2019-01-06

技術者(もしくは技術者出身マネージャー)の殺し方

わずもなタイトル釣りです。たぶん、過去に色んな技術者メディア等で議論されてきたのではないかと思う。自身が今の職場で久しぶりに清々しいくらいに経験しているので、備忘録として状況をできるだけ冷静に書き記すものである。参考になりえるとしたら”現職の状況がヤバイんだけど、どうやって現状打破を目論見ながら最悪のシナリオを想定した逃げ道も確保するか”といったところの考え方くらいかもしれない。それ以上もそれ以下も意味はない。

背景

業界についてはあえてぼやかすが、歴史が長い業界だ。自身が参画したのははじめての業界だ。いろいろと勝手がわからないことはある。業界歴史が長いからということではないと思うが、業務フロープロセスが古臭い。逆に私達技術者活躍の伸び代がまだまだある業界でもあると言える。自社事業サービス)を持つベンチャーだ。

技術的なことを包括的担当してほしいということだった。結果的に(他にマネージャがいるのに)ただの人月計算をするおじさんになっている。ベンチャーでそういった担当者がいないのでよくあることだ。

状況

いくつか状況を記載しておく。

状況1 : 期待値コンテキスト不足、ナレッジマネージメントされていない

やり方はどうでもいいか

当初このように聞いていた。目的が達成されれば、もしくは課題解決すれば、ということだと思っていた。しかし、そうではない。

この方法以外認めない

という含みがあり、フォーマティが実はちゃんとあるしかし、そういった期待値コンテキストが不足しているという状態。そしてすべての事柄について隠しフォーマットがあり、それに準拠しなければならない。なぜならこういった背景だから。というものがしっかりある個人的ベンチャースタートアップでは抜けがちな”背景”がしっかりあるのは良いことがと思うが、後発で加入してきた人に対して明文化されていない状態もあり、自身役割としてはそういった期待値の明文化をすることも含まれるのではないかと思った。(しかし、そこにそんなにコストかけんなバカってことにもなった)

Webスタートアップベンチャー界隈ではこういった課題に関しては社内Wiki的なSaaSサービスで全員で知見を同期的に書き出して意見交換をすることでナレッジ化していくといった手法を取っているところが多い気がする。そしてその行為を”文化形成”などと表現しているところもある。しかし、業界的にはそういった文化にはないためすべてはファイルベースでの情報共有となっている。もちろん、そういった手法で十分なケースもあるのだが、一方的に送りつけておいて”これ読んでおいてください”などとして一切の背景を説明されていないのが現状な訳で、背景が不確実なまま自身想像力経験で行動してしまうと業界常識等の地雷を踏んでしまうことが多々あるのでできるだけ不確実な要素をなくしていくといったことにコストをかけることになる。

前に言ったじゃないですか

となる地雷が沢山あるやつ。スタートアップベンチャー限定したあるあるみたいだと思われるのも問題なので、一応書いておくと大手でもある。しかし、大手は割としっかり明文化している。その代りそのフォーマットを厳守することを要求されるし、従業員はその制限の中でいかに最高のパフォーマンスを出せるか?というレースになっているという印象。

これは確実に消耗戦になるやつだ。殺しにかかっている。

状況2 : 課題管理

別にWebスタートアップベンチャー界隈のやり方にこだわるつもりはないが、課題管理表を管理する工数を取る文化は色んな業界にまだ根強くあると思う。具体的な管理手法としては昨今では一般的なIssueベースなのに結局Excelでやることになる。ただのExcelではなくてWBSという形式で欲しがっているケースが多いのではないかと思う。WBSを引くということはアジャイル的な変動的なスケジュールを持つといった管理方法ではなく、割とFixされたウォーターフォール型に近い考え方がある場合にこういったことが起こりやすいのかもしれない。とは言え、何らかのプロジェクトマネージメントツールを使いたい。そしてこれも確実に消耗戦になるやつだ。殺しにかかっている。

状況3 : SPOF

とにかく割り込みタスクが全員から投げられる。(WBSで欲しがるのに)具体的な優先度や期日もない。下手すれば”何をしてほしい”といったコンテキストもない。すべては投げられた人のMy Wayで処理されることになり、ナレッジマネージメントおざなりになっているような状況ではスーパー属人化する。こういった状況は”投げられる人が投げる相手がいないからPlaying Manager化していること”が原因でも起こる。人事計画次第では解決できる可能性のある問題ではある。しかし、そういった見通しがない場合しんどい。これも確実に消耗戦になるやつだ。殺しにかかっている。

まとめ : 確実性と不確実性に切り分け

自身としては”確実性”のある部分については"可能な限り確実に"しておきたい。それは具体的にいうと"今見えてる課題で緊急度が高いもの"の対応だ。これは"確実に飛び越えられるハードル"という意味ではなく、"確実に解決しなければならない課題"という意味だ。もちろん、そういった課題がなぜ緊急性が高いのか?というコンテキスト説明についてはコストをかけて説明しなくてはならない。地道ではあるが方法はそれしかない。しかし、そういったことを経験しておくと”自分言葉でわかりやす説明する”といったスキルがつく。そういったスキルが欲しい方にはおすすめする。また、確実に処理したことでかつて不確実だったものの具体性があがることもある。もっと理想を言えば不確実なものの具体性を上げるためにどう確実化していくか?というスケジュールの引き方をしても良いと思う。

