2024-03-20

原口沙輔「イガク」ってモロに医療デマ皮肉る歌だよね。

誰も明言しようとしないからここに書き散らしとくけど。


https://www.youtube.com/watch?v=F38EuG2dAyM


そもそもこの曲、タイトルが「イガク=医学」で歌い出しが「ドクターキドリ=医者気取り」なんだからそれ以外にどう読み解けって話なんだけどな。

たぶんヘビロテしてる奴らはみんな気付いてる。気づいた上で誰も言ってないんだろう。そりゃこんなセンシティブな話その辺でできるわけねえもんな。分かる分かる。


勿論それ以外とのダブルミーニングもあるんだろうが、それは一旦置いといて。

ここらで一回「医療デマ、ひいては陰謀論全般風刺する歌」として「イガク」の歌詞解釈してみようと思う。


勘違いしないでほしいのは、これって別に他の解釈否定したいわけじゃない。

というかむしろ全然違う解釈を聞きたいんだよな。だから「こっちの解釈のほうがいい」とかあったらどんどん言及してほしい。


以下、本編。



ドクターキドリです 愛・爆破ッテロ

先にも書いたが「ドクターキドリ」とは「医者気取り」つまりデマ屋のこと。

「愛・爆破ッテロ」は「あいばくはってろ→あいはくばってろ→愛は配ってろ」じゃねえかな。

ここで言う「愛」は寄り添いとか共感とかそういう類のこと。嘆きに寄り添い優しい言葉をかけるのは詐欺師常套手段だ。


簡単になれば 埋まった マター マター

簡単になる」のは単純化するから。わざと間違った方向に単純化させてだまくらかすのもデマ屋の手法

「マター」は事例の「matter」であり再びの「また」だと考えると

「今回の事例もまた、単純化すれば埋もれていった」となる。

たぶん、「ドクターキドリ」の理論に疑問を持った奴がいたんだろう。

それを「ドクターキドリ」が単純化詐術でだまくらかして、デマの山の中に埋もれさせた。

そういう流れがなんとなく見えてくる。


ドクターキドリです 愛想良いか

「愛想良い」のは詐欺師重要資質の1つだ。


朦朧 オオトも 埋めた メタ メタ

前半は流石に分からん

メタ」ってのは俯瞰とか高次とかの意味

「埋めた、メタ」ってことは「客観視点を見えなくした」かな。

自身客観視させないことが陰謀論へ嵌めるコツらしい。


何処にも無いから寝ていたら
壊れて泣いてるユメを診たんだよ
次期には
嘘に診えてクルゥ

ここ、映像では一見リズムを取ってる」ように見えるけど、個人的には違うんじゃないかと思う。

「次期には嘘に診えてクルゥ」つまり「じきに嘘に見えてくる/狂う」で物を投げている=物に当たってること、それと異常な速度でスタンピングしているのを見るに、あれは苛立ちのメタファーなんじゃないだろうか。

そうすれば前半の意味も読み解ける。

「ユメ」とは睡眠時の夢じゃなくて将来の夢。

未来展望か今のやりたいことかできる仕事か……とにかく何か大事ものが今はもう「何処にも無いから寝ていた」ら、「将来の夢が壊れてしまったので泣いている子供の頃の自分」が見えた』。

「じきに(現実が)嘘に見えてくる/狂う」──つまり、「デマ陰謀論にハマる人間」の、典型的パーソナリティである


カオが→鈍器になっちゃうヨ

「顔」とはシンボルであり旗印のこと。顔役や作品の顔なんて表現はよく聞くと思う。或いは誰かのプロフィールアイコンのことかもしれない。

SNSで「鈍器」と言えば叩き棒のこと。「ポリコレ棒」のような、「他人批判非難するのに便利な思想理論」を指す。

作品事件他人思想を振りかざして誰かを非難しようとするやつ、割とよくいるよな。


偽が→権利を取ったんだ

ニセ科学医療デマ市町村政治マンション自治会ルールに入り込む、なんてのは最近よく聞く話だ。


無くなってほしい煩悩
ウヤラ生き延びてしまった
生き延びてしまったんだ!!

自分の受けている評価が不当に低い」「もっとお金をかければもっと良い治療が受けられるはずだ」といった「煩悩」を社会から排除しきれず(=生き延びてしまった)、結果それらが陰謀論医療デマの温床になった。


足が→タガメなっちゃうヨ

なるわけないやろがい……!

と、普通なら思ってしまうようなことを上手く騙して信じさせてしまうのが詐欺師の恐ろしいところ。


嘘が→動機になったんだ

デマ陰謀論(=「嘘」)を信じた人は自身の行動指針を変える。


疑ってほしい本能
ウヤ本心だと思った
本心だと思ったんだ!!

直感(本能)的には正しくないように見えることでも科学的には実は正しかったりする。疑うべきだった直感的な視点デマ陰謀論肯定してしまった。


クチョォ

韓国語で「そうでしょ?」の意味、という説を見かけたのでそれを採用


「彼は夢破れて希望もなくして現実を全部嘘だと思いたくなった。だからドクターキドリ」になって今日デマを吐いている。でしょ?」

というのが前半の歌詞なんだろう。


ドクターキドリです 全部辞めろよ

ここに来て「ドクターキドリ」に否定的な言葉が出てくる。

良くも悪くも客観的というか「ドクターキドリ」に近い視点だった前半から、ここから視点が交代しているように見える。


ティチュードが
動物に届く猛毒

ティチュード=態度。

動物(を現実にも求めるような騙されやす人種)には、詐欺師の人の良さそうな態度はまさしく「猛毒」だろう。

ここで「猛毒」なんて強い言葉が出てくるところも、視点の変化を感じるところだ。


損得の得の方ダケ
回った 割った 割った

メリットデメリット、利点と欠点の前者のみを(触れ)回った、までは読み解けた。

「割った」は割れ厨(正規料金を払わないフリーライダー)のことなのか孤立者(立場が「割れ」て無くなった人)のことなのかそれ以外なのか、いまいち判断がつかない。


カオが→鈍器になっちゃうヨ
偽が→権利を取ったんだ
無くなってほしい煩悩
ウヤラ生き延びてしまった
生き延びてしまったんだ!!

繰り返し部分


音が→機能になってしま

音楽芸術ではなく、主張のための道具になってしまう、という意味だと思う。

嘆かわしいことだけど、創作者が身を崩して陰謀論に染まるのは定期的に発生する悲劇の1つだ。


人が→偽りに集まる

ここからの一節は他にもまして直接的だ。

ここは「人々は陰謀論に惹かれる」ぐらいの理解で十分だろう。


塞がってしまえよ耳
ウヤラ届いて居ない診たい
届いて居ない診たいネ゛

「『耳を塞げ=あいつらの言うことを信じるんじゃない』という家族や友人の言葉も、どうやら届いていないようだ」


クチョォ

「そうでしょ?」



マニア考察記事で「(この曲は)とても論理的歌詞が作られている」と言っている方がいたが、確かにこうして読み込んでみると納得感がある。

……ところで、氏はこの次にどのようなアングラ題材を持ってくるのだろうか。正直、既に怖いのだが。

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