はてなキーワード: 428~封鎖された渋谷で~とは
私はゲーマーである。最近では据え置きゲームをプレイする時間が無い為専らソシャゲ専門である。ただし、昨今売り上げトップクラスのゲームぐらいにしか手は出せていない。
私は本をたまに読む。現代の流行作家も好きだが、芥川龍之介氏や泉鏡花氏、太宰治氏の美しい文体に夢中になったり、吉川英治氏の宮本武蔵を読み、力だけの強さではなく精神の強さの高みに至るにはと考えさせられ、武者小路実篤氏の晩年の随筆を拝見し人間の老いとそれでも書くという意思を貫いた氏に敬服したりといった具合の文学研究者には程遠いレベルの本好きである。
それを踏まえた上で、昨今見聞きした件での所感を綴ろうと思う。
「文豪とアルケミスト」とはDMMゲームスより配信されているユーザー100万人突破、DMMランキング11位(本日19:00現在)Game-iの平均ランキング322位(売上予想131万円)の人気のある女性向けソーシャルゲームがある。世界観担当をイシイジロウ氏(代表作は2008年の「428~封鎖された渋谷で~」今後「新サクラ大戦」にも参加されるらしい)プロデューサーを谷口晃平氏が担当し、金沢で製作されている。
さて、この「文豪とアルケミスト」のゲーム内では文豪が実名でキャラクター化しており、ゲームの中のイラストの美男子達が芥川龍之介氏や太宰治氏を名乗っている。いや、それはいい。ご遺族にご挨拶して許可を事前に取っているのならそれは全然構わないと思う。そしてその文豪達を強くする為に召装という物が必要になってくる。それら召装には文豪の私生活や遊んでる風景などが描かれる。また文豪の衣装を変えられる権利も手に入れられる。もちろん無料ではない。世に言うガチャである。
さて、このガチャで2019/2/21に配信された「猫町ノ幻燈」でとある問題が発生した。召装イラスト内に於ける萩原朔太郎の着用しているお面が個人クリエーターである和兎庵氏(以下クリエーター様)がデザインし販売している猫面とデザインが同一であるという点である。
発見したのは某匿名掲示板で文豪とアルケミストを見守っていた方々と、皮肉にも文豪とアルケミストに対して疑問符を抱いていた人達であり、すぐにまとめがtogetterにて作られた
この事はすぐにクリエイター様の所に伝わり、早速問い合わせをし、弁護士にも依頼したという。これを受けてユーザーの中にもそれなりの人数の問い合わせをした人も居たと思われる。
しかし、その返信は「順次詳細確認中」という味気の無いものだったらしい。ユーザーの中にも不満を漏らす者が出てくる。
まずこの時点で普通のゲーム運営ではありえない。「調査中」と宣言して召装を取り下げるなりの処置を、文豪とアルケミスト運営はせずに、召装ガチャを売り続けたのである。その態度に不満が出るのだが、その声は悉く封殺されたのである。
何故か。
Twitterで「文アル」と検索するとサジェストに「文アル リンチ」と出てくる。
これはいついかなる場合でも運営に対して不満を漏らすユーザーを他の文アルユーザーがネットリンチをしているという事である。
主な手口としては不満を漏らすユーザーのツイートを引用RTしながら「何が悪いかわからない」「クレーマー」「要介護者」と言った罵倒を繰り返す。そして不満を漏らしたユーザーがアカウントを消去したり鍵を掛けるまで嫌がらせを続けるのである。
この嫌がらせは残念な事に 盗作されてしまったクリエーター氏にまで及んでしまった。
しかし数回にも及ぶ問い合わせにも文豪とアルケミスト運営はユーザーはおろかクリエイター氏本人にも誠意ある返信をしなかった。
その結果、クリエーター氏は裁判所を話し合いの舞台とせざるを得なくなる。 協議の為に3回も裁判所を訪れなければいけなくなった側の身を考えると他ゲームユーザーでも胃が痛くなる。
そして昨日2019/5/10
それを見てクリエーター氏も普通のユーザー諸氏も一ゲーマーの私も驚いた。
それはもう同じプラットフォームのカオスサーガの謝罪文よりも酷い文章だった。
文豪とアルケミスト運営は、文豪ゲーの名に賭けて弁護士に謝罪文の作成を依頼せずにスタッフに謝罪文を作成させたのだろうか。
むしろこれで謝っていると思える方が凄い。
そして現在のところイシイジロウ氏 も谷口晃平氏もこの件に関して全く触れていない。
この件に関して思う事は、「これが罷り通るようになったらゲーム業界本格的に終わる」だ。
この「文豪とアルケミスト」運営は過去にも様々な盗用をやらかしてきたらしい。その度に熱狂的なユーザーに庇護されてきた。
その一方で純粋に文学が好き、真っ当な倫理観を持ったユーザーは「文豪とアルケミスト」に拒否感を抱き、離れていった。離れないにせよ課金を控えるというソシャゲに取っては致命的な行動に出ざるを得なかった。
残るのはトンチキな理論でアクロバティックな擁護をする あまり運営に取って有益ではないユーザーだけ。
その結果が「ユーザーが100万人いってるらしいのにゲーム名を聞いたら眉を顰められる、課金もほとんどされないゲーム」の誕生である。
ここまで言っておいて何だが別に「文豪とアルケミスト」にさっさとサービス終了してくれとは言わない。
何故ならこの運営、スタッフ、狂信的ユーザーを箱庭のように永遠に「文豪とアルケミスト」の中に閉じ込めておいてもらいたいからだ。
この運営や狂信的ユーザーの倫理感で他のゲームや娯楽コンテンツが汚染される事が、ただただ恐ろしい。
でも付け加えるならば盗作盗用は二度とせずに、自分の好きな国内外の作家は出てほしくないし、出来れば今出ている好きな作家は取り下げてもらいたいなぁと思う。