2019-03-16

公立不登校落ちこぼれだった妹が東京大学合格した

先日、妹が大学合格した。

印象的な出来事だったので、ネットの海のどこかに残してみたいと思った。この場のことは代名詞増田さんなことくらいしか知らないが、唐突自分語りをしても許されそうなのでここに書くことにする。

妹と私は年が離れており、私は妹の生まれた時から姉と母親中間みたいな立場で妹の成長を見守ってきた。

幼い頃の妹は、子供らしくて可愛い子だったけれど、あまり要領の良い方ではなく、優等生タイプだった私としてはヒヤヒヤすることが多かった。たとえば、自分から率先してクラスの中心にいる意地悪な女の子取り巻きになって、何でも借りパクされてしまうような子だった。

この頃から成績は良くなく、田舎公立小学校テストでも平気でひどい点をとっていた。妹曰く「提出さえすれば自由時間になるから半分は解かずに出してた」とのことだったが、それを差し引いても何をどこまで理解していたのかはわからない。たぶん人間関係的に、良い点を取らない方が便利だったのだろうと思う。

そんな妹は、地元中学校に入ってから、当然のように性格の悪い女の子取り巻きになって媚びへつらうようになってしまった。成績は5教科で280点くらい。そして、案の定といっては可哀想だが、ひどいいじめに巻き込まれ不登校になってしまった。

このとき私はちょうど東京国立大学合格一人暮らしを始めたところだったのだが、電話で親と話しながら妹の気持ちと将来を思うと、心がヒリヒリした。妹の体験と比べたら大したものではないが、自分にも荒んだ公立中学校独特の空気の中で、自己肯定感を失っていく気持ちには身に覚えがあった。

妹が幸運だったのは、両親が進歩的な考えの持ち主だったことだろう。

保健室登校で今の学校に通ったらどうかと言う私や学校教師意見無視し、両親は妹を不登校児の集まる遠方の私立中学にさっさと転校させてしまった。とにかく制服が可愛く、規則が緩い学校だった。集合写真を見ると、男子生徒の地味さと女子生徒の派手さがアンバランスな程際立っていて、私は「こんなのいかにもじゃないか」と心配した。

しかし、妹は、この特殊学校への転校という大きな賭けに勝ったようだった。半ばカウンセラーのような先生方と一緒に時間をかけて精神回復させ、1年ほどすると転校前の同級生がいない遠方の遊び場になら外出出来るようにもなった。

また、この頃から、いつかは昔の同級生を見返してやりたいと思うようになったようで、美容勉強を頑張るようになった。特に勉強に関しては、多くの同級生通信制定時制高校に進学する中、普通科高校に行きたいと強く希望した。当初の妹は不登校時代ブランクのため中3頭になってもbe動詞活用だとかx^2-4=0の因数分解だとかが分かっていなかったのだが、元が低いだけにやる気になってからはぐんぐん伸びた。そして、進学校ではないものの、偏差値60弱くらいの私立高校の進学系のコースに最低点で滑り込んだ。なぜ最下位なのを知っているかと言うと、入学後に先生から異例の二者面談を組まれ、激励されたからだ。

そこからの妹は一層、人が変わったようだった。「JKっぽい遊びは中学でもうこりごり」とばかりに、不登校時代にやっていた痛いSNSネット上の囲いも捨て、半ば遊びだった彼氏もいなくなり、字が綺麗になり、プリクラが減り、電車内で英単語帳を読むような高校生になった。高校レベルクラスも、半年で1番下から1番上まで上がり、これには両親と私も驚いた。

特にビリギャルに倣ったのだろうが高1高2では英語ばかりを熱心に勉強していた。英語系の塾にも通い出し、1年ほどで当時TOEIC800点の大学院生だった私をゆうに追い越してしまった。中学まで不勉強だった名残で、英単語帳に出てくる日本語単語の方を知らない、漢字が読めないということが多発し、英語の語彙が増えるに連れて日常会話がルー大柴化した。その後、次第に英語以外も徐々に勉強するようになり、成績はうなぎのぼりだった。もちろん本人の中では、伸び悩んだり、不安になったりすることもたくさんあったそうだが、側から見ていると面白いほどに成長していた。志望大学もどんどん上がっていった。

そしてこの春、妹は通常より1年余分にかかったものの、早慶MARCHの滑り止め受験校3校をすべて合格したのち、晴れて第一志望の大学に進学する。妹は「これでようやくお姉ちゃんと肩を並べられるわ~。姉が○大生とか、これまでは人に言えなかったんだからね」と言った。

からすると、どん底から這い上がってきた妹の方が、とっくに自分よりすごいと思っていたので、妹がまだそんなことを思っていたことに驚いた。でも、自分プレッシャーになっていたと同時に、ひとつの道しるべにもなっていたようでそれは嬉しい。

もともと地頭が良かったんだろうとか、親に金があったからできたことだとか思う人もいるかもしれない。また、大学合格なんてまだ単にスタートラインに立っただけじゃないか、まだ何も終わってないぞという指摘があるかもしれない。ごもっともだ。それでも、私はここまで来た妹の努力がすごく誇らしいのだ。

この先の人生私たち出身地田舎じゃできないことをたくさんしていってね。姉はあなたのことを応援しています

増田より

  • うんち

  • IMAKITAで5行に要約 先日、妹が大学に合格した。 そこからの妹は一層、人が変わったようだった。 姉からすると、どん底から這い上がってきた妹の方が、とっくに自分よりすごいと思っ...

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