であるインドへは分岐しない。

パキスタン西端に位置するグァイダール港は、すでに中国資本技術をもって港湾のかたちをなしており、大々的改築(新築に近い)が進み、アラビア海に面する深海は将来、中国海軍の原潜基地になりうる。

げんに中国の六隻の軍艦アラビア海ソマリア沖の海賊退治に参加している。

パキスタンから中国への高速道路も着々と工事がすすみ、嘗てのカラコルム・ハイウエィは完成しているため、ガスの運輸ルートはこれに添ってパイプラインを敷設すれば良いのだ。

中国がこのルートに執着するのはマラッカ海峡への依存度を低減させるためで、ほかにもアンダマン沖合のガス田から(開発成功後は)ミャンマーを南北に貫くパイプライン建設して、マラッカ海峡への依存度をさらに激減させる計画がある。

中国にとっては、ユノカル買収を土壇場で拒否された米国への心理的復讐劇にもなる。

パキスタンはこのパイプライン通貨収入を年間五億ドルと想定、つまりこれをAPAI計画では、アフガニスタンがもともと受け取る予定だったのだが。

イランパキスタンとの正式調印はイラン大統領選挙の直後に盛大にテヘランで開催される(アジアタイムズ、5月27日、6月3日付け)

敗者はインドアフガニスタン米国、勝者はイランパキスタン中国

くそ笑んだのはロシア、臍を噛んだのはトルクメニスタン、そして日本はいつものように、こうしたグレートゲームの変質さえ知らず、ユウセイの人事とか、セシュウ制とか、およそ世界現実とは無縁の矮小な論議にエネルギーを費やしている。

2009-04-06

テロの温床=スーダンにある「もうひとつの闇」

中国武器のほかにイランが提供したロケット砲の工場が稼働

アフガニスタン軍事基地や施設が米軍によって空爆され、タリバン政権が崩壊、アルカィーダはイェーメンからスーダンへ逃げた。2001年暮れのことである。

どうやらテロリストらは陸路、イランへ潜入し、イランイスラムコネクションを経由して次の拠点に向かったらしい。

それはスーダンだった。

昨年来、イスラエルガザから打ち込まれるロケットの襲撃に悩まされた。

4月5日、北朝鮮が発射したミサイル日本の上空を通過した。あれが日本ばんばん打ち込まれたらどうするか。実際にイスラエルは、毎日のようにガザからミサイルを撃ち込まれた。

報復にでたイスラエル戦車を投入したのも主権行為として当然だろう。

ハマスが撃ち込んだミサイルは、エジプトから秘密トンネルを通じて大量の武器ガザに持ちこまれていたものである。

イランからイェーメンを経由してスーダンの沿岸部ポート・オブ・スーダンに集荷され、そこからエジプト密輸されていた事実イスラエル情報機関「モサッド」が把握した(英誌『エコノミスト』、09年4月4日号)。

一月下旬、ポート・オブ・スーダンを出航した23隻の小型船が、おそらくイスラエル空軍機によって爆撃され、沈没した。

これらの船舶にはイラン武器が大量に積まれていた。

イスラエル空軍機の練度の良さは世界がしっているように、81年にはイラクオシラ原子炉を襲い破壊した。2007年にはシリア建設途中だった原子炉北朝鮮技術)を破壊した。

この武器密輸船舶の沈没事件以後、ハマスロケット砲攻撃は数週間、なりを潜めた。

イラン製ラジャ・ロケットは射程距離40キロ。

スーダンイスラム革命政権の後ろ盾はテヘランだった

ここで歴史を振り返る。

スーダンのバシル独裁政権は、背後にイランの策動があった。1989年、スーダンは、イラン革命防衛隊にクーデタの方法を学んだハッサン・アル・ツラビ師によって策定され、バシルは軍事権力を、ツラビ師はアヤトラ・ホメイニ師スーダン版になる予定だった。

スーダン革命成功後、当時のラフサンジャニ(イラン大統領は157名の大型使節団を率いてハルツームを訪問した。1991年だった。

「テヘラン―ハルツーム枢軸」が形成された。

レバノンヒズボラに軍事訓練を施してきたハッサン・アズダが、以後、ハルツームに送り込まれた。ハルツームの北側にはイランの肝いりで武器工場がつくられ、いまやスーダンアフリカ第三位の武器大国ともなっている。

08年にはイラン国防相がハルツームを四日間にわたって訪問し軍事技術協力、軍事訓練などの協定に署名した。国連イラン制裁に断固反対する側にスーダンがおり、スーダンのバシル大統領国際法廷喚問にはイランが断固、反対票を投じるという両国の蜜月関係は密接に続いている。

ダルフールの虐殺に武器供与して間接的に手を貸したのは北京だけではなかった。

中国イラン存在は、スーダン独裁政権の背後に拡がる闇に透けて見える。

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