そのまま書くと先日の場にいた人に身バレするかもしれないからフェイク込…いやフェイク入れたけど知ってる人には内容でバレバレだわ。
俺は幼少から、ある奴に極端に避けられていた(よくある菌扱い)のだが、自分はそいつと同じクラスにもなったことないし接点もなく無視していた。
だが不幸にも進級後2度もそいつと同じクラスになったばかりに。
そういうのって悲しいが波及するもので、そのせいで俺は他の連中にもばい菌のように避けられるようになっていった。
それまで普通に接していた友達にも異性にも、だんだん避けられるようになった。
そういうわけでそいつと同じクラスになることがなければおそらく自分の3年間の学生生活は暗澹とせずもう少し華やかだったはずなので、俺は一生そいつの不幸を願ってやまない
…というのは本筋から外れるので置いておくが。
そんな自分にも年相応の恋があった。
その菌扱い生活の始まりのクラスで、夏頃隣の席に座っていた美少女。
Kというその子は色白で低身長で、顔立ちも可愛らしく自分のすごい好みだった。(ちなみにこの一文に一切のフェイクはないw)
とある趣味本で男子同士盛り上がっているところに乱入してきたKは、一緒に盛り上がっては俺に密着してくるのだ。
流石に多感なお年頃…というよりは俺も元から惚れっぽいタイプ。
進級前から想いを寄せていた(なんなら一時は両想いの傾向すらあった)女子に冷たくされるようになって傷心気味だったのもあって、Kに心惹かれていくのは早かった。
やむなく家に帰っては、好きなKの話を家族にしていた。
そんな折、保護者会にて。
俺の親はあろうことか、俺が家で好きな子の話ばかりするんだと言ったらしい。
俺がKを好きだと知る担任が「ああ、それって隣の席の子ですよね」とさらに付け加えたらしい。
俺の後ろの席に座っていた同班の幼馴染の母(保護者会は子の席に座って行われていた)が、「それってKちゃんじゃないですか〜!」とさらに重ねてきたそうだからそらもう大変ですわ。
(この一連の流れはその日のうちに母から聞いた)
翌日、Kには
「あのさ!家でさ!隣の子どう思ってるの!?とかさ!言われたんだけどさ!」と微妙な表情で言われ気まずい。
いやもう冒頭で話したばい菌奴のせいで、ただでさえ異性には避けられがちなのにこれ詰んでますやん…死ゾ
そのすぐ後に席替えがあったのもあり、俺とKはあまり関わらなくなり、程なくしてKは俺の幼馴染のひとりと仲良くなりだした。
そして俺とKは、その先一切絡むこともなく卒業した。
3年でまた同じクラスになったのに(ばい菌扱いが浸透しきったのもあってか)一切話した覚えがない。なんなら3年時に同じクラスだったことすら俺は覚えていなかった。
関わらなくなっても顔は好みだったはずなのに。
3年の記憶はそんなボロボロ状態でさえ、今でも鮮明に思い出せる程度にその1年の頃の俺のKに関するほろ苦い恋の想い出は印象深く大切なものだった。それが事実。
後述する、2年以降の「気になった相手」というのは、こういう【恋】の関係ではなく、「話したことないけど話してみたい」「隣の席のあいつかわいいなー良い奴だなー」程度。
近頃、同窓会が行われるという運びがあった。
当時気になっていた女子とかは来るのだろうか…と参加表をひと通り見たが、進級前にちょっといい関係だった女も、3年のとき気にかけていた2名ほどの女子もおらず、Kもいなかった。(余談だが2年のときに気になっていたIは参加)
俺は既婚なので特に好きだった子に会ったからどうということはないけど、やっぱり当時の好きだった思い出とかをネタに話したいところとかあるだろ?ᴡない?ᴡ
話は一気に飛ぶ。
その同窓会が恙無く終わった。
二次会に参加するかは非常に迷った。何しろ俺は当時ばい菌扱いだったからな。
最初は参加しないと意思表明していたが、明るかった時代の俺を知る進級前の友達らも行こうと声をかけてくれたし、当時はいい関係ではなかった連中もみんな大人になるとそういう間柄じゃなくなるもんで、仲良さげに振る舞ってくるもんだ。
当時俺自身ヲタク趣味しか興味がなく身なりもあまり気にせず、陰の気全開だった学生時代とまた印象が変わったのもあるのかもしれないが。
せっかくの機会だと思って迷った末に参加を決めた。
余談だが2次会の箱への移動中に、I(2年のときに気になってた女)が話しかけてきた。
