確かに、締切破りを治せない人は、子供の頃から時間にルーズというか、計画的に物事を進められない傾向にある。夏休みの宿題という物に関しても、おそらく学校では計画表を作ってみるもののその計画表を実行することはない。だから夏休みの最終日になって、ヒーヒー涙目で、親に怒られ手伝わせ、それでも終わらないから言い訳を考えるしかない……といった悪循環に陥ってしまう。
「まー俺、ガキの頃からクズだからwww」と笑いのネタにできるならまだいいけど、本人も責任感が強いのになぜか期日ギリギリでケツに火がつかないと重い腰をあげられなくて死ぬほど悩んでる人って、そこそこ多いと思うし悩みとしても自分クズですからと笑い飛ばせない位深刻だと思う。
思い出してほしい、子供の時のことを。
夏休みの宿題という、途方もない量のものを与えられて、嫌だー!こんなに沢山あったら終わらないよー!遊べないよー!と絶望しなかっただろうか。ここまではほとんどの人が感じることだからクズでもなんでもない。(勉強が大好きで仕方ない人ならそもそも大量の宿題が苦じゃないけど、そんな人間稀中の稀だから自分がそいじゃないのにそういう人間になる努力は無駄)
ここで選択できる道は2つ。
①見なかったフリして遊ぶ。
そして、②を選べない人、つまり①になった上に本当に夏休み最終日近くまで遊んで過ごせる人には、ひとつ決まった特徴があると思う。
それは、親が怒るだけでなにもしてこないこと。だと思う。
「宿題やんなさい!!やんなかったらご飯抜きね!」とか、「あんたいつ勉強やってんの!もっとしっかりしなさい!」とか「遊んでばっかりいると馬鹿になるよ!」
なんて怒るのだけは立派なんだ。でも、だからって一時間だけでもと机に縛り付けてその時間中後ろから監視して、「ほら、もっとキリキリ手を動かしなさい!」なんてスパルタ教育を受けた覚えはあるだろうか。たぶん、ないと思う。
本来、計画性というものは元来の性格にもよるけど自発的に生まれるものではない。いつまでになにをどのくらいしたらできる、というのは「習慣」だからだ。
その「習慣」を身につけるためにはなにをすべきか教えてくれる人はいただろうか。そして、どうやったら計画を立てられるのかといったところから教えてくれた人はいただろうか。
実は、この部分に教育が必要だと感じてない親ってのが一定数いる。自分の子供に計画性がないのは子供の性格がルーズだからであって、自分のせいではない。自分はきっちりしてるのに子供はだらしないから怒ってしつけてるけどさっぱり言うこときかないし、もういいわ!って感じの親。
確かに親がきっちりしてるのはいい。でも、それは多分親の親がしっかりと計画する、そしてそれをコツコツ重ねることを教えたからであり、自分の親に感謝すべきことではあれど、自分の子供のルーズさを叱る理由にはならない。
ウチの子なーんにもしないのよ!じゃねーんだよ。あんたがなーんにも教えてないんじゃん!って私は思う。そして、それを放置された結果、計画性を身につける機会のないまま子供は大人になり、将来苦労するのだ。
さて、子供の頃から締切破り癖のある人は、そんな親に心当たりはないかな…?だったとしたら、教育が悪かった。そうじゃなかったとしても、どちらにせよ計画性を習慣として身につける機会がなかったわけなので、環境が悪かった。自分がクズだからではないということだけ理解してほしい。
でも、そこで思考を停止させたらクズはクズのままだ。具体的に対策はある。しかもとびっきり簡単な。
それは、前の宿題の例のなかの②…日割りで目標を立てて実行する、これだけだ。
たぶん、これができない人は、おおよそ3つのチェックポイントで躓いている。
③計画通りにいかないときにどう立て直したらいいかわからないから計画立て損
計画を立てられないのは、全体像を把握できてないからだ。つまり、宿題なら何がどのくらい出ていて、ページ数はこのくらい、自分が一時間で出来るのはこのくらい……と、小分類くらいまでは把握する必要がある。
つまり、計画を立てるための時間も実は仕事や宿題のうちなのだ。
適当に感覚でぶっつけ本番で日割りして終わらせられる天才型には確かに無駄な時間なんだけど、そうじゃないから締切を破るんだと自覚したほうがいい。
計画を練ることには練習が必要だし、慣れないうちは難しい。親や身近な人に頼れるんだったら一緒にやったほうがいい。(これは、協力者の意識を協力させる方向に持ってくためにも非常に重要)計画を立てるのを面倒がる、阻止してくるなど厄介な人間しか周りにいないなら恥を忍んででも「それ」を依頼してきた人間に直接相談するのがいい。(宿題だったら先生ね)「終わらせたいと思い計画を立てたのですが無理のないスケジュールでしょうか?」と聞けば誰も嫌な顔をしないはずだ。普通。もし嫌な顔されたり相談乗ってもらえないならそのことは締切破ったときに文句言っても大丈夫。だって計画の立て方わかんないんだもん。やれないよね。