問題メンバーそれぞれのスペシャリティ、経歴、興味、個性がまだわからないことを前提にした説明必要で”相手が何からからないのか?”がわからない状態だ、色んな補足情報ゼロから入れながら説明すると物凄いコストになる。かといってあまり上から目線でモノを言ってしまうと後のチームビルディングにおける心理的安全性にも影響するため、嫌がらずできるだけニコニコしながら説明するしかない。これは一種の”信頼貯金”に将来つながってくるものだと思う。

しかし、何事も限度はある。それを自身で見極めないと確実に消耗戦は始まる。殺しにかかってくるのだ。

今後

さて、正直困っている。というか疲れている。

ライフスタイルへの影響度

忙殺されてしまったりするとどうしても以前のライフスタイルや状況と比較することすらできずにいることがある。気をつけたい。ある人は独身かもしれないし、ある人は配偶者子どもいて育児家事などのタスクを抱えているかもしれない。自身は家庭の事情もあり家庭運用タスクももっているライフスタイルなので、ワークがライフ侵入してくると大きな問題として認識する。実際に今、そういった状況が起こっている。(もちろん、それなりの待遇場合家庭内で調整して検討しても良いとは思うがあくま運用可能状態であることは前提である

そういった判断ができにくい状況にあるということを一度立ち止まって認識するということが大事だ。さもなくば遠慮なく消耗戦に持ち込まれ、殺しにかかってくるのだ。

定時内のパフォーマンスで測る

実際、定時外(邪魔の入らない時間)でのパフォーマンスに大きく依存する状況が続いている。死にたい体調不良等でリモート勤務にしたときの捗り具合がヤバイ(笑)しかし、本来、定時内のパフォーマンス自身の力量や限界を測るべきだ。そして無理なことは無理という勇気を持つことも大切だ(自戒)。

https://youtu.be/0sEM3UKuRw4?t=28

あれもこれも含めてオンボーディングコストと見れる可能

完全に気力・体力との勝負ではあるという前提ではあるが、少し粘ることで状況が外的要因等により改善したりすることもある。内的要因であることが理想的ではあるのだが…そこは自身の気力・体力と相談して”いつまでこの船に乗るか?”を決めていくべきだろう。自身でその状況を変えたい!と思うモチベーティブな人間はその限りではないが、その状態でいられる状況とそうではない状況もあるということは言っておきたい。

代表と合わない

多くのベンチャー場合代表哲学経営方針事業方針に深く影響しているというか、そのまんまそれが方針になっている。そして多くの求職者はその”綺麗な上澄みだけを抽出した部分"だけを読んで共感して入社することになる。しかし、入社してみると違うと感じることもある。感じるだけじゃなくて、実際に言っていることから違うこともあるだろう。しかし、それが会社だ。と最近思える程度に大人になった。

それって理念に反してませんか?

みたいなことを言えるなら良いと思うが、言えないならそれはすでに消耗戦の始まりであり、いつでも殺しにかかってこれるヤツだ。

自分が楽しめているか

正常な判断が困難な場合、こういった指標評価することにはなる。自身仕事が好きな方ではあるので割と参考にする。そして、楽しめていない。もちろん、苦しいときもあることは承知の上だが、この状況を具体的に変えていくモチベーションも沸かないのでそれに輪をかけている。これは確実に殺しにかかっている。

まとめ

現実問題として不確実的で抽象度の高いタスクを集中砲火されてしまい、自分優先順位を決めにくい状態が起こっている。自分の手に余る程度であれば良いが(多少の無理なら許容する)、確実にこのままでは消耗してしまうことは目に見えているので、年末年始や週末を利用して(週末は邪魔割り込みが入らないか作業やすいという悪循環にもなっている)自分なりの"働きやすさ"を作ろうと必死だ。しかし、それが自身限界を超える前に構築できなかった場合、最悪倒れる。その前に転職も見据えた行動を取るべきだろう。ということで行動するしかないので行動している。

おかげさまで既に数社からリファラルで引き合いがある。しかし、こういった状態であることもご存知なため(笑)、あまり良い状況(良い印象を与えることができる状況)とは言えない。迎え入れる側も気力・体力が満たされた状態の人に来てほしいに決まっている。しかし、命辛辛逃げようとしている脱北者みたいな人たちにはそういった余裕がない。それとそういった状況において転職先を正常に判断できない可能性もある。また同じ状況になりやすい。気をつけたい。というか面談ときに”他に聞きたいことはありますか?”というところで聞く質問はそこだと思う。

全てはここに帰するのではないかと思う。

期待値を明文化しろ

さて、生き残れっかな(CV : 野沢雅子

  • とても見やすい けどこういう表示ってどうやればいいんだろう 増田だしめんどくさくないか?

    • ここはヤフー知恵遅れではない。 右上にある増田のヘルプを見ろ。 増田の書き方が説明してある。

  • うんち

  • Wikiで社内FAQを作るのは常識。 業務の標準化=マニュアルを関係者全員で作れるから。 やってないのは経営者がバカだから。 ブラック企業の判定基準の一つ。 自分でWikiを用意して全員...

  • くそベンチャーあるあるってやつ。いやベンチャーじゃなくてもあるからクソブラックあるあるなのか。

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