前回の同窓会でIにはちょっとやらかされたので、覚えてて気まずく思ってたりしたら可哀想かな…そもそも酔って何も覚えてないかもしれない、と思って同窓会では近寄らなかったのだが、その時のことはよく覚えていて謝りたいのだと言ってきた。
気にしていないということと、彼女が気に病まないようにさりげないフォローを入れておいた。
2次会の途中、顔を見ても誰だかわからない女が来た。
俺達の座る座席とは違うエリアに来たので絡みにいけなかったが、「あれ誰?」みたいにはこちらの席でも話題になっていた。
やがてそれがKだったと耳に入ったので、俺はぜひ話してみたいと思った。
折を見つけて近づいた。
幹事の一人「あ、○○(俺)来たよ!」
K「○○?『あのイケメン誰?』って聞いたら○○って言われてたところだったんだよ」
うーん見れば見るほどわからん。まじでだれだこいつは。
Kを名乗る他人だとしてもなんの違和感もないくらい面影が微塵もない。
他の人って誰見ても何かしらの面影あったんだよ。男子も女子も。
Kだけには本当になかった。
当時の俺に「将来のKはこんな姿」って教えたらあまりの違いに卒倒すると思う。むしろ信じてくれるわけがないと思う。
いや俺は人の顔に好みはあれどそんなこだわらないので別に顔が違いすぎて無理とかそういうあれではないんだけど、なんだろう、なんでよりによってKだけこんな誰だかわからない人になったんだろうていうのが不思議で。
かといって別に話したかった気持ちが萎えたとかじゃなく、Kとは純粋に話したかった気持ちに変わりはない。
ただその場では周りとの会話もあり、Kとは直接あまり話せなかった。
二次会も閉会し、一本締めをしたところでKからそっと声をかけられた。
「二人で抜けない?」お約束のやつ。
俺もKとゆっくり話したかったから、二つ返事で夜の街へ姿を消した。
繁華街を二人で歩く。
話をするがほとんど俺の嫁との馴れ初めみたいな話を胡乱に話してた。そしてKもあまり聞いてなかったᴡ
結論だけ言えば、KはKであの夏の日々のことを今も引きずっているようだった。
俺の中でも大切な思い出をKが忘れていなかった、それは単純に嬉しいことだった。
親御さんに何度も何度も「(俺の)隣の席の子はあんたなの!?本当に!?」と聞かれた話もしていた。
Kは当時の思い出についてそう言ったあと、長く続いた最後の彼氏との顛末を話し、そこで別れてから独りなんだと語った。
選択を間違えた、と度々言っていた。
昔の俺のことも、元彼のことも。
ところで俺は覚えていなかったんだが、
うちの学校には好きな子の身の回り品を卒業式にもらいに行くという風習があった。
俺は進級前に両想いぽかった奴(こいつには断られたかもしれない)、3年のとき気になってたクラスの2人、の計3人に直にもらいに行った覚えはあるんだが、なんとKの持ち物も後輩を通してもらいに行ってた、とここでKに聞かされた。
不幸にもこちらには全くそんな記憶がないんだが…(しかも俺がわざわざ後輩を通すとは考えにくいので捏造話では?と半分疑っているᴡ)
この話が事実なら、俺は1年の夏のあの日々以降なんの交流もなく卒業していったと思っていたが、実は最後の交流がここにあったといえる。
ひとしきり話して
「でも○○今幸せなんだね、よかった」
と少し寂しそうな顔で言ってくれた。
俺は何も言えなかった。
俺が未だに独り身だったら、幸せでなかったら、あれこれKが俺にアプローチしてきて、Kとのゴールインとかもあったのかもしれない。
それに準じることをK自身が言っていた。
あの懐かしいひと夏の思い出をKも大事に思ってくれていたのは本当に嬉しかったし、何かの歯車がずれていたらここから始まった二人の人生もあったのかもしれん。
K、直接言わなくてごめん。
でも変な気になってもお互いつらいと思うからあえて言えなかった。
その後3次会やってるというグループライン(写真)が届いたので、ある程度お互い言いたいことが言えたのもあり、2人で3次会場に移動した。
Kとふたりで、あんな短い時間の間にいろいろな話をして俺の情緒がグチャグチャにとっ散らかったのでどうしてもどこかに吐露したかった。
どうかKの未来に幸あらんことを。
俺の好きだったK。
めちゃくちゃ余談の余談だが、Kを2次会に呼んだのはKと交流のあったI(ともう一人の女)だった。
Ah So