はてなキーワード: 見栄を張るとは
発達障害や自閉症などの精神疾患、そして引きこもりなども、世間一般的には男の方が女よりも数は多いことになっている。
それは統計に出てこなかった「暗数」があるだけの話であり、実際には男女の比率は同じなのではないか。
なぜ男と女の発達障害や自閉症などの統計で差が出てきてしまうのか考えてみた。
男の発達障害や自閉症などは世間に対して公にしても、特に何も言われないので、当事者の親たちは普通に自分の子供を学校に通わせたりしている。
女のイレギュラーは「世間に出してはいけないもの」と見なされる傾向があり、親は自分の娘の存在そのものをひた隠しにしてしまう場合が多くなるのだ。
なので、引きこもりや発達障害、自閉症の男は数が多く、女のそれは数が少ないような錯覚に陥るわけである。
生涯未婚率の統計でも、なぜか女よりも男の方が多くなっている理由も、これで説明できるのではないか。男は統計調査に対して正直に回答するが、女は未婚であっても結婚しているとか見栄を張るのだ。
「いや、俺もよく知らない」
となると、母さんか父さんの知り合いか。
「ねえねえ、誰が結婚するの」
「ノムさんだと聞いたが、よくは知らないなあ」
「私も知らない」
どういうことだ。
「じゃあ、一体どういう経緯で俺たちは招待されたんだ」
おかしいな、さっき俺が聞いたときは「知らない」って言っていたのに。
兄貴はなんだかバツが悪そうで、最初から目があっていなかったかのようにそっぽを向いた。
「結婚披露宴ってな、すごく金がかかるんだぜ。そんなことしなくても結婚は出来るにも関わらずだ」
「その話が、俺の疑問とどう関係あるの?」
「まあ聞け。で、なんで結婚式なんてするかっていう理由についてだ」
「うーん……『私たちは結婚しまーす』っていうのを知り合いの人たちに見てもらうため、とか?」
「まあ一口には言えないが、有り体にいえば見栄を張るためのものってところだろうな。そして見栄を張るのには金がいるってことさ」
そこまでして見栄って張りたいものなのか。
……けど、依然話は見えてこない。
「その見栄のために俺たちまで招待されたってこと?」
「そういうことになるな」
「違う違う。俺たちは、あくまで当事者が見栄を張るためのエキ……おっと」
突拍子もなく、全く関係のないことを囁いてくる。
いつも通りの仏頂面なのに、声だけは不自然に優しいトーンでキモい。
「となるとゲームソフトも必要だ。やりたいのがたくさんあることだろう。今は多くなくても、これからドンドン増えてくる。時は待ってくれない。お前の小遣いだけで賄うのは大変だ」
兄貴はそう言いながら、おもむろに財布を取り出す。
「ましてや近年は娯楽も多様化している。ゲームだけでは子供の飽くなき欲求は満たされないだろう?」
財布から抜き出した一枚の紙。
そのデザインに俺の目は釘付けだ。
「この世には金で買えない物も勿論ある。だが金で買えるものの方が圧倒的に多いのも事実だ」
「余剰な金ってのは必要なものじゃないかもしれない。だが便利なものではある。そして便利なものに依存するのは人間の本質だ」
つまり、これ以上は詮索するなって言いたいようだ。
俺は喜んで騙されることにした。
無言で、小さく頷いて見せる。
「釣りはいらない。たまには兄の貫禄を弟に見せつけてやらないとな」
「オッケー! 兄貴は見栄を張ったってことだね。俺はそう解釈することにするよ」
「お前のような賢い弟をもって誇り高い」
兄貴の表情は変わらないが、その声の調子からホッとしているのが分かった。
「それにしても太っ腹だね。兄貴は財布の紐が固い人だと思ってたけど」
「なあに、安いもんだ」
サクラ「何だ、悟ったみたいなことを言いやがって」
カナコ「私たちの年齢でそういうこと言うと、ただイタイだけだよね」
サクラ「友達なんだから、もう少し優しい言葉でツッコんでやれよ」
カナコ「えー、じゃあもう少し女子高生っぽい、無意義な話に時間を費やそうよ」
サクラ「そうだ。もっと年頃の女子特有のフワッフワした感じの話を」
スミレ「だったら、そもそも最初の議題の時点で破綻していると思うんですけど」
スミレ「私たち、そういうの着たいと思うようなタイプじゃないですからね」
カナコ「でも……何かわからないけど、これじゃ駄目な気がする」
サクラ「何だよそれ」
サクラ「うげえ……」
スミレ「カナコさんが言いたいのは、エンターテイメントにおいて飾りっけなしの日常をそのまま切り取ることに『何か』は含まれていない、と」
サクラ「ほんとかよ」
カナコ「まあ分かるよ。私たち見目麗しい女子高生が日常を謳歌すること自体が、エンターテイメントとして成立するからね」
サクラ「お前のその、自分と女子高生に対する評価の高さは一体」
カナコ「分かった分かった。サクラのように取り留めもない会話のボケにすら、常に全力で、大声でリアクションしよう」
カナコ「ね?」
スミレ「なるほど。でも私にこれを真似しろってのは色んな意味で酷だと思うんですけど」
サクラ「遠まわしにディスってない?」
カナコ「ちょ……今は普通に会話していきたいから、いちいちツッコミしてくるのやめて」
スミレ「自分の役割を全うしようとする心意気は買いますが、もうちょっと弁えましょう、サクラ」
サクラ「この場は従うけど、別に自分の役割を意識してツッコミしているわけじゃないからね?」
カナコ「ね?」
スミレ「なるほど。こういう我を出しつつも、ちゃんとその場に順応しようとするスタイルを見習え、と」
サクラ「私が反応に困るスミレの分析力と、カナコの解釈力のエグさ」
カナコ「そしてボキャブラリがそこまでないけど、その上で表現に工夫を凝らそうとするサクラの努力」
サクラ「え、何この意味不明な趣旨の誉め合い。またちょっとディスり入ってるし」