なお、計画するのが面倒だという考えも、計画も宿題のうちだと考えることで解決する。むしろ、計画さえ立ててしまえばあとはその通りやればいいだけなんだから計画が一番の宿題って言ってもいいほど。そこを面倒くさがるからお前は夏休み最終日に苦しむんだ。そこんとこ理解して。
わざわざきっちり計画を立てるのは、「夏休み序盤までにはあそこまで終わってればまぁ大丈夫っしょ」なんてふわっとした計画を頭の中でたてるだけだと実現しないからだ。じゃあそのふわっとした計画はいつどのように実行するんだよ?今?今は忙しい?じゃあいつやるの?やんないでしょ?じゃあ終わらないんですね。つまり何をいつまでにやる、そして何日までにこれが終わるといった明確な筋立てはやはり必要なんですよ。
計画を立てたことのない人はなんでもいいから練習してほしい。自炊の献立表一週間分とかでもいいから。案外時間はかかるし手間もかかるしめんどくさい。でも計画さえ立ってればあとはそれやるだけだから。実行するときにやるべきことを考えなくて済むのは、やるべきことを考えてくれた自分のおかげ。自分にも自信がつく。いいことずくめなんです。
たぶん、続かないのにも2パターンある。
②不測の自体でできない
①の場合、勉強を1日4時間やって一週間で夏休みの宿題を終わらせるなんてアホみたいな計画を立ててるときだ。それでやりきれるなら確かにあとの三週間遊び放題なんだけど、だいたいの人はそもそも1日に4時間も勉強に時間割けないからやめとけって思う。四週間でやりきるなら1日一時間でいい。そのほうがずっと実現可能な目標だ。どうせ締切日は新学期初日だし、早期クリア特典があるわけではないし、そもそも1日一時間なら三週間遊び放題と大差ない。遊びの時間を減らしたくなければ一時間早く起きることで本当に簡単に解決する。毎日俺と同じ時間遊んでるアイツが試験に合格したのなんで!?って驚かれるような人がやってる方法だよね。そういう人は寝てる時間も君と一緒。その一時間を生活に組み込んでるかどうかの違いだけであって、その人だけ1日が30時間もあるわけではない。
なお、続けて習慣化するとなんでもスピードアップしてくるから、最初のころは一時間かかった内容が10分で終わるようになったりということもざらにある。そうなると時間対比でも効率の上でも出来高が6倍になるから、だまされたと思ってやってみてほしい。一時間をクオリティを上げることに使うこともできるし、50分を寝る時間に回すこともできるってこと。徳しかしてない。
②に関しては生きてる以上仕方ない。ライン生産のロボットじゃないんだから必ずどこかで目標までやりきれない日がでてくる。でも毎日不測の事態が起こってるなら、その不測の事態を「起こること」と設定した上で計画を立て直しする必要があるし、不測の事態で1分たりとも自由時間がとれないのなら、提出先に相談する(自分の環境と状況ではできないとはっきり言う)必要もある。1日2日の不測の事態なら、無理のない計画さえ立てていれば他の日ちょっと頑張れば十分挽回可能なのだ。
実行していて時間が足りない、計画が楽観的すぎたと感じることは多々ある。夏休みの宿題だって、人によっては2ヶ月かけないと終わらないものかもしれない。
もちろん早く終わらせる努力は必要だけど、自分の全力を振り絞って、無理のない計画を実行してても終わらないときは終わらない。それは決して自分の能力が低いんじゃなくて、単純に自分のキャパを越えてるのだ。そこは個人差。
宿題なら……たぶん量の問題ではなく、その部分の勉強が理解できてないとかだと思う。それはいくら自分で頑張ったって仕方ない。わからないところを飛ばして、先生やわかる人にアドバイスを求める必要がある。わからないのは恥ではない。理解できないを放棄することのほうが恥。そのために先生は存在しているのだ。
このことに注意してやることで、後天的に計画力を鍛えることは十分に可能。
自分も、親に面倒がられてそのあたりを育てられなかったくちなので、普通の人と比べて苦労した。でも、親の教育を恨んだって仕方ない。自分の人生は自分で作るもの。だからこそ、人に直接害を及ぼしかねない癖は、自分で摘み取るべきなのだ。
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